Windows 10の提供開始日が2015年7月29日と公式に発表された。そうなると気になるのはWindows Phone 8.1スマートフォンのWindows 10へのアップグレード時期だ。実は筆者はWindows Phoneはメイン機ではなくサブ用途に使うことが多いのだが、Windows 10になればいつでもどこへでも持ち出せる超小型PCとして、今まで以上に活用することになるだろうと期待している。

今回の旅の友はマイクロソフトのLumia 435 DS。デュアルSIM対応が何気に便利

 ちょうど今はCOMPUTEXの取材で台北に来ている。今回持ってきているのはMicrosoftのLumia 435 DS(デュアルSIM)。台湾で買ったLTE対応のプリペイドSIMはメインのAndroidスマートフォンに入れ、このLumia 435は普段使っている香港のSIMと、台湾の通話用SIMの2枚を入れて便利に使分けている。画面サイズは小さいものの、OneDriveに保存しておいた地図などのデータを閲覧するのにも重宝して使っている。

 さてCOMPUTEXのMicrosoftブースには気になるWindows Phoneが展示されていた。NokiaのLumia 830とマウスコンピューターのMADOSMAだ。どちらも日本でアナウンスされたばかり。

 Lumia 830は日本マイクロソフトの社員用限定とはいえ、Nokiaブランドの最後グループのLumiaが技適を通して日本に投入されるのは、日本から撤退して久しいNokiaの再登場ということで永年のNokiaマニアの筆者にとっては感慨深い。

COMPUTEXのMicrosoftブース
最新のWindows Phone製品が展示されていた

 また、マウスコンピューターの製品はまだ数が少ないWindows Phoneの中にあって、Microsoftなど大手メーカー製品と並ぶ扱いで展示が行われていた。こちらは6月18日の発売予定で、筆者も入手する予定だ。Windows Phone 8.1はHereマップなど日本対応が未対応なものもあるが、Windows 10へのアップデートが行われればかなり実用的なスマートフォンとしてメイン機としても使えるかもしれない。

MADOSMA(左)とLumia 830(右)
日本メーカーのオリジナル端末と、Nokia端末が同じOSを採用というのも面白い

 日本に絡んだ2製品が展示されていたCOMPUTEX。開催地はPCの本場台湾だけに、来年はPCメーカーの製品も含め、Windows 10スマートフォンが多数展示されるだろう。今から1年後が楽しみである。


MS-DOSをLumiaで楽しめる純正アプリが登場
マイクロソフトのスマートフォンでMS-DOSが動くというのも面白い

 マイクロソフトは4月1日に新しいWindows Phone用アプリをリリースした。その名も「MS-DOS Mobile」。リリース日を考えればエイプリルフールネタということはわかるのだろう。ところがこのアプリ、それなりに遊べるのでついつい起動して遊んでしまう。しかもマイクロソフトのロゴの付いたWindows PhoneでDOSが動いているというのも楽しいものだ。なお、Windows Phone 8.0の動く他社スマートフォンでももちろん動作する。

 インストールはストアから。MS-DOS Mobileで検索すれば一発でアプリが出てくるので探しにくいことも無い。インストール後のアプリアイコンは黒字にコマンドプロンプトのシンプルなもの。起動すればメモリチェックなどがはじまり、しばらくすると昔のPCで見慣れた「C:」の表示となる。完全なMS-DOSエミュレーターではなく、いくつかのコマンドだけが動くようになっているようだ。

 試しにDATEと打ち込めば現在の日付を表示してくれる。また、VERと打ち込むとDOSのバージョンが表示されるなど、DOS時代を知っている人には懐かしいさがこみあげてくるかもしれない。ちなみにMS-DOS Mobile Version 1.0と表示される。

 また、MS-DOSにはないコマンドでWindows Phoneのアプリを起動することもできる。「CAMERA」と打ち込めばDOS窓の中にカメラウィンドウが表示され、写真を撮影できるのだ。その画像もカメラもあえてモノクロビットマップのレトロなものになっている。撮影した写真は保存も可能だ。他にはPHONEコマンドでそのあとに電話番号を入力すれば電話をかけるなど、意外と実用性もある。

いくつかのDOSコマンドが使える。隠されたディレクトリも存在
DOSにはないコマンドでWindows Phoneアプリを起動。カメラはモノクロ数諧調のレトロな絵が撮れる

 さて、他に何かアプリが無いかとDIRコマンドを打ち込んでみると、何やら怪しげなディレクトリが見えてくる。GAMEフォルダの中を見るとゲームが入っており、起動するとこれが16色か256色のドット絵なじゃんけんゲームだった。グー、チョキ、パーを選ぶと、スマートフォンがジャンケンに応答してくれすぐに勝ちか負けかが表示される。単純すぎるゲームだが、移動中の暇つぶしの時などついつい遊んでしまう。

 また、こっそりとWINDOWSフォルダがある。これはもしやとWinと打ち込んでみると、なんとWindows 3.1が起動した。とはいえ起動後はAccessoriesフォルダが開くのみで他にWindowsアプリは入っておらず、ウィンドウもドラッグすることはできない。でもフォルダ内の各アプリはWindows Phoneアプリと連携しており、それぞれのアプリランチャーにもなっているのだ。これらの中でも面白いのはInternetで、タップすると懐かしいモデムのビープ音が鳴った後に、Windows Phoneのインターネットが起動する。

ジャンケンゲーム。これも懐かしい感じだ
Windows 3.1も隠されていた。各アプリアイコンはWindows Phoneアプリのランチャーとなる

 できれば今後もバージョンアップを続けてもらい、将来はMS-DOSのフルコマンドやWindows 95あたりが動くようになってほしいものだ。昔のアプリをWindows Phoneで動かせるようになったら、同OSスマートフォンの愛好者も増えるかもしれない。なにはともあれ、このMS-DOS Mobileはジョークアプリとしての出来もなかなか良く、実用性もそこそこあるのでWindows Phoneユーザーはぜひともインストールするべきだろう。


着々と進むノキア→マイクロソフトへの移行
Office 365のライセンスなどが無料なLumia 640シリーズ。太っ腹な販売政策だ

 3月上旬にスペイン・バルセロナで開催されたモバイル業界最大のイベント「Mobile World Congress 2015」にはマイクロソフトが出展していた。場所は昨年ノキアが出展したエリアで、ソニーのちょうど向かいと言う絶好のロケーションだ。新製品も2機種発表され、Windows Phoneにも少しずつ勢いが出てきたように感じられる。しかも今回発表された2機種の「Lumia 640」「Lumia 640XL」は端末を購入するだけで1年間Office 365が無料な上に、もう1ライセンスが無料となる。つまり手持ちのLumiaだけではなく別のPCやタブレットでもOffice 365を無償で利用できるのだ。それに加えてOneDriveのストレージ1TBやSkypeの毎月60分無料通話なども利用できる。Lumiaはもはや「Windows Phoneスマートフォン」としてだけではなく、マイクロソフトのサービスの利用にも有利な製品として販売されるわけである。

マイクロソフトブースにあったノキアブランドの端末はわずか。着々とブランド変更が進んでいる

 また、同社ブースには1月に発表されたエントリー向けの「Lumia 435」「Lumia 532」も展示。筆者が12月に購入した「Lumia 535」ももちろん多数のデモ機が提供されていた。これら5機種はいずれもマイクロソフトブランドの製品であり、ノキアブランドのLumiaはわずかに2~3機種と着実にノキアからマイクロソフトへの移行が進んでいることが感じられた。だんだんとノキアのブランドが消えて行ってしまうのは筆者としては寂しい感があるものの、Windows Phoneそのものが元気になってくれるのであれば仕方ない所だろう。

 実はバルセロナ到着前、筆者はギリシャのアテネに数日滞在した。海外各都市へ行くと家電量販店や携帯電話ショップへ行くのが常となっているが、アテネの量販店ではLumiaスマートフォンが結構目立つ場所に置かれており購入者もそこそこいるようだった。製品はまだまだノキアブランドのものが大半だったが、製品が置かれている場所を見るとそこには「Microsoft」のロゴとブランド名が掲げられていた。

 ギリシャでは各社スマートフォンを分類する際も「iPhone」「Microsoft」「Samrtphone」という分け方をしていた。販売店レベルではもうノキアではなくマイクロソフトというブランドを大々的に使い始めているのである。今後出てくるLumiaは全てマイクロソフトブランドになるし、Windows 10が登場すればノートPCやタブレットと一緒の場所でLumiaも売られるようになるだろう。販売店レベルでこのようにマイクロソフトブランドを強化しているということは、マイクロソフトのスマートフォンにかける意気込みも本気なのである。今後の展開がいろいろと面白くなっていきそうだ。

家電量販店でこのブランドとロゴを見るとSurfaceなどが置いてありそうだが、売っているのはノキアとマイクロソフトのLumia
アテネの家電量販店「Public」

Windows 10がLumiaにもやってきた

 Windows Phoneにも最新OSの「Windows 10 Mobile Techinical Preview」の提供が始まった。このテクニカルプレビュー版はあくまでも製品化前のベータ版ともいえるレベルのもの。開発者向けではあるものの一般ユーザーも利用することが可能であり、利用者のフィードバックが製品版に活かされるわけだ。PC版のWindows 10のテクニカルプレビュー版もさまざまな新機能が追加されていることもあり、筆者も手持ちのLumiaにインストールしてみた。

 とはいえ対応機種は、まずはLumia 630、730、830シリーズのみ。Microsoft版初のモデルであるLumia 535は残念ながら外れている。試しにプレビュー版を入れてみようとインストール方法の指示に従い「Windows Insider」アプリをインストールするが、ビルド無しとのエラー画面が出て先に進まない。やはりここは素直に手持ちの別の機種、Lumia 636にインストールすることにした。

ダメ元でLumia 535にインストールを試みるも不可
Lumia 636にインストール。スタート画面全体に画像が貼り付けられる

 タイルアイコンの並ぶスタート画面は特に変化が無いように見えるが、画面全体に画像を貼り付けることが可能になった。Windows Phone 8.1まではタイルの裏側にしか画像が貼れず、画像が見えるのは透過アイコンの裏側のみ。Windows Phone 10ではアイコンとアイコンの隙間もきちんと画像が見えるため、ようやく背景写真らしく表示できるようになった。

 ほかに大きく目立つのは、一部のアプリや設定画面などのフォントサイズの変更だ。フォントが小さくなり、一画面中に表示できる文字が増えた。Windows Phoneの登場時はタイルUIや大きい文字をあたかもグラフィックのように使うメニュー画面が新鮮だったが、今回の変更でどことなく最近の他OSスマートフォンらしい新しさも感じられる。特に画面スクロールをしなくても多くのメニューにアクセスしやすくなったのは使いやすいポイントだ。

 また、キーボードは直接音声入力が可能になった。マイクボタンを押して話しかければそのまま認識される。ただし、まだ対応言語は英語や中国語だけで、製品版出荷時には日本語へ対応していることを願いたいものだ。さらには文字種類切り替えボタンの右上の小さい丸を押すと矢印キーが表示され、文字入力エリアで入力位置のカーソルを上下左右に移動できる。音声入力で長文を一気に入力し、後から認識ミスをした文字を修正するのもこれで楽になるだろう。

設定画面やアプリのフォントが従来よりも小さくなっている
ソフトキーボードカーソルも利用できるようになり、音声入力と合わせて文字入力が便利になった

 まだ製品版ではないものの、現時点の出来でもWindows Phoneの使いやすさが一歩も二歩も改善されたと感じられた。とはいえメインで使っている端末に入れるにはまだ不具合が多すぎる。しばらくはこのLumia 636でテクニカルプレビューのアップデートを続けながら試用し、Lumia 535でのWindows 10の利用は正式版まで待つことにしようと思う。


ラスベガスでMicrosoftブランドのLumia用バッテリー発見

 毎年恒例のCES取材のため1月上旬はラスベガスにほぼ1週間の滞在となった。取材前には現地用のプリペイドSIMやモバイルルーターを購入するため家電店巡りをするのも恒例のこと。そしてそのついでに大型ショッピングモールの「Fashion Show」に向かい、Microsoftストアに立ち寄るのもいつもの楽しみとなっている。

 Microsoftストアでは各社のWindows Phoneスマートフォンが陳列され販売もされている。アジアなどでようやくMicrosoftブランドのLumia 535が発売されたとあって、ここアメリカでも大々的にプロモーションされていることが期待された。ところが店内に並ぶのはNokiaブランドのLumiaばかり。また昨年は見かけなかった、BLUやYezzいう新興メーカーの製品も多数並んでいた。

毎年訪問が恒例となっているMicrosoftストア
BLUのWindows Phone端末。安いものはSIMフリーで89ドル

 この2社は南米などに低価格スマートフォンを出しているが、AndroidだけではなくWindows Phoneも積極的に製品を展開。しかもSIMフリーで販売されているので、この場で購入してあとはAT&TやT-MobileでプリペイドSIMを買えばすぐに使えてしまう。もちろん他の外国でも利用できる。

AT&TのプリペイドLumiaパッケージ。使い捨て感覚で購入できる

 一方、NokiaのLumiaはAT&TやT-Mobileのプリペイドパッケージの在庫が豊富。これらはSIM付きなのですぐに使いたいならこちらがお勧めだ。個人的には1日3ドルで利用できるT-Mobileが短期滞在にはお勧め。なおアメリカのキャリア販売スマートフォンはSIMロックがかかっているので現地滞在時のみの利用となる。

 さて、気になるのはLumia 535の状況だ。店内のスタッフに聞くと、Lumia 535の存在は知っているがアメリカでの販売はまだ不明とのこと。確かに現在販売されているLumia 535はW-CDMA 900と2100MHzに対応するのみで、アメリカ固有の周波数には対応していない。アメリカ版となるLumia 535が出てくるのかもしれないが、残念ながら「本家アメリカのMicrosoftストア」で、同社ブランドのLumiaを見つけることはできなかった。

Microsoftブランドのモバイルバッテリー

 そんなことを店員さんに話すと「じゃあこれなんてどうだい? Microsoftのブランドのスマートフォン用品だよ」とショーケースの一角を案内してくれた。なんとそこにはLumiaカラーのモバイルバッテリーが並んでいるのだが、Microsoftロゴの入った新製品も売られていた。「Microsoft Portable Power DC-21」と言う6000mAhの製品。価格は49ドルでお土産にもよさそうだ。

 実はMicrosoftブランドのスマートフォンアクセサリーはこの製品が最初のもの。在庫は3色ありどれにしようか悩ましい。「まあ滞在中にまた来るだろうから、その時に買おうか」と店を後にしたのだが、今年のCESは規模が大幅に拡大して連日取材が追い付かないほど。結局会期中に再度Microsoftストアを訪れることはできなかった。次回の渡米時はMicrosoftブランドのアクセサリーももっと増えているだろうから、その時にまたじっくりと悩むことにしよう。


ついに登場したMicrosoftブランドのLumiaを購入

 Nokiaの携帯電話部門を買収したMicrosoftから、ようやく同社のブランド名を冠した製品が発売となった。それがMicrosoft Lumia 535である。発売はアジアが最も早く、筆者の居住する香港はどうやら世界で最初に販売が始まったようだ。フラッグシップモデルではなく低価格モデルではあるものの、このLumia 535は今までのLumiaの500シリーズ=エントリーモデルとは一線を画する製品に仕上がっている。

 ちなみに筆者が香港の家電量販店で購入している時、すぐ隣で同じくLumia 535を購入しているお客さんを見かけた。またその後香港の量販店店に立ち寄ってみたところ、Lumia 535を購入している人を見たり、あるいは店員さんから説明を受けている人を見かけることが多かった。Microsoftブランド第1号の製品となったLumia 535の出だしは香港では悪くはないようだ。

Microsoftの名前が入ったLumia 535
背面ももちろんNokiaではなくMicrosoft

 Nokia時代のLumiaシリーズは、最も低機能で価格の安い500番台から、600→700→800→900と、性能と仕上がりが上がるごとに100番ずつ製品型番が大きくなっていた。カメラに特化したLumai 1020や、ファブレットの同1320、1520など1000番台のモデルもあった。このように過去の型番の付与方法から考えると、Microsoft Lumia 535は低スペックなエントリーモデルのはずだ。

 ところがLumia 535はエントリー製品を超えた性能を有している。例えばディスプレイは前の500シリーズ、Lumia 525が4インチ、一つ上位モデルのLumia 635が4.7インチのものを搭載、それぞれ解像度は480×854ピクセルだ。これに対しLumia 535は5インチ540×960ピクセルのものを搭載。画面が大きくなっただけではなく解像度も高まった。もちろんこの解像度はHDやフルHDと比較すれば低いものの、スマートフォン専用サイトを見るとそれなりにきちんと表示してくれる。

セルフィー専用カメラも。各種エフェクトも楽しい

 また、カメラもこれまでの500シリーズ、600シリーズはフロント側は非搭載だった。しかし、Lumia 535は500万画素と言う、Lumia 830やLumia 930などの上位モデルより高画質なものを搭載しているのだ。ちなみにセルフィー専用カメラアプリも搭載しており楽しく自分撮りができる。

 このようにLumia 535は、今までの型番では区分できない新世代のLumiaというべき製品なのである。大きい画面で見やすさと操作性を高め、しかもフロントに高画質カメラを搭載することでセルフィーも楽しめる。スマートフォンを使うことを楽しみたい若い世代にアピールするため、CPUなどは性能を落としつつもカメラなどは妥協しないスペックのものを搭載いているわけだ。

 実は筆者は半ば「お試し」気分でLumia 535を購入した。ところが買ってからしばらくはメインで使っているSIMカードを入れたまま使い続けたほどで、予想していたよりも使うことが楽しく感じられるのだ。もちろん2万円を切る価格相応の性能であり、LTEにも対応はしていない。だが値段を考えれば多少動作が遅くとも十分納得できてしまう。意外にも使い勝手がよいLumia 535、デュアルSIM版ということもあり海外にも持ち出していろいろと使ってみようと思う。


スペックアップした低価格モデル、Lumia 535が意外といいかも

 2014年11月11日にMicrosoftから新製品「Lumia 535」が発表された。Nokiaファンとしては少し寂しい、Nokiaロゴ無しのLumiaの新型モデルとなる。実は各国のNokiaのWebページはまだNokiaのまま端末を掲載しているところもあるが、注力地域の一つである中国ではすでにNokia.com.cnにアクセスすると「移転完了」と表示され、新しいMicrosoftの端末ページへと飛ぶことができる。いよいよNokiaブランドのスマートフォンが無くなることをこんなあたりからも実感させられてしまう。

 とはいえMicrosoftブランドとなったLumia 535はなかなかアグレッシブな端末だ。Lumiaの500番台のモデルは一番スペックの低いエントリーモデルで、先進国でもプリペイドモデルとして各国の事業者から販売されている。筆者も過去のヨーロッパ出張時にLumia 520を買ったことがあった。メインで使うには多少力不足だが、現地SIMを入れてソーシャルサービスのタイムラインを追いかける、といった使い方には十分で結構重宝したものだ。

Microsoftブランド初のスマートフォンとなったLumia 535
移転しましたと大きな表示がでるNokia中国のWebページ

 今回発表されたLumia 535は、その型番から推測するに現行のローエンドモデルのLumia 530の焼き直しと思った。ところがLumia 535は画面解像度こそqHD(540×960ピクセル)ながら、サイズは5インチとなりファブレットサイズに近づいた。しかもカメラはフロント側も500万画素となり、セルフィーにも十分耐えられる性能となった。中国やアジアではセルフィー人気であるが、低価格モデルのフロントカメラは200万画素程度。しかも元々画質が良くないためセルフィーには不適だった。ところがLumia 535ならば大画面で自分や仲間との画質のいい集合写真を楽しみながら見ることができる。

 LTE非対応、CPUも低スペックではあるものの、Lumia 535はエントリーモデルからミドルレンジに性能が引きあがっており、意外と悪くないという印象を受ける。デュアルSIMモデルもあるので、海外旅行時に現地のプリペイドSIMを2枚入れたり、あるいは普段使っているSIM+現地SIMという使い分けも可能だ。

ミッドレンジのセルフィー端末としても使えそうだ
中国の大手ECサイトではすでにLumia 535の受付が始まっている

 実は筆者はパナソニックのLumix CM1を入手したばかりで、今まで使っていたLumia 1020を引退させるところだ。そうなるとWindows Phoneが手元から無くなってしまう。だがこのLumia 535であればメイン端末の日蔭的なサブ端末ではなく、セルフィー専用に使ってしまうなど日常的に使おうと思える性能だ。ということで発売されたらすぐに入手してみようと思っている。


Lumia 1020の後継機はパナソニックのLUMIX CM1

 43メガピクセルと言うスマートフォンの中でも最強のカメラ画質を誇るLumia 1020。最近はもっぱらカメラとしてばかり使っているのだが、実は困ったことが起きている。最新のWindows Phone 8.1にアップデートしたことで、今でも現役バリバリの端末として使えるのだが、どうもカメラの起動時間が若干遅くなったようなのだ。

 今までもLumia 1020はカメラの起動がワンテンポ遅れてしまいがちだったのだが、どうもそれが体感的にもわかるほど遅く感じるようになってしまった。まぁ、考えてみればLumia 1020もすでに1年以上前の機種だ。展示会などで最新のSnapdragon 800搭載のLumia 930をいじってしまうと、端末全体のパフォーマンスも大きな差が感じられる。そろそろ次の機種に買い替える時期なのだろう。

 さて、順当に考えれば買い替え機種は同じカールツアイスのレンズとPureView技術を搭載したフラッグシップモデルのLumia 930か、スペックは若干落ちるもののその下のモデルのLumia 830となるだろう。前者は20メガ、後者は10メガピクセルカメラを搭載している。Lumia 1020には敵わないもののこれでも十分夜景などは綺麗な写真撮影が楽しめそうだ。Lumiaのカメラが搭載するさまざまな機能もスマートフォンをデジカメのように使いこなすことができる。

実はハングアップも頻繁にするようになってしまった筆者のLumia 1020。さすがに酷使しすぎただろうか
コストパフォーマンスを考えるとLumia 830は魅力的。価格は日本円で5万円前後だ

 だが、Lumia 1020で美しい写真撮影の体験をしてきた筆者はやはりもっといいカメラが欲しいと考えてしまう。もちろん本当にいい写真を撮りたいのならばフルサイズのデジカメを買えばいいのだろうが、筆者が求めているのは「高画質カメラ搭載のスマートフォン」なのである。撮影したその場ですぐにソーシャルサービスにアップロードもでき、なおかつ後からパソコンを使って加工しても大画面表示に十分耐えうる、そんな写真が撮れるスマートフォンが欲しいのだ。

 とはいえ、Lumia 1020を超えるカメラを搭載したスマートフォンを出すメーカーなんてないだろう、そうあきらめていたところに発表されたのがパナソニックの「LUMIX CM1」だ。カメラは20メガピクセルの1インチセンサーを搭載し4Kの動画撮影も可能。しかもスマートフォン部分もスペックは高い。本体サイズは135.4×68.0×15.2mm、レンズ部分は21.1mm厚となる。スマートフォンとしては若干厚みがあるかもしれないが、1インチセンサー搭載のデジカメとして考えれば十分薄い。

 筆者は2014年9月にケルンで行われたPhotokina 2014で実際に実機に触れてみたが、スマートフォンとしても十分使え、いざというときは高画質カメラになるというLUMIX CM1にすっかり惚れてしまった。LUMIX CM1はデザインも高級感があり、製品そのものはあくまでもカメラだ。スマートフォンに高画質カメラを搭載したLumia 1020とはコンセプトの異なる製品である。だが「今までのスマートフォンでは体験できない写真を撮影できる」という点ではどちらも同じ方向を向いている。Lumia 1020の後を継ぐ製品と言ってもいいのかもしれない。

