ケータイ用語の基礎知識

第924回:GMS(Google Mobile Service) とは

 「GMS」(Google Mobile Service)とは、米グーグル(Google)が提供するアプリやAPIをまとめたものです。グーグルが作成し、配布しています。

 他のアプリをインストールするための「Google Play ストア」のほか、「Google 検索」「Google音声検索」「YouTube」「Google Chrome」「Gmail」「Google Maps」などが含まれます。

 「素の状態のAndroid」とも言えるAOSP(Android オープンソース プロジェクト)では、メールや電話といった最低限のレベルのスマートフォンの機能を提供していますが、GMSはAOSPには含まれていません。

 AOSPはオープンソースですから世界中の誰でも自由に使うことができるのですが、GMSは、プロプライエタリー、つまりグーグルとのライセンスを通じてのみ利用できるサービスになっています。

 GMSによって、Android端末メーカーは、スマートフォン、タブレットなどの端末の発売と同時に、グーグル製アプリを搭載できます。あわせて発売前に互換性テストを受けることになります。スマートフォンを購入するユーザーにとっては、ある程度、互換性が保たれていることがわかる、ということはメリットのひとつと言えるでしょう。

 一方、GMSを搭載しないAndroid端末は、これまでにも存在しています。たとえば、Androidをベースにしたフィーチャーフォンです。これらは、形状や操作方法が、かつてのフィーチャーフォンと同等に仕上げられています。そのため、アプリも専用の方が良いことになります。

 AmazonのFireシリーズのタブレットも、AndroidベースのFire OSを搭載しており、そうしたデバイスの一環と見なすことができます。

 最近では、ファーウェイの「Mate 30」シリーズが、Android 10を搭載しながら、Google Playなどが搭載されていない形で発表されています。

そのほかのアプリで代替できるのか

 GMSを搭載しなかった場合、一般的なスマートフォンで、代替できるアプリはあるのでしょうか。

 GMSの機能は、最小限とされながら、現在のスマートフォンの根幹になっています。最も重要なのはアプリケーションストアの機能でしょう。その代わりを担うのは、容易なことではありません。

 たとえばAndroidでは、APKという形式で、1つのアプリをパッケージ化したファイルがあればインストールすることも、できるようになっています。ただ、これも信頼できる事業者であればともかく、ネットからひとつひとつダウンロードしていくのは、手間暇や安全性などを踏まえると、現実的ではないでしょう。

 GMSの代わりに、独自のアプリストアを用意する場合もあり得ます。地図や動画プレイヤーなどはそうしたストアを通じて配信できるでしょうし、開発者に向けて、独自ストアでの配信を呼び掛けることもできるでしょう。それでも、Google Playで提供されるアプリの数には、すぐ追いつけないことも予想されます。代替はそう簡単ではないと言えるでしょう。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)