無線速度が最高速の全部入りルーター、Aterm WR9500N
イーサネットコンバーターセットは単なる2台セットで、子機は設定済み |
2年くらい前からノートパソコンに内蔵する無線LANはIEEE 802.11nの450Mbps対応のものがあったが、一般向けには450Mbpsに対応する親機が存在せず、300Mbpsまでしか使えないという宝の持ち腐れ状態が続いていた。
それから2年以上、待ちに待って、待ちくたびれた最近になって、やっと450Mbps対応の親機が少しづつ登場してきた。すでに450Mbps対応のノートパソコンは第一線で使ってはいないため、導入熱はあまり高くなかったが、我が家で長年愛用しているブランド、NECアクセステクニカからも登場したとあって、無線LANルーターを450Mbps対応にしてしまったのだ。
今回は、パソコンで無線による450Mbpsの恩恵を味わえないため、イーサネット子機付きの「AtermWR9500N(HPモデル)イーサーネットコンバータセット」を導入。子機といっても、最初から子機としての設定がしてある「Aterm WR9500N」が入っているという、2台セットだ。これならパソコンを使わなくても、テレビのDLNAによる動画伝送に存分に活用できそうだからだ。
地デジ化が済み、はっきり言って家庭内のデータ伝送のトラフィックはうなぎのぼり。HDDレコーダーで録画した番組を、DLNAにより離れた場所にあるテレビで再生したり、HDD接続ができるテレビで録画した番組をDLNA対応のNASに向けてムーブしたりと、数十Mbpsクラスの通信が飛び交っている。我が家では過去に一度これらを無線化したが、安定した速度が出ずに有線に戻したという経緯がある。
しかし、有線だとテレビのアンテナ線、電源ケーブルのほかに、LANケーブルが加わり、家中がケーブルだらけでたいへんだったのだ。「Aterm WR9500N」の導入によって最も邪魔なデータ幹線をめでたく撤廃できた。ケーブルを誰かが足でひっかけて、引っ張られたレコーダーやテレビに影響がでないかヒヤヒヤしていたが、それがなくなっただけでも満足だ。
厳密に通信速度を測定すれば有線LANのほうが速いだろうが、HDDレコーダーの中の録画した番組の再生なら、有線と変わりがなかった。つまり、「Aterm WR9500N」のセットは安定して実効20Mbpsを超える速度が出ているということになる。
また、パソコンの利用でも少し恩恵を受けた。新しい世代の製品のためか無線の安定度が増しており、今までの300Mbps対応の無線LAN対応ルーターと比べ、離れた部屋の接続速度が向上している。
「Aterm WR9500N」は5GHz帯のほか、一般的な2.4GHz帯も同時に使用できる。450Mbpsの速度は利用者が少なく混信の恐れのない5GHz帯専用なので、安定した通信が必要なテレビやパソコンだけ5GHz帯を使い、スマートフォンやタブレット、ゲーム機は2.4GHz帯と、分けて使える。機能的には、我が家のニーズをすべて満たす“全部入り”なのだ。
なお、5GHz帯は壁など遮蔽物の影響が大きいため、使用する建物の構造や置き場所によって無線LANの速度や安定性は大きく変化する。その点だけは注意して導入したほうが良いだろう。
ルータ、アクセスポイント、子機の設定切り替えはわかりやすいスライドスイッチ | 子機設定がされたほうは保護シールの上にシールが貼ってある |
離れた部屋でも450Mbpsでリンク、実行速度も有線LANの100BASE-TXと大差なく感じる | 子機側から、周囲の電波利用状況も確認できる。2.4GHz帯では周囲の多くの無線LANポイントを拾っている |
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
Aterm WR9500N イーサーネットコンバータセット | NECアクセステクニカ | 2万6600円 |
2011/12/1 06:00