見た目も高級感あるパナソニックのLUMIX CM1。1インチセンサーのレンズはスマートフォンとしてはもちろん世界初
4.7インチの高スペックスマートフォンとしても使える

 CM1の価格は889ユーロ。発売はまずはドイツからということで簡単に入手できるものではなさそうだ。当初10月頃に発売予定と言われていたが、11月にはヨーロッパで発売されることになるのだろう。販売初日に現地に飛んでいって実機をぜひ入手したいものだが、旅費と合わせて20万円オーバーとなってしまうためためらってしまう。LUMIX CM1は技適表示もあることから日本での発売もされるかもしれないが、その日が来るとしてもだいぶ先だろう。しばらくはいつ、どうやって、どこでLUMIX CM1を入手すべきか悩む日が続きそうだ。


NokiaからMicrosoftへの移行を実感した秋の展示会

 9月は主要メーカーの新製品発表会や大型展示会の連続で多くのライター陣が世界中を飛び回っていた。筆者もドイツ→アメリカ→ドイツと3つの展示会を訪問。個人的なお目当てはドイツのIFA直前に発表されたLumia 730と830を見ることだった。IFAにはNokiaは直接出展していないものの、ヨーロッパの携帯電話の代理店ブースが例年出展しており、そこに各メーカーのミニブースが出ている。ブースではグッズも配られるなど訪問するのは毎年の楽しみでもあるのだ。

 だが、Nokiaの携帯電話部門はMicrosoftに買収されており、今年のIFAでは「NOKIA」のブルーをバックにしたロゴを見かけることはなかった。代理店のミニブースや、ドイツテレコムなどキャリアのブース内で見かけるのはすべて4つのタイルが並んだMicrosoftのロゴばかり。もはや端末メーカーとしてのNokiaは消滅してしまったことを改めて実感させられた。

 とはいえ、グッズは処分も兼ねてか終日ブース内には豊富に置かれており、ストラップやグミは出すや否やあっという間になくなる状況。まだまだNokiaブランドは健在ということだろうか。

Nokiaロゴの無いMicrosoftブース
大量に置かれていたNokiaストラップ。すぐになくなり速やかに補充されるほどの人気

 展示されていた端末は新製品2機種やLumia 930、Lumia 630など型番が「30」そして「35」の今年の最新モデル。来訪者の反応も悪くなく、前のLumiaを持っている客が買い替えのために新製品を見に来ている光景も結構目にした。苦戦していると言われているWindows Phoneも、会場内でも持っている人をそれなりに見かけたことからヨーロッパでは着々と利用者数が増えているのだろう。

 新製品のうちLumia 730は意外にもデュアルSIM機能への質問が多くされていた。デュアルSIMは新興国などで人気だが、先進国でも通話用の安いSIMとデータ通信特化のSIM、のような2枚利用が増えているのかもしれない。ドイツもMVNO事業者が多く、SIMの複数利用がしやすい環境になっている。なお、さりげなくフロントカメラが5メガピクセルで、セルフィー利用も意識いしているあたりは見逃せない。

 また、Lumia 830は最上位モデルのみが採用していた金属フレームやPureView技術のカメラを搭載するなどなかなか侮れない製品に仕上がっている。価格もミッドレンジの上位クラスであり、フラッグシップのLumia 930とどちらを選ぶか悩ましい存在だ。

デュアルSIM対応のLumia 730
高級感もあるLumia 830

 展示機すべてにはNokiaロゴが入っていたものの、次の大型国際展示会、2015年1月にラスベガスで開催されるCES 2015ではこのロゴが無くなってしまうかもしれない。Nokiaの開発陣がそのままMicrosoftへ移動してLumiaシリーズを開発していることから、今後も既存のLumiaのエッセンスを引き継いだ製品が出てくるだろう。恐らく今年の「30」シリーズの製品はこれで全てが出揃っただろうが、来年の「40」シリーズはどんな製品が出てくるのか、今から楽しみにしているところだ。


Windows Phone 8.1でタイル配置を楽しむ

 Windows Phoneの最新OS、Windows Phone 8.1は最近販売が始まったLumia 930やLumia 630には最初からプリインストールされている。既存の機種についても順次アップグレードがはじまり、筆者のAT&T版Lumia 1020にもようやくダウンロード提供された。

 Windows Phone 8.1の新機能はiOSのSiriのような音声によるデジタルアシスタント、Cortana(コルタナ)が目玉の一つであるが、まだ対応する国や言語が限られているため日本人には実用性は低そうだ。今後のアップデートに期待したいところ。

タイルの数を大幅に増やすことができる

 それよりも外観上の一番の大きな変化は、スタート画面の変化だ。Windows Phoneの特徴であるアプリやショートカットのタイルを今までよりも小さくし、より多数を配置できるようになったのである。タイルの数は最少タイルサイズにした場合、横6個×縦10個の合計60枚を一画面で見ることができる。もちろんそれ以上タイルがあれば、スクロールすることでそれらの下に続けて表示できる。これだけタイルが並べられれば、インストールしているアプリすべてをスタート画面に配置することも可能だろう。

 とはいえ、すべてがミニタイルでは見にくいことと、画面上にアクセントを利かせるために、タイルのサイズは大(長方形)、中(正方形)、小(ミニサイズの正方形)と3種類から選ぶことができる。タイルそのものがスタート画面のデザイン要素にもなっているため、タイルの配置をあれこれいじるだけで見た目のカスタマイズも楽しめる。

タイルは透明化されているので背景写真を張り付けも可能

 さらにはタイルが透明化されたため、背景に写真を張り付けることも可能になった。ただし、まだすべてのアプリのタイルが透明化されておらず、アプリごとのアップデートを待つ必要があり、背景写真が一部透けて見えない状態なのだが、それはそれで「どのタイルをどこに配置しよう」と考えるのも面白い。

 筆者のLumia 1020のスタート画面にはタイルを30枚配置しているが、実はそのうち普段使うアプリは半数程度。そのため以前の数の少ないタイル配置に戻してもいいのだが、数が多いほうがよく使うアプリの位置を自由に動かしやすいため新しいスタート画面が気に入っている。


香港のローミングSIMでLumiaを日本で使う

 最近、海外で日本利用可能なSIMカードが少しずつ増えている。もちろん海外で通信事業者と契約していれば日本でも1日単位の定額ローミングが可能だ。だが利用頻度の少ない場合は割高なのがちょっと難点なところ。これに対して最近見かけるようになってきたのは、プリペイドで一定のデータ量が含まれているタイプのもの。使い過ぎの心配も無いので安心して日本で利用できる。

成田についてLumiaに香港のSIMカードを装着。すぐにデータ通信できる

 筆者が香港で入手したのは香港のMVNO事業者であるチャイナユニコム香港の日本専用プリペイドSIMカード。299香港ドル、約4000円で1週間5GB利用できる。通常の旅行での利用ならばこれだけの容量があればまずは事足りるだろう。日本ではソフトバンクの回線を利用、もちろん香港の事業者のSIMカードなので日本ではローミング扱いとなる。すなわち筆者のように海外で普段使っているスマートフォンにそのままこのSIMカードを入れ、日本でのローミング利用ができる。

 使い方は簡単で、日本到着後にSIMをスマートフォンに入れてAPNを設定(3gnet)、あとはソフトバンクの電波を掴めば即座にデータ通信が可能になる。なお香港のSIMカードなのでデータローミングをONにしなくてはならない。ただし回線は3Gのみで、LTEには入れない。通信速度は実質1Mbps前後に留まってしまうものの、ユーザー登録も不要で即座に使える点は非常に便利だ。

 さて実は香港ではこの他にも台湾や韓国、ヨーロッパそしてもちろん陸続きの隣国の中国など、各国向けのプリペイドSIMが売られている。音声通話がローミング利用できるプリペイドSIMカードはそれこそ10年以上も前から売っているが、スマートフォン時代に適したデータパッケージのプリペイドSIMカードも増えているのである。

香港では各国用のデータプリペイドSIMカードの種類が増えている

 このようなSIMが売られているのは、香港の携帯電話市場が完全にSIMフリーだからだ。香港では事業者の店で2年契約でiPhoneを実質無料で買ってもSIMロックはかかっていないし、量販店ではSIMフリースマートフォンを自由に購入できる。そのため、SIMフリー端末用に海外用のプリペイドSIMカードというものが商品として成り立つのである。

 もちろん自分の携帯電話番号を海外でもそのまま使いたい人はローミング利用するケースもあるが、重要なのは「どちらが便利」ではなく「自分のSIMでのローミング」、「海外用SIMカードで安価に利用」という選択肢が香港の消費者に与えられていることだ。旅行慣れしている香港人なら、自分のSIMを入れた端末と、海外現地用の端末、のように2台持ちする場合も珍しくない。その2台目は中古スマートフォンや使い古しを使うなどして費用を抑えている人もいる。

 日本でも来年には販売される端末のSIMフリー化が義務付けられるようになる。そうなれば香港のように海外用プリペイドSIMが売られる日が来るかもしれない。また海外旅行用に中古スマートフォンをもう1台持っていく、なんて人が増えれば中古市場もより活性化するかもしれない。SIMフリー化は日本の旅行者のスマートフォンの使い方に変化をもたらすものになるだろう。


Lumiaで第2のメニュー画面「キッズコーナー」を活用する
Windows Phoneにある「キッズコーナー」の設定

 Windows Phoneには子供にスマートフォンを触らせる時のための専用のメニュー画面「キッズコーナー」が用意されている。例えば、自分の使っているLumiaを子供に持たせたとき、不用意にFacebookに謎の書き込みがされてしまったり、あるいは友達を消してしまうなんて誤操作が起きてしまうことがある。「キッズコーナー」は専用のスタート画面で、ここに登録したアプリ以外を利用できなくする子供専用のメニュー画面なのである。これを利用すれば誤操作の心配をすることなく、安心して子供に自分の端末を渡すことができる。だがこの「キッズコーナー」、何も子供専用に使わなくとも活用方法がある。

「キッズコーナー」に旅行関係のアプリを入れてみた

 Windows Phoneはスタート画面にアプリアイコンをタイル状に並べることができ、しかもタイルの大きさは3種類から選べるため多数のアイコンを見やすく並べることができる。ところが普段あまり使わないアプリのアイコンはスタート画面には置いておきたくないもの。とはいえ旅行に出たときに旅行関係のアプリを後からスタート画面に複数個追加するのもちょっと面倒である。そこで筆者は「キッズコーナー」に旅行関係のアプリを集めて登録している。旅行に出たときは複数の旅行関連アプリを頻繁に使うため、「キッズコーナー」を開けばそれらアプリを一画面から選んで使うことができるわけだ。

 設定は簡単で、設定からキッズコーナーを開き「オン」を選択、そして「アプリ」から追加したいアプリを選ぶだけだ。「キッズコーナー」の開き方は、スリープ画面を解除した画面を右から左にスワイプ、続けて下から上へスワイプすればよい。もちろんこの画面でもタイルサイズは自由に変更できる。普段のスタート画面に多数のアプリアイコンが並んでしまっている場合など、利用頻度の少ないものはこちらに置けば画面のスクロール操作も頻繁に行わなくてよくなるだろう。

「キッズコーナー」からアプリを起動した場合はマルチタスクの切り替えはできない

 なお、「キッズコーナー」では「戻る」キーを長押ししてのマルチタスク切り替えなどはできない。またスタートボタンを押すと「キッズコーナー」のスタート画面に戻る。通常の画面に戻す場合は電源キーを押して画面をスリープ、再度電源キーを押してからロック画面で下から上にスワイプすればよい。ということで2つのスタート画面をうまく切り替えながら使うことで、Lumiaの使い勝手もまた一つ高まったように思う。


Mobile Asia ExpoでNokiaブースを発見したが……

 毎年6月は展示会やイベントのラッシュでライター稼業も大忙し。6月11日から13日までは中国上海で開催されたGSMA主催「Mobile Asia Expo(MAE) 2014」の取材を行った。中国といえばNokiaの最重要地域の一つでもあり、昨年の本イベントではNokiaブースに最新端末がずらりと並べられていた。今年のMAEでも会場を回ってみると見慣れたロゴとカラーのNokiaブースを発見。だが近寄ってみるとどうも様相が異なる。

 ブースの入り口では来場者の入場パスをチェックしており、一般客はブース内には入場できなくなっていたのだ。もしかして関係者のみの入場になってしまったのかと心配したが、プレスパスを見せたところすんなりと中に入ることができた。ところが展示内容を見ると端末の類は一切置かれていない。Nokiaブースでありながらも端末を展示していないのはなぜなのだろう?

 実はブース内の展示はすべてネットワーク関連のものだったのだ。中でも目を引いたのはTD-LTEとFDD-LTEのキャリアグリゲーションによる高速化のデモなど。これらはすべてNSN(ノキアソリューションズ&ネットワークス)の製品やソリューションだ。Nokiaの端末部門は2014年4月29日にMicrosoftへの移管が終了したが、それと同時にNSNはNokiaのネットワーク事業部へ移管。見慣れたNokiaのロゴは今後ネットワーク企業のロゴとして利用されていくのだろう。

MAEのNokiaブース。自由に入ることはできない
ブース内はネットワーク系の展示。キャリアアグリゲーションなど興味深いものばかりではあるが端末は無し

 ということでMAEではNokiaの端末は見られないものと思っていたが、中国移動によるLTE端末の特設コーナーにNokiaの最新LTEスマートフォン「Lumia 638 4G」が展示されていた。1000元台の低価格機ながらもTD-LTEとFDD-LTEの両方式に対応するMMMB(マルチモード・マルチバンド)製品で、W-CDMAとTD-SCDMA、GSMも利用できるグローバル対応端末だ。

 展示コーナーのスタッフもNokiaロゴのシャツを着ており、狭いながらもこのエリアはNokiaらしいディスプレイをするなど「ミニNokiaブース」と言った様相だった。スタッフも「Lumia 638 4G」の説明には力がこもっており好感も持てた。価格は1299元(約2万2000円)で6月中にも発売されるという。なお同じ中国の事業者、中国聯通向けにもLumia 636としてほぼ同スペックのLTE対応品が発売される予定だ。

中国移動特設ブースに設置されたNokiaコーナー
デュアルSIMにも対応するLumia 638 LTE

 香港在住の筆者は中国に行く機会も多く、広東省の深セン西部までバスで15分というエリアに住んでいる。そのため仕事だけではなく買物や食事で中国入りする機会も最近は多い。だが中国で本格的にLTEが始まったものの筆者の所有するLumia 1020はTD-LTEには対応していない。中国用のLTE端末として、このLumia 638 LTEを買おうかとMAEが終わってから日々悩んでいるのである。


ロシアではLumiaが意外と人気者

 5月中旬に所用でモスクワへ行ってきた。せっかくなので現地のキャリアや携帯電話販売店をいくつか回ってみたのだが、ロシアでもどこへ行っても売られている携帯電話はスマートフォンばかり。フィーチャーフォンも音声通話用端末としてまだいくつか売られているものの、エントリーレベルのキャリアブランドスマートフォンであれば日本円で5000円程度のものもあり、もはやフィーチャーフォンを買うよりスマートフォンを買ったほうが安い、という状況だった。

 スマートフォンの品ぞろえは他国と似たようなもので、アップル、サムスンが強く、その後をLG、HTCが追いかける格好。他にはASUSやAcerなど台湾勢、それに加えてAlcatelの製品は品ぞろえがよく、またPhilipsブランドのスマートフォンもよく見られた。そしてどこの店でも必ず売っていたのがNokiaのLumiaシリーズだ。エントリーモデルのLumia 520からハイエンドのLumia 1520まで、キャリアのお店も携帯量販店もほぼすべてのお店に在庫が置かれていた。

モスクワでキャリアの店を巡回
どのお店にも必ずLumiaの在庫あり
空港鉄道のアプリはWindows Phone用もある

 そういえば空港からの鉄道の車内無料誌には空港鉄道のモバイルサイトの広告が出ていたのだが、アプリはiOS、Androidに加えWindows Phone用も。しかも広告で使われている端末がLumia 925であったことから、ロシアでもWindows Phoneはそこそこ売れているようだ。ちなみに鉄道車内では斜め前に座った客がLumia 900を使っていた。カラフルなLumiaのボディーはちょっと遠くから見てもすぐにわかるのだ。

 いくつかのお店では店員が近寄ってこないのでゆっくり自由にショーケーに並んだスマートフォンを眺めることができたのだが、筆者がポケットからLumia 1020を取り出すと急に店員が近寄ってくることが数回あった。「店内は撮影禁止」と言われると思いきや、「それ、1020でしょ、見せて」のようにロシア語で話しかけてきたのであった。こちらはロシア語ができないので「ヤポンスキー(日本人)」と返すだけだったが、Lumia 1020を渡すと楽しそうにカメラを操作したりなど、ここモスクワでもスマートフォン好きには評判がよいようだ。

この量販チェーン店では店員と片言で話ができた。Lumia 1020が欲しいそうだ

 ここで「Lumiaってモスクワでの人気ではどうなの?」と話しかけられたらいいのだがその語学力も無し。でも、たまたま立ち寄ったキャリアMTSのお店では、ちょうどLumia 520を買っている客がいた。さすがに話は聞けなかったものの、電源投入後に店員の説明を聞きながらアカウント登録などをしているあたりから、店員も客もWindows Phoneには多少慣れているようだ。

 モスクワ滞在中も地下鉄車内や街中でLumiaユーザーをちらほら見かけることがあった。だが最新のハイエンド製品を使っている人は見かけられず、たいていがひとつ前のモデルか、あるいはエントリーモデルを使っている状況だった。まだまだNokiaブランドに力があり、そこそこLumiaが売れているロシア市場、Microsoftに買収されてから果たして同社のWindows Phoneはどのように受け入れられるのか、来年また再訪してみたいところだ。


Lumiaの画面表示を他機種と共有できるNokia Beamer

 自分の使っている端末の画面表示を他の端末と共有したい、ということがたまにある。たとえば画面のキャプチャを多数撮って、それを次々に見せながら説明したい時など、キャプチャファイルをメールなどで送信するのも面倒だ。そんなときは画面をそのまま相手に見せるのもいいが、向かい合わせの席に座っているときなどはちょっと面倒なもの。あるいは観光地の風景を写真にとるほどでもないけど自宅にいる家族に見せたい、なんてときもLumiaのカメラを通した画像をそのまま見せられたら便利だろう。そんな用途に使えるアプリが、Lumiaの画面表示を他の端末のWebブラウザで表示できる「Nokia Beamer」だ。

 Nokia BeamerはNokiaが用意するサーバーを使って画面の共有を行う。利用にはユーザー登録は不要である。一番簡単な使い方は共有先にしたい端末のWebブラウザで「Beamer.Nokia.com」を開くとQRコードが表示される。一方自分のLumiaでNokia Beamerアプリを開き「近くと共有」を選ぶとカメラが起動するので、相手の端末の画面に表示されているQRコードを読み込む。これで接続は完了だ。

QRコードを表示させ、それをLumiaで読み取ると共有開始
Lumiaの画面表示を共有できる

 あとはLumiaの画面表示がそのまま相手の端末のWebブラウザ内に表示される。Windows Phoneの特徴的なタイルのメニュー画面はもちろん、画面表示そのものすべてを相手側の端末に送ることができるのだ。さらにLumiaのカメラを通した画像を送りたい時は「見ているものを表示」を選択すればカメラが起動してその場の画像を送信できる。相手側に表示される画面は3~4秒の自動更新、あるいはLumia本体を振ることで手動更新できる。ストリーミングではなく静止画の共有だが、写真やWebブラウザを共有するなら十分実用的と感じた。

 また、遠く離れた相手と画面を共有したい場合は、LumiaのNokia Beamerアプリで「リモートで共有」を選ぶと、共有URLがメール、SMS、あるいはソーシャルサービス経由で送信できる。実家のPCやネット接続できるTVの大画面に旅先の写真を送る、なんて使い方も面白そうだ。

遠くの相手にはメールでURLを送信して接続できる
画面の横表示にも対応

 ところで、MicrosoftによるNokiaの買収も完了し、近いうちにはNokiaのスマートフォン開発も新体制下に移管される。今までNokiaは他社のWindows Phoneと差別化するためにNokia独自のアプリを多数開発してきた。今回紹介したNokia Beamerもその一つだ。だが今後はMicrosoftがそれらをそのまま引き継ぐことになる。今後Microsoftが自社端末のみに対応したアプリをそのまま継続開発するのか、あるいはWindows Phone全体のシェアを高めるために他メーカー端末でも利用できるアプリとして公開していくのか、そのあたりのアプリ戦略も気になるところだ。


Lumia 1030に期待したいこと

 4月頭に開催されたMicrosoftの開発者向けのイベント「BUILD 2014」で、Nokiaの新しいスマートフォンが発表された。フラッグシップラインとなるLumia 930と、ミッドレンジのLumia 630、635の3機種だ。このうちLumia 930はLumia 1020と同等のPureView技術を採用した20メガピクセルカメラを搭載しており、暗いシーンや手ぶれなどに強い写真が撮影できそうだ。筆者の所有するするLumia 1020も妥当に行けば今年中に後継機種となるLumia 1030が出てくるのだろう。Lumia 930のスペックを見ながら、Lumia 1030にぜひ搭載してほしい機能などを考えてみたい。

 まず、Lumia 930のディスプレイは5インチフルHDとなった。Lumia 1020は4.7インチHDであり、ここは同等もしくは5.2インチくらいに大型化してもらいたいところだ。高画質な写真を撮影後、画面で拡大表示して細かい部分を確認したいときなど、最近では今のLumia 1020のディスプレイに不満を感じている。まぁ、これから出てくる上位モデルはフルHDが標準になるであろうから、この点の改善は期待できそうだ。

新フラッグシップのLumia 930
Lumia 1030ではディスプレイ解像度の向上を期待したい

 また、Lumia 930ではSIMカードがnanoSIMサイズになった。これは2013年10月に発売となったLumia 1520も同等だ。とはいえ世の中は現実的にはまだまだ標準サイズ(miniSIM)やマイクロSIMが多く、海外旅行時に現地でプリペイドSIMを買うときもnanoSIMが無いことも多い。nanoSIMの採用は本体サイズを小さくするためというよりも、iPhoneと共通のサイズにすることでユーザーの乗り換えを狙ってもいるのだろう。だが同じメーカーで複数のSIMカードのサイズというのも実は使いにくいものだ。たとえば中国の新興メーカー、小米(シャオミ)はminiSIMカードを採用しているが、別売でmicroSIMとminiSIMのトレイも販売している。Lumia 1030もそのように複数のSIMカードサイズに対応できるようになってもらいたいものである。

 そして、ワイヤレス充電は本体だけでできるようになってもらいたい。内蔵するコストを考えてかLumia 1020はスナップオン式のカバーでQi方式のワイヤレス充電に対応しているのだが、カメラグリップカバーや他のカバーなどを付けているときはワイヤレス充電ができないのだ。Lumia 930、Lumia 1520と立て続けにQi内蔵の製品が出てきているだけに、Lumia 1030もぜひとも本体内蔵にしてもらいたいものである。

小米はSIMカードトレイを3種類用意している
Lumia 1020用のQiカバー、最近は使わなくなってしまった

Lumia 1020に欲しい拡張レンズ
クリップレンズはLumia 1020では使えるものが無さそう

 カメラ画質のいいNokia Lumia 1020だが、そのカメラをさらに活用したいと思っている。巷にはスマートフォン用の拡張レンズが売られており、クリップタイプで魚眼やワイド効果を手軽に楽しめるものが売られている。Lumia 1020にもそれらをはめて使えば楽しそうだが、残念なことにカメラの位置が本体の中央にあるためクリップタイプのレンズはレンズの位置が届かず使えそうもない。

