ケータイ Watch
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ビクトリノックスをケータイしよう
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


 普段なにげなく生活していると、モノを切るためにちょっとナイフが欲しかったり、ハサミが欲しかったり、書くものが欲しかったりすることが多い。とくに、出先でこうしたツールがなにも用意されていないときに、そういった状況に陥ることがある。そんなときに便利なのがいわゆるポケットナイフと呼ばれるものだ。そんなわけで、今回は、ケータイすると非常に便利なアイテムの1つ、ポケットナイフを紹介しよう。


■ ビクトリノックスのナイフ

ビクトリノックス
ビクトリノックスのミニチャンプライト。カギと比べてみるとわかるように、サイズは非常に小さいことがわかる。サイズは58mmで小指程度の大きさ。4000円程度で販売されている。ちなみに、ナイフのスイス十字部分を押すとライトが点灯する

 ナイフのことなんて全然知らないという人も、「アーミーナイフ」とか「スイスアーミーナイフ」って名前をどこかで聞いた人が多いんじゃないかなと思う。あるいは「アーミーナイフ」って言葉を知らなくても、「十徳ナイフ」を見たことがない人はいないんじゃないかな。「アーミーナイフ」や「スイスアーミーナイフ」、「十徳ナイフ」ってのは、ナイフでありながらナイフ以外のさまざまなツールを使える多機能ナイフのことだ。なんで「アーミーナイフ」って呼ばれるのかは詳しくは知らないが、きっと、アーミー、つまり陸軍が携帯して便利に使っていたということなのだろう。詳しいところはビクトリノックスのページを参照して欲しい。

 さて、このアーミーナイフの有名どころがスイスの「ビクトリノックス」と「ウェンガー」の2つのメーカー。両メーカーからはさまざまな機能を持っているナイフがリリースされている。今回は、筆者の個人的な趣味で「ビクトリノックス」の便利っぽいナイフをいくつか紹介したい。


クラシックとミニチャンプライト

 携帯用に便利なナイフは、クラシックとチャンプミニライトと呼ばれる2つの製品だ。この2つのナイフは、大きさは小指程度で非常に小さいくせに、ナイフだけではなく、さまざまなツールが内蔵されているという優れものだ。ちなみに、クラシックにはナイフ、ハサミ、ツメやすり、爪楊枝、ピンセット(毛抜き)が、ミニチャンプライトにはナイフ、ハサミ、ツメの甘皮押し、ツメやすり、カン切り、栓抜き、スケール、ドライバーはプラスとマイナス、ボールペン、そして暗いところを照らすためのライトが内蔵されている。写真を見ていただければわかると思うが、この2つのナイフ。大きさが非常に小さく、キーリングにつけていても全然ジャマにならないサイズなのだ。ちなみに、ライトの代わりにピンセット(毛抜き)を内蔵したミニチャンプと呼ばれるバリエーションもある。

 で、ナイフ(というかツール)を携帯すると便利なシチュエーションって意外と多い。たとえば、外出先で何かを切りたい、突きたい、開きたいとき。こういうときは大抵ナイフもハサミも持っていないしその場にそういったツール類がないことが多い。そんなときに、クラシックやチャンプミニライトなどのポケットナイフを持っていれば、さっとポケットから取り出して、スマートに切ったり、突いたり、開いた後くということが可能だ。

 また、ナイフっていうと男性が持つものというイメージがあると思うが、クラシックは女性でも持てるようにさまざまなカラーバリエーションが用意されているのもポイントが高い。また、さまざまなノベルティーでも配られることが多いので、ひょっとしたら持っている人も多いんじゃないかな。たとえば、缶ジュースを飲みたいけれど、プルトップが開けないとき、ビニール袋を開きたいとき、スカートのスソがほつれて糸が出てしまったとき、ちょっとマツゲを抜きたいとき。そうした緊急事態に柔軟に対処できる小さな巨人的なツールなのだ。えー、ナイフなんてって思うかもしれないが、だまされたと思って一度携帯してみて欲しい。決して手放せなくなることうけあいだからだ。また、クラシックにライト(LED)が着いたモデルもあり、これをキーリングにつけておけば、暗くて鍵穴の位置がわからなくても明るく照らすことができるのだ。


左はクラシックと呼ばれるモデル。クラシックにはさまざまなカラーバリエーションがあり(スケルトンモデルもある)、女性が携帯しても違和感がない。ケータイのストラップに付けてもいいかも。クラシックにはナイフ、ハサミなど7種類の機能を搭載。右はミニチャンプライト。ミニチャンプライトはこのサイズながら16種類の機能を搭載している。ちなみに、クラシックは1500円程度で販売されている
最も機能が多いビクトリノックス「スイスチャンプXLT」。なんと50種類の機能を搭載。薬剤調合用のヘラとか電工用のナイフ、カマなんていう謎のツールも含まれている。ただし、ナイフの幅は相当にデカい。で、デカイから使いにくいのでコレクション用か? スイスチャンプXLTは限定生産品らしく、一般売りはしてないようだ。これは、アメ横にて2万円で購入

