スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

東プレ「REALFORCE TKL for Mac」、このキーボードを待っていたンだっ!!!!

スゴい良さなので予備も追加購入♪

 2019年末に全俺に大衝撃が超走った。すなわち東プレ「REALFORCE for Mac TKL」シリーズが発表されたのであり、打鍵感が非常にナイスなREALFORCEシリーズキーボードでありつつMac向けでありかつUS配列版もあってさらにはテンキーレスでカーソルキーがマトモな位置にあるッ!!! くわッ!!!! これは買わねば!!!!!

東プレ(Topre)の「REALFORCE for Mac TKL」シリーズは、静電容量無接点方式キースイッチを採用したMac用テンキーレスキーボード。接続タイプはUSB。合計8種類がラインナップされているが、写真は「REALFORCE TKL SA for Mac / R2TLSA-US3M-WH」。実勢価格は2万7000円前後。

 これまでにもREALFORCEシリーズのMac向けモデルはあった。REALFORCE初のMac向けモデルとして2019年4月に発売された製品だが、日本語配列のフルキーボードのみしかなかったので、英語配列派やテンキーレス派にとっては「ぐぬぬぬ……!!」てな感じ。俺の場合は英語配列・テンキーレス派なので「よりによって日本語配列フルキーボードなんか出しやがってム!!!!!」と憤怒的残念感で満載であった。

 しかしREALFORCE for Mac TKLの登場で、俺の残念感は一発全解消!! そうそうソレソレ!! 英語配列テンキーレスMac版を待っていたンだ!! 絶対買います買わせていただきます買わせてくださいっ!! てな心意気なのであった。

 余談だが、Mac向けREALFORCEシリーズキーボードとして、現在足りないのは英語配列フルキーボードですな。フルキー派の英語配列派は引き続き「ぐぬぬぬ……!!」なのかもしれない。

 ともあれ、急いでREALFORCE for Mac TKL買わなくちゃ♪ とポチッてモノが届いて使用開始したら……コレがまぁ超絶爆裂最高なのであった。

 同時に「やっべぇこれ最高過ぎて使ってて壊れた時を想像すると危機感を覚えるほど!!」ということで、すかさす予備としてもう1台購入したのであった。備蓄備蓄備蓄ッ!! てなわけで以降、この、俺的にサイコーなキーボードについて書いてみたい。

テンキーレスのMac向けREALFORCEは8種類

 本題に入る前に、新発売のREALFORCE for Mac TKLシリーズ全体について少々。前述のとおり8種類がラインナップされている。

REALFORCE for Mac TKLシリーズは、基本的な部分は共通しているものの、配列やカラーやキータイプ(荷重)の違いで8バリエーションが存在する。※画像はメーカーウェブサイトより抜粋。

 メーカーのウェブサイトの一覧を見ると、各写真の下に特徴的な仕様が添えられているが、なーんかどれを選んでいいのか混乱しそう。実際は好みの仕様をクリックすれば絞り込まれるので混乱しにくいとは思うが、一応「なぜ8種類なのか?」をご説明。

 単純なのであった。キー色2種×配列2種×キー荷重2種で、合計8種類。キー色はスーパーホワイトとブラックから、配列は日本語と英語から、キー荷重は変荷重と静音30gから、それぞれ選べる。

 ちなみに、「変荷重」タイプのキーは、主要なキーの荷重が45gで、小指入力するキーの一部が30gになっている。これにより、より軽い力でキーを押せるようになっているとのこと。

 また、「静音30g」タイプのキーは、荷重30gで静音であるのに加え、APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)機能を搭載している。APCは、各キースイッチのオン位置を1.5mm/2.2mm/3mmに調節できるという機構。例えば素早く入力したいキーを1.5mm、不意の誤入力を防止したいキーを3mm、などと設定すればキーの反応速度を最適化できるというわけだ。

なぜREALFORCE TKL for Macに飛びついたのか?