 試しにレンズ部分だけをLumia 1020のカメラの前にかざして撮影してみると、例えばワイドレンズならば室内でより広いアングルでの撮影ができる。カメラの世界でもコンデジ用のワイドレンズやテレレンズなどが発売されているように、いいカメラを備えたスマートフォンにもそろそろコンバージョンレンズがメーカーから発売されてもよいのかもしれない。

スナップオンできるレンズカバーが欲しい

 Lumia 1020は純正でワイヤレス充電カバーが販売されている。このカバーの中央に、各社から販売されているクリップタイプのレンズのレンズ部分だけが装着できるようなものが発売されるだけでも便利だろう。もっともクリップレンズもレンズのネジ部分が複数種類あり、各社の製品間で互換性は保たれていない。そう考えるとこの手のレンズも各社で同じ規格で作ってもらいたくなる。

 なお最近は3Dプリンターの価格もだいぶ安くなっているので、この手のものは自作してしまうのもよいかもしれない。そういえばNokiaは以前、Lumia 820用に3Dプリンターで自作できる本体カバーの3Dの図面データを無償で配布していた。一から3Dのデータを作成するのは難しいだけに、市販化しにくいアクセサリはメーカーがデータだけを無料で配布、あとは自分で3Dプリンターで出力する、なんて時代が早くやってきてほしいものだ。


ストックホルムで欲しくなった「手袋用カメラアプリ」

 今年もMobile World Congress 2014がバルセロナで開催される。せっかく遠いヨーロッパへ行くのにバルセロナだけ立ち寄るのはもったいないということで、毎回毎回バルセロナ入り前後に他の国に1~2泊立ち寄ることにしている。今回選んだのはスウェーデン。首都ストックホルムに1泊し、そのあとはコペンハーゲンからバルセロナへ飛ぶため、スウェーデン側の国境の町であるマルメにも1泊してみた。

 スウェーデンと言えば北欧の国。2月の真冬はどんなに寒いのかと思いきや、到着した日は雪も無く想像していたよりも暖かいようだった。とはいえ気温は0度前後、夕方以降に手袋無しで歩くのは厳しいところだ。ストックホルムには古い建物も多く観光を兼ねて街歩きをしつつ写真を撮っていたのだが、普通の手袋をしたままでも操作できるLumia 1020のタッチパネルは冬の北欧では必須の機能だと実感した。もちろんスマートフォン専用の手袋も売っているが、自分の好きな手袋をそのまま使えるほうがより便利だろう。ただし手袋をはめたままでは本体が滑り落ちやすいのでストラップの利用は必須だ。

一夜にして雪に覆われたストックホルム
普通の手袋でも操作できるLumia 1020、冬のストックホルムでは大活躍だ
夜中のマルメ駅、寒いがきれいな写真を撮るために手袋をとって指先で設定変更を行った

 とはいえ手袋をはめたままでは細かい操作ができず、誤ってWindowsボタンなどを押してしまうことも多々あった。またカメラの設定変更も手袋をはめた指先では難しく、結局は手袋を取って寒い中右手人差し指で撮影モードの調整などを行うことになってしまった。

 手袋をはめたままでも使えるのは便利なのだが、どうせならば「手袋装着時用カメラアプリ」といったものもあってもいいのではないだろうか? アプリを起動すると画面上に半透明で大きいタイルが2×3マス目並び、それぞれが「静止画/動画切り替え」「フラッシュOn/Off」「露出」などになっていれば手袋をはめたままでもタップしやすそう。北欧企業のNokiaだけに手袋操作可能なLumiaにはぜひ標準搭載してもらいたいものだ。


Nokia Lumia 1020でRAW撮影を楽しむ
DNG形式のRAWファイル撮影が可能になった

 Nokiaの最新ファームウェア「Lumia Black」となった筆者のLumia 1020。最大のポイントはカメラでDNG形式のRAWファイル撮影が可能になったことだ。本体のファームアップデートの後で、カメラアプリ「Nokia Caアップデート完了後は設定の撮影モードに「JPEG(5MP)+DNG(38MP)」の項目が増えている。名前の通りRAWファイルでの撮影と同時にJPEG 5メガピクセルの撮影も同時に行ってくれるため、SNSサービスなどへはそちらのJPEGファイルを使ってすぐにアップロードできる。

 DNG形式のファイルはLumia 1020では直接扱えず、PCへ転送してから利用できる。これは38メガピクセルのJPEGファイルも同等で、大容量の画像ファイルはスマートフォンではなくPCで操作するのが現実的だからだろう。ちなみに5メガピクセルのJPEG画像は通常1~3MB程度、38メガピクセルのJPEG画像は8~12MBくらいとなる。これに対して38メガピクセルのRAWファイルは48.5MBとサイズはかなり巨大だ。

 ではRAWファイルではどれくらい高精細に撮影できるのだろうか? ちょど韓国旅行中だったので観光地でいくつか写真を撮影してみたところ、同じ38メガピクセルのRAWファイルとJPEGファイルではRAWファイルのほうが色表現が自然で、細かい部分でもJPEGファイルのほうがエッジが強調されるなど若干不自然な仕上がりであることもあった。とはいえスナップ写真を撮影する程度であれば38メガピクセルのJPEGでも結構いい写真が撮れると思う。

観光地でRAWファイル撮影をテスト
左がRAW、右がJPEGのそれぞれ38メガピクセル写真。RAWのほうが色合いは自然ではあるが差は小さい
夜景の加工もRAWファイルなら簡単だ

 一方、RAWファイルは、やはり撮影後の写真を加工する際に威力を発揮する。例えば、夜景やホワイトバランスの調整が難しい被写体を撮影する際は、RAWファイルであれば後からの色合いの変更も行いやすい。筆者もソウルの街中の夜景をRAWとJPEGで撮影して比較してみたが、RAWファイルであれば明るさの調整も難なく行えた。

 スマートフォンで写真撮影そのものを楽しみたい場合、JPEG+DNGモードであれば「すぐに使えるJEPG」と「後からじっくり加工できるRAW」の2種類のファイルが同時に生成される。Lumia 1020のカメラ性能を最大限に利用したいのであればこのモードをデフォルトとして使うのがよさそうだ。普段デジカメではRAWファイルはあまり使うことのない筆者だが、Lumia 1020では積極的に使ってみたいと思う。


もうすぐCES、そしてNokia Blackがやってきた

 まもなくラスベガスで毎年恒例の「2014 INTERNATIONAL CES」が開催される。筆者のNokia Lumia 1020は2013年夏にサンフランシスコで購入したAT&T版だ。アメリカ滞在最終日に購入したために現地でプリペイドSIMを入れて試すことはできなかったが、今回のCES取材ではようやくAT&TのSIMを買い現地で活用できそうである。

 と、本来ならばCES取材時に実際にSIMを買ったレポートでも書きたいところなのだが、今回は行く前から楽しみであり、準備も万端なので事前情報がてら情報をまとめておこうと思う。AT&TのプリペイドSIMは以前であればSIMフリースマートフォンに入れて活用できる唯一のSIM、なんて時代もあった。だがその後はClearのWiMAXルーターがプリペイドで登場、あえてSIMフリー端末とプリペイドSIMを買わずともルーターのプリペイド契約で手軽に高速通信環境を入手できるようになった。ラスベガス訪問時はライター陣がこぞって同じルーターを購入、なんてこともあったのだ。そして次にやってきたのがLTE時代で、VerizonのLTEルーターやらiPadデータ契約が超高速で仕事にも十分使える、といううれしい時代になっている。

 その一方でAT&TのプリペイドSIMはデータ通信が手軽に使えない料金プランになったりとすっかり忘れられた存在になっていた。筆者が去年Lumia 1020を買った時も、AT&TのプリペイドSIMをあえて買おうとも思っていなかったのだ。ところが最近になってLTEが使えて料金もリーズナブルなデータ通信プランが登場。「Prepaid GoPhone」(GoPhoneはAT&Tのプリペイドのブランド名)の「Mobile Hotspot」契約すれば、1か月50ドルで5GBできる。Lumia 1020にこのSIMを入れればかなり快適に現地で使えそうだ。アメリカへの出張機会が多い人は、これからはAT&T版のLumiaを買うのもいいかもしれない。

 さて、CES 2014を前にして、Lumia 1020にも最新のファームウェアアップデートがやってきた。Windows Phone 8のアップデートとしては前回のUpdate2(GDR2)に続く、今回がUpdate3となる。ファームウェアは前回が「Amber」で今回はAの次のB、「Black」。このアップデートの最大の特徴はカメラのRAW形式での撮影対応。いよいよスマートフォンのカメラもRAWで撮る時代がやってきた。他にはカメラやロック画面の改善などがあるのだが、今回は時間がないのでほとんどいじれていない。カメラのあたりはまた追々レポートできればと思う。

筆者のLumia 1020はAT&T版。ようやく本領を発揮できそう。手前の3Gルーターは有効期限無期限というSprintのMVNOのもの。速度が遅いこともありなかなか容量を使い切れない
最新のファームウェア「Nokia Black」となったLumia 1020。カメラ周りは追っていじっていきたい

「後からフォーカス変更」のNokia Refocusが便利

 NokiaはLumiaシリーズ向けに様々なカメラアプリを提供しているが、最新機種のLumia 1520の発表と合わせてリリースされたのが「Nokia Refocus」だ。その名前の通りに後からフォーカス位置を変更することができるカメラアプリで、単体のカメラとして同じ機能を備えている「Lytro」をLumiaで実現できるアプリである。Lumia 1020でも利用できるので早速ダウンロードしてインストールしてみた。

食事風景をLumia 1020で撮影する。その様子を撮ったこの写真もLumiaがぼけてしまっている

 使い方は簡単で、Nokia Refocusを起動してシャッターボタンを押すだけ。設定などは一切不要である。ただし、シャッターを押してから写真撮影が完了するまでに1~2秒ほどかかるので、対象物が動くようなものよりも止まっているもの、例えば料理やブツ撮りに向いているようだ。

 ちょうど韓国を訪問したので焼肉店でさっそくNokia Refocusを使ってみた。おいしそうな写真を撮影してみたところ、やはりフォーカスが手前や奥にずれてしまう写真がいくつか撮れてしまった。だがNokia Refocusでの撮影ならば好きな場所にフォーカスをすぐに合わせなおせるので、結果としておいしそうな写真を撮影することができる。

手前の野菜にフォーカスが合ってしまった
撮影後、すぐに肉のほうへフォーカスを合わせなおすことができる

 とはいえ、理論的にはフォーカスをずらした写真を複数枚撮影して合成しているために、作例のように撮影中にトングが動いているとフォーカスを変更した際に、その動きが見えてしまう。まぁ、そのあたりはさておき、ピンボケ写真の心配がなくなるNokia Refocusは食事の際に必須のカメラアプリとなりそうだ。


Lumia 1020のカバーをタオバオで注文

 デジカメとしても日々常用しているLumia 1020。外に持ち出す機会が多いだけに本体を保護するカバーはぜひともつけたいところだ。特に筆者のLumia 1020はカラフルなボディだけに傷をつけてしまうのは避けたいところ。今やスマートフォンを買ったら画面保護フィルムを貼って本体のカバーも購入するのが当たり前ともいえる時代だけに、筆者の居住する香港やお隣中国でもメジャーなスマートフォン向けには数多くの製品が出回っている。

 だが、Lumia 1020の利用者は香港や海外でもまだそれほど多くは無い。決してメジャーとは言える存在にはなっていないのが実情だ。とはいえ4100万画素カメラなどは香港の新聞や一般向け雑誌で取り上げられたことはあるし、Nokiaのブランドもまだ多くの人が知っている。ということでサードパーティー製のカバーを探してみたものの香港では見つけることができなかった。

カメラグリップカバーは便利だがサイズが大きくなる

 Lumia 1020のカバーが売られていない理由の一つは、純正のカメラグリップカバーが使い勝手が良くこれをつけたまま利用するユーザーが多いためかもしれない。筆者ももちろんカメラグリップカバーは多用している。とはいえ手ぶらででかけたいときはLumia 1020単体で持ち運ぶため、薄いカバーが欲しいのだ。

 そこで中国・深センのスマートフォンカバー・ケースの問屋ビルに行き片っ端からLumia 1020のカバーを聞きまくってみた。ところが見つかったものは2~3種類のみ。せっかくならば最近流行のフリップ式のカバーも欲しいと思ったのだがそのタイプは皆無。Lumia 1020のカバーを作っているメーカーなんてのは全く無い状態なのだろうか?

 深センの問屋ビルは「無いものは無い」といわれているくらいに製品が豊富なのだが、それはiPhoneなど売れ筋のメジャー端末向けの最新製品に限られる。そこで実店舗はあきらめ、中国最大手のオンラインモール、タオバオでLumia 1020のカバーを探してみた。おそらく製品数は数えるほどしかないよなぁと思っていたのだが、結果はページ数上限の100ページ、重複が多いとはいえ選び放題という状況だ。

透明素材の薄いカバー、Lumia1020用は見つからず
タオバオではLumia1020のカバーやケースが100ページ見つかった

 中国ではメジャーなスマートフォン以外のカバー類は、もう最初からオンラインで直接探したほうが手っ取り早かったのである。ということで、さっそくタオバオでカバーをいくつか注文、今は到着を待っている。お店などでカバーが売っていなくてもあきらめずに、今後はマメにタオバオで検索しようと思う。


Nokiaポーランド製のアプリを楽しむ

 NokiaのLumiaシリーズにはNokiaから専用アプリがいくつか配布されている。細かい手動調整が可能な「Nokia Pro Camera」はもちろんのこと、Symbianや他OS端末からデータをBluetoothで受信できる機種変更アプリ「Transfer My Data」など便利なアプリもいくつか提供されておりLumiaユーザーには必須のものかもしれない。Windows Phone向けアプリも日に日に増えており、Windows Phoneストアに並ぶアプリの数も1年前と比べるとかなり充実した感がある。

NokiaポーランドのアプリをWunderman Polskaが提供しているとういことなのだろうか

 Nokiaのアプリも少しずつ増えているが、それら純正アプリ以外にも、“準”純正とも呼べそうなアプリがいくつか提供されている。それらの発行元はWunderman Polskaという会社になっているが、これはポーランドの広告代理店のようで、実際の開発はNokiaポーランドのデベロッパーチームのようだ。アプリによってはPowerd by Nokiaの表示もある。

 これらのアプリはいずれもアイコンやアプリデザインなどにNokiaらしさが感じられるものばかり。フラッシュをライト代わりにする「Flashlight Pro+」やバッテリーメーターの「Battery Pro+」など、すでに同じ機能のアプリは他からもいくつか出ているものの、Lumiaに入れるならやはりNokia開発のもののほうがしっくりくるように思えるところだ。ピクトグラムを多用した単位換算アプリ「Unit Converter Pro+」はいかにもヨーロッパ製アプリといったルックス。単位換算といいながら計算すらできないのだが、海外のデパートへ行ったときなどついこのアプリを起動して頭の中で暗算をしてしまう。アプリはもちろん機能が重要だが、UIや見た目がよいとそれだけで使いたいと思わせる魅力があるかもしれない。

アプリのデザインはNokiaらしさが十二分に出ている
ピクトグラムの使い方がうまいのでついつい使ってしまう

 さて、本当のところはカメラ画質が優れたLumia 1020だけに、写真加工アプリをたくさんいれてあれこれいじりたいところ。だが、写真の出来がいいだけに作品として仕上げたい写真はPCを使ってじっくりと、というのが最近の使い方になっている。とはいえNokiaから高性能で使いやすいカメラアプリが出てきたら、ぜひとも試してみたいとも思っている。


軽快動作のブラウザ「Nokia Xpress」

 カメラが強力なNokia Lumia 1020。とはいえ日常的にスマートフォンとして使う際、標準搭載のInternet Explorerベースのブラウザは他のスマートフォンと比較するとやや使いにくいと感じることもある。例えば訪問先のページによってはPCサイトを開いてしまい、読み込みに時間がかかる場合がある。

 そこで使いたいのがNokiaが提供する「Nokia Xpress」。Nokia開発のブラウザで、自社サーバーを通すことでデータ通信量を大幅に引き下げてくれるという。また携帯端末としてWebページにアクセスしにいくのでスマートフォン向けサイトを開いてくれる。とはいえまだPCサイトを開いてしまうことも多いが、画像圧縮などされるのでページを開く速度は標準ブラウザより速い。元々は低スペックなNokiaのフィーチャーフォン向けに搭載されたブラウザだったが、同社のWindows Phoneにも対応。高速なスマートフォンで使うと動作も快で快適に使える。

 ブラウザを開くとホーム画面が開く。このXpressホーム画面にはサムネイル状に履歴が表示されるため過去に訪問したページを再訪するのも簡単だ。また、ページを横にスワイプするとマガジンが表示されるが、これは簡易RSSリーダーでニュースサイトなどの最新情報を常時表示してくれる。

 そして、ブラウジング中には単語を選択するだけで検索したり、ページ全体の翻訳も行える。ただし、日本語への翻訳はまだ対応していないので、英語ページの日本語翻訳などが行えないのは残念。日本語から英語へは対応しているので、日本語への翻訳もぜひ対応してもらいたいところ。

 複数のページを切り替えるタブが利用できないものの、手軽にWebサイトをブラウジングする際は標準ブラウザよりも使い勝手がよいように感じられる。LumiaシリーズにはNokia独自のアプリが多数搭載されているが、このNokia Xpressはぜひ利用したいアプリの一つだ。


Nokia Lumia 1020をアメリカで購入

 Nokiaの4100万画素カメラ搭載端末、Lumia 1020の販売が7月下旬からアメリカで始まった。とはいえAT&TのSIMロックがかかっている上にアメリカから代行業者などを使って取り寄せるのも大変である。9月になればヨーロッパや中国でも販売される予定と言われていたので、筆者も購入はしばらく待つ予定でいた。

 ところが8月頭に渡米予定が入り、現地で購入するチャンスがやってきた。とはいえAT&TはSIMロックをかけて販売しているので、筆者の居住する香港に持ち帰っても香港のSIMでは動かない。また、7月の販売開始直後は人気殺到で一時的に完売となるほどの人気だったという。つまりAT&Tのお店に行っても在庫が無さそうだし、アメリカ以外での利用に難があることから「とりあえず実機をいじってみようか」という気持ちで渡米したのだった。

 ニューヨークのAT&Tのお店に行ってみると、予想とは裏腹にどの店舗でも在庫は潤沢。だが価格は650ドルとSIMロックがあるにもかかわらず高い。もちろん2年契約を結べば半額以下で購入できるがアメリカ非居住者なので契約もできない。どうしようかと悩んだ結果、本体は後で買うこととして、Lumia 1020をコンデジのようにしてしまうアクセサリの「Nokia Camera Grip」だけを購入した。

サンフランシスコのMicrosoft Sotoreではカメラグリップが無料

 その後、アメリカから香港への帰路はサンフランシスコへ立ち寄った。ここで現地在住の友人が車を出してくれ、せっかくだから空港から近いMicrosoft Storeへ行ってみようと誘ってくれたのだ。店舗に着くとWindows Phoneももちろん扱われており、Lumia 1020も実機が展示されている。しかもすでに購入した「Nokia Camera Grip」がLumia 1020本体を買うと無料だという。ちなみにAT&TでもMicrosoft Storeでも契約不要で単体購入が可能だ。

 AT&Tストアでは店員の目もあり、じっくりと実機をいじることができなかったが、開放感ある広い店構えのMicrosoft Storeでは端末は自由に触り放題。最新のカメラアプリNokia Pro Cameraも存分に試すことができたが、使い勝手の良さに感動してしまい購入意欲を抑えることはできなくなってしまった。

Qiカバーも一緒に購入してしまった

 SIMロック付で650ドルは高く、ここで冷静に考えてみたのだが、カメラグリップ75ドル相当が無料、つまり本体は575ドルということになる。SIMロックについてはWi-Fiタブレットと同じと考え「Windows Phone OS搭載の超高画質Wi-Fiデジカメ」として使えばいいだろう。などと結局は自分を納得させて購入を決定! レジへ向かうとすぐ横にはアクセサリ販売コーナーもあり、純正のQi充電カバーもあったのでこれも一緒に買うことにした。40ドルの追加になるが、アメリカ以外での入手がしばらく難しいであろうことからこれは買っておいてよかったと思う。

 結局、支払った金額は税金なども含め約750ドル。これだけあればいいカメラの一つでも買える金額だろう。だが、以前使っていたPureViewカメラ搭載のNokia 808からどれだけ進化しているか、そしてこれから出てくる他社の高画質カメラ端末との比較のためにも購入してよかったと思っている。


Lumia 1020への買い替え時期を探る

 ここのところNokiaに元気が出てきたようだ。2013年第2四半期のLumiaシリーズの販売台数は740万台で、前期の560万台から約3割のアップ。7月には4.7インチディスプレイ搭載のLumia 625と高画質カメラ搭載のLumia 1020も発表しており、第3四半期の業績も明るい見通しとなりそうである。

どの色にするかも悩ましいLumia 1020

 そのLumia 1020は以前から噂されていた、PureView技術を搭載したカメラフォン。4100万画素のカメラはSymbian OS最後の製品、Nokia 808 PureView譲りのものだ。同時に4100万画素と500万画素の写真を撮影できるなど機能はアップしており、カメラはグラフィカルに設定を操作できる「Nokia Pro Camera」を搭載。シャッター速度を1/6000から4秒まで変化させたり、ISO感度を100から4000まで調整できたり、マニュアルフォーカスが可能など、スマートフォンのカメラとは思えないほど細かい設定ができる。カメラ専用端末として使いたくなるほどの性能だ。

 ということで筆者も現在使っているLumia 920から買い換えたいと思っている。しかし7月末から先行発売されているアメリカではAT&Tのみでの販売で、SIMロックがかかっている上に対応するLTE周波数もAT&T向け。仮にAT&TがSIMロック解除してくれてもアメリカ以外での利用は実質3Gとなってしまう。一方ヨーロッパや中国での販売は9月以降とアナウンスされていることからそれまで待てばいいのだが、やはりこのPureViewカメラはいますぐ使ってみたいとも思うのだ。

デジカメよりも操作性が高そうなNokia Pro Camera

 旅先での記念の1枚だけではなく、展示会取材でもカンファレンスの登壇者の撮影など仕事でも十分使えそうなだけに、アメリカ品をカメラ用途としてだけに先に入手すべきかどうか悩んでいる。ちなみに筆者の居住する香港での発売は主要国からはずれており、年末くらいになる見通しだという。さすがにそこまでは待てないので、9月にドイツで開催されるIFA2013の取材時に現地で販売されていればそこで購入してしまいそうだ。しかしここまで「待てない!」と思えるNokia端末との出会いも久しぶりなので、どこからどうやって購入すべきか日々悩むのもこれまた毎日楽しいものである。


NFCがもう少し便利になってほしいLumia 920

 Lumia 920はNFC機能を内蔵している。最近のWindows Phoneはミッドレンジクラス以上のモデルはNFC搭載が標準となっており、お互いの機種を重ねて接触させることで画像を転送できるなど、Androidスマートフォンと同様に便利な使い道も提供されている。実際の転送にはBluetoothを使うものの、いちいちペアリングを行わなくてよいため使い方は簡単だ。

Lumia 920とAndroidとの間でNFCを使った画像送信は不可

 ところがWindows Phone搭載のNFC機能も実用上はまだ使い道があまり無い。特に不便なのはAndroidとの互換がほとんどないこと。AndroidスマートフォンはAndroid Beam機能により画像やコンタクトのNFCによる転送が可能だが、Windows Phoneとの間では画像の送受信が出来ない。異なるプラットフォームであることから仕方ないかもしれないが、同じ技術を利用しているにも関わらず相互利用ができないのは不便極まりない。