もうちょっとヘビーディユーティーなアーミーナイフ

ビクトリノックス専用ケースも販売されている。左はナイロンケース。3000円程度で購入。スイスチャンプとクラシックが両方入るサイズだ。右はサバイバルキット。サバイバルキットには皮ケースにスイスチャンプ本体、ミニマグライト、砥石、コンパス、ミラー、ホイッスル、釣り針などのサバイバルツールが含まれている。実売1万数千円程度
 ポケットサイズのナイフをいつも携帯していると、何かあったときにそれなりに便利。だが、ポケットナイフじゃ手に負えないシチュエーションもある。そう、たとえば、旅行に行ったとき。当然のことながら生活に必要なツールが必ず揃っているわけではない。そういうときに、アーミーナイフがあると非常に便利なのだ。サバイバルしに行くわけじゃないんだし、未開地に行かない限りはそんなもの必要ないのでは? と思うかもしれないが、そうでもないんです。

 美味しいワインを買ったのはいいけど、ワインオープナーがない! 暑いからビン入りの飲み物を買ったのはいいけど、セン抜きがない! チーズを食べようと思ったけどパッケージが開けられない! カンズメを食べようと思ったけどカン切りがない! で、仕方ないから持ち帰るという悲しい経験をしたことがある人もいると思う。しかし、ワインオープナー、カン切り、セン抜きなど一揃い持って行くのはナンセンスというもの。こんなときに、アーミーナイフを1コ持っていれば便利に使うことができるのだ。もちろん、旅行だけじゃなく、日常生活の上でも十二分に役立つんだけどね。

 ビクトリノックスのラインナップには、スタンダードサイズ(10cm程度)のナイフのバリエーションが最も多い。このサイズには「トラベラー」や「キャンパー」といったように、使う用途に限定された名前がついている。付いている機能にあわせてチョイスするのもいいが、中でもオススメなのが「スイスチャンプ」と「サイバーツール」と呼ばれるモデル。ちなみに、私はもう10年程度スイスチャンプを愛用。カバンを持って出かけるときは必ず一緒に持ち歩くことにしている。実際、スイスチャンプにお世話になったことは数限りなくある。ちなみに、スイスチャンプはナイフ、プライヤー、ヤスリ、ハサミなどなど33種類の機能を持つナイフ。これ1本あれば、よほどのことがない限り大抵のピンチを切り抜けることができる。

 で、最近お気に入りなのが「サイバーツール」と呼ばれるモデル。去年の暮れに限定発売され、今年の3月から正式に販売されているビクトリノックスの新しいラインナップだ。サイバーツールの特徴は、ビットの付け替え可能なレンチが内蔵されていること。ビットの種類はプラスが3種類、マイナスが1種類、そしてトルクスが3種類。このサイズのビットがあれば、大抵のパソコンを分解することができるというわけ。それに、パソコンだけじゃなく、結構色々な電化製品とか開けられます。ちなみに、サイバーツールの名前はPC対応ってことでサイバーツールという名前が付いているらしい。もちろん、ドライバー以外の機能も充実している。サイバーツールのひとつ「サイバーツール41」はドライバーも含めてナイフやヤスリ、ハサミ、プライヤーといったツールが41種類内蔵されているのだ。


比べてみると大きさの違いが一目瞭然。左から「スイスチャンプXLT」、「サイバーツール41」、「スイスチャンプ」、「ミニチャンプライト」、「クラシック」。「サイバーツール41」と「スイスチャンプ」の幅は同じだが、「スイスチャンプXLT」だけは妙に厚い。ちなみに、「サイバーツール41」には41種類の機能が、「スイスチャンプ」には33種類の機能が含まれている。これ全部で総額4万5千円くらい(笑)。なお、サイバーツールには薄い(機能が少ない)モデルもある(サイバーツール29、サイバーツール34)
「サイバーツール」の最もサイバーな部分。左がビット交換可能なレンチ。右に見えるのが交換用のビットだ。多機能ツールについているレンチってふつうはかなり使いにくいものなんだけど、これは以外に使いやすいのでビックリした。さすが、ビクトリノックスは偉いってところだろうか

 実際、このようなツールが必要なシチュエーションはそうそうないかもしれない。デスクトップパソコンを開けようと思ったら工具がない、なんてこともきっと少ないハズ。一部のマニアックな人にとっては日常的なことかもしれないけどね。でも、一度便利なシチュエーションに遭遇してしまうと、決して手放せないツールのひとつになるのだ。





■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 ★★★★★  絶対にイバれます。誰かがピンチになったとき、ポケット・カバンの中からビクトリノックスのツール出してピンチを救ってあげましょう。きっと感謝されます。で、その後でイバるとイバり度倍増ですね。「そこのお嬢さん、そのポテチの袋開けてあげましょうか?」みたいに。
実用性 ★★★★★  本連載ではいまだかつてなかったほど実用的です。1人に1本ビクトリノックス。
お値段 ★★★★★  1度買ったら、よほどのことがない限りは買い換えることはないでしょう。ちなみに、私は「スイスチャンプ」を10年程度使いましたが、まだまだ現役。サイバーツールが発売されたので、乗り換えましたけど。
価格 実売9800円程度
(スイスチャンプの場合)
 使ってなかったときは、「別にそんなもの必ずしも使う必要ないじゃん」って思う。でも、一度使ってみると「絶対に手放せない存在」、「いつも持ち歩いていないと不安になる」存在。こういった経験を多くのケータイ電話ユーザがしているハズ。そう、ビクトリノックスの多機能ナイフもケータイ電話と同じ。使ったことがない、あるいは使っていない人は「別にいらないよ」って思うかもしれない、でも、いつも持ち歩くようになって、1度だけでも使うことがあったら、それ以後は手放せない存在になるハズだ。
予想利用時間 10年
1日あたり単価 2円くらい




(広野忠敏)
2000/09/06 00:00

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