【CEATEC JAPAN 2009】
ドコモ、ヒノキボディ採用の「TOUCH WOOD」を初公開


TOUCH WOOD

 NTTドコモは、端末ボディに木材を利用した携帯電話試作機「TOUCH WOOD」を初披露した。端末は手に触れることが可能で、多くの来場者で賑わっていた。

 「TOUCH WOOD」は、四万十原産のヒノキを圧縮加工し、塗装などの後処理を行うことなく携帯電話のボディに採用した携帯電話試作機。デザインモックとシャープ製FOMA端末「SH-04A」をベースとしたモデルが用意された。

 木材の圧縮技術はオリンパスの技術となり、同社は過去にデジタルカメラの試作モデルとして同技術を披露したことがある。今回のTOUCH WOODでは、ヒノキの国産間伐材を採用している。加工の工程は、まずヒノキ製材を端末デザインに沿って削りだし、これを金型で挟み込み、高圧縮の高温水蒸気で木を軟らかくしてから圧縮をかける。さらに表面に熱処理を加えることで、成形が完成する。圧縮処理の工程で木材に含まれる油脂が取り除かれるほか、木の樹液などの成分によって、表面に光沢感も生まれる。

 端末を手にしてみると、木材とは思えないツルツルとした手触りで、後処理なしとは思えないほどつややかな印象だ。ボディの柄は、樹液の含有量や木目などによって全て違う表情になるという。

 ブースの説明員によれば、ヒノキは元々耐久性のある木材で、最古の木造建築と言われる奈良の法隆寺でもヒノキが使われているそうだ。ヒノキの樹液には、ヒノキチオールという防虫・防菌成分が含まれており、高密度圧縮で耐久性と耐水性、防虫/防かび性を実現させているとのこと。

 また、金型による圧縮製となるため、「SH-04A」をベースにした角張ったモデルより、デザインモックのようなラウンド形状のモデルの方が成形がしやすいという。量産ベースに対応する技術だが、コストなどを検討すると数量限定端末などとしての製品投入が現実的などと語っていた。「近い将来の製品化を目指す」と話しており、「TOUCH WOOD」のコーナーで実施しているアンケート調査の結果などを踏まえて製品化を検討するという。


 



(津田 啓夢)

2009/10/6/ 17:15