 現時点で両者の間でNFC転送できるのがWebブラウザのURL。ブラウザの共有は開いているページをその場にいる相手に見せたいときに意外と有用である。Windows Phone側からはブラウザを開き、メニューからページを共有→「タップ+送信」を選択し、Android端末と本体を重ねればAndroid側でブラウザが開く。またAndroid側からは、Windows Phoneと本体を重ねればブラウザの画面に「タップしてビーム」の表示が現れるのでタップし、Windows Phone側でコンテンツを受け取れば同様にブラウザが開き同じページが表示される。

NFCで共有できるのはブラウザのURLやコンタクト情報に限られる

 この機能を使えば、たとえばLumia 920で写真共有サイトのページを開き、そのページをAndroid側に送信すれば同じ写真をブラウザで表示し、そのままダウンロードすることも可能になる。とはいえそんな回りくどいことをするくらいならLumia 920側から直接メールなどで写真を送信してしまったほうが早いだろう。

 また、コンタクト情報はWindows PhoneからAndroidへの片方向送信が可能だ。しかし、Peoplesハブに登録されているコンタクトのうち、Facebookなどから自動的に登録されただけのコンタクト情報は送信できない。ソーシャルサービスの普及で遠く離れていても写真やビデオを手軽に共有できるようになったが、カフェなどでリアルに友人と会っているときなど、その場で端末同士を重ねるだけで情報交換できればより便利なはず。せっかく搭載しているNFC機能の有効利用のためにも、今後の改善を望みたいものだ。


Nokiaのカメラフォンに期待したいこと

 日常のスナップからちょっとした取材時まで、筆者はLumia 920のカメラをコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)代わりに毎日のように使っている。撮影後の写真はネット環境下で自動的にSkyDriveへサイズ縮小してアップロードされるので、記事を書いたりFacebookに再送する際、Lumia本体からPCへ写真を同期してそこから加工するよりも使いやすい。Windows PhoneのSkyDriveとの連携は実際に使ってみると大きなアドバンテージだ。

 さて、先月新しいハイエンド機種、Lumia 925を発表したNokiaから今度はカメラに特化した新製品が登場するようだ。7月11日にニューヨークで発表会が行われそこでお披露されるようだが、この新製品は4100万画素相当のカメラを搭載したSymbianスマートフォン、Nokia 808 PureViewと同じカメラを搭載しているらしい。筆者も以前は808 PureViewを所有しており、スマートフォンとしては残念ながら非力ではあったもののカメラ機能は群を抜いてすばらしく、一時期はデジイチ(デジタル一眼レフカメラ)の出番が減るほどあらゆる写真を撮りまくっていた。それと同じカメラがLumiaに搭載されるとなると、スマートフォンとしてではなくコンデジとして買ってもいいかな、と思っている。

急いで撮影するときなどは保持しにくいことも

 だが、普段Lumia 920のカメラを使っていて不満が無いわけでもない。例えばWindows Phoneはハードウェアの基本構成は共通化されており、カメラボタンは本体右側の下のほうに位置している。これは両手で本体を横向きにして支えるときならばちょうど押しやすい位置にボタンがあるのだが、片手で撮影しようと思うと若干本体の保持が不安定になる。もう少し電源ボタン寄りにあれば押しやすいな、と思うことも多いのだ。電源ボタンがカメラボタンにもなる、なんて設定でもあればよいかもしれない。

撮影中に設定変更しようとすると画面が隠れてしまうのは改良の余地がある

 また、カメラ起動中にディスプレイをタッチするとそこに焦点があってそのままシャッターが切れるのは便利な機能であるものの、これも誤って触れて写真を撮ってしまうことも多く、この機能のON/OFF選択も欲しいところ。そして、撮影時に手動で露出補正をしようとすると、被写体にオーバーレイせず画面全体が露出の数値表示になるため、最適な露出をすばやく決めるのが難しい。高画質なカメラを搭載しているだけに、UIにはまだまだ改良点が多いと感じるのだ。

 このあたりはNokiaというよりもWindows Phone OSのUIの問題ではあるだろうが、次に出てくるLumiaのカメラフォンはよりカメラとして使いやすいよう、改善されていることを望みたいものである。


Lumia 920を持って韓国へ

 日本語アプリの数やNokiaマップの日本対応はイマイチではあるものの、海外ならばNokiaのLumia 920は結構使える、なんてことをこれまで何回か書いてきた。特に中国語のアプリは数が増えており中国ではLumiaも少しずつ人気が高まっているようだ。現地の交通案内アプリなども各国で少しずつ増えている。

海外メーカースマートフォンはiPhoneくらいになってしまった韓国

 だが、日本のようにLumiaを使うには厳しい国がもう1つある。それはお隣の国、韓国だ。韓国ではSymbianのフルタッチスマートフォンなども販売していたNokiaだが、Windows Phone以降のLumiaシリーズは販売されていない。また地元企業のSamsungも同OS搭載のATIV Sは韓国では販売しておらず、Windows Phone OSそのものが韓国では日本以上にマイナーな存在なのだ(※Lumia 710がKTより販売されたことがありました。修正させていだきます)。

 今週はちょうど韓国・ソウルに来ているので、韓国製のアプリはどれくらいあるか筆者のLumia 920のアプリストアから検索してみた。中国語のアプリを探すときに国/地域設定を中国に変更したように、今回も韓国に変えてLumia 920を再起動。ストア内の無料アプリの上位をざっと見てみるとやはり韓国語のアプリは種類は少なくかなり寂しい状況だ。カカオトークやLINEがあるのでSNS利用はなんとかなりそうだが、地図関連はNokiaマップが日本同様に詳細情報に対応せず、Googleマップを使うアプリを利用するしか方法は無さそうである。

 とはいえ、せっかくソウルに来ているのだからLumia 920で地下鉄の路線を調べたり、おいしいお店の検索を行ったりしてみたいもの。レストラン検索は韓国の大手ポータルのNAVERが提供しているアプリが見つかり、内容は結構充実している。また、バスや地下鉄の乗換案内アプリは複数見つかった。韓国語オンリーなのでハングルの読み書きが多少できないと辛いものの、Windows Phone 8だけでも最低限のことはできそうである。とはいえ、Androidであれば、例えば地下鉄路線アプリは英語/韓国語の2カ国語切り替えができたりするなどグローバル対応が進んでいるものも多い。

韓国語アプリはやはり少ない。使えるアプリはまだ少ないので今後に期待したい
地下鉄路線図やKTX(韓国高速鉄道)のアプリは英語表記も欲しいところだ

 このあたりのアプリの充実は、やはり国内でWindows Phone端末が出てこないと難しいところだろう。筆者のLumia 920を何名かの韓国人に見せたところ、ポップなボディーカラーやフラットなタイル状のUIを評価してくれる人も多かった。日本市場同様に海外メーカーの参入の敷居が高い韓国市場だが、NokiaにはぜひLumiaでの再参入を願いたいところである。


Lumia 920ユーザーが気になる新製品発表

 Nokiaはこの5月にLumia 925、Lumia 928という2つの上位モデルを発表した。このうちLumia 928は北米Verizon向けなので他国からの購入は難しいものの、PureView技術を採用した高画質なカメラはそのままにキセノンフラッシュを搭載した点が大きな特徴だ。日本でも以前発売されたNokia N82がキセノンフラッシュを搭載していたが、暗いところでも明るく自然光に近い状況で撮影できるのが大きな利点だった。Lumia 920のカメラ性能に不満はないものの、キセノンフラッシュでの夜間撮影の威力は大いに気になるところだ。

クールな色合いでイメージの変わったLumia 925

 一方、Lumia 920の実質的な後継機となるのがLumia 925だ。なんといっても本体重量が139gと、約25%も軽量化されたのがうれしい。側面のアルミ素材のルックスやホワイト、ブラック、グレーのモノトーンなボディーカラーから感じるメタリックなイメージも今までのLumiaシリーズとは違ったクールなイメージだ。ここまで外見の雰囲気が異なるモデルを出したということは、Lumia 920もしばらくは平行して販売されるのだろう。Limia 925の色合いはスーツにも似合うので、ビジネスで活用したい人にもお勧めだ。

 さて、Lumia 920発売されたのは昨年の秋だった。それから半年で早くも新製品が出てくるのはちょっと早すぎる印象があるかもしれない。しかしNokiaがSymbianで世界のスマートフォンのシェアをほぼ握っていたころは、数カ月おきにフラッグシップと呼べる製品が登場していた。Nokiaの製品サイクルが早まっているのはLumiaシリーズが着々と販売量を増やしており、市場を攻めていくというNokiaの姿勢の表れかもしれない。ちなみに2012年第4四半期のLumiaシリーズの販売量は440万台。これに対して2013年第1四半期はクリスマスシーズン明けにも関わらず560万台と伸びている。今年第2四半期はLumia 720、520も販売がはじまったことで引き続きLumiaシリーズの売り上げは増加すると期待したいところ。

ポップな色のカバーも似合うLumia 920

 筆者のLumia 920も最近は使い方がほぼ定まってきており、毎日常用する端末として通話からウェブまで様々に利用している。だが使い慣れてくると大きな不満は185gもある重量だ。Tシャツに短パンというラフな格好で出かけるときなど、短パンのポケットにLumia 920をいれると結構な重さを感じてしまう。ということで軽量化されスタイリッシュになり、またカメラ機能もブラッシュアップされたというLumia 925が発売になったらなるべく早い時期に買い換えようと考えている。だが、Lumia 920のカラフルなボディも捨てがたいので非常に悩ましいところ。まぁ、そのあたりは実際に製品が発売されてからNokiaのお店で悩むことにしよう。


Lumiaカラーのアクセサリも増えてきた

 ノキアの2013年第1四半期決算が先日発表された。それによると主力となるスマートフォンLumiaシリーズの同期販売台数は560万台だったとのことで、クリスマスシーズンの2012年第4四半期が440万台だったことを考えるとかなり善戦している。利益は赤字であり、Lumiaも北米以外では苦戦しているものの、状況は一時期よりも改善されているようだ。

Lumiaカラーを意識したと外付けバッテリー

 海外ではLumiaを持っている人を見かけることがまだまだ少ないものの、少しずつ存在感を増しているようにも感じられる。というのも、Lumiaシリーズのカラーをまとったアクセサリが増えているのだ。Lumiaのボディは原色系の北欧らしい色合いで、フラッグシップのLumia 920も他社には見られない黄色を一番の主力モデルとしている。他にもブルーやレッドなどビビッドなカラーを採用しているが、サードパーティー製のアクセサリや周辺機器にも同じ色合いを採用したものをよく見るようになった。1998年に初代iMacが登場した際、ありとあらゆるアクセサリにトランスルーセントなものが増えた時ほどではないが、Lumiaカラーのアクセサリの種類はここ1年で急増していると感じられる。

 香港や海外でヒマつぶしにIT専門ビルや家電量販店のスマートフォンアクセサリコーナーに立ち寄ると、ちょっとした小物をついつい買ってしまうのが常だが、気がつけば筆者のLumia 920と同系の黄色いものをついつい買ってしまう。本当は別の色にしたほうがアクセントがあっていいのかもしれないが、黄色いものを見ると条件反射的に手にとってしまうのだ。以前ならノキアと言えばブルーをすぐにイメージしたが、最近は複数揃ったカラフルな製品を見ると「あ、ノキアだ」と思うようになってきた。ということで青いモノばかりに囲まれていた筆者の自宅も、いまや昔の面影は全く無くカラフルなアクセサリがあちらこちらに置かれているのである。

最近買ってしまった黄色のアクセサリ
筆者のLumia 920黄色によく似合う

香港から日本へ行ってLumia 920を使う

 筆者は普段香港に居住しており、海外に出かけた際は複数の端末を持ち出しそのうちの1台に現地のプリペイドSIMを入れてデータ通信料金を安上がりにあげるようにしている。渡航先によっては1度購入したプリペイドSIMの有効期限が切れないように維持することで、空港に降り立ってから即通信ができる状態にもしている。一方、日本に行く際はドコモのWi-Fiルーターを契約しているので通信回線の入手を考えることは無かった。だが、今月の日本渡航時はそのWi-Fiルーターを年末の引越時にどこかにしまい込んでしまい、自宅内で見つけ出すことができなかった。次回の日本渡航時はSIM再発行と中古でルーターを買う必要があるかもしれない。

 さて、日本では外国人向けに日本通信がVISITOR SIMを2012年7月から3980円で発売しており、今回は緊急用としてそれを使えばなんとかなりそうである。受け取りは空港の郵便局が営業している時間なら郵便局でも受け取りできるし、もちろんホテルなどへの郵送も可能だ。筆者も当初このVISITOR SIMを購入しようと考えたが、今回の日本滞在中にデータ通信利用が必要なのは2日間。2日間で4000円はちょっともったいない。

 香港の各通信事業者の提供する海外1日データ定額ローミングも1日あたり2000円前後。普段Lumia 920に入れているSIMをそのまま日本で使えるのは便利だ。でも、この料金なら日本通信と変わらない。そこで今回は香港のプリペイドSIMの日本データ定額ローミングサービスを使ってみることにした。香港の事業者、中国移動香港が今年から始めたサービスは日本で1日98香港ドル、約1240円で利用できる。1~2日程度の利用ならこれが最も安上がりだろう。

 また、中国移動香港のプリペイドSIMは香港ではコンビニでも必ず販売されているので24時間いつでもどこでも買えるのも便利。日本でローミングできるプリペイドSIMにはHutchisonのものもあるが、そちらはコンビニによっては売り切れのこともある上に、料金は168香港ドル/日、約2100円だ。ただし、中国移動香港は日本ではソフトバンク回線、Hutchisonはドコモ回線でローミングするという違いがある。

中国移動香港のプリペイドSIMに300香港ドルを追加

 中国移動香港のプリペイドSIMは何タイプかあり販売価格も異なっている。今回は78香港ドルのものを買ったが、日本ローミング用にあらかじめいくらかの料金をチャージしておく必要がある。今回は300香港ドルをチャージしたが、これはチャージボーナスがお徳だからだ。中国移動香港のプリペイドSIMは300香港ドルを追加すると10%プラス10香港ドル、すなわち100香港ドルがおまけされ合計400香港ドルも追加されるのである。なお通常のミニSIMサイズなのでLumia 920で使うときはSIMカッターでマイクロサイズに切断する必要があった。あとは香港内でSIMを入れてからどこかに発信して開通、「*106*01#」に発信してデータ通信の利用開始登録を行う。APNは「peoples.net」だ。

 日本での使い方は、使う日に「*103*622*04#」に発信、その時点で98香港ドルが残高からマイナスされ、香港時間の当日23:59までデータ定額利用が可能となる。なお、筆者は当初使い方を間違え、香港出発時にこの番号に発信してしまったためその場で残高が引かれ、日本到着が夜21時というのにその日のデータ定額を申請してしまった。せっかく300香港ドルチャージしてボーナスでもらえた100香港ドルがこれでパーになってしまったのは大失敗だ。

日本ではNokiaマップ以外のサービスを使う必要がある

 まぁ、多少損してしまったものの、これで日本滞在中も香港にいるとき同様データ定額で思う存分Lumia 920を使うことができた。一点だけ残念なのはNokiaマップのデータが日本はスカスカなので、Google Mapsを利用できる「gMaps」やゼンリンの「いつもNAVI」などを使う必要があることだ。プリペイドSIMによるローミングは残高が無くなれば使えなくなるので使いすぎる心配や誤課金の恐れが無いのが安心なのだ。滞在期間が長い場合は日本通信のSIMがお徳だろうが、急な日本行きが決まったときなどは香港でいつでも手軽に買える中国移動香港のプリペイドSIMも便利なのである。


国設定を変えて各国アプリを楽しむ

 筆者のLumia 920に入れているアプリの数も日々増えており、後から追加したアプリの数は50本を超えるようになった。Windows Phone 8のアプリは「ストア」からダウンロード可能で、無料トップ、有料トップといった総合ランキングのほか、カテゴリーごとの人気ランキングでアプリ一覧が表示されるのはiOSやAndroidのアプリストアと類似している。アプリの数としてはまだ絶対数は少ないのは事実だが、普段使いする分には最低限のものは揃っていると筆者は思うところだ。

 このストアに並ぶアプリの順列は端末の国設定に合わせ、その国でのランキングが並ぶようになっている。例えば海外へ行く際は渡航先の国設定にすれば、その国で人気のあるアプリを優先的に見ることができるというわけだ。海外に渡航した際に国設定を現地にすれば、地元に特化した情報系のアプリを探しやすくなる。またアプリによってはその国の設定にしなくては落とせないものもあるため、現地情報アプリを探す際はやはり国設定を変更するべきだろう。

 例えば、台湾のグルメ情報アプリや中国の地図アプリなどは、国設定が日本のままではなかなか見つからないし、アプリの存在を知らなければ検索のしようもない。地域情報系のアプリはこのように端末の国設定を変更してからストア内を適当に眺めつつ見つけ出すのが簡単なように思う。

 ということで、筆者は海外取材に行く際は、あらかじめLumia 920の国設定を渡航先に設定し、現地で役立つアプリを探すようにしている。もちろん必ずしもいいアプリが見つかるわけではないが、現地でのアプリの人気具合がわかったり、思わぬアプリが見つかるなどの楽しさもある。国設定を日本にしておいたままでは、暇つぶしにストアをのぞいてもいつも同じアプリが並んでいる、なんて状況かもしれない。何か面白いアプリはないだろうかと思ったら、国設定を変えてみるのもいいかもしれない。

表示言語を変えずに国設定だけ変更可能。台湾にしたところ台湾の人気アプリがランキングに並ぶ
台湾のレストラン情報アプリ。使い勝手はまぁまぁだが現地で悩んだときに意外と使える
中国で人気の地図アプリ、高徳地図も国設定を中国に変えればすぐに見つかる

バルセロナで活躍してくれたLumia 920

 2月後半は毎年訪問しているMobile World Congress(MWC)の取材でスペインのバルセロナに1週間近く滞在した。昨年はAndroidスマートフォンを現地でメインに利用していたが、今年は思い切ってLumia 920を使ってみた。海外渡航先で真っ先に使うのは地図サービスだが、Nokiaマップはここスペインでも細かい表示がされるので十分実用的だ。香港でも使えたことを考えると、日本の地図がスカスカであるのもぜひとも何とかして欲しいと思えてしまう。

 また、今年のMWCではNFCスマートフォンを利用した「NFCバッジ」の利用が可能だった。この手のサービスは通常iPhoneとAndroidだけに対応することが一般的だが、なんとNFCバッジはWindows Phoneにも対応しているとのこと。さっそくLumia 920にアプリを落とし、写真登録後にMWC会場のNFCゲートを通ってみたところ、問題なく入場できた。

Nokiaマップ
MWCのNFCバッジ

 NFCというかおサイフ系のサービス派海外ではまだ普及が進んでいないが、こうして記者にNFCを使わせることで、その利便性を伝えるというのも面白い試みかもしれない。MWCは入場時に顔写真入りの身分証明書を見せるのが面倒で、しかもパスポートを忘れてしまい朝の忙しい時間にわざわざまたホテルに戻ってしまった経験がある筆者だけに、今回のNFCバッジはとても便利だった。

LebaraのプリペイドSIM

 さて、海外に出れば現地のプリペイドSIMを毎回購入するが、今回も料金の安いYoigoのSIMを購入した。去年までは店によってはマイクロSIMが無くSIMカッターでその場で切断して売ってくれることも合ったが、今年はどの店にもマイクロSIMの在庫はあった。だが、去年もそうだったが、ネットワーク品質がイマイチで、街中の売店でMVNO事業者のLebaraのものを追加購入してみた。

 MNO事業者の店と違い、その場でパスポートを見せるだけですぐに受け取れるし、500MB/5ユーロのデータ料金は安い。しかも10ユーロ入れるとボーナスで20ユーロがチャージされるので、データ料金もかなりおトクだ。ただし、マイクロSIMは無いのでSIMカッターは必須となる。回線はVodafoneなので品質も良く、来年のMWCはこのLebaraのプリペイドSIMをまた買おうと思う。


香港ベッドタウン生活の補佐になるNokiaの地図アプリ
ヨーロッパのような路面電車が走る香港の郊外

 個人的な話になるが昨年12月末に香港内で引越をして郊外のベッドタウンへ移転した。都市国家の香港、郊外といっても中心部へは30~40分もあれば出られるので普段の生活は不便ではない。とはいえ、やはりこれまであまり足を踏み入れた場所ではないので交通機関や周辺情報は一から探っていかねばならない。

 特に移動手段としてバスを使う頻度が増えるため、どんなバスがどのあたりを走っているかは日々勉強中だ。ここ香港では路線バス網が発達しているので、行き先によっては電車に乗り継いでたどり着くよりも直通バスに乗ったほうが速いケースも多い。また香港名物の2階建てバスは着席できるので座って往来できるのもメリットだ。

Nokiaマップでの地図検索はそれなりに使える。中心部は情報も細かい

 Lumia 920にはNokiaの地図アプリ「Nokiaマップ」が標準搭載されている。残念ながら日本の地図情報はまだほとんどないため、日本では使い物になるレベルではないだろう。だが海外ではかなり多くの国をカバーしており、ここ香港もしっかりと細かい地図が用意されている。では、どの程度利用できるものか、引越を機会に本気で使ってみることにした。

 まず地図情報は細かい道路まできっちりとカバーされており、情報としては問題ないレベルだろう。目的の場所の住所がわかれば地図を頼りに到着できるだろう。一方、お店の検索は情報のアップデートにばらつきがあるようなので、お店の名前からの場所検索はまだ弱いレベルだ。まぁ、このあたりはGoogle検索と組み合わせて使うのが現実的だろうか。なお市内中心部であれば一部のビルは3D表示されたり、ビル内をフロアー別に表示する機能もある。

 また、Lumia 920には「Nokia乗換ナビ」も搭載されている。こちらは目的地へのルート検索や、現在地付近の駅を検索できるアプリだ。香港はサービス対応都市に含まれており、意外にこれが使える。ルート検索はGoogleマップのほうが複数経路を出してくれるなど使い勝手は上だが、最寄のバス停検索はこの乗換ナビに軍配があがる。

Nokia乗換ナビではルート検索や付近の駅、バス停検索も
検索を頼りにバスターミナルへ

 1カ月程度使ってみた感想は、思ったよりも使える、であった。Lumiaユーザーで海外に出ることがある人はせっかくだから現地でNokiaマップを使ってみるのもいいだろう。とはいえ、やはりGoogleマップの併用もしたいところ。Windows PhoneでGoogleマップが利用できるアプリ「gMaps」と併用すれば、Lumia 920だけでも地図検索に困ることは無さそうだ。


Qi対応が便利なLumia 920、充電台の普及を願う

 1月上旬はCESの取材でラスベガスへ。昼間の展示会取材を終えホテルに戻り、記事を書き終えるとそのまま寝てしまうこともあったが、寝る前に必ずやらねばならないのがスマートフォンの充電だ。充電を忘れてしまえば翌日はメールもチェックできない、連絡も取りあえない、情報収集もままならない、と困ってしまう。普段夜には充電するクセをつけているものの、出張先や旅先では疲れからついつい忘れてしまいがちだ。充電を忘れてしまって目覚めた時など、ワイヤレス充電がどこでもできると便利なのになぁと思ってしまう。

 CESにはワイヤレス充電の業界団体、WPC(Wireless Power Consortium)も出展していた。アメリカではまだQi対応製品が少ないこともあり知名度は低いようで、人の往来の多い通路角にブースを構えて大々的に展示を行っていた。そしてブース内で目立っていたのがNokiaのQi対応製品だ。アメリカでこの冬発売されたLumia 920、822、810(810はカバー装着)のいずれもがQiに対応していることもあり、ワイヤレス充電の利便性をアピールするにはいいタイミングかもしれない。ちなみにNokiaはCESには出展しなかったが、WPCブース内に多数のNokiaロゴを見つけられたのは筆者としては個人的にうれしかったところだ。

