DATAで見るケータイ業界

中古端末購入者が購入した端末の「種類」

 9月12日よりキャリア各社が予約受付を開始した「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」。新たな料金プランやキャンペーン施策が相次いで発表され競争は発売前から過熱気味だ。国内スマホ市場でiPhoneはAndroid端末とシェアを二分している状況だが、実は中古端末市場は新品市場とは異なる様相を示している。今回は、MCAで実施した消費者アンケート調査結果を取り上げたい。

出典:MCA「MVNO×格安スマホ×中古端末がもたらす新領域市場の動向と将来予測2020」

 2013年以降に中古携帯端末を購入した経験者に対し、購入経験のある中古端末の種類を尋ねた結果が上のグラフだ。

 Androidスマホの購入経験率が6割を超える一方、iPhoneに関しては19.7%にとどまり、大きな開きが見られた。

 Androidスマートフォンの場合、発売から一定期間を経た端末は手頃な価格で購入できるが、iPhoneはAndroidスマートフォンほど値崩れしない傾向にある。キャリアが積極的な販売施策を展開することもあって、中古によるお得感が少ない点が影響したとみられる。

 ただし、中古市場においてiPhoneが売れていないのかというと、話はそう単純ではない。iPhoneは訪日外国人からの需要も非常に大きいのが特徴だからだ。今回の調査は国内消費者に対して実施しているため、そのほかの需要は数字に現れない。値崩れしにくいのは需要が旺盛な証拠でもあり、国内消費者の需要だけでは市場全体は語れないのが実態といえる。

 一方、従来型携帯電話の購入経験率は3割弱だった。国内の出荷台数に占める従来型携帯電話の割合は4分の1程度と言われており、中古市場でもそれに近いポジショニングとなっているようだ。

MCA

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」などクオリティの高いサービス提供を行う。