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分離・合体で激変! PCゲーム向けキーボード「Zboard」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


PCゲーム用キーボードことZboard

 地味に続いている拙者的ゲーム生活。プレイしているのはEverquest IIというMMORPGだが、このゲーム絡みでちょいとオモシロげなキーボードを発見した。知る人ぞ知るZboardというPCゲーム向けキーボードである。


IdeazonのZboard。キートップ部をまとめて交換できるPC向けキーボードだ。写真はUSB接続でUS配列キーボードが付属する“輸入版”のZboard


 Zboardは、遊ぶゲームに応じてキートップを丸ごと交換デキちゃうという斬新なキーボードだ。ハードウェアとしては、まず、キーボードの土台となる“Zboardベース”部がある。ここに特定のゲームに応じた“キーセット”──特定ゲームのためのキーレイアウトを持つキーボード部を装着することで、ゲームの操作をより効率的に行なえるようになる。また、キーセットとして、一般的なキーレイアウトの標準キーセットを使えば、Zboardをフツーのキーボードとして使える。

 なお、Zboardのパッケージは、ZboardベースとFPS汎用キーセットと標準キーセットの3つのパーツを含むセットとして売られている。で、他の特定のゲームをプレイするには、そのゲームに合ったキーセットを単体で購入する必要がある。


Zboardの基本セット。Zboardベースに加え、FPS汎用キーセットと標準キーセット(一般的なキー配列)が付属する。写真中央のパームレストも付属品。この他、専用ドライバソフトが同梱されている


 で、わし、最初は日本国内で売られているZboardを買ったんですな。しかし、速攻で手放した。てのは、ソレがPS/2接続であり、標準キーセットが日本語配列だったから。PS/2に関しては、まあイロイロな理由があって、そーとーなコトがない限り拙者的常用デバイスのインターフェイスとして認めたくない感じ。日本語配列に関しては、俺が単にUS配列慣れまくり野郎だからだ。

 でも、ちょっと良かったんですよ、その時イジったZboard。前述のとおり、Everquest II野郎なんで、Everquest IIキーセットで使ってみたら、チョイ良かった。また、汎用のマルチメディアキーボードとしてもイイ感じだった。ん~ZboardのUS配列&USB接続バージョンがあればなァ……と、やや後ろ髪引かれる気分でPS/2・日本語配列版のZboardを手放した。

 ところが数日後、ちょいと調べてみたら、US配列&USB接続のZboardがあった。USER SIDEにて輸入版のZboardが売られていた。てなわけで、ソレを速攻購入。で、じっくり使ってみたら、やっぱりけっこーイイ感じだったのでレポートしてみたい。


分離・合体でキーボードの性格が激変

 さて、この輸入版Zboard。どうやって使うかと言えば、付属のドライバをインストールして、USB接続するだけだ。この状態で付属の標準キーセットを装着していれば、そのキー配列が自動的に認識され、以降はフツーのキーボードとして使える。

 各ゲームに特化したキー配列となっている各種キーセットを使う場合は、キーセットごとガバッと交換して使う。キーボードの土台となるZboardベースはPCと接続したままで良い(USB接続の場合)。



こんなふうにキートップ部(キーセット)を交換できる。交換すると、専用ドライバにより、自動的にキーボード配列が変更される


 また、キーセットを交換するとドライバが自動的にどのキーセットが接続されたかを認識し、キーレイアウトを自動変更する。なお、キーセットの初回接続時のみ、キーセット設定確認やキーセットデータダウンロードのためのウィンドウが表示されたりする。


Everquest IIキーセットを装着すると、これが自動認識され、キーレイアウトが自動的にセットされる。キーレイアウトがローカルPC上にない場合、インターネットを通じてドライバ経由でダウンロードできる Everquest IIキーセットが認識された状態。一度認識されたキーセットは、以降、接続時に設定等をする必要はない

