スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iPhone用カメラ/画像アプリ、こんなのを愛用中♪

iPhone用カメラ/画像アプリ、こんなのを愛用中♪

 最近ではすっかり「スマートフォンでもビシバシ写真を撮る派」となったワタクシ。以前は画質的な好みからスマートフォンでは全然撮らなかったんですが、今時はどの機種もかなり画質が良くなっているので、フツーに撮りまくりです。

 iPhoneやAndroidなど複数のスマートフォンを使っていますが、とりわけ気に入っているのは「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」です。メインカメラの画素数は800万で、スマートフォンで撮る画素数としてはちょうどイイ感じ。AFも速いですな。発色もわりと好みです。

愛用中の「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」。両方MVNO運用。前者には音声通話非対応SIMを挿し、後者には音声通話対応SIMを挿して使っています。どちらの機種でもカメラ機能を多用しています。

 ただ、iOS標準カメラアプリだと、若干不便なこともあったりして。たとえば、撮影時にけっこー大きくハデなシャッター音がすること。近くに人がいるところで撮影するには……なんかちょっと気が引けますな。あるいは露出補正。iOS 8から標準カメラアプリで手軽に露出補正できるようになったようですが、好みの操作感でなかったりして、僅かにストレスを感じたりします。

 でも、そういう細々した問題は、ほかのカメラアプリなどを使えば解消できます。てなわけで今回は、ワタクシが愛用中のiOS用カメラ/画像系アプリをいろいろご紹介。どれも有名どころのアプリですが、かなり気に入って使っています。

ド定番の「OneCam」アプリで完全無音撮影

 以前にスタパブログでも書いたコトなんですが、「iPhone 6」や「iPhone 6 Plus」って、シャッター音がヤケに大きいですな。静かな環境で撮影する場合、あのシャッター音は雰囲気を壊したり迷惑をかけたりで、困りものです。

 そこでアレコレ試したのが「シャッター音を消せるカメラアプリ」です。そして結局行き着いたのは「OneCam」アプリ。「iPhone 6」や「iPhone 6 Plus」の場合ならボリュームボタン上にあるサウンドオン/オフボタンで「サイレントモード」にし、このアプリで撮影すれば「完全無音」でシャッターを切れます。

「OneCam」アプリを使えば、iPhoneサイレントモード時に完全無音で撮影できます。操作感も設定類もシンプルで扱いやすいですな。

 それからこのアプリ、AF(オートフォーカス)と露出を別のポイントで指定できます。画面上に表示される青枠がAFポイントで、つまりピントが合う枠です。赤丸が露出が合う箇所。これらを別の位置に動かして、「ピントはココに合わせて、露出はココに合うようにする」ということができるわけです。

青枠と赤丸は個別に動き、青枠でピントを合わせて、赤丸で露出を合わせることができます。赤丸をうまく使えば目的の被写体を見やすい明るさで撮ることができます。中央は木に露出を合わせた写真で、右は空に露出を合わせた写真です。
左側の木にピントを合わせ、露出は右側の木の根元近くに合わせました。結果、木の根元近くが黒潰れせず撮れました。
ピント位置はそのままに、今度は空のあたりに露出を合わせました。手前の木の根元は黒潰れしましたが、空の色がよりよく出ました。

 といった感じで、ほんの少し凝った撮影が可能なアプリでもあります。完全に無音で撮影できて、手早くピントや露出のコントロールができて、全体的にシンプルに使えるというあたり、ヒッジョーに気に入っております。

「Horizon」アプリで傾き画像禁止!!

 静止画や動画を撮るとき、画像が水平かどうかが気になることってけっこーありませんか? ワタクシは気になりまくりです。風景なんか撮るときはとくにそうで、微妙に傾いた写真が撮れてしまうと「あ~あ」と残念な気持ちになります。

 そんな残念感を無くしてくれるのが「Horizon」アプリ。最大の特徴は「静止画も動画も水平に撮影できること」で、iPhoneがどう傾こうが、ファインダー内の像はいつもほぼ水平が保たれています。

「Horizon」アプリを起動し、「回転モード」にし、iPhoneを横向きから縦向きに動かしていったときのイメージ。画面内の明るい部分が実際に撮影されるエリアです。iPhoneが傾いていても、撮影されるエリアはいつも水平が保たれています。
撮影されるエリアの画角は一定になります。「回転モード」でなく「フレックスモード」だと、iPhoneの傾きによって画角が変わってしまいます。

