【CES 2018】

ソニー、Xperia初の前面デュアルカメラ「Xperia XA2 Ultra」など発表

 ソニーは1月8日(現地時間)、CES2018に先立ち、米ラスベガスにてプレスカンファレンスを開催した。同イベントにあわせ、ソニーモバイルからは、Xperiaのミドルレンジモデルが3機種発表された。CESのソニーブースには、このうち2機種が展示されている。

 新たに発表されたのは、「Xperia XA2」「Xperia XA2 Ultra」「Xperia L2」の3モデル。このうち、CESにはXperia L2を除く2機種が出品された。フラッグシップモデルのXperia XZ1シリーズとは異なり、機能を抑えながら、コストパフォーマンスを追求したシリーズという位置づけだ。一部の機種は、セルフィー用のカメラ性能が「Xperia XZ1 Compact」と同等以上など、ハイエンドゆずりの特徴も持つ。

CESに出展されていた「Xperia XA2」(左)と「Xperia XA2 Ultra」(右)の2機種
「Xperia L2」は、プレスリリースのみという扱いになった

 “Xperia初”のデュアルカメラモデルとなるのが、Xperia XA2 Ultra。ただし、2つのカメラが搭載されているのは、背面ではなく、前面(インカメラ)になる。セルフィー時に、標準と広角を切り替えられるというのが、デュアルカメラの効果だ。片方は120度の広角撮影が可能な、8メガピクセルカメラ。もう一方は、画質を高めた12メガピクセルカメラとなり、こちらは光学式の手ぶれ補正にも対応する。ソニーモバイルによると、光の少ない暗所などで使うことを想定しているといい、前面にはセルフィー用のフラッシュも搭載される。

Xperia XA2 Ultraは、6インチディスプレイを搭載する大型のスマートフォン
前面に2つのカメラとセルフィー用のフラッシュを搭載する
広角と標準画角を、ボタン1つで切り替えられる。標準画角の方が、手ぶれ補正に対応するなど、画質が高い
指紋センサーは、背面に移った

 これまで、電源キーと一体となる形で側面に搭載されていた指紋センサーは、背面のメインカメラ下に移った。手に取ったとき、人差し指が自然に当たる位置にあり、スムーズにロックが解除できそうだ(なお、展示機では画面ロック機能が制限されていたため、精度などまでは試すことができなかった)。背面の指紋センサーは3モデル共通。2018年のフラッグシップモデルにも、この特徴が継承されるのかは注目しておきたいポイントといえる。

 “Ultra”と銘打ってはいるが、ディスプレイは6インチ、フルHDと大型のスマートフォンで、かつて日本でも販売されていた「Xperia Z Ultra」のように、タブレットに近いサイズ感ではない。持ち方には工夫が必要だが、手の大きな人であれば、片手でも操作することはできそうだ。片手操作用に、画面全体を縮小したり、画面の一部の幅を寄せたりする機能も搭載されている。

ディスプレイ全体を小さくする、片手モードを搭載

 チップセットは、ミドルレンジ上位のモデル向けに開発されたSnapdragon 630を採用。3580mAhのバッテリーを搭載し、一部市場向けには、デュアルSIMモデルも用意されるという。

 対するXperia XA2は、5.2インチのスマートフォン。Xperia XA2 Ultraと同様、左右のベゼルが細く、ディスプレイがいっぱいまで広がっているため、手に取ったときの収まりがいい。ディスプレイ以外のスペックは共通点も多く、チップセットにはSnapdragon 630を採用。指紋センサーも背面に搭載されている。ただし、Xperia XA2は、フロントカメラがシングル仕様で、120度の広角撮影に対応する8メガピクセルのカメラとなる。

手のひらに収まるサイズ感のXperia XA2

 セルフィー時には、標準画角と広角画角を切り替えることができるが、ソニーモバイルによると、これはソフトウェア処理で実現しているといい、ハードウェアを使うXperia XA2 Ultraとは仕組みが異なる。既存のモデルでいうと、Xperia XZ1 Compactと同じ仕様だ。背面のカメラは23メガピクセルで、4K動画撮影などにも対応する。

セルフィー時に画角の切り替えはできるが、これはソフトウェア処理によるものだ
指紋センサーは背面に搭載される

 CESには出展されていなかったが、2機種と同時に、Xperia L2も発表されている。こちらのモデルは5.5インチだが、解像度が720pのHDと低く、Xperia XA2やXperia XA2 Ultraよりも廉価なモデルになりそうだ。背面のカメラも13メガピクセルと、2機種より低い。

現時点では、日本語キーボードは非搭載

 なお、いずれのモデルも、日本での発売は未定。CESの会場に展示されいた端末には、日本語用のキーボードがプリインストールされておらず、海外向けといった色合いが強い端末だった。一方で、スペックを見ると、MVNO向けに販売されているSIMフリーモデルの売れ筋と近く、ミドルレンジモデルはMVNOだけでなく、大手キャリアもラインナップを拡充している。仮に発売されれば、こうしたニーズにマッチする可能性はありそうだ。

 1月8日に開催されたプレスカンファレンスでは、ソニーの社長兼CEO、平井一夫氏が登壇。ユーザーの“ラストワンインチ”まで迫れる製品を通じて、「感動」を届けたいという、同社の理念を語りつつ、CESに合わせた新製品を発表した。ただし、今回発表された新機種3モデルについては、発表会では言及されていない。Xperiaに関しては、2017年の実績として、フラッグシップモデルのXperia XZ1や、それに搭載されるMotion Eyeカメラの性能などが披露されている。

Xperia XZ1の実績を紹介する、ソニーの平井社長