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ハイパフォーマンスで高い静音性「VALUESTAR G タイプX」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


NECの水冷デスクトップPCについて

NEC VALUESTAR G タイプX 本体。NEC直販サイトのNEC Directで売られて“いた”が、2007年春モデルには水冷の新型はない。アウトレットコーナーでたまに出ているのを見かけるが……
 比較的に念願であったNEC謹製水冷式計算機ことVALUESTAR G タイプXを購入した。購入の経緯はスタパブログココココで書き、さらにオマケ的顛末もエントリーしたので、ここでは省いてゆきたい!!

 上記リンクでも触れているが、ナゼ、拙者が急いでNECの水冷PC買ったかっちゅうと……。まず、当初からNECの水冷PCには強い魅力を感じていた。2003年05月にNECが世界初の水冷デスクトップPCを発表した直後、実機に触れる機会があったが、これが非常に良かった。

 水冷ならではのCPU冷却効果が、デスクトップPCの静音性に直結していた。ファンをガンガン回してCPU冷やす必要が少ないんですな。自動車のラジエータのような水冷機構により、CPUを集中的に冷やすので、廃熱ファンの駆動を最小限に抑えていた。ので、スゲく静か。

 即座に衝動買いしそうになったが、前の年にかなりお金かけて静音仕様のデスクトップPCを自作していた。また当時の俺はデスクトップPCの拡張性を大いに重視するヤツだったので、「ん~、そのうち買う、ということで」とNECの水冷PCは保留とした。


2004年に組み立てた自作PC。RAID5構成のHDDとしたが、その後、RAIDカード自体が壊れてタイヘンなことに 当時の表示系。DVIデュアルでクッキリ……だったが、解像度がまだまだ低かった(確かSXGA×2)

 NECの水冷PCはその後も機種を重ねて登場したが、拙者は拙者で拡張性を極端に重視しまくったPCを自作し、さらにこれを水冷化したり。NECの水冷デスクトップはサーバ方面とかじゃなくてホームPCだったので、当時の俺にとって拡張性における魅力に乏しかったとも言えよう。


極端に拡張性を重視した自作PC。フルタワー×2というサイズのサーバー用シャーシに組み込んだ 扉のように開く。ベイ数多々で何でも入る感じ。電源は2台実装

 だが、月日が進むとともに拙者はPCの拡張をあんまり必要としなくなり、同時に自作水冷PCがかなりヤバい状態となり、さらにNECは2007年春モデルとして水冷PCの新型を発表しなかった。もうこれは、水冷VALUESTARの在庫を買うしかない!! と思わざるを激しく全然ちっとも得なかった。


自作の水冷PCは荷が重い!?

 現在はバリバリとVALUESTAR G タイプXを使用中の俺。だが、こないだまでは、2004年の夏頃に自作したPCを使っていた。

 その自作PC、水冷化も施した。使用した水冷ユニットはCOOLER MASTERのAQUA GATEで、使い勝手が良いパーツだった。が、結論から言えば、PCの自作方面にあまり意欲が沸かない最近の俺にとって「荷が重い」と感じられた。

 つーかですね、COOLER MASTERの製品を疑うわけじゃないんですけどね、水冷パーツを自作PCに組み込むってコトは、なんか不安が残るわけですよ。PC自作は、つまり、ほとんどの責任が自分にある。うまく動かなくても、たいていは自分のせい。パーツの不調は自分でメンテナンス。自分がメーカーなので、「このPC調子悪いんですけど直してチョ」と言う相手も自分なのである。


COOLER MASTERのAQUA GATE。5インチベイ(2スロット分)に収納可能な水冷ユニットだ 自作の水冷ユニットはシャーシ内部にどうしてもホースが出っ張っちゃう。またホースも長めになってしまう AQUA GATEは静音性が高くコンパクト。だが、冷却効率はそーんなに高くなかった