 以前、本連載にて「ブラシレスジンバル」をご紹介しました。電動モーターでiPhoneを水平に保って撮影できるという撮影機材ですな。アレに似たことを電子的に行っているのが「Horizon」アプリ、という雰囲気じです。

 ブラシレスジンバルなどと比べると、たとえば動画撮影時の振動の低減などにはあまり効果がありませんが、水平が保たれた見やすい動画/静止画を撮ることができます。実際に「Horizon」アプリで動画を撮影してみましたのでご覧ください。

【動画01】「Horizon」アプリで動画を撮影してみました。階段を上がっているところですが、iPhoneがかなり傾きつつの撮影です。でも階段に注目すると、だいたい水平が保たれていることがわかります。
【動画02】室内を歩いて撮影。これもiPhoneがけっこー左右に傾きつつの撮影。ブラシレスジンバルほどの安定感はありませんが、水平が保たれているので見づらさは低減されていると思います。

 撮れた動画を観ると「そんな程度か」という印象になってしまうかもしれません。が、自分で撮っていると「うわ~かなり水平が保たれるなあ!!」と驚けるレベル。静止画を撮るときは、アプリがいつも水平を保ってくれるので、iPhoneを水平に保つべく意識を集中する必要がなく、とてもラクに撮影できます。ので、iPhoneで静止画や動画を撮る人で、傾いていない安定感のある画像が好みだという方にはオススメのアプリです。

 ただし、撮影時には画角が少し狭くなります。「iPhone 6」や「iPhone 6 Plus」の本来の画角は、35mm判換算で30mm程度だと思います。まずまず広角。でも「Horizon」アプリを使うと、どうでしょう、80mmくらいの中望遠になってしまうという印象です。人によっては苦しいトレードオフになるかもしれません。

 ただ、静止画撮影に限って言えば、「フレックスモード」にして横位置で撮れば十分広い画角が得られます。このモードは、水平を保ちつつ、なるべく広い画角が得られるように撮影範囲を自動調節するものです。

「フレックスモード」も撮影されるエリアの水平を保ってくれます。傾きに応じて最大の画角を確保するように、撮影エリアのサイズが変化します。静止画撮影時はiPhoneを横向きにし、なるべく傾かないようにすれば、iPhone本来の広角の画角で撮れます。
【動画03】「フレックスモード」で動画を撮影してみました。iPhoneの傾きに応じて画角が変化しますので、ランダムなズームアップダウンをしつつ撮ったような動画になります。かなり見づらくなってしまいますので、「フレックスモード」は動画に不向きですな。

 動画にも静止画にも向く「回転モード」と、画角を活かした静止画撮影に向く「フレックスモード」の使い分けが必要、という感じです。けど、いつもしっかり水平を保ってくれるのは、やはり便利です。

4倍の解像度で撮れる「Hydra」アプリ

 ややマニアックなカメラアプリですが、標準カメラの4倍の解像度で撮影できる「Hydra」アプリがユニークです。いくつか撮影モードがありますが、たとえば「HI-RESモード」だと、内蔵カメラの4倍の解像度の写真が得られます。具体的には、一度のシャッターで数十枚を連続的に撮影し、画像処理で合成して高画素の静止画を生成するという撮影モードです。800万画素の「iPhone 6」や「iPhone 6 Plus」なら、3200万画素相当の画像が得られます。

「Hydra」アプリを使い、iPhone 6で3200万画素の写真を撮ってみました。中央がiPhone 6標準カメラの800万画素の写真、右が3200万画素の写真です。リサイズしていますが、精査すると3200万画素の写真はディテイルの解像感に優れていることがわかります。
左が800万画素、右が3200万画素の写真で、写真内の同じ箇所を同様のサイズにリサイズしてみました。3200万画素の写真のほうが細部がきめ細かく描写されています。
こちらは等倍(ドットバイドット)。左が800万画素、右が3200万画素の写真です。遠景もより克明に写し撮れます。

 800万画素のカメラを使って、3200万画素相当の写真が得られるわけですが、上記のとおり「数十枚を連続的に撮影」するので、撮影時にはカメラの固定が必要です。また、動く被写体にも向きません。でも、撮影対象が静止していて、カメラを十分安定して固定できるなら、いろいろ役立ちます。たとえば暗い場所でもノイズが少ない写真を撮れます。

