ケータイ Watch
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[2003/01/16]


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おとなのおもちゃタイトルGIF
夏休みといえば観察日記!「インテル コンピュータマイクロスコープ」
広野忠敏 広野忠敏
昭和37年新潟に生まれる。仕事はライターとプログラマの2足のわらじを履いている状態。どちらかといえばハードウェアよりはソフトウェアや技術的なものが得意である。ちなみに、2足はきこなしているかどうかはちょっと疑問。また、怪しげな小さいものと怪しげなプログラムと新しいものには目がないけど最近はちょっとパワーが落ちてきているかな。
(写真:若林直樹)


 今回取り上げるのは「Intel Play QX3コンピュータマイクロスコープ日本語版」(以下コンピュータマイクロスコープ)。パソコンに接続して使う顕微鏡だ。おとなのおもちゃというよりは、こどものおもちゃのノリに近いのだが、なかなか面白い製品なので取り上げてみることにした。


子供の頃にこんなのがあったらね

インテル コンピュータマイクロスコープ。アメリカ製だけあって、子供がケガをしないように金属部品の露出した部分はまったくない。インターフェイスはUSB
 夏といえば、夏休み。なのだが、我々ライターには夏休みはあんまり関係ない。年中無休だし。そして、夏といえば、少年時代に課題の自由研究に苦しんだことも、今となっては懐かしい思い出。虫を捕まえてきて顕微鏡で見たり、身近なモノをやっぱり顕微鏡で見たりしてたなあ。あの頃にこんなハードウェアがあったら、きっと自由研究なんかも素晴らしいものができたにちがいない。コンピュータマイクロスコープで観察したものをパソコンに取り込んで、イラストレータを使って発表資料を作れば、きっとクラスで1番になっただろう。そんな考えがまず頭をよぎったのが「コンピュータマイクロスコープ」を見たときの感想だ。

 「コンピュータマイクロスコープ」はパソコンに接続して使う顕微鏡。IntelとMatelが共同開発した製品だ。ちなみに、Matelは米国の有名玩具メーカー。バービーを作っているメーカーと言えば知ってる人も多いんじゃないかなと思う。

 まずは、簡単にスペックなどを紹介してみよう。「コンピュータマイクロスコープ」本体は、写真をご覧になればわかるように、顕微鏡の形をしている。インターフェイスはUSBを採用。つまり、顕微鏡の映像がUSB経由でパソコンに転送され、専用のアプリケーションを使うことで、顕微鏡に写された画像をパソコンで見ることができるのだ。いうなれば顕微鏡型のデジカメのようなものである。ちなみに対応するOSは、Windows 98のみ。残念ながらWindows 2000では動作させることはできない。


操作はとっても簡単

 コンピュータマイクロスコープの操作は非常に簡単。パソコン本体にドライバと専用アプリケーションをインストールしてUSB接続するだけ。顕微鏡に写されている対象物は専用アプリでリアルタイムに確認できるほか、画像を取り込んだり、動画として記録することもできるようになっている。ちなみに静止画キャプチャは512×384ドット、動画のキャプチャは320×240ドット。細かいピント調整の方法は、普通の顕微鏡とまったく同じで、観察テーブルを上下させて調整する。ただし、低倍率のときはピントも合わせやすいが、高倍率(200倍)になると微調整が難しい。

 顕微鏡本体の倍率は、10倍、60倍、200倍のいずれかを選ぶことができる。また、観察する対象物を置くための観察テーブルの上下にはライトが装備されているため、光学式顕微鏡のように反射鏡を調整して対象物に光を当てるということをする必要もない。ライトは観察テーブルの上から照らすことと、下から照らすことができるので、観察する対象物によって最適な状態でライトを当てて観察することができる。たとえば、光を透過しない物体に対しては上から、光を透過する物体は下からライトを当てると最適な状態で観察できる。また、顕微鏡部分は取り外すこともできるため、観察テーブルに乗せられない対象物の撮影も可能だ。

 「コンピュータマイクロスコープ」の対象年齢は6才以上ということもあり、顕微鏡本体や専用のアプリケーションは子供向けにデザインされている。顕微鏡本体は曲面を多用した突起の少ない形状になっているし、アプリケーションの画面デザインも子供を意識したデザインだ。ちなみに、スポイトやらピンセットなど観察のためのアイテムも同梱されているんだが、顕微鏡本体も含めて金属部品は一切露出していない。もともとがアメリカ製ってことで、こういう部分は徹底しているわけだ。唯一、金属が露出してるのはUSBコネクタのみだったりする。


なんかすごく面白いんですけど

コンピュータマイクロスコープのメインスクリーン。リアルタイムに観察対象物の映像が表示される。静止画、動画でのキャプチャが可能。また、一定時間のインターバルごとに撮影する機能もある
 で、実際に使ってみた。パッケージから取り出したときは「なーんかおもちゃっぽいなあ……」って思ったのが第一印象。ところが、実際使ってみるとなかなか面白い。学校の教材で使うと考える人も多いだろうが、1万円ちょっとでパソコンに200倍まで拡大できる画像が取り込めるハードを購入できるのは、人によってはかなり魅力的じゃないだろうか。私を含めて「科学大好き」って少年時代を送って来た人にとっては、十分に面白いし利用価値がある製品じゃないかと思う。ただし、やっぱりおもちゃなので、性能には限界はあるけどね。

