スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

去年の年末、不安になってRakuten Miniを買った話

2020年も2021年も、Rakuten Miniが密かに大活躍だった

 政府の「キャッシュレス・ポイント還元事業」(2019年10月~2020年6月)の頃から、積極的にキャッシュレス支払いを始めた2019年の俺。それと同時に「この端末が便利なのでは?」と楽天モバイルのAndroid端末「Rakuten Mini」を導入。おサイフケータイを使うためである。

 Rakuten Miniは、おサイフケータイ(FeliCa)搭載のスマートフォンとしては世界最小・最軽量。カードの長辺を少し長くした程度のフットプリントだ。決済用端末としてコンパクトで使いやすそうということで、2020年の3月から使い始めた。

2020年の1月23日より楽天モバイルショップで先行販売が開始されたRakuten Mini。サイズ(高さ/幅/厚さ)は約106.2×約53.4×約8.6mmで、質量は約79g。カード感覚で持ち歩けるサイズ感だ。おサイフケータイのほか、コード決済やGoogle Payも利用できる

 Rakuten Miniには、SuicaとEdyとWAONとnanacoを入れて使っている。コード決済は一手間かかるので使っておらず、クレジットカード決済も使っていない(クレジットカード決済はiPhoneで行うようにしている)。

 さておき、おサイフケータイとして使っているRakuten Miniは、時を経るごとに必需度が高まった。俺的行動半径内にSuica/Edy/WAON/nanaco対応のショップや施設が次々と増加したからだ。コロナ禍も影響した変化だと思う。

 そして2021年末。今年も大活躍だったネと愛用のRakuten Miniを充電しながらフキフキしていて、ふと思った。「コレってまだ売ってんの?」と。Rakuten Miniは、発売から2年近く経つ端末なのだ。

なんですとーっ!!! ディスコンですとーッ!!!

 Rakuten Miniって何円で売ってるのかニャ? 安売りしてたりするのかニャ? くらいの軽い気持ちで検索した俺はショックを受けた。↓こんなことになっていたなんて!

 まさかの販売終了。終了であり打ち切りでありディスコンティニュードであった。マジか! ……でも発売から2年近く経つ端末だし、まあそんなモンか。技適騒動もあったしネ。

 いや、でも、なんか、ちょっと残念。Rakuten Miniのようなキワモノ的で珍妙でスマートフォン的実用性が低めの端末は、これからそうそう出てこないであろう。そしてキワモノで珍妙なRakuten Miniは、俺にとっては超絶ツカエる端末なのである。おサイフケータイとしてサイコーなのである。

 てゅーか「おサイフケータイ」って凄い言葉っスよね考えてみれば。「お財布」とか「ケータイ」って2022年において既に古語みたいな雰囲気……アーッ!!! この媒体は「ケータイ Watch」だったーッ!!! すまんす失礼。

 さておき、現在超愛用中のRakuten Miniが壊れるなどしたら、新しく買えないことになる。中古はあると思うが、キレイな新品をゲットして気分良く再度おサイフケータイとして使うことは難しい。つっても、Rakuten Miniの予備は2台持っている。最も多いときは3台の予備を持っていた。

 4台も持っている理由は上記リンクの記事に書いた。まとめると、1台目のRakuten Mini(中古購入)には前ユーザーが使っていたSuicaが入っていてこれを削除できず、2台目を購入。その後、より好みの色のRakuten Miniを見つけて、そちらを購入。さらにもっと好みの色のRakuten Miniを見つけてそちらを購入したのであった。

購入した4台のRakuten Mini。黒(他人のSuica入り)→黒→白→赤の順で購入し、現在は赤を使用中

 上の端末のうち、他人のSuica入り黒についてメーカーに「Suica初期化してください」的に相談したら「中古品は対応できません」と断られたため処分(予定)。もう1台の黒はおともだちに贈呈。残るは予備の白と使用中の赤となっている。

 ……考えてみれば、最初に使っていたおサイフケータイ端末はGoogle Pixelなので、端末から端末へのおサイフケータイの移行を4回……いや5回もやった俺。我ながらバカと言えよう。ちなみに5回というのは、途中で小型Android端末「Jelly 2」もおサイフケータイとして使ったからだ。

 閑話休題。Rakuten Miniのディスコンを知って、けっこう不安になってきた俺である。

 予備は1台あるとしても、おサイフケータイというシステムがなくなる前に、2台のRakuten Miniは故障や寿命になるであろー。まあずっと先のことかもしれない……いやいや、すぐ壊れるかもしれない。さらに予備端末の電源を入れた瞬間、予備端末も壊れるかもしれない。そのときになって慌てて買った端末にまた他人のSuicaが入っていて困るかもしれない。支離滅裂な不安が俺脳内にてランダムに発生する。

 つまりは!!! 俺の超快適なRakuten Miniによるおサイフケータイ生活が、ズシャッと頓挫するかもしれない!!! 頓挫のタイミングは、年末の虫歯と同様、今すぐRakuten Miniを買う必要があるのに年末年始で入手難で年始の7日頃以降になるから、それまで我慢しなければならない、みたいなことにも!!!