 で、水冷パーツは、やっぱ怖い。いや、このAQUA GATE、約2年半の間、特に問題ナシであった。が、シロートである自分が組み込んだゆえ、しっかり取り付けたつもりでも、どこかに「冷却液が漏れたりしないだろうか?」「ていうか冷却液が漏れ漏れでマザーボードからCPUまで一瞬でショートして壊れたりしないだろうか?」「いやいや席を外している間にトラブって爆発炎上して家ごと灰になりはしないかッ!?」という不安が残る。ま、トラブルはなかったんですけどね。

 あと、AQUA GATEに限ったことではないと思うが、このテの水冷ユニットは、時々冷却液を補充してやる必要が出たりする。冷却液の通り道は基本的に密閉されているハズなのだが、使っていると徐々に冷却液が減っちゃうんですな。減ると、冷却効率が落ちるのはもちろん、AQUA GATEの場合ならアラート音が鳴り、(接続方法によっては)自動的にPCがシャットダウンする。

 てなわけで、俺の自作水冷PCは、時々シャーシを開いて冷却液漏れがないかを調べつつ、冷却液を足してやる必要があった。ちなみに、2004年夏~2007年1月までの約2年4カ月(28カ月)で、足した冷却液は250mlくらい? メンテナンス時に少々こぼしたりしたが、でもけっこー減っちゃうんですな。

 さておき、こういう手間をかけ、若干の不安を残しつつも健闘してくれたAQUA GATEだが、その冷却効率がそろそろヤバくなってきた。もともと、あまり冷却効率が高くないAQUA GATE(でもシャーシ内にスッキリ収まり静音性が高いパーツ)なんですけどね。去年の夏~秋にかけては、1時間程度負荷をかけ続けると冷却液の温度上昇アラート音が鳴りまくりであり、そろそろ潮時かナ!? と。

 いやむしろ俺の極端的拡張性自作水冷PC全体が潮時であろう!! AQUA GATEがお疲れでありかつ、静音ファンもウルサくなりつつありかつ、なーんか死んでるコネクタ類が増えつつありかつ、どーも電源系が原因カモと思われる突如のストール現象がありかつ、全体的にストレスが多くなってきた!! だから買い換えだ!! そしてアレだ!! NECの水冷PCだ!! などと、急激にVALUESTAR Gが気になり出して、結局買ったわけですな。

 その結論から言えば、第一に自作PCのメンテナンス&不安&少々の不調から解放されて実にスッキリ!! また、このVALUESTAR G タイプX、(俺の自作PCと比べると)多くの点で素晴らしく良かった。


ハイパフォーマンスで、とても静か

 購入したVALUESTAR G タイプX(以下、タイプX)のスペックをザッと挙げると、CPUがPentium D(3.6GHz)、メモリ2GB、HDDはSATAで250GBてな感じ。とりあえずメーカーお仕着せのWindows XPでしばらく使ってみたところ、全体的に世代の差を感じてしまった。

 CPUの処理性能については、そーんなに重い処理を何時間もヤルわけではないのであまり体感できなかったが、SATAのHDDってやっぱ速いですな。また、前の自作PCほどドライバ類をインストールしていないので、起動の速さも際立つ。

 常用のアプリケーション──日本語IME、テキストエディタ、Office系ソフト、画像処理ソフト、ゲーム等々をインストールしてみたが、どれもキビキビと動いて気持ちが良い。Core2Duoマシンと比べると若干世代が古いタイプXだが、2004年夏自作の拙者PCと比べると、ボトルネックの少なさを体感できる。マザーボード(チップセット)もメモリも全体的に速いんでしょうな。

 だが、それは当然っちゃぁ当然。タイプXは2006年夏モデルなのであり、2004年夏・俺モデルPCに負けたりしたら、すなわち俺はNECを倒した!! となる。拙者はある種の覇者!! と言えよう。ていうか、ンなこたぁ置いといて、注目したのはやはりタイプXの静音性であった。