「Hydra」アプリの「LO-LIGHTモード」で撮影してみました。暗い環境下で発生しがちなノイズを、複数枚の画像を合成することで低減します。中央が処理なしの写真で、右が処理後の写真です。画像全体を見ると違いがわかりにくいですね。
左が処理なしの写真で、右が処理後の写真です。部分拡大してみると、主に暗部に発生しがちだったノイズが激減していることがわかります。
こちらは読書は無理なくらい「かなり暗め」の環境で撮ったもの。左が処理なしの写真で、右が処理後の写真です。
その部分拡大です。処理後の写真(右)を見ると、明らかにノイズが減っていることがわかります。

 それから「HDR撮影」にも対応します。複数枚の画像を連続撮影し、それを合成することで「より幅広い明暗階調や色調を持つ写真」を得る撮影方法ですな。iPhoneのカメラアプリでもHDR撮影ができますが、「Hydra」アプリの場合は撮影枚数が多いからか、より強い効果が得られるようです。

「HDRモード」でHDR撮影をしている様子。HDR効果の度合いはMediumとStrongから選べるほか、モノクロ写真にすることもできます。
左から、ノーマル写真、「Hydra」アプリによるHDR写真、iOS標準カメラアプリによるHDR写真です。「Hydra」アプリでのHDR写真は強い効果を出すことができます。

 このアプリ、前述のとおり撮影対象が静止しているのが好ましく、またiPhoneを固定する必要があるので、使用するには若干ハードルが高い感じではあります。が、複数の撮影モードで十分高い効果がありますので、なかなか「ツカエル感」が高いと感じられます。

何でも水没!! 反射が楽しい「Reflection」アプリ

 それから画像の後処理系アプリ。個人的に最近ハマってるのが「Reflection」アプリです。お遊び系アプリで、写真の上側が水上に浮かんでいるようなエフェクトを手軽にかけられます。

「Reflection」アプリに使用した元の写真
「Reflection」アプリでは、写真を撮ったり、アルバム内の写真を開く程度で、それが水面に浮かんでいるようなイメージになります。上段が元の写真で、右がそれを処理している様子です。あら楽しい♪
水面への映り込みの度合いを変えたり、水面の光の色を変えたり、水没させる位置を変えたりできます。
エフェクト処理後の写真は、トリミングしたりでき、もちろん保存したり送信したりできます。

 ところでワタクシ、寺田克也氏や伊藤ガビン氏との共著で「ジョン・シンメトリー」という写真集を出しています。シンメトリー写真の写真集。写真をシンメトリーに合成して不思議な世界を映像化する手法(!?)なんですが、この「Reflection」アプリには、シンメトリー写真に似たおもしろさがあります。身近なモノが急に新鮮に見えるような、そんなおもしろさを持つアプリです。

写真投稿に便利な「Photo消しゴム」アプリ

 最後に「Photo消しゴム」アプリ。写真の一部を隠したりボカシたり、あるいは写真のEXIFデータを削除したりして、プライバシーに配慮しつつ写真をネットに投稿できるというアプリですな。

「Photo消しゴム」アプリは、ネット上に写真を投稿するときに便利。写真を読み込むときに、投稿向きのサイズに自動リサイズする機能もあります。写真を読み込んだら、消しゴム、ぼかし、トリミングなどを行えます。
こんなふうに塗りつぶしたり、ボカシたりできます。「元に戻す (アンドゥ)」や「やり直す (リドゥ)」は、細かく行えますので失敗してもやり直しやすいです。画像処理を終えたら、投稿前のEXIFデータ処理へ。
写真のEXIFデータを削除できますので、撮影時間や撮影場所、撮影カメラ等々の情報をネットに公開せずに済みます。特定のEXIFデータのみ削除することも可能。
各処理を終えたら、ネットに投稿したり保存したり。非常にスムーズに使えるアプリです。

 写真の一部分だけ見えなくしてからネットに投稿するときなどに、かなりスムーズに役立てられるアプリです。EXIFデータの部分削除なども可能なのもポイント。まあ、大手のSNSなどでは自動的に写真のEXIFデータを削除してくれますが、そうでないケースもありますので、このテのアプリでしっかり情報漏洩を防ぐのは大切ですな。

 てな感じで、ワタクシが現在使用中のiOS用カメラ/画像系アプリあれこれでした。アプリ選びのご参考になれば幸いです。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。