 これは不安だ。じつに不安だ。ヒッジョーに不安だ。

 だが、予備として新品もしくは新品同様の赤いRakuten Miniを数日以内に手に入れれば、2021年末を安心して過ごせるような気がしており、2022年を無問題で迎えられるような気がしたので、メルカリを閲覧することに。すると、そのものズバリの品が比較的に安価にて売られていたので、ポチッと購入。

新品同様のRakuten Mini中古品を購入。色はクリムゾンレッド。Rakuten Miniの赤はiPhone 13 miniなどのレッドに近く、俺的に非常に好みの色である。ちなみに、現在のRakuten Mini中古価格は5000円前後といったところ。販売終了後、相場がグッと下がった?

 あーよかった。これで不安は完全解消された。あー赤いRakuten Miniかわい〜♪ ハードウェア1台で不安を解消できるお手軽&能天気な俺で、あーよかった。

現在のRakuten Mini利用スタイル

 2年くらい前は、Rakuten Miniの中古端末価格の相場が1万5000円から2万円くらいだった。だが前述のとおり、現在は5000円前後といったところ。

 Rakuten Miniを買ってメインのスマートフォンとして使うのは、正直、オススメしない。サブ機としても使いにくいだろう。画面が小さいし電池もあまり保たないからだ。

 だが、おサイフケータイ対応の超小型端末として考えると、かなり便利だと思う。便利どころか、Rakuten Miniは世界最強のおサイフケータイ端末と言われている。言っているのが俺なので非常に眉唾だが、おサイフケータイ端末として高い実用性を備えているRakuten Mini中古品が5000円前後というのは、安いと思う。

 端末価格を知って、これからRakuten Miniをおサイフケータイ専用端末として運用したいと思う方もあるかと思う。というわけで、ご参考までに、現在の俺的Rakuten Mini利用スタイルをご紹介したい。

 まず、Rakuten Miniではおサイフケータイだけ使っており、ほかの決済方法(コード決済など)は使っていない。これはRakuten Miniを電源オフで運用したいからだ。

 ちなみに、Rakuten Miniは電源をオンにしておくと、使わずスリープにしておくだけでも2日くらいで電池切れとなる。かなりスタミナ不足の端末なのだ。

 だが、おサイフケータイは端末の電源をオフにしていても使用可能。残高確認やチャージのときだけ電源をオンにするような使い方なら、1ヶ月くらいは充電せずにOKな感じ。

 なお、現在はSuica/Edy/WAON/nanacoを入れているが、これら電子マネー使用時には切り替え操作などは必要はない。

 たとえばコンビニやスーパーで決済する場合は、レジの表示から電子マネーを選ぶか店員さんに伝えて、電源オフのRakuten Miniをセンサーにかざせばいい。自販機でも電子マネーを選んで決済。ただ、決済に使う電子マネーを選べない自販機などもあり、その場合は電源オフのRakuten Miniでおサイフケータイ決済ができないことがある。

 Suica/Edy/WAON/nanacoを使うにしても、プラスチックカードで使ったほうがよくない? との指摘もあるが、複数枚のプラスチックカードを使う場合、1枚を取り出す必要がある。あるいは二つ折りなどのケースなどを使い、特定の1枚をセンサーに当てる必要がある。なので、ちょっと手間がかかる。

 また、プラスチックカードと比べると、おサイフケータイのほうが管理が手軽。それぞれの電子マネーのアプリから、チャージや各種設定、使用履歴閲覧などを一括して行えるからだ。

 それから、携帯スタイル。以前はRakuten Miniをハダカで携帯していた。のだが、けっこうツルツルと滑る小さな端末なので、すぐにTPUケースに入れてストラップを通して持ち歩くようになった。しかし間もなく「電源オフで使うおサイフケータイ専用端末だし、ケースに入れたまま使おう」となった。

 そして現在。ひとまず最終的に辿り着いたケースが↓これ。アウトドアブランドの財布にRakuten Miniを入れている。決済時にセンサーに財布をかざして決済している。

2021年の夏頃からモンベルの「ジップワレット」にRakuten Miniを入れて使用中。この財布には多用するカード類と紙幣も入れている。小銭収納部(左側)もあるが、小銭入れは別のものを使っている。小銭収納部は、この財布全体を少し厚くする要素になっているため、物理的に切除した
小銭入れとして、ジップワレットよりふた周り程度小さい「ミニジップワレット」を使っている。こちらには小銭と紙幣を入れている

 こんな感じ。財布のなかに電源をオフにしたRakuten Miniを入れ、財布ごとセンサーにかざしておサイフケータイ決済をしているというわけだ。

 なお、現金も必ず持ち歩く。キャッシュレス決済ができるショップや施設は増えているものの、キャッシュレス決済非対応というところも少なくない。大都市部ならしっかりキャッシュレス生活が送れるとは思うが、少し郊外に出たりすると途端に「ここでもあそこでも現金が必要」ってことが多い。

 コード決済(PayPayやLINE Payやd払いなど)の場合は通信圏外だと決済不能だったりもする。僻地での通信圏外だと電子決済できないのに加え、通信輻輳や何らかのトラブルによる通信障害でも決済不能なので、やはり最低限の現金の携帯が無難だと思う。

 以上、俺的Rakuten Miniの利用スタイルである。ご参考になれば幸いっス。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。