 俺の場合、REALFORCE TKL for Macの登場を心待ちにしていた。それには明確な理由がいくつかあるので、ご参考までに挙げておきたい。

 まずREALFORCEシリーズであること。独特のスムーズな打鍵感に加え、静電容量無接点方式スイッチなので論理上はチャタリング(キーを一度打ったつもりが2度や3度打った状態になる症状)が起きないこと。キーボードなど機械式(接点式)スイッチがあるデバイスを使っていて非常に厄介なのがチャタリングであり、余計な文字列入力されまくりで超ムカつくのであり、チャタリングが起き始めた機材を廃棄したくなるほど鬱憤がたまる。

 が、REALFORCEシリーズの場合は長年使っていてもそういう不都合が起きない。また、REALFORCEシリーズはもともと耐久性にも優れたキーボード。つくりが良いのはもちろん、キートップの文字がレーザー刻印だったり昇華刻印だったりして、刻印が消えにくい。それらを含め、総じてかな~り長いこと使い続けられるREALFORCEシリーズキーボードなのだ。

 それから、REALFORCE TKL for MacにはUS配列版があること。慣れの問題ではあるが、俺の場合はUS配列キーボードをもう30年以上使い続けているので、慣れ親しんだUS配列キーボードだと最も効率よく書いていける。

購入した「REALFORCE TKL SA for Mac」のキー配列。一般的な英語配列(US配列)で、macOS特有のキーもしっかり備わっている。

 まぁ、細かいことを気にしなければ日本語配列でも入力できるが、打鍵中にたまに「あれっあのキーはどこに……」となって“タイプが止まる”のである。書くことを中断され、思考のリズムも乱れる。これが何度も起きるとすご~いフラストレーションに。なので、やはり、仕事で使うキーボードはUS配列を選ぶ。

あ~やっぱ[~]や[@]がこの位置にあると落ち着くわ~US配列イイわ~♪

 それからテンキーレスであること。これも長年の慣れなんだが、テンキーがあるキーボードをマウスと併用していると、マウスをたびたびキーボード右側にぶつけてしまう。また、マウスを握ろうとしてテンキーに触れてしまったりも。なのでテンキーレスキーボードを選ぶ。

 ただ、フルキーボードにあるような独立したカーソルキーも欲しい。これも慣れの問題だが、上下矢印キーが平べったく圧縮されていたり、[shift]キー周辺に4つのカーソルキーが詰め込まれていたりするタイプは苦手。テキストエディタでカーソルキーを多用するヤツなので、フルキーボードと同じ位置に余裕のあるサイズでカーソルキーが欲しいというわけだ。

カーソルキーが常識的な位置にあって嬉しい♪

 それからREALFORCE TKL for MacがMac向けであること。macOS特有のキーや機能を問題なく使える。US配列でテンキーレスのWindows向けキーボードは比較的に多くあるので、それを「Karabiner-Elements」などを使ってキーバインドをmacOS用に変更してMacで使う、ということもできる。が、面倒だし、キートップの刻印に違和感があるし余分なキーもあったりで、けっこう気持ち悪い。ので、やはりMacで使うならMac用のキーボードが手間がないしスッキリする。

 なお、俺の場合、REALFORCE TKL for Macの8種類のうちから「REALFORCE TKL SA for Mac / R2TLSA-US3M-WH」を選んだ。英語配列で、静音/30gキーでAPCが使えて、机が白いのでホワイトがいいかな~、といった選び方である。

より速く書ける!! 不要なキーも不使用にできる♪

 さて、購入したREALFORCE TKL SA for Macの使用感を。直前まで↓のキーボードを使っていて、そこから乗り換えての雑感を書いてみたい。

REALFORCE TKL SA for Macを使い始める直前まで使っていたカスタムキーボード。このキーボードについては本連載バックナンバー『自分史上最高のキーボードを手に入れた! かも!』や『再び「WASD Keyboards」でカスタムキーボード購入』や『メカニカルキーボードをオススメしたい!』でレビューしている。