CESのWPCブース
NokiaのQi充電台を展示

 Qiは日本でもなかなか普及が進んでいないが、アメリカでもこれまで目立った製品はiPhone用のジャケット型Qi内蔵カバーなどが出ているくらいであり、他の規格の製品のほうが多数のジャケットを出していることから売れているように思える。だがQi内蔵のスマートフォンがNokiaから3機種登場、そしてアメリカ向けHTCの一部製品にも搭載されることから今年は普及に向けてはずみがつくかもしれない。

 筆者もWPCブースで取材時、自分のLumia 920を机の上に置く際に、すぐ横にあるワイヤレス充電台の上に置かせてもらった。もちそんそのまますぐに充電され、使ってみるとその利便性を改めて認識させられた。とはいえ自宅用にQi充電台を買うのはお金もかかるし、マイクロUSBを使った充電でも事足りるだろう。やはりQi普及のためには外出中、出先で利用できるよう充電台の整備が必要だと感じた。

 そういえばNokiaは2012年9月、コーヒーチェーンのCoffee Beanと組んでQi充電台の設置を広げていくと発表した。だが帰りのラスベガス・マッカラン空港の新しいターミナル3の同店舗には設置は無し。店舗ごとの違いがあるのかもしれないが、空港こそスマートフォンの充電環境が最も整備されるべき場所の一つだ。Nokiaが本気でQiの普及を目指すなら、早急に全店舗への設置を行うべきだ。5月のCTIA取材時に再度ラスベガスを訪問してチェックしてみようと思う。

取材の合間に自分のLumia 920を充電
ラスベガス空港のCoffee BeanにはQi充電台の設置は無かった

ようやく入荷したNokia Lumia 920
Lumia 920の黄色。思ったよりも派手ではない

 11月末に香港の携帯事業者「SmarTone」に予約したNokia Lumia 920。香港では前評判が高く多くの予約者を集めたことは前回書いたが、販売開始後はNokiaストアでも入荷するや否やすぐに完売が続いている状況だ。事業者の予約も順番待ちが続いていたが、筆者の分はようやく12月になってから入荷した。

 NokiaのWindows PhoneであるLumiaシリーズは、そのビビッドな本体カラーが大きな特徴だ。そしてこの冬の新製品でありフラッグシップモデルでもあるLumia 920は黄色や赤などさらに鮮やかなカラバリが加わっている。筆者もNokiaがイベントや展示会で大きくアピールしている黄色モデルを選択してみた。実際に手にしてみると光沢感のある表面は派手さよりも自然に溶け込むような絶妙な色使いであり、上品さも感じられる。このあたりは北欧メーカーならではの感性がうまくでているのではないだろうか。

片手で十分持てるサイズ。重量は若干重い

 Lumia 920の本体サイズは130.3×70.8×10.7mm、185gだ。同じディスプレイサイズの他社スマートフォンとほぼ同等の大きさだが、若干厚みがある。これはPureView技術のカメラとNFC、そしてワイヤレス充電のQiのアンテナなどを内蔵しているからだろう。背面側はゆるやかな弧を描いているのでこの厚みでも持ちにくいことは無い。一方185gはかなりの重量だ。角が取れた本体のデザインや明るい本体カラーが感覚的に重さを低減させてくれるようではあるが、あと10~20gは軽くして欲しかったところ。

 さて香港購入のLumia 920には標準で日本語設定が入っており、メニューやマーケットなどもすべて日本語での表示が可能だ。また文字入力は英語や中国語のみがプリインストールされており、キーボードを追加することで日本語のQWERTYキーボードやフリック入力が利用可能となる。このあたりのグローバル対応は他のWindows Phone端末では限定されている製品もあるようだが、iPhoneやAndroidと対抗するためにも全ての製品で主要言語への完全対応はぜひともお願いしたいところだ。

日本語対応がうれしいLumia 920

 Windows Phone 8はスクリーンキャプチャが撮れるようになったりBluetoothのプロファイルが増えるなど基本的な機能も強化されている。個人的にはこれでようやくメインのスマートフォンとしても使えるレベルの製品になったと感じている。どこまで便利に、そして楽しく使えるか今後が楽しみだ。


ノキアのLumia 920を香港で予約!
【Lumia 920】

ノキアのLumia 920を香港で予約!

2012年11月30日 06:00
(山根康宏)

 ノキアのWindows Phone 8スマートフォン、Lumia 920を香港で予約した。イギリスやアメリカで11月中旬に先行出荷が始まり、筆者の居住する香港では11月最終週の発売が確定。最新バージョンのWindows Phone OSの使い勝手はもちろん、前回も書いたようにPureView技術を採用した高画質カメラにも大きく期待している。中でもOSはSkyDriveとの親和性が高まっており、加えて本体はNFCやワイヤレス充電のQiに対応している。そのためUSBケーブル不要でデータのバックアップのみならず充電までできるのはかなり便利だろう。

 香港では11月22日にLumia新製品のローンチイベントが開催され、翌日からはNokia Storeや家電店での予約が始まった。どの店舗でも予約者の数は結構いるとのことで、やはり機能が大幅に上がった今度のLumia新機種はスマートフォン好きの香港人にも評判は良いようだ。またQi対応の充電台やヘッドセットなどの純正品に加え、JBLなどからもワイヤレススピーカーが登場、その種類も大きく増えている。いずれもLumiaの本体色に合わせたポップな色合いで、お揃いのカラーを選ぶことができるのも楽しい。

Lumiaカラーで染まった香港のNokia Store Lumia 920/820本体やアクセサリの予約を受け付け中

 ところで香港でも各通信事業者は顧客獲得のためにスマートフォンの割引販売に注力しており、ほぼ全ての製品が実質無料で購入できる。日本のように基本料金に割引やオプションをつけるのではなく、最初からデータ通信がセットになった「スマートフォンプラン」が用意されており、定額プランであれば高額なスマートフォンも無料購入可能なのだ。しかもSIMロックはかかっていない点が大きなポイントでもある。

 筆者のLumia 920も単体価格は5万円台後半だが、某社のスマートフォンデータ定額プラン月々約4000円に2年間加入で無料購入できるとのメールオファーを受け、さっそく予約をした。残念ながら今回の原稿には実機入手は間に合わなかったのだが、次回からはLimia 920の使い勝手を追々紹介していく予定だ。


そろそろ気になるPureView後継機
【Nokia 808 PureView】

そろそろ気になるPureView後継機

2012年11月12日 06:00
(山根康宏)

 Nokia 808 PureViewを購入してからは主にカメラ端末として活用してきた。もちろん本製品はSymbian Belle OSを搭載したスマートフォンであり、アプリを入れるなどしてスマートフォンとして使うことができる。だが昨今のSymbianを取り巻く環境は厳しく、アプリの選択肢はあまり多くない。そんな中にあってFacebookやTwitter、WhatsAppなど主要なソーシャルサービスのアプリが出ているのは大変ありがたいのだが、最近の筆者はPureViewで写真を撮影して加工、それを他のスマートフォンに転送してそちらで利用することが増えてきた。やはりソーシャルサービスの利用は細かいところに手の届くアプリを使うほうが便利であり、その点はどうしてもSymbia端末はAndroidやiOSにはかなわない。

 もちろん他のスマートフォンで写真撮影を行ってそのままアップしたほうが手軽なのだろうが、やはり808 PureViewの高画質なカメラに慣れてしまうと他端末での写真撮影には不満が出てしまう。また808 PureViewは確かに対応アプリの数は少ないものの、カメラ周りは標準の機能でかなり凝ったことができるため、別途カメラアプリが必要と感じることも無い。撮影後の写真の加工も指先一本でグラフィカルな操作が可能で「最高画質で撮影→色の調整→トリミング→サイズ調整」といった一連の手順もスムーズ。そのため加工が終わってからBluetoothで他の端末に送信、そこからFacebookなどにアップロードするのも意外と苦にはならない。

PureViewの写真加工は非常に簡単 他スマートフォンとの写真連携も苦にならない

 とはいえ、どうせならば808 PureViewで撮影した高画質な写真をそのまま活用したいところだ。NokiaはSymbian端末の開発はすでに停止しており808 PureViewの直接的な後継機が出ることは考えらにくい。だがWindows Phone 8の最上位モデル、Lumia 920には同じPureView技術を採用したカメラが搭載されるという。画素数こそ808 PureViewには及ばないものの、暗闇やコントラスト差の激しいシーンでも自然な色合いで写真撮影ができるPureView技術を採用していることに変わりは無い。Lumia 920が発売されたならすぐに入手して、808 PureViewとのカメラ性能の差も比較してみたいものだ。


ドバイの風景を808 PureViewで撮影
【Nokia 808 PureView】

ドバイの風景を808 PureViewで撮影

2012年10月23日 06:00
(山根康宏)
808 PureViewなら噴水もこれだけ撮れる

 10月中旬は取材で中東、アラブ首長国連邦のドバイを訪問した。初めての滞在ということで自由時間にも余裕を取り市内をゆっくりと観光。巨大なビルやショッピングモールのある中心部からタクシーに乗ってちょっと離れると、いきなり荒野が広がるドバイの光景は「砂漠の中の人工都市」といった趣がある。ビルの形も特徴的なものが多く、市内を走る高架鉄道(地下鉄だが、市中心部は地上を走っている)で移動しながら写真撮影をするのだけでも十分楽しい。また水は貴重なものと思いきや、街中にはあちこちに噴水があり、ふんだんに水が流されていた。10月でもまだ真夏のドバイ、噴水の水は暑さの中に涼しさを感じさせてくれるようだ。もちろん筆者はNokia 808 PureViewを片手に、あらゆるものを撮影しまくった。

 Nokia 808 PureViewのカメラは多彩な撮影モードを備えており、観光旅行中のあらゆるシーンの撮影に広く対応できる。個人的に好きなモードは「スポットライト」。暗いレストランの中でピアノなどの演奏が行われている際にこのモードで撮影すると、人物が淡いスポットライトを浴びたかのように写されるのだ。また太陽が照りつけるドバイの昼間は意外なことに「スノー」モードでの撮影もいい感じの写真が取れる。しかもレスポンスもよくシャッターが切れるので使いやすい。とはいえ実際のところは設定を変えるのが面倒なのでほぼ「オート」モードでどんどんシャッターを切っていたが、よほどのことが無い限り撮影に失敗しないのはさすがカメラ機能を売りにしているだけのことはある。

 さて、ドバイといえば世界一高いビル、バージュカリファ(ブルジュハリファ)が有名である。地上124階の展望台は452メートルの高さにあり、そこから地上を見るとまるでミニチュア模型を見ているような感じだ。そしてもちろんこんな場所からの写真撮影にも808 PureViewは適している。地上をフルレゾリューションモードで撮影し、あとから拡大すればビルや建物の細かい部分の様子もはっきり見ることができるなど、高倍率ズームのコンデジも顔負けの写真が撮影できる。実は筆者は高所が苦手なのだが、いい写真が撮れるとなるとこの高さも忘れて100枚近くも撮影していた。

世界一高いビル、バージュカリファの夜景 展望台から地上を撮影。これだけ拡大することも平気だ

 結局、ドバイ滞在中は808 PureViewに現地で買ったプリペイドSIMカードも入れずに純粋にカメラとして使っていたのだが、iPod touchのように「3G機能の無いPureView」をカメラとしてNokiaが出すのはどうだろう、なんてアイディアが浮かんでしまった。それほどまでに808 PureViewのカメラに筆者は惚れ込んでいるのだ。


808 PureViewの弱点、マクロ撮影の攻略
【Nokia 808 PureView】

808 PureViewの弱点、マクロ撮影の攻略

2012年10月2日 06:00
(山根康宏)
マクロに弱い808 PureView。2cmまで寄るとまったくピントが合わない

 高画質なカメラが売りのNokia 808 PureViewにも実は欠点がひとつある。しかも、それはカメラ機能の一部で、マクロ撮影に弱いのだ。Nokiaのカメラは昔からマクロが不得意であり、最短撮影距離は5cm以上、被写体に触れるようにギリギリまで寄れるものはほとんど無い。PureViewもその伝統を引き継いでしまったのか、最短撮影距離は約10cm。これではスキャナ代わりにして名刺を撮影するといった使い方ができない。

 だが、そこは発想の逆転で克服することができる。808 PureViewのカメラはフルレゾリューションならばそのまま3800万画素/3100万画素での撮影となるが、ピュアビューモードにするとディスプレイにはフルレゾでの撮影範囲が表示され、指先でディスプレイ上の一部をタップし、指先を上下にスライドさせることで、指先を中心にした部分だけがトリミングされ、最大800万画素の写真として撮影できるのである。わかりにくい表現だが、デジタルズームをするのではなく、元々フルレゾ表示の一部を切り取ることで、その部分だけを拡大撮影、被写体に近寄って撮影したかのような結果が得られる。「寄れないのであれば、手元に引き寄せる」そんな感じである。

被写体から10cm程度離れ、ピュアビューモードでディスプレイ上をタップして指先を動かす 画面の一部を800万画素の画質で切り取り、結果として近寄ったことになる

 この撮影方法になれると、マクロ撮影するのにむしろ被写体の直近まで近寄らなくていいために意外と便利に使うことができる。感覚としてはズームなのだが、ピュアビューモードでのこの撮影方法はズームではなく「画面の切り出し」なので画質が落ちることは無い。とはいえこの方法に気がつくまでは筆者も時間がかかってしまった。808 PureViewはカメラが売りであるのだから、たとえば「撮影テクニック100」のような小冊子をパッケージに入れて売るべきだろう。まだまだこのカメラには様々なテクニックが隠されているかもしれない。


Nokiaの故郷でPureViewのアクセサリを買う
【Nokia 808 PureView】

Nokiaの故郷でPureViewのアクセサリを買う

2012年9月10日 06:00
(山根康宏)

 8月末から9月上旬にかけてIFA 2012の取材でベルリンを訪問。帰りはフィンランドで開催されるNokiaのプライベートイベント「Nokia World 2012」へ参加しようとヘルシンキに立ち寄った。だが、プレス向けのイベントはニューヨークで行われたためにヘルシンキのほうは入場できず。とはいえ、フィンランドはノキアの故郷であり、街中の携帯ショップや事業者の店などのぞいては現地の携帯の売れ筋などをチェックしてみた。ここフィンランドでもiPhoneやGALAXYの躍進はすさまじいが、アクセサリ販売コーナーはNokiaのものばかり。まだまだ根強い人気があるようだ。

ミニチュア人形が作業しているかのようなPureViewの分解モデル

 またヘルシンキ中央駅から徒歩5分くらいの繁華街にはNokia Storeがあり、ちょうど訪問したときはリニューアルオープンと重なったので立ち寄ってみた。店内はWindows PhoneのLumiaシリーズを一押ししていたが、Nokia 808 PureViewも撮影ブースを用意するなどカメラ機能を大きくアピール。本体の分解ディスプレイも展示されていた。このディスプレイ、ミニチュアモデルが添えられ小人が作業をしているようにしているのが面白い。

 なおNokia Storeの並びにはカスタマーセンターであるNokia Careを併設したmobile spaというお店もあり、こちらはAngry BirdsグッズやNokiaオリジナルアクセサリを多数販売している。Nokia Storeにもアクセサリは売られているが、品揃えはこちらが圧倒的に多い。ヘルシンキを訪れる機会があるならどちらのお店にも立ち寄ったほうがよいだろう。

 さてPureViewはアクセサリの種類があまり多くないが、純正のカバーはなかなかいい出来である。レンズ部分を保護するキャップがあるので、カメラを利用しないときの汚れ防止にもなる。筆者の住む香港でも販売されているが値段はちょっと高め。だが今回立ち寄ったヘルシンキでは15ユーロと割安感があったため購入してみた。本体が黒なのでカバーはあえて赤にしてみたが、気分転換にもなってよい感じだ。あわせて三脚に固定するクリップも購入、いずれは三脚を使った本格的な撮影もしてみたいと思う。

Angry Birdsグッズも豊富なmobile spa ヘルシンキ訪問の記念も兼ねてPureViewアクセサリを購入

普通に使えるPureViewのOS
【Nokia 808 PureView】

普通に使えるPureViewのOS

2012年8月21日 06:00
(山根康宏)

 4100万画素カメラがウリのNokia 808 PureView。だがOSがSymbianということもあり使い勝手は他のスマートフォンOSとどう違うのか、という点が気になる人も多いと思う。筆者もSymbianは初代の製品であるNokia 7650から使い続けているが、フルタッチ操作となったNokia 5800からは操作性の弱さを感じ続けていたところだ。

 最新のSymbian Belle OSは今の時代のスマートフォンOSとして十分通用するレベルのものになっている。Symbian OSは画面の上部に時計などシステム用の領域が固定されて確保されていたために、大きな画面の一部が有効利用されていなかった。だがBelleでは他スマートフォンOS同様にシステム情報は1行だけの表示となり、スクロールすることで必要機能へのアクセスがワンタッチとなる。データ通信、Wi-Fi、BluetoothのON/OFF、そしてサイレンとモードへここからすぐにアクセスできるのはNokiaらしい設計だ。

 また、ブラウザも高速化され、URLの入力やページ移動などもスムースに行えるようになった。ブラウザの利用がデフォルトともいえるスマートフォンで、以前のSymbianは使い勝手の悪さが弱点だったのだが、Belleになったことでようやく常用できるレベルになったと言える。そしてソーシャルサービスは標準搭載のNokia SocialからFecebookやTwitterが利用可能だ。アプリの数が少ないという点はあるものの、高画質カメラを活用しながらWEBやSNSを軽く利用する、といった使い方はできそうだ。筆者もメインのスマートフォンは他に利用しつつ、このPureViewはカメラ機能と、うまく使い分けている。

 PureViewのカメラを一度使うと病みつきになるほどなので、早いところWindows PhoneのLumiaシリーズへ搭載されることを願いたいものである。


4100万画素カメラ搭載のNokia 808 PureView
【Nokia 808 PureView】

4100万画素カメラ搭載のNokia 808 PureView

2012年7月18日 06:00
(山根康宏)
マニラで購入したNokia 808 PureView

 スマートフォンOSをWindows Phoneに完全に切り替えたNokia。だが、この夏に発売となったNokia 808 PureViewは従来から採用していたSymbian OS “Belle”を搭載している。この808 PureViewはもちろんスマートフォンではあるが、Nokiaはハイスペックなカメラフォンとして大きなアピールをしている。

 今年2月のバルセロナで開催されたMobile World Congressで発表された本製品は、なんと4100万画素の超高解像度なカメラを搭載している。他のどの端末も寄せ付けないほどの本格的なカメラを搭載しており、Symbian OSの若干非力な部分も十分カバーされるほどの魅力的な製品に仕上がっている。筆者も首を長くして販売開始のアナウンスを待っていたが、旅先のフィリピン・マニラでちょうど発売が始まったので思わず購入してしまった。

 808 PureViewの4100万画素の解像度は、1ピクセルに7ピクセルのデータをオーバーサンプリングすることで実現されている。実際にカメラを起動してフルレゾリューション(画像のピクセル比の関係で3800万画素または3100万画素となる)で写真を撮影してみると、壁のポスターは紙の表面が写り、夜景を撮影しても建物の窓枠など細かい部分もつぶれない。作例は上海で夜景を撮影したもの。左側が縮小表示だが、奥に見える赤信号のあたり、それを原寸表示したのが右側の写真である。夜間の暗い中、手持ちでこれだけの描写が得られるとなると、仕事でもメインカメラとして使う機会が増えそうだ。

上海の夜景を撮影。道路看板の大きい文字がしっかり見える

 長年Nokia端末を使い続けてきた筆者だが、ここ1~2年はAndroidの使用頻度が高まり、昨年後半からはNokiaのWindows Phoneを使い始めている。そのためSymbian端末をじっくり使うのは久しぶりといことになるが、この808 PureViewはスマートフォンとしてあれこれいじっていくよりも、カメラを中心とした活用方法を探ったほうが面白そうである。4100万画素カメラ内蔵のスマートフォン、どのように活用できるかこれからしばらく楽しみながら使っていこうと思う。


Mobile Asia ExpoでNokiaの復活を感じる

Mobile Asia ExpoでNokiaの復活を感じる

2012年6月27日 06:00
(山根康宏)
来場客で賑わうNokiaブース

 6月20日から上海で3日間開催された「Mobile Asia Expo 2012」に、海外メーカーとしては唯一参加していたNokia。ブースを構えるホール2では一番大きいブースだったこともあり、来訪者数は多いもののブース内は常に余裕を持って展示を見ることができた。Lumiaシリーズを中心とした最新製品の展示の他に、Windows Phone向けのアプリケーションの紹介、そして他OSスマートフォンとの入力やWebアクセス競争を行うゲームコーナーなど、Nokiaは中国でもWindows Phoneを強力にプッシュしている。

 Nokiaブースに訪れる一般客の中にはLumia 800などを持っている人も多く、中国でも少しずつLumiaは売れているようだ。とはいえ街中に出てみれば、確かに上海の地下鉄車内ではiPhoneやGALAXY、HTCなどの比率が多くなっているのも事実。一昔前なら必ず聞くことのできたNokiaの着信音「Nokia Tune」もほとんど聞かれず寂しい感じがした。しかし繁華街のNokiaストアへ立ち寄ったところ来客の数は意外と多かった。店内ではLumia 800や710を買う客も結構見られ、SymbianスマートフォンからWindows Phoneへの移行客は確実に増えているようである。

 展示会3日目はブース内の受付が突如「即売会コーナー」に変身。Lumiaのアクセサリだけではなく、なんと本体までもが販売された。ケース類は限定割引価格ということで15%オフ、Lumia 800用はカラーケースしかなかったものの、Lumia 710はAngry Birdsケースがあるということで思わず購入してしまった。さすがに本体を買う来客はいなかったようだが、アクセサリを買い求める人は意外と多いようで、こんなところからも中国でのLumiaシリーズの売れ行きが上向いていることを感じることができた。ユーザーが増えればアプリの数やアクセサリの種類も今後もっと増えていくだろうから、中国市場でのNokiaの復活には期待したいものだ。

上海南京東路にあるNokiaストア 展示会最終日は即売会も行われていた

台湾のNokiaストアで見つけたアクセサリ

台湾のNokiaストアで見つけたアクセサリ

2012年6月5日 06:00
(山根康宏)

 世界中の主要都市に展開しているNokiaストア。今月はComputex Taipeiが開催中の台湾・台北を訪問した際に現地のお店を訪問してみた。南京東路のショッピングセンターに入っている店舗はWindows PhoneのLumiaシリーズを中心とした展示を行っており、ケース類も種類は多数。ヘッドセット類はLumiaシリーズのカラーリングにあわせた青やピンクのカラフルなものも販売されている。

 Nokiaのアクセサリは家電店などでの取り扱いが以前よりも減ってしまっているが、Nokiaストアならば最新製品もすぐに購入できるので展示会などで各国を訪れたときは地元のお店に立ち寄るようにしている。特に台湾のNokiaストアはアクセサリの種類が豊富で、他国では販売されていないものも入手できるのが魅力だ。

台北の南京東路にあるNokiaストア アクセサリも多数販売

 今回は皮製のシンプルなケースを発見。これはNokia Lumia 800と同じ形状のNokia N9用のもので、香港などでは未発売のもの。NokiaのWebサイトで存在は知っていたものの、入手できずに諦めていたモノだけに思わず購入。筆者はLumia 800にケースをつけず裸で運用しており、この手のスリムなケースを探していたところだったのだ。他にもやはり香港や中国では販売されていないアクセサリがいくつかあるなど、台湾のNokiaストアは実は穴場的な存在なのだ。