 前述のように、Zboardの基本(!?)パッケージには、Zboardベースと標準キーセットとFPS汎用キーセットが同梱されている。で、この標準キーセットを使えばフツーのキーボードとして使えて、FPS汎用キーセットを使えばフツー的FPSゲームをよりラクに遊べる。ちなみに、FPS汎用キーセットのカスタマイズは、ドライバ上で目的のゲームを選択する程度で行なえる。いちいち自分でコマンド・キーの設定を割り振りする必要はないわけですな。


FPS汎用キーセットのキーレイアウト設定表示。様々なゲームに対応していることがわかる。


 てなわけで、キートップ(キーセット)をガバッと交換するだけで、常用の標準的配列キーボードとしてもゲーム特化型キーボードとしても使えるZboard。一見、PCゲーム野郎にとっては実に理想的に見えるわけだが、果たしてその実力や如何に?


Zboardベース+Everquest IIキーセットでエバクエ2

 俺の場合はEverquest IIキーセットでEverquest II(以下、EQ2)をプレイしてみたのだが、その結論から言えば、EQ2に関してはZboardを使うほどでもないかもナ、と。EQ2をZboardでプレイしても、スゲい快適さが得られるとか効率よく戦えるようになるってコトは、ほとんどナイように感じた。


ZboardベースにEverquest IIキーセットを装着したところ。キーセットを交換すれば常用のキーボードがゲーム専用になる

 つーかですね、ゲームプレイ時におけるZboardの良さイマイチさは、ゲームの内容と専用インターフェイスの必要性で大きく変わるように思う。最近のPCゲームはEQ2しかやってない拙者なんで、他のゲームのコトはよーわからんですけど、アクション性の高いゲームなんかでは、キーの押し間違えが減ったり、複数キー同時押し等のショートカットがひとつのキーで実行できたりすると、超快適&効率UPにつながるのかもしれない。

 ZboardでEQ2をプレイしてみて「んー、平凡かも」と感じたのは、もともとEQ2ってそーんなにキーボードショートカットが複雑でないし、操作の即時性を要求されるようなゲームでもない(時には一瞬の押下ミス=キャラクターの死だったりもするが)。EQ2ってプレイし始めて数週間すれば、まあだいたいの操作に慣れちゃう感じで、キーボードショートカットをさほど覚えていなくても差し支えなくプレイできちゃったりする。ので、Zboardベース+Everquest IIキーセットをわざわざ使う必要もないかナ、と感じたのだ。

 ただ、EQ2をこれから始める人やプレイし始めて日が浅いプレイヤーにとっては、Zboardベース+Everquest IIキーセットの組み合わせに多々メリットがあると思う。また、EQ2上で特定の操作を多用するプレイヤーにとっても便利さはある。

 例えば、EQ2プレイ上必要になる機能を迷わず呼び出せること。具体的には……ってイロイロあるんですけど、Everquest IIキーセットの右側あたり。インベントリー、ジャーナル、ナレッジ、スキル等々の情報ウィンドウを開くための専用ボタンが使える。キーボードショートカットでも一発押下で開けるウィンドウだが、初心者だと“どのキーがどのウィンドウ”という関係を覚える必要がある。一方Everquest IIキーセットの場合、キーとウィンドウの関係がしっかり刻印されているので、迷わずEQ2を遊べるであろう。


Everquest IIキーセットのキー配列はこんな感じ。チャット時のテキスト入力も問題なく行なえる キーボード右側にはEQ2専用のボタンが多々用意されている。キーボードショートカットを知らなくても各種情報ウィンドウを開閉できる

 それから、個人的にちょいとイイと思ったのが、エモート専用ボタンがあること。エモートとは、EQ2上で“キャラクターに特定のアクションをさせて感情表現を行なうこと”だ。感謝の意を示したり、ガッツポーズを取ったりして、キャラの動作で気持ちを示すわけですな。で、これを行なうための専用ボタンこと[EMOTES]を押下した後、[F1]~[F12]のどれかを押せば、あらかじめ登録された(よく用いられがちな)エモートを実行できる。


