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ニッチ過ぎる俺のキーボード選択基準「トラベルキーボード」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。フォトエッセイのスタパデイズをAlt-R(http://www.alt-r.com/)にて連載中。


IBMブランド(おそらくUNICOMP製)のSpaceSaver84Key。メカニカルキーほど指に響かないが、重めの打鍵感とキーから指へのフィードバックが非常に心地よいと感じられる拙者的逸品。コレがUSB接続版として復刻されれば、拙者、10台くらいまとめ買いしますマジで
 2000年に衝撃の出会いをして以降、IBMブランドのSpaceSaverという名のキーボードをずっと愛用している拙者。

 俺が溺愛中のSpaceSaverはUS配列・84キーで、キーはバックスプリング機構によりメカニカル風の打鍵感が得られるメンブレンスイッチ。その打鍵感もSpaceSaverの大きな特徴だが、やはりテンキーがないことによる省スペース性が大きな持ち味である。

 US配列キーボードとして見ると、何というか非常にプレーンで、余計な味付けは一切されていないあたり、非常に使いやすい。耐久性も抜群中の抜群。俺の場合は2000年から現在まで使い続けているが、キーのへたり等のハードウェア的劣化はほぼ皆無だ。

 コンピュータ周辺機器に手を出しまくりで買いまくりの拙者なんですけど、6年前に使い始めた機材で、現在でも「これは最高!!」と言えるものは、このSpaceSaver以外に……あるかしら? ナイかも……と周囲を見回してみたが、やっぱ最長老がSpaceSaverかもしれない。

 でまあSpaceSaver、物凄く良いハードウェアだと思うし、このまま使い続けていてもいいんですけど、ふと「これに代わるキーボードを探そうかな」と思ったりする。理由は細々&イロイロとある。SpaceSaverはPS/2だとか、SpaceSaverはやっぱりヤカマシい打鍵音であるとか、SpaceSaverは既に完全に生産終了でUSB版として復刻されそーもないとか、細々と。また、最近の拙者、複数台PCを併用する傾向が強まっており、その台数分のSpaceSaverを持ってないってのもある。

 ともかく、SpaceSaverと世代交代させてもいいと思えるような、そんなキーボードをちょっと探してみようかしら、と考えた。で、そうしてみた。約1カ月程度、ネットやショップでSpaceSaver代替電脳鍵盤を探したが、出た結果は、やっぱりSpaceSaverよりイイ感じのキーボードは見つからなかった。


ニッチ過ぎる俺のキーボード選択基準

 つーかですね、打鍵感が良いキーボードは多々あったんですよ。SpaceSaverに近いものもあった。が、それら優良なるキーボードは、俺のキーボード選択基準に見合わなかった。いくつかの“俺的選択基準”について妥協すれば即、問題解決って感じではあるが、そのいくつかの点をどうにも妥協できない。

 その“俺的選択基準”を具体的に挙げると……まずは“絶対にUS配列”であること。いわゆる英語キーボードでないと、拙者の精神衛生を健全に保てない。単純に慣れの問題なのだが、俺の場合はスーパーストロングマグナムウルトラアルティメットな度合いでUS配列に慣れてしまっている。また、カナキーによる入力をしないので、カナ関連キーも不要。同時に、日本語配列とUS配列の記号類キーの位置差にも大きな違和感を覚える。ついでに、日本語キーボードって要らないキーが多すぎるし必要なキーが妙に小さいしで、要するにUS配列キーボードじゃないとイヤなのである。

 もうひとつ、テンキーレスであること。テンキーがあれば便利なんスけど、テンキーがあることによって右手とマウス等ポインティングデバイスの距離が長くなるのがイヤ。またテンキーがない分、机上を広く使えるというのも、テンキーレスキーボードを好む理由だ。

 それから、なるべくプレーンなキー配列であること。結論から言えば、SpaceSaverに近いほど嬉しい。Enterキーがなーんか縦長であるとか、Delや~(チルダ)がヤケにヘンな位置にあるとか、SHIFTキー超短い~てなキーボードは……ヤバめ路線。またBackspaceキーが右上にナイとか、完全にナイとかいうキーボードは、どうも拙者の肉体が全然受け付けないようである。


拙者的に最もプレーンっつーかマトモだと感じられるキー配列。余計なキーはほとんどなく、その分、各キーが十分大きい。今時的変態配列キーボードと打ち比べると、タイピングに大きな差が出る