 また、端末を買うとプレゼントしてくれるという、ヘッドフォン部分につけるハート型のアクセサリが展示してあったのでちょっと見せてもらった。この手のアクセサリは台湾でも最近流行っているが、NokiaブルーにNokiaロゴというNokia好きにはうれしい一品だ。この手の限定品も台湾Nokiaはよく出しているので、海外用にLumiaを買おうと思っている人は台湾で買うのがいいかもしれない。筆者も次のLumia新機種は台湾まで買出しに出かけようかと考えている。

3色揃った皮製のケース 限定品のヘッドフォンジャックアクセサリ

アジアではNokia Lumia 610も登場

アジアではNokia Lumia 610も登場

2012年5月16日 06:00
(山根康宏)
カジュアル感が増したLumia 610

 アメリカでNokia Lumia 900が発売開始されたのに引き続き、アジア市場ではLumia 610の販売も始まった。NokiaのスマートフォンはすでにLumia 800とその下のモデル、Lumia 710がアジアやヨーロッパで販売されており、610の登場で3タイプの製品が出揃ったことになる。

 NokiaのWindows Phoneは他OSのスマートフォンのハイエンドモデルにはスペックでやや負けているのは仕方ないところ。だが世界的に最近売れ行きを伸ばしているのは低価格な製品だ。Lumia 610も日本円で2万円前後と安く、ミッドレンジクラスの製品としては十分競争力がある。プリペイド利用のユーザーでも手の届く価格は、Windows Phoneのユーザー層を広げる戦略モデルという位置づけにもなっているのだ。Windows Phoneをちょっと試してみたい、という他OSスマートフォンユーザーのセカンドマシンにもいいだろう。

Lumiaシリーズは統一されたパッケージで販売されている

 Lumia 610はLumia 710と若干類似の丸みのあるスタイルをしているが、画面の縁取りなどにメタリック仕上げの素材を使うなどよりカジュアル感が強まっている。プラスチックの上品な色合いを出しているLumia 800とはイメージはかなり異なり、価格とデザイン、そしてスペックでNokiaのWindows Phoneを選ぶこともできるようになってきた。

 とはいえ一昔前のSymbian端末全盛期のNokiaなら、スマートフォンの選択肢は10機種以上もあった。「スマートフォンといえばNokia」という時代を知っている筆者としては、これからもどんどんLumiaシリーズの派生モデルを出して欲しいところ。機能での差別化が難しいWindows Phoneだけに、デザインバリエーションに期待したい。スタイリッシュかつ高級感あるモデルを別ブランドで展開するのもよさそうだ。

 Nokiaの今後の動きはMicrosoftのWindows Phone戦略と同調しており、Nokia一社だけでは端末展開を自由にコントロールできないというジレンマもあるだろう。だがWindows Phoneをスマートフォンの第三勢力として盛り上げていくためにも、Nokiaには今まで以上に製品開発に力を入れてもらいたいものだ。


Lumiaの上位モデル、900がアメリカで発売

Lumiaの上位モデル、900がアメリカで発売

2012年4月18日 06:00
(山根康宏)
サイズが大型化されたLumia 900

 アジアやヨーロッパ市場で一定の滑り出しを見せているNokia Lumia 800。4月上旬には中国でCDMA2000版となるLumia 800cが登場し、着々と販路を広げている。そしてアメリカでは上位モデルとなるLumia 900が発売された。Lumia 900は4.3インチディスプレイを搭載、AT&TのLTEに対応したハイエンドモデルとなる。

 とはいえ基本スペックはLumia 800と変わらない。ディスプレイが大型化されても解像度も800×480ピクセルのままだ。これはWindows Phoneがシャーシ設計、すなわち基本設計が共通化されているため、メーカー独自でディスプレイの解像度やCPUを変更することができないためである。4.3インチのディスプレイならもう一回り大きい解像度が欲しいところ。

 アメリカではミッドレンジクラスのLumia 710がT-Mobileから発売されていたが、Lumia 900はNokia初の上位モデルということもありプロモーションにかなりの力をかけているようだ。Nokiaは4月11日に業績見通しを発表したが、今季も営業利益が若干のマイナスになる見通しとのこと。アメリカでのLumiaシリーズの売れ行きは同社の復活を大きく左右するものになるだろう。

背面デザインもLumia 800と類似

 Lumia 900は追ってアメリカ以外の市場でも発売される予定だ。筆者はLumia 800を満足して利用しているが、Lumia 900が発売された際に買い換えるかどうかは悩ましいところ。Lumia 800はコンパクトな大きさが使いやすく、ディスプレイが大きくなったLumia 900への乗り換えは実機を販売店の店頭でじっくり触ってから考えたいところだ。

 Lumia 900の大きさは欧米では受けそうだが、個人的にはキーボード内蔵型などデザインテイストが異なるモデルの展開もして欲しいところだ。LumiaシリーズのポップなボディーカラーはNokiaならではの差別化ポイントにもなっているが、本体のデザインやシャーシ設計を崩さない上での付加機能の搭載にもがんばってもらいたい。スライド式のQWERTYキーボードモデルが出たら、すぐにでも買い換えたいと思っている。


Nokia Lumia 800で日常的な利用は問題なし

Nokia Lumia 800で日常的な利用は問題なし

2012年3月28日 06:00
(山根康宏)
テザリング機能がないLumia 800

 Nokia Lumia 800を使い始めて4カ月。初めて使うWindows Phoneということもあり、当初はメイン端末にできるかどうか不安もあったが、今のところ日常的な利用にはほぼ問題なく使えている。各種のWebサービスやSNSサービスの利用もそれなりに使えるレベルなので、ちょっと外出するときなど端末を1台しか持っていけないときはLumia 800だけで済ませるようになった。Facebook、Twitter、Weiboの利用も凝ったことをしなければ公式アプリでOK。動画サービスはYouTubeやYoukuも利用できるし、最も使う地図サービスもGoogleマップが利用できるgMapsがあるので助かっている。

 とはいえ、まだまだ不満もある。アプリの種類が少ないのはWindows PhoneがこれからのOSであるため仕方ないとあきらめているが、従来のNokiaのスマートフォンにあった使い勝手がWindows Phoneになって一部備わっていないのは残念。中でもテザリング(Internet Sharing)機能は他のWindows Phone端末では搭載しているものもあるが、Lumia 800は非搭載。ファームウェアのアップデートで対応すると言われているが、ノートPCやタブレットをちょっとネットに繋ぎたいときなど身近にあるLumia 800をモデム代わりに利用できないのは残念。

日常利用は問題ないがアプリの並び替えがしたい

 またこれはWindows Phone全般に言えることだが、アプリを追加していくとアプリの一覧が増えていくが、この並び替えは50音/アルファベット順であり、順番を変えることはできないようだ。アプリの数が45個以上になると頭文字での検索ができるが、アプリの名前を正確に覚えていないときは結局画面をスクロールさせることになる。よく使うアプリはスタート画面にショートカットとしてタイルを置いておくことができるものの、アプリ一覧画面でのフォルダ分けや並び替えの自由度があるともうちょっと使いやすくなるのではないだろうかと思うところ。

 とまぁ若干の不満もあるものの、これからのアップデートでより使いやすくなっていくだろうと楽観視はしている。なにせ使い始めてから今に至るまで、ここまで使い物になるとは思っていなかったので、現状には十分満足している。画面サイズの大きくなった上位モデルのLumia 900も発表されており、筆者のメイン端末は他社スマートフォンではなく、いずれはそちらへの乗り換えも考えているところだ。


ヨーロッパではNokia Lumia 800を強力にプッシュ

ヨーロッパではNokia Lumia 800を強力にプッシュ

2012年3月5日 10:57
(山根康宏)

 2月の後半はMobile World Congress 2012の取材のためにヨーロッパへ。今回はパリに滞在後バルセロナで取材、そして最後はミラノというスケジュール。そして今回は各地でNokia Lumia 800がどれくらい売られているのかな、という興味もあり通信キャリアのお店や家電店などに立ち寄ってみた。

 するとやはりヨーロッパはNokiaのホームグラウンド、プロモーションの力の入れようはアメリカやアジア以上だった。バルセロナではほとんどの通信キャリアのお店でLumia 800は扱われており、また街中にも広告を見かけること多数。地下鉄やバスに乗ると、iPhoneほど多くはないものの、1日数名のLumia 800使いを見かけるなどそれなりに売れているようでちょっと安心したところだ。

スペインの携帯専門店のLumia 800の広告 通信キャリアもほぼ全社が取り扱っている

 たまたまバルセロナで知り合った現地のLumia 800使いの人と話をしたところ、「Facebookを毎日使いつつ、ある程度のことはWindows Phone OSでも十分使えるからこれを選んだ。それにNokiaの製品なら安心だし」とのことだった。やはりヨーロッパではまだNokiaのブランドは十分通用するわけだ。Mobile World Congress 2012で発表された2製品を含め、4つのランナップが出揃えばLumiaシリーズも販売数を伸ばせるだろう。

アクセサリを充実させることが急務

 ところでせっかくヨーロッパに来たんだし、ならばお土産代わりにLumia 800のケースなどを買おうと思ったのだが、発売されてまだ1カ月程度ということもあってかそれほど種類は出ていない様子。Nokia純正のものはあるものの普通のデザインっぽいのものしか無い。スマートフォンの楽しさの一つはさまざまな種類のケース選びでもあるわけで、このあたりはもうちょっとがんばって欲しいところ。メーカーによっては純正で10種類以上のケースを出すところもあるくらいなのだから、Nokiaも端末ラインナップの拡大と合わせ、ケースなどのアクセサリも増やしてほしいところだ。


Nokiaオリジナルアプリで楽しむLumia 800

Nokiaオリジナルアプリで楽しむLumia 800

2012年2月10日 06:00
(山根康宏)

 Windows Phoneはマイクロソフトにより端末のハードウェアスペックが共通化されているため、メーカー間での製品の機能差はほとんど見られない。Nokia Lumia 800とauのIS12Tを比較しても中身に大きな差は見られない。だが、マイクロソフトと戦略的パートナーシップを結んだNokiaのWindows PhoneにはNokiaならではのソフトウェア仕様がいくつか組み込まれているのだ。

Marketplaceの中のNokia collection

 その一つがアプリケーションストア「Marketplace」の中にある「Nokia collection」の存在である。ここにはNokiaお勧めやオリジナルのアプリケーションが表示される。アプリは地域別に出て来るようであり、Lumia 800に登録したWindows Live IDの設定地域によって表示されるアプリが異なるようだ。筆者のIDは地域を香港にしているのでNokia香港ならではのアプリが表示される。なお、当初登録したWindows Live IDは地域が日本だったためか、香港のアプリが表示されなかった。IDの地域を変更してもうまくいかず、別IDを作って登録したところうまく表示されるようになったのだが、このあたりは方法が特に指定されていないので戸惑うところ。筆者もこの方法で正解なのかはまだ確実に理解できていない。

 また、Nokia香港のLumiaシリーズ特設Webページにアクセスすると、同様にお勧めアプリが紹介されている。PC側からアプリを選んで端末へ直接インストールすることも可能だ。ただPCからの方法では「Try again later」と出てしまうアプリもあるなど、安定運用できていない部分があるのがちょっと残念。

 さて、Nokia香港がお勧めするアプリはどんなものがあるかというと、香港の地下鉄路線図「Hong Kong MTR」、ストリーミング音楽サービス「KKBox」、同じくビデオの「youku」、無料朝刊「MetroDaily」「頭條日報」、香港のグルメガイド「OpenRice」、公共施設や駐車場検索ができる「行Guide」など香港生活のみならず、香港を訪れる人にも有用なものが揃っている。一部は中国語のみのアプリとなるが、漢字を見ればそれなりに使うこともできるだろう。

 また、香港や中国でのお正月は「旧正月」、今年は1月23日だったが、そのお正月にちなんだ限定アプリとして今年の運勢や風水を占うアプリもNokia香港オリジナルとして提供されている。風水の本番な香港ではこの手のアプリは他OSのスマートフォンでも結構人気があるのだが、Windows Phone向けにちゃんと用意してくるあたりにNokiaの本気度合いが伝わってくるような気もする。筆者の今年の運勢ももちろんこれらのアプリでしっかりと占ってもらったのは言うまでも無い。

Nokia香港のLumiaアプリ紹介ページ グルメガイドのOpenRiceや風水アプリ

日本語で活用できるNokia Lumia 800

日本語で活用できるNokia Lumia 800

2012年1月24日 06:00
(山根康宏)

 海外で販売されているNokia Lumia 800だが、最初からアジアの各言語に対応しており、中国語はもちろんのこと日本語や韓国語もそのまま利用できる。筆者の購入したLuima 800はイギリス販売品、その後で香港品に買い換えたものの、どちらもシステムは同一のようだ。海外で販売している端末を購入して最初に苦労するのが日本語の利用だが、Lumia 800は日本語表示だけではなく日本語入力も入っているので買ったその日からメイン端末として利用できるのである。

 また、Lumia 800はNokiaのこれまでのNokiaのSymbianスマートフォンからの乗り換えもきっちり考えられている。OSの異なるスマートフォンに乗り換える際に面倒なのが電話帳データの移行だが、Lumia 800にはNokia端末とBluetooth接続しワンタッチで電話帳を転送できる「電話帳転送」というアプリがプリインストール済だ。

 さてWindows Phoneはまだまだアプリの数が少ないと言われいている。メジャーなアプリ、たとえばTwitterやFacebookやEvernoteなどはもちろんすでにアプリが出回っている。だが、それらのサービスをより活用するアプリや細かいユーティリティー類などは、まだあまり多くないようである。とはいえ、日常的に使うにはひとまず最低限のものは十分揃っているので困ることはなさそうである。ちなみに、筆者は普段からスマートフォンは複数持ち歩いているので、足りない部分は他の機種で補っている。

 また、日本でIS12Tが発売されたおかげもあって、日本語に対応したアプリもいくつかあるのはありがたい。特に乗換案内など日本で利用できるアプリがそのまま海外のWindows Phoneで利用できるのはメリットが大きいだろう。もちろん欧米だけではなく、中国のアプリなど、さまざまなものを利用できる。現時点ではLumia 800は日本での利用は海外からのローミングインのみとなってしまうが、このままどこかの事業者が採用し日本で販売してくれないだろうかと思うところだ。


Nokia N9とLumia 800

Nokia N9とLumia 800

2011年12月20日 06:00
(山根康宏)

 Nokia N9の販売国が広がらないまま、Nokia Lumia 800が発売となった。このLumia 800はWindows Phone 7.5を搭載したNokia初めての製品。この冬のNokiaの本命端末であり、Lumiaは同OS搭載機種の愛称だ。Nokiaの製品型番は3桁の数字となったが、その前に着く愛称でOSを区別、BelleがSymbian、AshaがJava系のSeries40 OSとなる。

 Lumia 800は11月にヨーロッパで発売が始まり、その後アジア各国にも続々と投入が始まっている。筆者の居住する香港でも、販売初日となった12月12日の夜8時(800の型番に合わせて、8:00販売開始)には市内にあるNokiaストア全店舗で販売イベントが行われた。さすがにiPhoneほど人は集まらなかったものの、それでも繁華街の会場には数百人の香港人が集まり、芸能人も駆けつけるなど盛大なイベントだったようである。

Lumia 800(左)とNokia N9

 N9とLumia 800を比べると、本体のデザインはほぼ同一で、カメラボタンやフラッシュの位置、ディスプレイサイズが異なるくらいだ。N9のデザインは「エレガント」と評判が高いようだが、それを引き継いだLumia 800も外見は他社のWindows Phoneや、Nokiaの他製品と大きく差別化された「唯一無二」の存在と言える。OSは異なるものの、N9の持ちやすさや操作のしやすさはLumia 800にもしっかりと引き継がれているように感じる。

 ということでMicrosoftの本気も感じられるWindows Phoneの最新製品であるNokia Lumia 800をこれから使っていこうと思う。Windows Phone端末は日本でも出ているため、アプリやサービスも日本語に対応したものが少しずつ出てきている。iOSやAndroidほどでは無いものの、日本語での活用もそれなりにできそうで楽しみだ。


Nokia N9で着せ替えを楽しむ

Nokia N9で着せ替えを楽しむ

2011年11月29日 06:00
(山根康宏)

 この冬にはWindows Phone端末が複数登場する予定のNokia。そのためMeeGo OSのNokia N9の販売国はアジアとヨーロッパの一部だけとなっており、購入できる国はあまり多くない。筆者の居住する香港でもN9の販売はスキップ。そのためアクセサリ類の入手はできない状況だ。

 スマートフォンを買ってからの楽しみの一つは、本体に取り付けるケース・カバー類を選ぶことだろう。素のまま持つのもいいものだが、ちょっと気分を変えたいときなどはデザインや色とりどりのカバーを買って取り付けたいもの。日本でも量販店では今やカバーが何十種類も販売されており、本体を買ったあとは「さて次はカバー」という流れが一般的になりつつあるかもしれない。

 筆者のNokia N9もカバーをいろいろと試したいのだがマイナーな機種では数が出てくることは望めないだろうなぁ、と思って中国の深センに行ったところ、携帯アクセサリー屋に山のようにN9のカバーが売られているではないか。実は中国ではNokia N9の販売が始まったところで、現時点の最上位・ハイエンドモデルということからNokiaが大々的に販売を行っているのだ。実際、現地のNokiaストアへ足を運んでみると、その場でN9を購入している客が必ずいるほど人気になっているようだ。

 そのためアクセサリー屋やカバー屋に行っても、iPhoneやGALAXYに混じってNokia N9のカバーがちらほらと売られているようなのだ。種類はそれほど多くはないものの、シリコン製、TPU製、プラスチック製など素材もいろいろ。カラーは多いものなら10色くらいと着せ替えを楽しむには十分なほどのものが販売されている。N9の本体カラーは現在、黒、ブルー、ピンク、白の4色があるものの、国によっては全色は販売されていない。どの色も魅力があるだけに購入時は悩んでしまうだけに、本当なら純正で多数のカバーを出して欲しいところだ。

 元がプラスチックの素材を生かしたすっきりしたデザインのN9だけに、カラフルなケースをつけるのも意外と似合うもの。今回は3タイプ5色ほどを買ってきて、毎日の気分で付け替えている。iPhoneのケースほどの種類は望めないだろうが、それでもこれだけ多数のものが販売されているのならばしばらくは飽きそうにない。


アプリもひとまず合格点なNokia N9

アプリもひとまず合格点なNokia N9

2011年11月8日 06:00
(山根康宏)

 「ホームボタンやメニューボタンが無い」――これがNokia N9のMeeGo OSの最大の特徴だ。iPhoneはワンボタンのみの操作が簡単明快、Androidは逆にメニューや戻るボタンの存在が操作性を高めている。一方、N9のユーザーインターフェースはボタンを必要としない独特のスタイル。それは画面を左右にスワイプすることで「メニュー」「ソーシャルライン」「アプリ/タスク」のそれぞれのウィンドウを自由に行き来できるのだ。

 作業中に他のことをしたくなったら、iPhoneならばホームボタンを押すだろうがN9の場合は画面を左右にスワイプすればよい。ボタンのダブルタップ、のような操作も不要でとにかく画面上を指先で左右にスワイプすれば3つのウィンドウが切り替わる。フルタッチ操作の端末としては結構よくできていると思う。またタスク一覧ウィンドウは、アプリケーションではなく「ウィンドウ」そのものが縮小表示されているので、アプリ間の移動も簡単だ。ウィンドウは3×3または2×2の表示を指先一本で切り替えられるので、この画面で内容表示もできる。

 さてMeeGoという残念ながらマイナーなOSを搭載したN9を使うにあたって心配となるのがアプリの数やWeb系・ソーシャル系サービスへの対応だろう。だが幸いなことにFacebookやTwitterなどへは標準対応しており、3つのウィンドウの1つのソーシャルライン表示には最新の更新情報が常時表示される。

 そしてアプリケーションに関しては、MeeGoのベースとも言えるMaemoOSを搭載した前モデル、Nokia N900時代からのアプリケーション開発者がこぞってN9向けに多数のものを提供しており、エンターテイメントやユーティリティーなどは一通りのものが揃っている。ファイルマネージャーやスクリーンショットはもちろん、バッテリー管理などスマートフォンにはぜひ欲しいアプリはたいていのものがアプリケーションストアであるOvi Storeに登録されている。ゲームもAngry Birdsはプリインストール、手軽にできる簡単なものもいろいろあるのでちょっとした息抜きもできる。

 EverenoteやDropboxなどメジャーサービスへの対応が無いなど物足りない部分もあるが、MeeGo端末がこれ1機種という現状から考えれば、Nokia N9は毎日使う端末として十分合格点を与えられるだろう。欲を言えば、せっかくNFCを内蔵しているので、NFCを活用できるアプリや周辺機器がいろいろと出てきて欲しいことか。Android OSもNFCをサポートする製品が出てきているので、それらとの共有もできると便利になりそうだ。


マレーシアでNokia N9を購入

マレーシアでNokia N9を購入

2011年10月13日 06:00
(山根康宏)

 10月4日に発表会が行われ、今月中にも発売が開始されるiPhone 4Sに市場の注目が集まる中、NokiaからMeeGo OS搭載のスマートフォン、Nokia N9が発売となった。Nokiaはスマートフォン戦略を一新しWindows Phone 7へ一本化することを表明し、従来からの主力OSであったSymbianは今後製品がフェードアウトしていく予定である。だがNokiaはそのSymbianの代替/上位OSとしてMeeGo OS製品の開発も進めていた。20010年2月のMobile World Congress開催中に発表されたMeeGo OSは、それまでNokiaが進めていたMaemoとIntelのMoblinを融合させた新しいプラットフォームだったが、スマートフォン製品が出てくるまで実に1年半もかかってしまった。今後NokiaのスマートフォンはWindows Phone 7のみとなるため、このNokia N9は後継モデルも出ずわずか1機種で終わってしまう運命となっている。

 だがNokia N9のUIはボタン操作を廃止した全く新しい概念のものであり、標準でFacebookやTwitterなど大手のソーシャルサービスにも対応するなど単体として十分実用的なレベルに達している。これがあと1年早く出ていればスマートフォン業界の勢力図も変わったかもしれない、と思えるだけの魅力が詰まっているのだ。またWindows Phoneへと社内の開発リソースが集中する中、Nokia N9開発陣の最後の意地が詰まっている製品として優れた仕上がりになっていることも十分期待される。今後MeeGo搭載スマートフォンが出てこないことがわかっていても、これは購入しておく製品だろうと思うのだ。

 さてNokia N9は10月発売という情報が事前に流れていたものの、Appleのような新製品発表会や世界的な発売日のアナウンスというものは一切なされていない。また販売国も限定されたものになるとのことだった。そのためいつどこで入手できるかわからずネット上での噂話を頼りに情報をかき集め、どうやら10月9日にシンガポールで発売されるらしいという情報を入手。所用の関係でクアラルンプールに8日に入り、9日にシンガポールから帰国という飛行機のチケットを予約した。結局シンガポールの発売は延期されたものの、マレーシアでは10月7日に発売が確定、あとは飛行機で飛ぶだけとなった。

 10月8日、クアラルンプール空港到着後に市内のパソコンビル「Plaza Law Yat」へと向かい、携帯電話フロアにあるNokiaストアを訪問した。店内はやはり今のNokiaの勢いを現しているのか来客者の数は少なめであったが、Nokia N9の展示ブースには人だかりができていた。在庫も問題なく無事1台購入できた。スタッフが出してくれたNokia N9のパッケージはiPhoneと類似の直方体のもの。最近のスマートフォンは皆この類の形状になっているが、Nokiaも追従してしまったとはちょっと残念。パッケージの開け方が下から中の箱を引き出す方法になっているのがオリジナリティーあるものの、その中身はやっぱりiPhoneっぽい。まぁこれが今のトレンドと考えればこのほうが消費者にも受けがいいのだろう。