 とりあえず、コンピュータマイクロスコープを使って、身近にあるものを観察してみた(あんまり意味はないけど)。いや、ほんと面白いです。なんというか、子供の頃に戻って素直に感動できるって感じ。たとえば、顕微鏡本体を取り外してブラウン管を200倍で見てみると、方式の違いを目で確認できるし、きちんと3原色のドットで投影画像が表現されているのも実際に目で確認することができる(200倍になるとなんらかの形で固定しないと手ぶれがひどくなってしまうが……)。頭では知っているけど実際に見たことがない世界を垣間見るのはなかなか楽しいものだ。


撮影した画像は、このようにサムネール表示される。画像をjpegに変換してエクスポートすることもできる
簡単なペイント機能を使うことができる。たとえば、撮影日や対象物の名前なんかを記録するのもいいかも

で、何に使う?

 ひととおり周りのモノを観察しまくったあとに、ふと考えたのが「これ、何に使おうか?」ってこと。まあ、何に使おうか?って考えてしまうのが大人なんだよな。子供なら感動が先に立って「何に使うか?」なんて考えないだろうし……とりあえず遊んじゃうだろうし……いつまでも少年の心を忘れたくはないものです。

 でも、結構色々と使い道ってあるんじゃないかな。

 たとえば、パソコン自作大好きって人なら、はんだ付けのチェックに使うことができる。60倍程度に拡大すれば、自分のはんだ付けの技量を知って愕然とするかもしれない。また、スキンチェックに使うのも面白いかも。デパートなんかの美容コーナーに置いてあるアレね。アレを自宅で出来るのはなかなか面白いと思うが、いかがだろうか。あるいは、身の回りのものを200倍で拡大してテクスチャ素材に使うのも面白いかもしれない。塩の結晶を拡大してホームページのバックグラウンドにしてしまうのもきっと面白いはずだ。でも、やっぱりすぐに飽きちゃうかも。


お約束(本日の一品6月21日掲載分を参照されたい)の10円玉。対象が金属なのでライトの反射がちょっとツライ。これは、10倍で撮影
60倍の10円玉(といっても600円ではない)。中央部分を撮影。もはやなんなのかは判別不能
200倍の10円玉(といっても2000円ではない)。中央部分を撮影。なにがなにやら……

 もちろん、本来の使い方で親子の対話を深めることもできるだろう。ハードウェア・ソフトウェアともに、子供が使うことを前提にして作られているため、小学校低学年程度の子供にも安心して使わせることができる。親子で身近なものを拡大してみると、きっと新しい感動を産むことができるハズだ。

 コンピュータマイクロスコープはたしかにおもちゃの範疇にある製品だ。おもちゃであることを知り、性能を理解した上で使うのは非常に楽しい。だが、大人向けのもっと本格的な製品があったらどうだろうか。たとえば、市販の光学顕微鏡に接続できるビデオアダプタや光学顕微鏡に匹敵する倍率 (800~1500倍)を持つ製品。ビデオ投影可能な光学顕微鏡は実際に存在するが、そうした製品よりもずっと安価に作れるだろうし、なにより利用範囲もずっと広がるんじゃないだろうか。そういう製品があれば、少々高くてもきっと買っちゃうだろうなあ。


 
あるものを60倍で撮影。答えは1万円札の福沢諭吉像の眉間のホクロ。60倍で撮影しても60万円には……ならないよね、やっぱ
本体を取り外して手持ちで液晶画面を200倍で撮影。手持ちだけにさすがにピンがあってないのと手ぶれがすごいのはご愛嬌。だが、液晶画面の構造を解明できた(笑)。テクノロジーってすごいなあと感動できるかも


■評価(最高点は★5つ)
イバリ度 ★★☆☆☆  これは自己満足の製品であって、他人にイバれるものじゃないだろう。子供にプレゼントするのもいいかも。
実用性 ★★★☆☆  本格的な光学顕微鏡と比べると、性能は雲泥の差。だけど、おもちゃとしてはかなり良く出来ています。
お値段 ★★★★☆  200倍まで拡大可能なデジカメが1万円ちょっとで買えると考えるとかなり安いと思います。
価格 1万3800円  身近なものをひとしきり拡大しまくったら1週間で飽きてしまいました。って、コレってやっぱ大人が目的を持って使うものじゃないんだろうなあ。パソコンの横にいつでも使えるように転がしておいて、思い立ったときに使ってみると楽しいって感じかな。あ、そうそう、10倍の倍率を使えば、プリクラで撮影した画像を適度な大きさで取り込んで、メールに添付して送信ってこともできるかもね。
予想利用時間 7日
1日あたり単価 1971円




URL
  製品情報
  http://www.intel.co.jp/jp/home/howto/makeweb/micro.htm


(広野忠敏)
2000/08/09 00:00

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