 使用開始直後から、タイプXを机上に置いて使用中。顔の位置から約60センチ&目の高さあたり。なのだが排熱ファンの音がほとんど聞こえてこない。タイプXには120ミリ径と思われる排熱ファンが2基搭載されている。その一方は本体背面上部にあり、水冷ユニットの排熱担当。もう一方は本体右側面にあり、これはHDDや各カード、電源からの熱を放出している。


本体右側面と背面に、それぞれ低回転・120ミリ径と思われる冷却ファンが実装されている。ファン音は至って静か 本体左側面にはHDD~マザーボードへの吸気が行われるスリットが入っている。こういった吸気部は、本体底面、本体前面にもある。これら吸気部から入った空気は、本体右側面のファンから吸い出される 本体内の冷却と、ラジエータの冷却は、完全に分離されて行われる。CPUのみ専用の水冷システムが用いられているわけですな

 で、排熱ファンの音に関しては、聞き耳を立ててやっと聞こえるくらいだ。正直、ファンの近くに顔を持って行かないと、どれが排熱ファンの音かわかない。排熱ファンに関してはヒッジョーに静かであり、購入直後の状態(HDDは1台内蔵)でありかつタイプXがアイドル状態なら、静かっつーより無音に近いかもしれない。

 つーかですね、タイプXからの音よりもむしろ、ウチの換気扇の音が気になる!! 2メートルの位置でジーッって鳴いてるACアダプタが気になる!! あと、ねこが歩く時に床と肉球が奏でるペトペトペトペトって音も気になる!! ちなみに、タイプXを使った後、自作静音水冷PCを起動すると、あーこれはもはや騒音PCだと感じられた(と言ってもわりと静かなんですよ)。

 ただ、この非常に静音な状態、後にちょっと変わった。てのは、HDDを換装したからだ。

 タイプXに内蔵されていたHDDは、WesternDigitalのWD Caviar SEシリーズWD2500JSだ。これをSeagateのBarracuda 7200.10 SATAシリーズST3320620ASに換装した。ら、なんかSeagateのほーが振動多いみたいで、この振動がプチ騒音になってタイプXの静音性をちょいと損ねた。さらに同じHDDをもう1台追加したら、もう少々静音性が損なわれた。ま、でも、ハイパフォーマンスデスクトップPCとしては静かな部類だと思うんですけどネ。


疑問も残るが、扱いやすいシャーシ

 んヌっ!! タイプXはイイ!! これは非常に気に入った!! ので、ぜひ、今後の主力マシンとしてガシガシ使っていきたい!!

 タイプXを使い始めて、なんかこう、やる気が出てきちゃった俺。マシン一新で心機一転ですよええ。この勢いで環境を大幅に変えてゆく!! すなわち、本日この日からWindows Vistaを使っていく!! てなわけで、NECがWindows XP入れたHDDはそのまま抜いて、前述のSeagateのHDD入れたってわけでした。

 タイプX調子イイぜ~!! 静かだゼ~!! Vista入れるし!! ……でもタイプXに元から入ってるWindows XPはどうしようかしら? と思案していたら、Alt-rの船田戦闘機さんが「HDD抜くでしょ!! で、新しいHDD入れてクリーンインストールでしょ!! ダメだったらHDD戻して地味にXP使うでしょ!!」と明快なアドバイスをくれた。む。確かに。非常に手っ取り早い方法ですな。ってコトでHDD換装を換装&Vistaをクリーンインストールしてみた。

 この時点で、タイプXのシャーシを開いてHDD換装およびビデオカード交換を行った。HDDは前述のSeagate ST3320620AS。ビデオカードは、デュアルDVI出力でファンレスが前提ってコトで、アッサリとELSA GLADIAC 776 GS AGP 256MBを選んだ。

 これらパーツをタイプXに組み込んだわけだが、タイプXのシャーシはこれら作業を行いやすい構造だと感じた。開きやすい。ベイを外しやすい。パーツも組み込みやすい。また、さすがに百戦錬磨のコンピュータメーカーだけあって、シャーシ内配線なんかもスッキリ綺麗で贅肉ナシって感じですな。