 まずはREALFORCE TKL SA for Macの打鍵感と静音性。キー荷重30gの静音タイプキーだが、軽く滑らかに打てて非常にイイ感じである。これまでのメカニカルキーボードとはまた別世界の、非常にスムーズな打鍵感だ。押し込むというより指を軽く乗せて弾ませるというイメージで、手首や指にあまり負担がかかっていないことが感じられる。

 ただ、これまでのキーボードからすると「軽快過ぎる」という打鍵感だったりもして、最初は不意のタイプミスが連発した。たぶん必要以上に強く打つクセがついていて、勢い余って触れてしまった別のキーが、その軽さゆえ入力になっちゃった、的なタイプミスだと思う。

 そこで試しに全キーAPCを3mmとしてみたら問題大解消。キーの軽さが原因で起きる不意のタイプミスがほとんど無くなった。

 それとこのキーの静かさ。超静音といった感じではないが、耳障りにはならない「サクサク、コクコク、コクン」というわりと優しい打鍵音がする。意識してタイプする力を弱めればさらに静かに使える。上記のメカニカルキーボードは小気味いい打鍵音が楽しかったが、ちょっとウルサめではあった。一方、REALFORCE TKL SA for Macは、音も静かさも上品といった印象だ。

 メカニカルキーのキーボードから乗り換えると、入力の瞬間のクリック感について「ちょっと物足りない」という気もした。が、それは最初のうちだけで、間もなくREALFORCE TKL SA for Mac独特のごく僅かなクリック感のような感触が気に入った。メーカー曰く「他のキースイッチには無いフェザー(羽毛)を押しているかのようなキー入力の気持ち良さを実現」した「REALFORCE 独自のフェザーキータッチ」だそうだが、入力の瞬間を指先でとても優しく感じられるのが気持ちいい。

 軽くスムーズに打てて、わりと静かで、指などに負担がないわりには指先で入力の瞬間を感じられる。その軽さがいいのか静かさがいいのか、このキーボードへと乗り換えてからタイプミスがより少なくなったような気がする。また、集中して書けるような感じで、実際に日本語を入力するスピードが早くなったと思う。
 あとこのキーボード、「REALFORCEソフトウェア」により、パソコン上で各種設定を変えられる。キーボード本体にはディップスイッチ類はなく、全てパソコンから設定するが、イロイロできてかなり便利だ。

キーボードをカスタマイズできるREALFORCEソフトウェアの表示例。右はAPCを設定している様子。APCはキーのスイッチがオンになる位置を調節できる機能で、押し込んで入力される深さ(1.5mm/2.2mm/3mm)をキー毎に設定できる。全てのキーを一括して同じ設定にすることもできる。
特定のキーを機能しない設定にもできる。右にある、赤く示された箇所が機能しない設定にしたキー。ユーザーが不要と思うキーを“殺す”ことで、ミスタイプによる不意の動作などを防げる。
[CapsLock]と[Ctrl]キーの入れ替えや、インジケーターLEDの色や明るさも設定可能。こうした設定をキーボードに書き込めばカスタマイズ完了。設定をファイルに保存することもでき、ファイルから設定を一括して読み込むこともできる。なのでキー設定の共有も可能ですな。

 といった感じのREALFORCE TKL SA for Mac。やっぱり良いキーボードを使うと気分イイですな!! 疲れませんな!! 生産性も上がりますな!!

 ところで、SAって“Silent”で“APC”のこと? SAタイプでない変荷重タイプのキーを搭載したモデルだと、上記レビューとは打鍵感などが少々変わってくるとは思う。でもやっぱり、Macで気持ちよく、手間なく、非常に快適に使えるREALFORCEシリーズということで、Macユーザーなら一度は触れてみて欲しい。ハマる人には“どハマり”するキーボードだと思うので、ゼヒ!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。