本日の一品

パナソニックのウェアラブルカメラは気張らずに使うべし

パナソニック「HX-A100」

 カメラ部と本体部が分かれているという、一風変わった別体型のウェアラブルカメラ「HX-A100」が発売された。すでにこちらでもレビューしているが、基本的にはイヤーフックを使って頭にカメラ部を固定し、本体部を専用ケースに入れ腕に巻き付けて使用するもの。両手をフリーにした状態で、撮影者視点で映像を記録できるというわけだ。

 もちろん手に持って使うこともできるし、IP58相当の防水性能もあって、低いアングルからの撮影や狭い場所の撮影、水場での使用など、活用の仕方はアイデア次第。フルHDの60fps撮影にも対応していて、性能的にも必要十分。スローモーション撮影も、画質を気にしなければ面白く使える。スマートフォンやタブレットから「Image App」というアプリを介して、録画やプレビューなどの操作ができるようになっているのも、やっぱり何かと便利だ。

本体部はちょっとだけボリューミー

 しかし、このカメラの使いどころを考えるのがなかなか難しかった。借り受ける2週間くらい前からどういう風に使えそうか考えていて、借りた後も、発売された後も、ずっと使い方に悩んでいた。カメラ部だけ水中に沈めておけば魚の姿を見ながら釣りできるかな、なんて思っても、仕様上は厳しい。イヤーフックで身に付けて撮影する場合、ジョギング程度なら大丈夫でも、激しいスポーツではさすがにカメラ部の脱落が心配になる。ヘルメットに固定してバイクの走行動画を撮ろうにも、転倒したら間違いなく本体を壊すか、ケーブルを引きちぎるに違いない。

 あれこれ考えた結果、今は無理に特別なことに使わなくてもいいのでは、という結論にたどり着きつつある。そもそも気軽に身につけて、手ぶらで使えるというコンセプトの製品なのだから、撮影シーンも気楽に、もっと日常生活に近い場面なんかを撮ればいいのではないか。「さあ撮るぞ!」みたいに身構えることなく、なにげない普段のワンシーンで、ささっと身につけて撮ればいいんじゃないか、なんて思った。

 そういうわけで、今のところ筆者の使い道としては、暗い場所でも明るく撮れる「カラーナイトビュー」機能を活用して、バイクやクルマの整備時に使う、というのがいい感じ。バイクの整備時に、時々奥の方に落っこちて行方不明になるボルトを探したり、混雑する配線の行き先や奥まったところの様子を探ったりする時にも活躍する。クルマのエンジンルームの内部を観察するのにも都合がいい。頭を突っ込んで直接目視できないこういった場面では、小さなカメラ部を伸ばしてのぞき見られる「HX-A100」の利点を大いに活かせるんじゃないだろうか。

バイクの整備時は、狭い場所をのぞき込むことがよくある
クルマのエンジンルームの奥も楽に観察できる。タブレットと組み合わせればもっと見やすくなるだろう

 我が家ではあまりこういう使い方はしないだろうが、料理の様子を撮影してレシピや手順を記録するのにも使えそう。他のアプリと連携して動画のアップロードなどが行える「ピクチャジャンプ」機能を利用すれば、YouTubeやSNSへの料理動画のアップロードも簡単だ。撮影者としてもう一人いる必要はなく、気が向いたときにすぐ撮影を始められるのがいいところだろう。

料理にチャレンジ!
「ピクチャジャンプ」機能で他のアプリとの連携が可能。動画のアップロードやテレビでの再生もお手軽だ

 ちょっと特別感のあるものとしては、ライブハウスでの演者視点の映像を、Ustreamで手軽にライブ配信する、というのも考えられる。Wi-Fiアクセスポイントが用意されていない会場でも、スマートフォンのテザリング機能を使えばOKだし、ブレ補正機能があるから多少ヘッドバンギングしても大丈夫……かもしれない。

ライブハウスで熱唱!しているわけではなく、実は自宅なのだが、演者視点の映像もアリなのでは?

 あまり難しく考えず、日常生活で使うことを想像すれば、けっこう使いどころは見つかる気がする。パナソニックでは「HX-A100」のレンタルキャンペーンを実施していて、利用者の動画もこれからどんどん投稿されるだろうから、他の方がどんな風に使っているのか、今からとても楽しみにしている。

製品名製造元販売価格
ウェアラブルカメラ HX-A100パナソニック2万6814円

日沼諭史