【CES 2019】

IoTで内容を切替、次世代クレジットカードをソフトバンクなどが展示

 「CES 2019」においてソフトバンクグループのSB C&Sは、提携先となるDynamicsのブースに、同社が取り扱うIoT製品を展示した。10月に発表した「次世代クレジットカード」がそれだ。

通信機能を備えた次世代クレジットカード

 Dynamicsは、米ペンシルバニア州ピッツバーグに拠点を構えるFintech関連企業。SB C&Sとソフトバンク、Dynamicsは包括的協業に合意しており、2019年以降の日本展開も予定する。SB C&Sは企画、マーケティング、販売を担当する。

 中でも目玉になるのが、通信機能を持たせたクレジットカードだ。電子ペーパーのディスプレイを備え、書き込まれた情報をボタンで変更することができる。

 複数のクレジットカードを登録しておいて、利用時に切り替えることができ、磁気ストライプとICチップ、NFCのデータもそれに合わせたものに変更される。クレジットカードとキャッシュカードを切り替えたり、電子ペーパー部分にQRコードを表示させ、決済に利用することも可能。通信機能を活かし、利用額の合計や残高などの情報も表示できる。紛失時には、通信経由で情報を消去することも可能だ。

クレジットカードやキャッシュカードなど、複数のカード情報を収納できるほか、利用額や残高、QRコードなどの情報も表示できる

 ただし、このクレジットカードはユーザーに直接販売されるわけではなく、ビジネスモデルはB2B2Cになる。SB C&Sが銀行やクレジットカード会社に納入し、カード会社と契約したユーザーに届けられる仕組みだ。通信はソフトバンクが担当する。通信機能の詳細は明かせないというが、「携帯電話の回線を使う」ということから、NB-IoTのような、IoT向けの省電力通信に対応しているとみられる。

 バッテリーも、日々の使用で自動的に充電されるという。こちらも詳細な仕様は開示できないとのことだったが、技術的には、リーダ/ライターと通信を行う際の電力で充電される可能性が高そうだ。

 次世代クレジットカードは、ほかにも2つの種類がある。1つが、パスコードを入力できるもの。カードに5つのボタンが搭載され、正しいパスコードを打った段階で、クレジットカード番号が表示され、磁気ストライプやICチップ、NFCが利用可能になる。

パスコードを打つまで、クレジットカード番号が表示されず、利用もできない

 もう1つが、機能切り替えボタンがついたもの。クレジットカードとポイントカード、クレジットカードと電子マネーなど、複数の機能をボタンで切り替えることができる。こちらのカードにはディスプレイが搭載されていない。Dynamicsの担当者によると、すでにインドやカナダに導入されているという。

カードのボタンを押すことで、決済方法を切り替えたり、分割払いの設定ができる

 インドのInduslnd Bankのカードは、マスターカードとポイントカードの切り替えができるほか、分割払いボタンも用意。このボタンを押すと、店頭で一括払いにして支払っても、自動であらかじめ指定した回数の分割払いが適用されるという。