みんなのケータイ

 昨年、LTE対応のスマートフォンを使い始めてから、PCの通信をテザリングに頼ることが多くなった。モバイル用PCとして持ち歩いている「VAIO Z」にはWiMAXモジュールが内蔵されており、UQコミュニケーションズとも契約しているが、少なくとも自分の行動範囲ではドコモのXiの方がカバーエリアが広い印象を受ける。結果として、4月からUQのWiMAXは2段階制の「UQ Step」にプランを変更。PCの通信をXiのテザリングに一本化して、実用度を試してみた。

Xperia Zは、通知のボタンを押すだけですぐにテザリングを開始できる

 内蔵のWiMAXモジュールだと、PCを起動するだけで即座にネットに接続しにいく。テザリングにはここまでの手軽さはないが、「Xperia Z」の場合、通知にあるボタンをタップするだけでよく、設定メニューの深い階層までもぐる必要がない。内蔵モジュールと比べれば少々面倒だが、料金プランで定められたデータ量の範囲であれば、追加のコストがかからないのは大きな魅力だ。

 ただし、Wi-Fiテザリングには1つネックがある。それが消費電力だ。スマートフォンの中で比較的消費電力の大きなLTEとWi-Fiを同時に使うこともあって、Wi-Fiテザリングをオンにしていると、みるみるうちに電池が減ってしまう。テザリングだけでXperia Zの電池が切れるまで通信することはあまりないとはいえ、1日中外出しっぱなしの日はやはり電池を節約しておきたい。

 そこで、ある程度長い時間通信すると分かっているときには、USBテザリングを使うようにしている。USBケーブルは、普段持ち運んでいるモバイルバッテリー用のものを差し替えている。接続方法もいたって簡単。PC側にソフトをインストールするといった特別な準備をする必要もなく、Xperia ZとVAIO ZをUSBケーブルでつなぎ、設定内にある「USBテザリング」をタップするだけだ。こちらの方法だと、Xperia Zの充電とテザリングを同時に行えるため、電池の心配をしなくて済む。

USBテザリングなら、Xperia Zの充電も同時に行える
ただし、オンにするためには設定画面を開かなければならず、少々面倒。こちらも通知からできれば楽なのだが……

 USBテザリングのもう1つのメリットは、Wi-Fiの電波が混雑した環境でも通信できること。会場に多くの人が集まる新製品、新サービスの発表会では、Wi-Fiが飛び交って通信不能になるケースが増えてきた。これが原因で、新サービスのデモに失敗する発表会もチラホラある(笑)。ところがUSBテザリングなら、スマートフォンとPCの間が無線接続ではなくなるため、このような環境でも安定した状態で通信できる。

 とはいえ、USBテザリングも万能ではない。常に給電状態になるためか、PC側の電池はWi-Fiテザリングよりも早く減ってしまう。せっかくPCをネットにつなぎたいのに、そのPCの電池が切れてしまっては本末転倒だ。このように試行錯誤を重ね、VAIO Z側の電池を持たせたいときはWi-Fiテザリングで、Xperia Z側の電池を持たせたいときはUSBテザリングでと、両方を使い分けるようになった。テザリングというとWi-Fiテザリングにばかり注目が集まりがちだが、USBテザリングにも意外とメリットが多いことは覚えておいて損はないだろう。