ファンクションキー([F12])の右側に見えるのがエモート専用ボタンだ。このボタンを押下すると、[F1]~[F12]が各種エモート開始ボタンとして使えるようになる。各ファンクションキーには使用頻度の高いエモートがあらかじめ登録されている。


 他、Everquest IIキーセットのキートップには、EQ2の(デフォルトの)ショートカットが明示されているので、「あれ? あのウィンドウってどのキーで開くんだっけ!?」という時にプチ便利。キートップの刻印を追えば、とりあえず基本的なショートカットがほぼ全てわかるって点で、なるほど専用キーセットなんですな、と。

 ただ、残念なのが、その“EQ2独自のショートカット等を示す刻印”が小さく見づらい点。細か~い文字でプリントされているので、拙者とか目が悪くないほーなんですけど、キートップに20センチくらいまで顔近づけないと読めないっス。もっとドガッと堂々と機能名等を刻印して欲しかったところだ。


キートップにはEQ2関連のコマンドがプリントされている。
が、非常に小さく読みづらいのが難点


 それと、EQ2の場合、プレイ中に頻繁にチャット等でのテキスト入力を行なうことになる。で、その文字入力時の操作感だが、これは特に問題なかった。EQ2専用のキーセットとは言え、アルファベット周辺のキーは一般の(US配列の)キートップと同様なので、特に迷ったり支障がでるようなことはなかった。


マルチメディアキーボードとして使いやすい

 既にEQ2のユーザーインターフェイス(UI)をバリバリにカスタマイズしてるとか、マクロ組みまくりっスよとか、目をつぶっていても手が自然にクエストをこなしてくれるよーな人には全然必要ないと思われるZboardベース+Everquest IIキーセット。でも、UIもデフォルトだし何だか細かい機能はあんまりよく知らないって人や初心者には恐らく便利だと思う。

 でまあ、EQ2をある程度やり込んでいる拙者においては、EQ2プレイ専用キーボードとしてのZboardは、わりと平凡な存在である。が、常用キーボードとして使った時の使用感が、ある側面でけっこーイイ=プラスαの魅力があるので、んー使い続けちゃったりしようかなぁと、Zboardにビミョーに惹かれ中だったりする。

 前述のとおり、Zboardベースに標準キーセットを装着すると、フツーの(US配列;輸入版の場合)キーボードとして使える。


Zboardベースと標準キーセットを組み合わせたところ。装着しているキーセットは、Zboard(輸入版)に付属するUS配列キーセットとなる。フツーのマルチメディアキーボードって感じですな


US配列キーボードとしてのキー配列は、ミョーな配列もなく非常に“まっとう”だと感じられる 輸入盤Zboard・USB接続版は、本体右上にふたつのUSBポートを持ち、USBハブとしても機能する

 フツー的キーボードとしてZboardを見ると、恐らくメンブレンスイッチでラバードーム機構採用で単なる階段的ステップ形状配列のキーボードだ。打鍵感は僅かなクリック感を伴うもので、打鍵音も静かで現代的。悪くないが、今時的高級キーボードと比べると若干キーがグラつく印象アリ。でもまあ、フツーにストレスなくテキスト入力できますな。US配列として見て、キー配列はフツーであって、まあWindowsキーなんかはありますけど、特に変態的な部分は見あたらない。なお、拙者が使用中の輸入版Zboard(USB接続)には、USBハブ機能(USBポート×2)がある。

 パッと見、わりあいシンプルでベーシックな作りのUSBキーボードって感じなのだが、実際に使ってみると何だかヒジョーに便利な機能が多々あるキーボードだなぁと感じる。ゲームプレイヤーじゃなくて、単にWindowsユーザーとしてZboardを使うってのもアリだなぁ、と。

 まず、Zboardベース+標準キーセットの組み合わせで使った場合、Zboardをマルチメディアキーボードとして使える。例えば本体上部左側には、Windows Media Player操作用のボタン類が並び、上部右側にはブラウザやメーラを起動するための専用ボタン等々、マルチメディアキーボードではお馴染みのボタン類が並ぶ。