 ちょっと操作してみたところ、さすがにじっくりと開発された製品だけに、所々に使いやすさや他のスマートフォンOSに無い優れた点も見え隠れしている。ということでこれからしばらく、このNokia N9をメインで使い、特徴点や便利なところ、気がついた操作などをこれから書いていこうと思う。


N900の純正ケースで「おサイフ」する

N900の純正ケースで「おサイフ」する

2010年8月17日 06:00
(山根康宏)

 Nokia N900はスライド式キーボードを備えた形状をしている。そのため普段はポーチタイプのケースに入れて持ち運んでいるのだが、これだとすぐに利用したいと思ってもケースから出すのが面倒になってしまうこともある。いっそケース無しで持ち運べばいいのだろうが、愛着ある端末だけに大切に扱いたくなるのが人情ってものなのだ。

 そう思っているところにNokiaから使いやすそうな純正ケースがようやく発売された。このケースが発売されたのはちょっと前のこと。だがN900のセールスがあまり思わしくないのか、すぐに売り切れて、しばらく品切れが続いていたのだ。筆者も実はそのとき一度購入したものの、すぐに知人に譲ってしまい、再入荷を心待ちにしていたのである。

 この純正ケース、いわゆる「のり巻き」タイプで本体の外側にはめて利用する。スライドするキーボード(というかディスプレイ)部分もプラスチック製の爪をひっかける構造のため動きもスムース。背面のカメラ部分も、カメラ周りのスタンド部分まで穴があけられているためケースを装着したまま本体を斜めに立てておくこともできる。

 そしてケース内側にはポケットがあり、ここにICカードが入るのだ。香港ではオクトパスカードというICカードが1997年から利用されており、今や香港の人口700万を超える1000万枚以上が流通しているほど普及している。このオクトパスカードは地下鉄やバス、トラム、フェリー、スーパー、マクドナルドやスタバなど様々なところで利用できるのだ。

 さっそくこのN900純正ケースに入れて改札で使ってみたところかなり便利。これならば財布を忘れて外出しちゃってもN900さえ持っていれば移動や食事、簡単な買物はすべてOK。次の新機種が出るまではもうちょっとN900を使い続けられそうである。


Nokiaの次のフラッグシップが待ち遠しい

Nokiaの次のフラッグシップが待ち遠しい

2010年7月21日 06:00
(山根康宏)

 Nokia N900を入手して早半年。その間にも他社から続々と魅力的なスマートフォンが発売されている。Nokiaの次世代スマートフォンとして最上位に位置づけされているN900ではあるが、次の機種が出てこないことがもどかしくなりつつある今日この頃である。

 またスペックは超強力なものの、全体的な使い勝手や電池のもちなどに不満もあるのが事実。たとえば電話をかける場合、iPhoneならばボタン1つでホームスクリーンに戻れるのだが、N900のMaemo OSは画面タップや画面スクロールを数回行う必要がある時もある。このあたりは次の製品で改善されることを期待したいが、その次の製品が見えてこないのだ。

Nokia N8(手前)

 さて、この半年のNokiaの新製品を見てみると、現在のNokiaの勢いをそのまま現しているかのごとくでフラッグシップといえる製品が出てきていないのが事実だ。毎月のようにスマートフォンをリリースしていた数年前が懐かしまれるほどでもある。希望の星といえるのがSymbian^3を採用したハイエンド機であるNokia N8で、いよいよこの夏には発売されるという。

 このN8のモックアップを入手することができた。実機はまだ展示会で一回発表されただけだが、発売に向け生産が進んでおり、販売店向けのモックアップも同時進行で作られているのだろう。フルタッチ、12メガピクセルカメラ、オール金属のボディなどN900とは目指す方向の違う端末ではあるが、モックをいじった限りではN900よりも「売れる端末」であるように感じられる。

 機能としてはN900に劣るものの、このN8がしばらくはNokiaのフラッグシップモデルとして位置づけされるのだろうか。筆者も次に買い換えるメイン機種が見つかったと喜んではいるものの、N900をさらに改良した製品が出てきて欲しいとも思っている。Nokiaにがんばって欲しいところだ。


SkypeビデオもOKなN900

SkypeビデオもOKなN900

2010年6月29日 06:00
(山根康宏)
Skypeブース
N900でSkype

 6月中旬はCommunicAsiaの取材でシンガポールへ。今年も多くの通信関連企業の出展があったわけだが、個人的にも注目したのがSkypeブース。iPhoneやSymbian S60向けSkypeアプリの紹介がされておりその場で無料でどこにでもSkype Outさせてくれるという太っ腹なことをやっていた。

 またNokia N900も展示されておりビルトインされたSkype機能をデモ。実はN900を買ってもSkypeのアプリアイコンが無く「後からダウンロードするんだろうか」と思っていたのだが、実はSkypeはシステムに組み込まれており通話やチャットはN900本体の機能として利用できるのだ。しかもN900ではSkypeビデオ通話にも対応。自分のN900は未対応だったが、ファームウェアのアップデートで無事対応となった。

 N900でのSkypeの使い方は簡単で、Settingから「VoIP and IM accounts」を開いてアカウントを登録するだけだ。ちなみにSkypeだけではなくFacebookやMSN、中国でメジャーなQQなども登録できる。N900はメッセージ関係は全て「Conversation」で表示されるようになっており、SMS、メール、IMの会話はすべて一元管理できるわけだ。

 さてSkypeに話を戻すと、アカウント登録後にオンライン状態にすればあとはSkypeコンタクトをN900の電話帳に自動的に取り込んでくれる。相手に発信したい場合は電話帳から相手をタップするだけと、携帯電話と全く同じ感覚で利用できるのだ。別途アプリを立ち上げたり電話帳をマージしたりする必要がないのは便利で、国際電話が安い香港に住んでいる筆者は普段Skypeを全然使っていなかったのだが、この機能に気がついてからはほぼ毎日利用するようになってしまったくらいだ。

 ちなみに一度アカウントを登録しておき、あとは自動オンラインに設定しておけばN900の電源をONにしてデータ通信接続が開始されればいつでもSkypeが利用できる状態になるのである。出先からSkypeのビデオ通話ができるのも意外と便利であり、この機能はスマートフォンではまだN900だけが対応しているという点がなんとなくうれしい毎日である。


台湾でNokiaのアクセサリーを買う

台湾でNokiaのアクセサリーを買う

2010年6月8日 06:00
(山根康宏)

 毎年6月の頭は台湾・台北でコンピュータ関連の展示会「Computex Taipei」が開催されている。最近は台湾のPCメーカーがスマートフォンにも注力していることもあり、Computexも年々携帯電話や通信関連の展示が増えている。

 さて台湾を訪れた際はぜひ立ち寄りたいのがNokiaの直営ストアである。台北、台中、高雄の3都市ショップがあり、台北はComputexの会場のすぐそば、NewYork NewYorkというファッションビルの1Fに店が入っている。最新製品のみならずアクセサリーも豊富に販売されており、台湾でも発売されたばかりのNokia N900はイチオシ商品としてディスプレイされている。

 Nokiaの純正アクセサリーは日本ではすでに入手が困難であり、海外で買うにしても純正品がどこで売っているかわかりにくい場合もあるだろう。台湾のNokiaストアは品揃えが豊富な上にもちろん純正品のみが販売されている。また台湾は充電器のプラグ形状が日本と同一であるためそのまま利用できるというメリットもある。

 実は今回台北のNokiaストアを訪れたのは、N900の純正ケースが欲しかったからである。各国で販売されているN900だが、純正ケースはカタログに載ってはいるものの実際に販売している国が少ないようなのだ。台湾ならば売っているだろうと期待して立ち寄ったのだが、店員さんに尋ねると「入荷はもうすぐ先ですね」とのことでまだ販売されていなかった。台北の街中ではN900の広告を結構見かけたし、販売店によっては事業者の契約込みで9990台湾ドル(3万円以下である)と思い切った割引販売をしているなど、大々的に売り出しているのにケースが無いってのはちょっと残念なところ。

 まぁ最近のフルタッチスマートフォンは本体サイズが似通っているし、iPhone用のポーチ状のケースが他の端末でも使えるので純正ケースの必要性は少ないのだろう。とはいえ、ぴったり本体を収納できる純正ケース、ぜひともどこかで見つけて購入したいと思っているのである。


香港のN900には日本語対応手書き入力アプリ

香港のN900には日本語対応手書き入力アプリ

2010年5月19日 06:00
(山根康宏)

 香港では5月1日から販売開始されたNokia N900、この時期、他社から話題の製品といえばSony EricssonのXPERIA X10くらいということもあってか、香港では結構話題の製品となっている。Nokiaストアへ行ってもN900の展示コーナーは結構人が集まるほどの賑わいとなっている。

 さて、香港で発売されたN900は中国語入力への対応をウリにしている。N900が直接中国語入力対応したのではなく、サードパーティー製の無料アプリ「Penpower Chinese package」をインストールすることで可能になったのだ。アプリは台湾Pen Power(蒙活科技)のもので、同社は中国語手書き関連のアプリやタブレットなどを多数出している。漢字の種類も簡体字、繁体字、両方に対応している。香港版及び今後発売される台湾版、中国大陸版でも同じアプリがインストールできるようになるとのこと。なお他国版のN900は、アプリのインストール時に端末固有番号(IEME番号)がチェックされインストールできないそうだ。

 Nokiaストア店頭でさっそく中国語の手書き入力を試してみたのだが、ふと思いついて日本語の平仮名やカタカナを書いてみたところ、なんとそのまま手書きで入力できるではないか。Nokiaの香港製品といえば、Nokia初の本格的なフルタッチスマートフォン、5800XMでも平仮名カタカナの手書き入力が可能だった。なぜ香港向けの製品がデフォルトで日本語対応になるのか不明だが、筆者にとってはうれしい限りである。中国語+仮名の手書き入力対応ということだが、あえて「日本語手書き入力可能」という表現をしてもいいんじゃないだろうか?

 ただし、このPen Powerのアプリ、N900を利用している日本人の多くがインストールしている日本語FEP「maemocjk」とは共存できないようだ。そのためキーボード入力か、手書き入力か、どちらか片方を選ぶことになってしまう。両方が共存できれば便利になるので、「Penpower Chinese package」のほうで何とか対応してもらいたいもの。またアプリは有償でもよいので販売してもらい、世界中どこの国でN900を買っても手書きで日本語が書けるようになって欲しいものだ。


強力で快適なN900のWebブラウザ

強力で快適なN900のWebブラウザ

2010年4月22日 06:00
(山根康宏)
Firefox
Google Chromium

 Nokia N900のWebブラウザはPC相当の機能を備えており、スマートフォンの中でもかなり強力な部類に属すると思う。Webサービスの利用もPCとほぼ同じ環境で利用できる上に速度も高速、複数のページをどんどん開いていける。画面の拡大縮小はマルチタッチ対応ではないため指先を画面上で回転させるというちょっと変わった操作となるが、慣れればこれも悪くはない。個人的にはGoogleカレンダーがPCと同じカレンダー形式で表示できる点が気に入っている。

 またFirefoxに続きGoogle Chromiumなど他社製のブラウザも登場しており、用途に応じてブラウザを切り替えて使うこともできそうだ。特にChromiumはPC用のChromeとほぼ同じ操作体系を実現している点が使いやすい。その分タッチパネルでの操作がやや行いにくいところもあるが、このあたりは今後のバージョンアップに期待したいところ。

 このようにN900のブラウザは便利ではあるのだが、Webサービス用のウィジェットや専用アプリが少ないことがちょっと残念である。例えば他のOSのスマートフォンであればTwitterクライアントも多数出てきているが、N900のMaemo OS用には数種類しかない。Evernoteなど便利なサービスも現状はブラウザから直接利用することになってしまう。標準ブラウザの使い勝手が悪くないためこれでも十分実用的だが、N900の特徴を十分生かした専用アプリなどが欲しいところだ。

 2~3年前であればスマートフォンといえばNokiaという時代だったが、iPhoneとAndroid、そしてBlackBerryの台頭でNokiaのプレゼンスは下がってしまった。次世代のMaemo OSで巻き返しを図りたいところだが、1メーカー1機種だけでは開発者の数もなかなか増えないというジレンマがあるところだろうか。今後Maemo OSはMeeGo OSに統合され複数の機種が登場することが予定されているが、早い時期にそれを実現してもらいたいものである。


アメリカのNokiaストアでN900を発見

アメリカのNokiaストアでN900を発見

2010年4月2日 06:00
(山根康宏)

 2月のMobile World Congress(バルセロナ)に引き続き、3月末はCTIA Wirelessの取材でアメリカ・ラスベガスを訪問した。アメリカといえばNokiaの苦戦している地域でもある。飛行機がロサンジェルスの空港に着き誰もが携帯電話の電源を入れても、他の国では聞きなれたNokia Tunesが聞こえてこないのはアメリカならではだろう。ただしCTIAの会場ではNokiaは大きなブースを出展。今回はサービスを中心とした展示を行っており、そのデモ端末として多数のN900が利用されていた。アメリカではフルスペックなN900のほうが受けがいいのだろう。

 さてCTIAの後は遠地アメリカまで来たのでシカゴとニューヨークへも立ち寄ってみることにした。たまたまこの2都市にはNokiaのフラッグシップストアもあるのでせっかくなのでそちらも訪問してみることにした。どちらも街中のロケーションの良い場所にお店があり、特にニューヨークではあのAppleストアもある「5番街」にあるのだ。右はYves Saint Laurent、左はBurberryという「家賃が高そうだ」という一等地にあるニューヨークのフラッグシップストアの店内に入ってみると、入り口の一番目立つ位置に売られているのはN900だった。やはりアメリカではイチオシ製品として販売されているのだろう。

 だがアメリカは日本同様、通信事業者ごとに通信方式が異なったり、端末は契約と同時に買うことが一般的だ。そのためNokiaストアでSIMロックフリーの単体のNokia端末が売られていても、別途SIMカードを回線契約して端末と回線を別々に入手すると割高になってしまう。アメリカではiPhoneもDroidも通信事業者と契約して買えば割安で買えのに対し、N900は単体販売のみのため割高なのである。せっかくのNokia最上位機種であるN900も、他のNokia端末同様にアメリカでは販売に苦戦してしまっている。次の機種が出るときには事業者販売をぜひ採用してもらいたいものだ。

 なおこのフラッグシップストアも日時は未定のようだが閉店することが決まってしまった。ニューヨークやシカゴを訪れることのある人は一度立ち寄ってみてはいかがだろうか。N900はもちろんのこと、ケースなどのアクセサリも豊富に販売されている。閉店ではなく家賃の安いところに移動して引き続き営業を続ける、なんてことになってくれるとうれしいのだが……。


MWC2010関連イベントでN900用アプリ紹介

MWC2010関連イベントでN900用アプリ紹介

2010年2月22日 11:00
(山根康宏)

 毎年2月にスペイン・バルセロナで開催されるMobile World Congressは世界最大の通信・携帯電話関連のイベントである。Nokiaも例年最大規模のブースを出展していたが、今年は取りやめてしまった。筆者も毎年この時期は取材に訪れており、今回はNokiaの最新製品の展示を見ることができなかったのが残念でならない。

 ただし、今年はイベント会場のすぐそばでNokiaによるプライベートなイベントが開催されており、そちらで規模は小さいながらも各種サービスのデモなどを見ることができた。ちなみに会場内ではNokia関係者、来訪者の多くがN900を利用していたのが印象的だった。筆者はヨーロッパ出張ということもあり今回は自宅にN900を置いてきてしまったのがちょっと残念。

 さてイベントではNokia N900向けのアプリケーションの紹介コーナーもあり、N900の性能を生かしたモーションセンサー対応ゲームや、Oviストアからのアプリのダウンロードなどのデモが行われていた。N900はまだ発売されたばかりのデバイスであり、アプリの数は少ないと見られがちだがOviストアには動画などのコンテンツもすでに多数用意されているとのこと。注目はFirefoxのN900/Maemo対応版で、PCとブックマークを同期するなど便利な機能を多数搭載しているそうだ。

 なお本イベントではN900が採用するMaemo OSとIntelの提唱するMoblinが「MeeGo」プラットフォームへ融合される激震的な発表もあった。これによりN900向けのアプリケーションやサービスがより拡充していくことが期待できそうで楽しみである。


N900にアプリを簡単に追加できる「Application Manager」

N900にアプリを簡単に追加できる「Application Manager」

2010年1月13日 11:00
(山根康宏)
N900のApplication Manager

 スマートフォンのメリットといえば、後から自由にアプリをインストールできることだが、最近は各メーカーが独自のアプリストアを展開するようになり、端末からのアプリの直接インストールも簡単になっている。

 Nokia N900はスマートフォンらしく一通りのアプリがプリインストールされている。N900ではNokiaのアプリストア「Ovi Store」が準備中となっているが、現時点でもメニューからApplication Managerを起動すると、直接ダウンロードが可能なアプリストアライクなサービスが利用できる。アプリケーション一覧がカタログ表示されており、ゲーム、オフィス、マルチメディアのようにカテゴリ分けされているため検索も行いやすい。アプリのカタログは常時アップデートされており、最新アプリが追加されればすぐに一覧に反映される。もちろんN900が採用しているMaemo OSはまだマイナーな存在なためアプリの数はそれほど多くはないが、最初からこのようにアプリカタログが用意されているのは便利だ。

 また、開発中のアプリをカタログに追加することも可能だ。アルファ版やベータ版など、まだ完全に開発が完了していないアプリもカタログとしてライブラリ化されているのである。つまり開発者は開発が完了していない時点でも、配布可能な形式としてアプリを公開しておくことができるわけだ。もちろん開発中のアプリの利用は自己責任で。利用には同意が必要となるが、開発中のものを一般ユーザーでも試用できるシステムは、開発者がより多くのフィードバックを得られるという点でメリットがありそうだ。

 このN900について、日本語環境はどうなっているのだろうかと気になる方も多いだろう。実は日本語FEPも開発中バージョンとして先行公開されているのだ。日本語環境については早めにレポートする予定である。

 


N97の小型版、N97 miniが出てきた

N97の小型版、N97 miniが出てきた

2009年11月26日 11:00
(山根康宏)

 Nokia N97は大画面ディスプレイとスライド式のフルキーボードを備えた結果、本体サイズは従来の携帯電話より一回りほど大きめになっている。もちろんこれでも片手で十分画面操作を行えるし、QWRETYキーボードのキーピッチも十分許容できる幅が確保されている。実際、N97の売れ行きは好調のようなのでサイズに対しての不満の声は出ていないようだ。

 ところがNokiaからこのN97を一回り小さくしたマイナーチェンジ版である、N97 mini(写真左)が登場したのだ。N97 miniはN97のQWERTYキーボードから方向キーを無くすなどして小型化を実現した端末で、女性など手の小さいユーザーなどにより最適化されているそうだ。まさか見た目がそっくりな製品を2機種も出すとは思わなかったが、アジア人と西洋人でも手のひらのサイズは違うものだし、売れているN97をアジア市場向けにカスタマイズすればさらに大ヒット商品になるに違いない、とNokiaは考えたのかもしれない。

 N97 miniは正面から見ると本体デザインはあまり変わらないものの、背面はカメラカバーを無くし電池カバーも金属製のフラットなものにするなどよりすっきりした印象になっている。数値上はそれほど大きな差は見受けられないものの、手にもってみるとその差は歴然。N97が「手で持つ」という感覚なら、N97 minは「手に収まる」という感じだろうか。それほど変わらないようで本体サイズと形状、質感の差で大きな違いが出ているのだ。筆者の周りでも実際に数名のN97ユーザーがN97 miniに乗り換えたほどである。

 筆者は買い換えを考えていないが、携帯電話販売店に行くたびにN97 miniのモックアップと手持ちのN97を比較してばかりいる。香港では端末の中古売買も盛んであり、そうやって比較していると「今の端末を下取りするよ」と店員が声をかけてくることもしょっちゅうだ。そうなると財布の中身と相談しながら「そろそろ買い換えてもいいかなぁと」思ってしまう毎日なのである。


新ファームで使いやすくなったN97

新ファームで使いやすくなったN97

2009年11月5日 11:00
(山根康宏)

 Nokiaのスマートフォンも定期的にファームウェアがアップデートされており、PCと端末を接続した際、新しいファームウェアが存在するとアップグレードをお知らせしてくれるようになっている。N97も10月末にメジャーアップデート(V10.xx→V20.xx)が行われ使い勝手が大きく向上した。

 最大の変更点はこれまでは一部アプリの画面のみ対応していたキネティックスクロールがほぼ全画面に対応したこと。iPhoneのように画面上で指先を上下方向に滑らすと流れるようにスクロールする動きは指先だけで操作するフルタッチUIには今や必須のもの。N97もようやくフル対応したことは評価に値するアップデートといえるだろう。

 この他にもスピーカー音質の改善など細かいバグフィックスが行われており、購入時に比べて別物までとはいわないが全体的により使いやすいように改善されていると感じる。N97はNokiaの現時点での最上位端末だけに、かなり気合を入れて改善に取り組んだようだ。

 さてQWERTYキーボードも備え、タッチUIの完成度も高まったことで筆者にとってN97はますます使いやすい端末になったのだが、日常的に利用していて残念なのはWebサービスの対応が弱いことだ。FacebookやTwitterなどは各種クライアントアプリが提供されているが、DropboxやEvernoteなどビジネスで必須のサービスはいまだにWebブラウザでしか利用できない。アメリカ発のサービスはどうしてもアメリカ発のスマートフォンの対応が最優先となってしまうのだろうか。

 スマートフォンのメリットは豊富なアプリを利用できることだけではなく、Webサービスを最適化された画面で利用できること。現時点での不満点は唯一これだけなので、早く対応してもらいたいものだ。


N97をWi-Fiルーター化する

N97をWi-Fiルーター化する

2009年10月16日 11:00
(山根康宏)

 Nokia N97には購入時に多数のアプリがプリインストールされている。ノキアが開発したフルタッチ端末向けのアプリも多く、通常有料で販売されているアプリも無償で提供されているなどお得な気分になれる。まぁそれだけN97にかけるノキアの意気込みが高いということなのだろう。またサードパーティー製のアプリも同様にいくつかインストール済だ。もちろんアプリケーションストア「Ovi Store」を利用すればあとから自在にアプリを追加することも可能だが、最初からアプリがいろいろ入っているのもうれしものだ。

 ところで日本では最近、無線LANと携帯やPHS回線を内蔵した「Wi-Fiルーター」が増えている。ウィルコムの「どこでもWi-Fi」やNTTブロードバンドの「Personal Wireless Router」のようにバッテリー駆動で持ち運びできるルーターは外出中でも他の無線LAN搭載機器からいつでもインターネットアクセスができる便利な製品だ。同様の製品は海外でもすでに数種類が発売されているが、実は専用の製品を買わなくても無線LAN内蔵スマートフォンをそのままWi-Fiルーター化するアプリもある。

 N97のプリインストールアプリの中に入っている「Joiku Spot」もその一つで、このソフトを起動すればノートPCやポータブルゲーム機からN97経由でインターネットへアクセスすることが可能になる。Joiku Spotには無償の簡易機能版のLiteと有償のフル機能版であるPremiumがあるが、プリインストール版は後者で起動すると30日間トライアル利用ができる。

 使い方は簡単だ。Joiku Spotを起動してデータ通信の接続先を選択、するとN97がインターネット接続を開始する。画面には「JoikuSpot_XXXX」のようにアクセスポイント名が表示される。あとはノートPCなどから無線LANを検索すればN97の画面に表示されたのアクセスポイント名が見つかるので接続するだけ。電池の持ちは通常時より短くなるものの、普段利用している携帯電話がそのままWi-Fiルーターになる利便性は何よりも捨てがたい。無線LAN接続なのでケーブルは不要だしケーブルの繋がらない端末、たとえばiPhoneからN97経由でネットアクセスすることもできる。なお使用中もN97で通常通り電話の発着信も可能だ。