タイプXの左側面のフタを開けた状態。スライド式ロック機構をずらす程度で開けることができる 3.5インチシャドウベイは4基。SATA HDDによるRAIDを構築できる。実装されているSATAケーブルコネクタの色とベイのシールの色が統一されていたりもする スッキリとまとまった配線。冗長な長さのケーブルはほぼなく、最適化された配線というイメージだ

 唯一、微妙に手間取ったのはビデオカード交換。PCI Express×16のスロットが本体底部近くにあり、その真上にライザーカードとしてPCIスロットが並ぶ。ビデオカードを取り付ける空間は6センチ弱なので狭いっす。ただ、空間としては2スロット分あるので、ファン付きの大きめビデオカードでも装着可能っぽい(試してませんが)。


本体底部近くにあるPCI Express×16スロット。拙者の手は入りません~ PCI Express×16スロットの上のライザーカード。スロットはPCI×3とPCI Express×1スロット×1 メモリ交換等は本体底面から行う。手で回せるネジで底面のパネルが外れ、メモリソケット部の空間が比較的に広いので、メンテナンスはラクだ

 それと、タイプXの水冷ユニット。スゴ~くエレガントに実装されている。自作PCにおける水冷ユニットでは、ちょっと考えられない収まりの良さ・無駄のなさ。しかもコレ、メンテナンスフリーであり、調子悪くなったらNECがサポートしてくれる。実は、この部分を見てタイプXでヤル気になった俺だったりする。


水冷ユニットのCPU部。非常にコンパクトにまとまっている。その先に続くホースは、マザーボードの縁を這うようにレイアウトされており、メンテ時に邪魔になるようなこともない ラジエータ部手前の配管。このあたりもスッキリ 120ミリ径の冷却ファンより一回り大きい印象のラジエータ。掃除もしやすそう!?

 ある程度の拡張性を持ち、手を加えられるPCとしてタイプXを見ると、シャーシ内部の扱いやすさは十分オーケーな感じ。だが、拙者的には5インチベイが2基あるとゆーのが疑問と言えば疑問だ。それぞれの5インチベイは本体前面のフタ絡みで、基本的には光学ドライブ用、というイメージ。外側からアクセスする必要のない5インチベイ向けデバイスなら何を取り付けても支障はない。が、カードスロット類やリムーバブルドライブ用スロット等、外側からアクセスするタイプの場合、フタの部分を取っ払ったり加工したりしないと使えませんな。


5インチベイを前から見たところ。ドライブのネジは片側のみで留めるタイプのようだ 5インチベイ後ろから見たところ。ケーブル接続部の空間的余裕もけっこーある感じ 5インチベイフタ部分。光学ドライブ専用で、自動開閉式。光学ドライブ以外のパーツを5インチベイに入れようとしたら、このフタを改造したり取っ払ったりする必要が出てくる

 さておき、速いし静かだし扱いやすいし、かなり気に入れたタイプX。なんか、外見的にコレってどうよ? 的なデザイン面の好き嫌いがあるみたいスけど、俺とかこういう意匠はけっこー好きですな。あとVALUESTAR タイプCも好き。あぁでもVALUESTAR TXもカワイかったなぁ。つーかVALUESTARの水冷モデル、どれも個性的でよろしいんじゃないかと。

 なので、ゼヒ、Core2Duo等搭載のこれからの世代のデスクトップPCとして、水冷VALUESTARの新型をガシガシと発表して欲しい。よろしくお願いしますので、よろしくお願いされてください>拝啓 日本電気株式会社様 御中かしこ敬具。



URL
  NEC「VALUESTAR G タイプX」製品情報
  http://121ware.com/psp/PA121/LEARN/ENTP/h/?tab=LRN_Z_PC_0604_VSX_ST

2007/02/19 16:41

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