キーボード上部にはマルチメディアボタンが並ぶ。Windows Media PlayerやWindows付属のユーティリティ等をコントロールするための専用ボタン類だ


Zboard(ベース)の右上に並ぶ9つのマルチメディアボタンは自由にカスタマイズできる。また、この9つのボタンのさらに右にある[Z]ボタンを押せば、Ideazon Zboard Settings(写真のウィンドウ)が開く


 これに加え、[BarLock]や[PadLock]ボタンと併用することで、ファンクションキーやテンキーがIEや各種Windowsアプリ・機能制御用ボタンとして使える(Windows XP/2000の場合)。具体的には[BarLock]押下時(BARランプが点灯状態で)[F1]~[F12]を押せば、ページ送り・戻しができたり、リロードができたり、お気に入りを表示できたり。[PadLock]押下時(PADランプが点灯状態で)テンキーを押下すれば、ペイント等のユーティリティが開いたり、日付と時刻のプロパティが表示されたり、マイコンピュータフォルダが開いたりする。


[BarLock]や[PadLock]ボタンを押すと、ファンクションキーやテンキーが通常とは別の専用ボタンとなる。ファンクションキーではIEのコントロールが、テンキーではユーティリティの起動等が、それぞれ行なえるようになる


 普通一般のマルチメディアキーボードよりも多数の専用ボタンを実装したカタチになるZboardなのだが、さらに実用的で魅力的な点がある。まあこのことも“使い始めの時期には”という但し書きが入るが、Zboardの右上部に見える[KeyTips]というキーだ。

 これは文字通り、キーボード使用時のヒントや用法が表示されるというキーで、このキーを押下すると専用ダイアログが開く。このダイアログがアクティブな状態でZboardの(標準キーセットの)各キーを押すと、そのキーに割り振られたZboard専用コマンドやWindows標準のショートカットキーに関する説明が表示される。

押下するボタン 画面表示


 実質上、非常に多くの専用キーを持っているマルチメディアキーボードことZboardだが、実際にそれらの専用キーを使いこなそうと思うと、ある程度慣れたり覚えたりする必要が出てくる。のだが、この[KeyTips]キーを使えば、「このキーはどの機能を呼び出すんだっけ?」てな時にも、一瞬でその解答が得られる。これ、使ってみると非常に有り難いヘルプ機能だと感じる。

 つーわけです。

 Zboardを使ってみると、EQ2において、まあ、フツーのキーボードでプレイした時と大きく変わらないけど、細々とラクで便利な専用キーが使えたりしてナイスではある。そして、キートップをガバッと交換すればUS配列キーボードとなり、マルチメディアキーボードとしての機能が豊富でありかつ実質上取っ付きやすいし使いやすい。

 拙者的には、省スペースキーボード派であり打鍵感的にZboardのそれに慣れ親しもうという気はあまりない。のだが、例えば、キーセットとしてですね、AdobePremierやAdobePhotoshopなんかに特化したものが出たらヤバいかも。キートップを交換するといきなりジョグダイヤルで映像を編集できるように!! ボタン一発押下で各種フィルタかけたりマクロ実行できたりする!! そうなるとZboardを使いまくりになるかも!! さらに!! 各種音楽ソフト専用キーセットも登場!! なんとアナログシンセ風なボリューム式ボタンが実装されており、各種ソフトウェアシンセサイザーを直感的に操作可能!! そうなったらZboard野郎になっちゃいそう!!

 とまあ、妄想は別としても、Zboardは単なるゲーム専用キーボードじゃないなぁと思った次第。入力デバイスとして考えると、なんつーか可能性がたくさん潜んでいる“気になっちゃうハードウェア”と感じた次第だ。



URL
  Ideazonの「Zboard」製品情報
  http://zboard.jp/

2006/02/06 15:26

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