 日本から香港にやってきた友人がiPhoneを持っているときなどにも、筆者はこのN97+Joiku Spotを活用している。海外で現地で定額データ通信利用できるWi-Fiルーターは、現地生活だけではなく日本からの来訪者にもかなり便利なものなのだ。


Nokia N97で手書き日本語文字入力

Nokia N97で手書き日本語文字入力

2009年9月28日 11:00
(山根康宏)
 フルタッチディスプレイとスライドキーボードを備えたNokia N97の文字入力方法は多彩だ。閉じたときはタッチパネル利用、スライドキーボードを引き出せば自動的にQWERTYキーボード入力となる。キーボードの各キーはクリック感こそ軽めだが、両手でN97をホールドしながら親指を使って快適に入力できる。

 タッチパネルを使った文字入力方法には、手書きとソフト10キーの2通りが用意されている。さらに手書きには「画面全面手書き」と「文字枠を使った手書き」の2つの方法が利用できる。手書き入力になぜ2通りの方法があるのだろうかと当初は思ったが、スタイラスペンで文字を書くときは文字枠を使ったほうが紙に直接文字を書く感覚ですらすらと入力できるし、指先で文字を書くときは画面全体を使って文字の細かい部分をしっかり書くことができるわけ。なるほど、人間側が指、スタイラス、キーボードと、複数の「入力デバイス」を使い分けるのであれば、文字入力方法も複数がサポートされるということなのだろう。

 ところで筆者の購入した「N97」は香港販売品で、当然のことながら中国語の手書き入力、すなわち漢字を手書きできる。ところがなぜか日本のひらがなやカタカナも手書き入力できてしまうのだ。海外で携帯電話を買っても日本語が利用できる端末は皆無に近い(例外はiPhoneくらいか)。N97もヨーロッパ版などは英文字しか入力できないが、香港やシンガポール版などの中国語対応バージョンであれば日本語が書けてしまうのである。

 もっとも取扱説明書には日本語の書き方の説明などはなく、N97の日本語対応はメーカーサポート外のように思える。しかしNokiaは香港で以前発売したフルタッチ端末「Nokia 5800 XpressMusic」でも日本語手書き対応を大々的にアピールしていたこともある。N97も毎週末のように香港では販売キャンペーンが行われており、景品やらおまけやらカタログが配布されているが、キャンペーンスタッフから「日本語が書ける」との案内も良く聞かれる。すなわちN97の手書き日本語入力対応は片手間や偶々ではなく、日本人の知らないところできちんと開発が行われていたもののようだ。

 おかげでN97は海外に居住している筆者のメイン端末として毎日活躍してくれている。例えば日常的なメッセージの返事や電話帳登録などは長文を入力する必要がないため、手書きでサクサクと日本語が入力できる利便性は非常に高い。海外で困るのが「日本語の使えるケータイが無い」ことだが、iPhoneだけではなくN97も海外居住の日本人にお勧めしたくなる端末だ。

Nokia Ovi Storeでアプリを落としまくる

Nokia Ovi Storeでアプリを落としまくる

2009年9月3日 11:00
(山根康宏)

 Nokia N97を買って最初に試したかったもの、それはNokiaの開始したアプリケーションストア「Ovi Store」だ。N97はOvi Storeがプリインストールされた最初のデバイスでもあり、タッチパネル操作に対応するアプリもさっそく多数登場している。

 AppleのiPhoneが人気の理由の一つは、豊富なアプリケーションが用意されていることに加え、簡単にダウンロード・インストールできる手軽さが受けていることだろう。Nokiaもアプリケーションの数では数年前からそれなりの規模になっており、たとえば海外のNokia/Symbianのレビューサイトとして有名な「All About Symbian」のアプリページを見ると、フリーソフトだけでも1000近くのアプリが登録されている。しかし端末から直接インストールするにしても、各アプリメーカーのサイトに個別にアクセスする必要があったり、パソコンでダウンロードしてインストールするしか方法がなかった。Nokiaも独自にDownloadというサービスを提供していたが、UIは使いやすいものとはいえなかったし。登録されているアプリの数もわずかだった。

 こういった今までの状況も、Ovi Storeの開始でようやくiPhoneに追いついた格好になった。端末から直接手軽にアプリを探し、インストールするというiPhoneでは当たり前のことがNokia端末でも可能になったのだ。なお、Ovi Storeの利用にはアカウント登録が必要だが、N97本体からも登録できる。パソコンの無い環境でも利用でき、例えばN97を買ったその場ですぐにOvi Storeを利用できるのは便利。またOvi Storeは利用中の端末に対応したアプリだけが表示されるため、N97のような新しいプラットフォームを採用した端末に特化したアプリも、優先的に表示される。さっそくタッチ操作対応アプリを探してみたところ、すでに100種類以上が用意されていた。このあたりはさすがシェア1位のNokia、アプリメーカーの対応も早いようだ。ちなみに日本製のゲームも、いくつかが対応している。

 さて、アプリの数が多すぎて探すのが大変だと感じたなら、Ovi Storeのパソコン版にアクセスし、パソコンの大画面上でアプリを検索できるのも便利なところ。パソコン上でアプリを見つけたら「端末に送信」ボタンを押せばばよい。あとはN97にSMSが送信されるので、開けばOvi Storeのアプリインストール先URLにアクセスできるのだ。仕事の合間でも、Ovi Store WEBを開きいくつかアプリ情報をN97に送信し、後で休憩時間にインストール、なんてこともできてしまうわけで、これも結構便利な使い方である。Ovi Storeを使ってみると、Nokiaが本気でアプリストアに力を入れていることが感じられるのだ。


Nokiaのフラッグシップ、N97を購入

Nokiaのフラッグシップ、N97を購入

2009年8月17日 11:00
(山根康宏)
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 海外でもこの夏話題の製品は、iPhone 3GSであることは間違いない。しかしiPhoneにも負けじと話題になっている製品がある。その1つがNokiaのフラッグシップモデル、N97だ。筆者の居住する香港ではiPhoneよりもN97の広告が圧倒的に多いほどで、毎週末のように繁華街では販売イベントが行われていた。売れ行きも好調のようで、街中で実機を持っている人もよく見かける。

 N97の主なスペックは、640×360ピクセルのフルタッチディスプレイ、スライド式フルキーボード、内蔵32GBメモリ+micorSDカードスロットで最大48GBメモリ搭載可能、5メガピクセルカメラ、待受画面のオンラインウィジェット、Nokiaのアプリケーションストア「Ovi Store」標準対応など。Nokiaが社運をかけているかのごとく、他社のハイエンド端末にも負けないだけの高い機能を搭載している。

 また、本体背面は表面がつや消し塗装で、指紋の跡がつかない落ち着いた仕上がりだ。Nokiaの本格的なフルタッチ端末は昨年冬に登場した5800 XpressMusicだが、カジュアルな音楽ケータイということもありプラスチックの質感が強いものだった。フルタッチ第2弾のN97は質感も上品になり、機能だけではなく外見もフラッグシップ端末に相応しいものになっている。

 さてフルタッチ端末は画面タッチの感度が使い勝手を大きく左右するものだ。N97のタッチ機構は感圧式だが感度はかなりよくなっており、iPhoneまでとはいかないもののストレス無く操作できる。そしてスライド式のキーボードは動きがスムース、しかも開いたときにぴたりと止まる。さらに止まる時には心地よい音がするのだ。これって機能には直接関係ないけど、モノとして重要な要素の一つだったりするんじゃないだろうか?

 これまでもNokiaのスマートフォンはマルチメディアやビジネス用途に優れた製品が多かったが、このN97は「Web端末」としての機能が大幅に向上している。機能で紹介した「オンラインウィジェット」はその一例だ。待受画面上でメールやFacebookの新着、天気予報などがリアルタイム配信されるなど「常時ネット接続」を前提とした機能が盛り込まれている。単体機能だけではなくWebサービスとの連携など、N97をこれからじっくりと使い込んで行きたいと思う。

N82を持ってラスベガスに行ってきました

N82を持ってラスベガスに行ってきました

2009年4月6日 11:00
(太田亮三)
 本誌で4月2日、3日と掲載した「CTIA Wireless 2009」の取材でラスベガスを訪れた。海外でも問題なしのNokia N82を使用しているということもあり、編集部からはSIMカードだけを借りて、携帯電話はN82のみで渡航した。滞在中は問題無く通話・メールと利用できたが、時差もあるので日本との連絡はメールが多め。取材に没頭するあまり(!?)変わったことを試すことはできなかったが、5メガピクセルのカメラにカール・ツァイスのレンズを搭載ということで、空いた時間を見つけてホテルの窓から見える風景を撮影したり、帰り道の風景を撮影したりしてみた。

 とはいっても、ホテルの部屋はコスト重視だったのでキレイな夜景など見える場所であるはずもなく、建物のすき間からすこしネオンが見える程度だった。カメラのメニュー「シーンモード」で「夜景」を選択しただけの設定で撮影したところ、感度がISO800まで上がり粒状感とノイズが少し強くなったが、肉眼で見ていた感覚に近い露出が得られた。ちなみに写真に写っている鉄塔はバンジージャンプのための塔で、ホテルのアトラクションのひとつ。(ホテルの施設として)ジェットコースターなどもあり、街全体が冗談のような発想にあふれているのがラスベガスの魅力のひとつだ。

 N82はGPS機能に対応しており、カメラのメニューであらかじめ設定しておけば、GPSの位置情報を撮影後に自動的に付加できる。GPS設定をオンにしていると、カメラのファインダー画面左下にはパラボラアンテナのアイコンが表れるほか、画像/ビデオのギャラリーでも位置情報が付加された写真にはこのアイコンが付く。N82のGPS機能はなかなか優秀で、屋内であっても窓に近ければ位置情報を取得できることが多い。今回のホテルの窓際で撮影した写真も、しっかりと緯度、軽度、高度が取得できていた。

 位置情報を取得した写真は、N82本体で閲覧するとオプションメニューに「地図に表示」が追加され、地図上で場所を確認可能。EXIFデータに緯度、経度、高度が記録されているので、パソコン上で活用することもできる。海外であってもGPSは機能するので、旅の記録にも最適ではないだろうか。
 

「モバイルGoogleマップ」があればもう迷わないかも

「モバイルGoogleマップ」があればもう迷わないかも

2009年3月13日 11:00
(太田亮三)

 パソコンを日常的に利用している筆者にとって、取材先の住所を調べたり、道順を確認したりするなどの用途で「Googleマップ」は欠かせない存在だ。Nokia N82などのスマートフォンでは、携帯向けとして提供されているアプリ版の「モバイルGoogleマップ」を利用すれば、無料アプリとは思えない充実した機能を利用できる。

 3月11日時点でダウンロードできた「モバイルGoogleマップ」のSymbian S60向けバージョンは、3.0。2008年12月時点ではバージョン2.3だったが、2009年3月に入り、友人の現在地を確認できるサービス「Google Latitude」にも対応した最新版が提供されている。

 個人的に頻繁に利用するのは、鉄道の乗換検索と、GPSを使った現在地の確認だ。グーグルの携帯向けサイトなどでも鉄道の乗換検索は行えるが、アプリ版では地図上での表示や目的地の変更など、より柔軟に利用できる。

 現在地の確認は、GPSと基地局の両方に対応する。誤差の範囲は薄い円で表示され、移動中の場合は中心点に移動方向も表示される。N82の性能なのか、GPS情報の取得速度は速く、屋外なら素早く現在地を確認できる。アプリそのものも軽快に動作し、ズームやスクロールもスムーズだ。航空写真やストリートビュー、飲食店の周辺検索など、パソコン版でおなじみの機能も利用できる。

 ナビゲーション機能は、地図上のルート表示とテキストの指示で構成され、必要最低限の機能は提供されている。ただ、「運転経路」「公共交通機関」「徒歩」とあるルート検索のうち、「徒歩」に関してはうまく道順が表示されない場合も多い印象だ。歩道が整備されている地域なら、徒歩のルートを「運転経路」の検索結果で代用してしまうのもひとつの手段かもしれない。

 なお、便利に使っている同アプリだが、アプリのダウンロードリンクが表示されるはずのページにN82からアクセスしても、日本の携帯電話向けページに転送されてしまい、うまくダウンロードできなかった。このため、ダウンロードファイルのURLを指定してダウンロードし、インストールしている。

携帯がDLNAサーバ!? N82のホームメディア機能

携帯がDLNAサーバ!? N82のホームメディア機能

2009年2月25日 11:00
(太田亮三)
 Nokia N82など、マルチメディア機能を強化したノキアの端末には、メニューから「ツール」→「外部接続」とたどったところに「ホームメディア」機能が用意されている。簡単にいうとDLNA機能なのだが、ほかの機器に保存されたコンテンツにアクセスするクライアント機能に加えて、N82に保存されている写真などをホームネットワーク上に公開できるサーバ機能も用意されているのがユニークだ。

 「DLNA対応機器」と言われてもピンとこないかもしれなが、最も身近な例と思われる機器では、「プレイステーション 3」(PS3)が挙げられるだろう。N82とPS3を使えば、コンテンツをコピーすることなく大画面で写真や動画を楽しめるのである。旅行の様子など、まとまった枚数を、複数人に見てもらいたい場合などに便利な機能だろう。

 N82のほかに必要な環境は、PS3とテレビ。そして、PS3の接続されたホームネットワークが無線LANに対応している必要がある。

 N82側では、上記の「ホームメディア」機能にて、DLNAサーバ機能である「コンテンツ共有」を有効にする。そして、無線LAN経由でPS3と同一のホームネットワークに接続すると、PS3のメニューにはN82が現れる。PS3側で写真を保存したフォルダにアクセスすれば、N82に保存されている写真などをテレビの画面で閲覧でき、PS3の洒落た雰囲気のスライドショーなども楽しめる。

 実はN82にはアナログのビデオ出力ケーブルが用意されており、テレビに接続すれば同様に写真を楽しめたりする。microSDカードとリーダーライターを利用してPS3にコンテンツをコピーすることも可能だ。一方、DLNA機能を使うメリットは、無線LANのID・パスワードが必要なものの、コンテンツをコピーしなくても見られる点だろう。加えて、デジタルデータのままコンテンツを閲覧できるため、PS3とテレビがHDMIなどのデジタル方式で接続されていれば、写真などを高画質に閲覧できるのが特徴だ。

 注意すべきポイントは、「すべてのファイル」の設定で公開すると、端末内の写真が全部公開されてしまう点だろうか。友人宅で旅行の写真を披露しようとしたら、マル秘写真も盛大に披露してしまった......といった事がないよう、予行演習は怠らないようにしたい。

 

 

3.5mmミニジャックを大人げなく試す

3.5mmミニジャックを大人げなく試す

2009年2月6日 11:00
(太田亮三)

 「Nokia N82」を手に取った人なら気が付くと思うが、上面の電源ボタンの隣にはiPodなどオーディオ機器で一般的な3.5mmのミニジャックが用意されている。パッケージ同梱のイヤホンマイクは音質的に残念なことになっていたと感じたのだが、3.5mmのミニジャックを用意するということは、好みのイヤホン・ヘッドホンを利用して下さいね、というメッセージでもあるわけだ。そこでいくつかイヤホン・ヘッドホンを用意して試したみた。

 とはいっても、ただ挿して音楽を再生するだけならどれでも同じ。一方で、イヤホン・ヘッドホンには感度やインピーダンスなどの要素があり、これにより「ボリュームをとれる量」が変わってしまう。簡単に言ってしまうと、例えば比較的大きい屋内用のヘッドホンでは、携帯など再生機器側のパワー不足などにより、ボリュームを最大にしてもたいして大きく聞こえない、という場合がある。

 そんなわけで、主観に頼るものの、"ヘビーな"ヘッドホンをN82に付けた場合、ボリュームがちゃんと取れるのだろうか?という点をチェックしてみた。合わせて、地味に問題になったりする(?)大きなプラグが挿せるかどうかについてもチェックした。

 ボリュームに関しては、まず手近にあったiPod付属のイヤホン(写真左上)は問題無く、ボリュームレベルは50~70%が常用域と感じた。KOSSの「PORTAPRO」(右上)やゼンハイザーの「HD25」(左下)はボリュームレベル70~90%が常用域といったところで、ひとまず再生できるといった感じだ。参考までにゼンハイザーの「HD650」(右下)も接続してみたが、感度103dB、インピーダンス300Ωというポータブル向けでないスペックもあってか、ボリュームレベルは90~100%がなんとか常用域というレベルで、案の定向いているとは言い難い。

 おまけのプラグ形状に関してだが、N82の3.5mmミニジャック周辺は比較的余裕を持って設計されており、手持ちの大柄なミニプラグもすべて装着できた。SWITCHCRAFTのミニプラグ(写真中央)はギリギリだが問題無く装着できたし、カナレ電気のミニプラグ(写真右)は径が大きいものの、プラグ端子付近は径が絞られているため、こちらも問題はなかった。
 

Googleカレンダーと同期

Googleカレンダーと同期

2009年1月21日 11:00
(太田亮三)
 スマートフォンと呼ばれるものを使っていてうれしいのは、日ごろ使っているインターネット上のサービスと自由に連携できたりする点だ。その最たるものはGoogle関連のサービスではないだろうか。

 そんなわけで、N82に搭載されているカレンダー機能は、パソコンのブラウザで利用する「Googleカレンダー」と同期させて利用している......と書くとなにやら使いこなしているようだが、当初最も問題となったのは、プライベートでは管理するほど予定が無いためにそもそもGoogleカレンダー自体を使っていなかったという点だろう。仕方がないのでカレンダー同期を実践するためにスケジュール的なものを見繕うという本末転倒な始まり方となったが、忘れがちなゲームソフトやコミック、文庫本の発売日をコツコツを入力していったところ、買い忘れなどが少なくなり、重宝するようになった。

 筆者が利用しているのは、同期サービスとして多くのユーザーが利用方法を公開していた「GooSync」という無料のサービス。海外企業が提供するサービスで、Googleやノキア、ソフトバンクモバイルとは関係が無いので、当然ながら自己責任での利用となるだろう。また、GooSyncのサーバーがダウンすると同期はできなくなる。2008年のクリスマスイブ~クリスマス当日には実際にGooSyncのサーバーがダウンし、「一体何の嫌がらせか!」と勘ぐったものだが、実際のところ急いで同期させる予定が無いことに気付き、すぐに冷静さを取り戻した。アカウント登録時は英語ページのみだが、サービス自体は日本語のスケジュールの同期にも対応している。利用までの簡単な流れは、GooSyncでアカウントを作成し、利用する機種を選ぶ。N82の中にある「同期」という項目に新規プロファイルを追加し、GooSyncのサーバーアドレスなど必要な項目を設定すれば完了だ。無料アカウントでは同期対象が1カ月後までのスケジュールに限られるが、個人的にはそれほど問題になっていない。

 Googleカレンダーの月表示の画面でとりあえず予定を入力すると、時間指定の無い終日のスケジュールとして登録される。これをGooSyncで同期すると、N82のカレンダー上では黄色いアイコンの「メモ」として登録される。Googleカレンダーで時間を指定して登録すると、N82のカレンダー上でも時間指定のある「予定」として登録される。N82のカレンダーに登録した内容をGoogleカレンダーに反映させる場合も同様だ。ちなみに待受画面上にあるカレンダーエントリー表示エリアでは、「メモ」の内容は当日まで表示されないのに対し、「予定」は数週間以内で直近の内容が表示される。このため、恥ずかしいタイトルのコミックやゲームを時間指定の「予定」で登録すると1週間以上前から待受画面上に晒されることになるので注意が必要だ。
 

USB充電って、そういうことですか

USB充電って、そういうことですか

2008年12月26日 11:00
(太田亮三)

 Nokia N82を手にしてすぐに気が付いたのは、USB充電に関してだ。端末の左側面にはマイクロUSB端子と充電用端子がそれぞれ備わっているが、パッケージ付属のUSBケーブルをパソコンに接続し、もう一方をこのマイクロUSB端子に接続しても、端末の充電はできないのだ。HTC製のスマートフォンなどでは端末の充電もUSB端子に統一されているため、私が勘違いしていただけなのだが......。

 オフィスで働く社会人なら、携帯はオフィスと自宅の両方で充電できる環境を整えたいもの。前回お伝えしたNokia storeの訪問は、こうしたグッズもついでに買おうとたくらんだものだったのだ。そこで、しばらくはノキアグッズを扱う見込みの、赤坂見附にある「Nokia @O-parts lifestyle shop」でUSB充電ケーブルを購入した。

 「Nokia Charger via USB port CA-100」という名のこの製品は、パソコンのUSBポートを使ってノキア端末を充電できるというもので、端末側には充電端子で接続する。ケーブルは18cmとかなり短いので、ノートパソコン、あるいはデスクトップパソコンの前面USB端子で利用し、端末やノートパソコンと一緒に持ち運ぶのがいいだろう。2709円という価格は迷うところだが、USB端子のカバーがケーブルをまとめるパーツになっていたりと、何気ないグッズながら小粋なアイデアが光る一品だ。


ハロー、最後のノキア

ハロー、最後のノキア

2008年12月9日 11:00
(太田亮三)
 セカンドシーズンはソフトバンクモバイルの「Nokia N82」に決めた。ノキアマニアの皆様、どうぞよろしく。まさにハローノキア。日本から撤退しちゃいますけど。

 しかしながら、撤退するノキアを追いかける前に、私にはやらなければいけないことが残っている。Sportio(+自転車)で夢見たアグレッシブなボディが実現されたのか? というところだ。まず数値で見ると、前回公表時は体重が61kg前後、体脂肪率が16%前後とお伝えした。12月7日に計測したところ、体重は61.05kg、体脂肪率は18.2%となっていた。


 ......笑い飛ばそうにも判断に困る結果なのだが、とりあえず体重は維持され、体脂肪率は増加している。これもある意味では肉体改造なのだが、実際に人と会うと以前より太ったと指摘されることも増えており、スポーツの結果とは真逆の方向性であることからも、いろいろひっくるめると「私は太った」という結論に至っていいのではないかと考えている。ここでKDDIと東芝の名誉のために書いておくが、Sportioやauのサービスに問題があるのではなく、サボりまくった私が悪いのである。ごめんなさい。

 さて、ノキア日本国内最終モデル「Nokia N82」だが、Sportioを手にしながらも太ってしまったお詫びをかねて、足(と地下鉄)で情報を稼いでみた。というのも、ノキア日本撤退のニュースを伝えるかたわら、実店舗の「ノキアストア」はどうなるのだろう? と疑問に思ったからだ。

 結果からお伝えすると、「Nokia store」として展開している八重洲と成田空港の計3店舗は、いずれも閉店する方向で話が進められているようだ。成田空港の2店舗は2008年中に閉店する可能性が高いようで、八重洲の店舗も閉店の方向で調整を進めているという。ちなみにどちらもノキア・ジャパン直営ではなく、八重洲と成田で違う代理店が経営している。


 南青山から赤坂見附に移転した「Nokia @O-parts lifestyle shop」は、店員によれば閉店する予定はないとのことだった。これは、店舗自体はO-partsというデザインインテリアを扱うショップだからで、今後もノキア製品は可能な限り扱っていきたいという。ノキア・ジャパンからの供給体制は不明とのことだったが、取り扱い製品の在庫はまだ多めにあるようで、しばらくは販売が継続される見込みだ。

 周辺機器の購入はオンラインショッピングで済んでしまう場合も多いだろうが、実物を見たくなったら、ひとまずは「Nokia @O-parts lifestyle shop」に行くといいだろう。