長いBackspaceキーと長いEnterキー。スペースキーがLの下方まで伸びているのも良い 拙者がスゲく好きな ~(チルダ)やAltの位置関係。Shiftキー短くない点もイイ感じ ASDF……の配列を中心に、弧を描くように配置されたキー。またキーの形状は、そのトップが小さめで若干凹んでおり、これが指に吸い付くような打鍵感を生み出している、ように思う

 それと、USB接続であること。単純に、もーPS/2コネクタの件で悩んだり困ったり試行錯誤したりするのはイヤ、っつー理由だ。

 肝心要っぽいキーの打鍵感であるが、これはタイプしてみてイヤじゃなければ、そーんなに強くはこだわらない。「この打鍵感だけはご勘弁」というキーフィーリングはあるが、俺の場合はおそらく打鍵感的ストライクゾーンが広いのか、ガチガチ系でもペナペナ系でもコリコリ系でも、ある程度~十分に慣れることができる。

 あ。あと、ある程度は定番的な製品であること。SpaceSaverには別格級の耐久性があるが、ほとんどのキーボードは消耗品だと思う。キーがヘタったり、スイッチが壊れたりして、買い換えが必要になる。そーゆー時に及んで、生産中止とかオークションで激高値とかいう事態を避けられる製品がいい。

 他にも選ぶ基準が細々とあるが、まあ上記のような基準で選んでいくと……全然ありやがらねえ!! ねえンだよアニキ!! ちっともねえぜアネキ!! まずUS配列って点で選択肢が狭い。加えてこれがUSB接続となるともっと狭くなり、さらに省スペースとなると数えるほどしかない。

 五本の指で十分数えられちゃうUS配列・USB・省スペースのキーボードを、実際に購入してみたりすると、結論から言ってSpaceSaverくらいイイ感じの機種は皆無であり、「これなら妥協できそう」という機種でも1~2機種しかない。外国のウェブサイト上で「ん!! コレはイイかも!!」というUS配列・USB・省スペースのキーボードが見つかることもあるが、そーゆー時に限って戦略物資扱いで外国には輸出しません状態!!

 あぁ、やっぱり俺的キーボード選択基準を根底から変えたほーがいいのかなぁ、と思ってマジで変えてみたりするが、変えた途端に違和感&ストレス噴出であって振り出しに戻る拙者。常用キーボードを探そうとすると、いつも本当に苦労する。


ThinkPlus USBトラベルキーボード ウルトラナビ付(英語)

 でもですね、一応、SpaceSaverの代替えとしてもいいかもしれないよーな気がしなくもないと思えたり思えなかったりする微妙な一台として、候補が見つかった。IBM改めlenovoのThinkPlus USBトラベルキーボード ウルトラナビ付(英語)である。名前が長いので、以下、トラベルキーボードと表記する。


lenovoのThinkPlus USBトラベルキーボード ウルトラナビ付(英語)。SpaceSaverとは対極にあるよーな打鍵感だが、ノートパソコン慣れしているユーザーならフツーに打てる携帯用キーボードだ


 トラベルキーボードは、わりと以前から存在する携帯向けキーボードだ。キーボードとしては、87キーUS配列のUSB接続タイプで、キーはパンタグラフ式のメンブレンスイッチ。ま、ノートパソコンによくあるタイプの英語キーボードで、それがUSB接続の外付けキーボードになったような製品だ。

 その名の通り、携帯向けとして作られた製品で、質量は約530g、寸法は幅約315×厚み約22×奥行き約220mm。付属のケースに入れると薄手のA4ファイルを持ち歩く感覚で携帯できる。で、このキーボードが、前述の俺的選択基準にけっこー見合っていたりする。

 まずUS配列であること。またキー配列がSpaceSaverに近い、というか、英語キーボードとして比較的に(俺的基準において)マトモであること。キーのサイズも異端でなく、まっとうな感じ。Windowsキーとかがナイあたりも、ちょいと拙者好み。もちろん、テンキーレス。ノートパソコン向けのキーボードってこともあって、一部キーは小さくされちゃってるんですけど、SpaceSaverよりも省スペースだ。今時的キーボードなので、PCとの接続インターフェイスはUSBとなっている。


拙者的観点から非常にまっとうと思われるUS配列のトラベルキーボード。カーソルキーやDelキーはやや使いにくい位置にあるが、ま、頑張れば慣れられますな。余計なキーがほとんどナイあたりも好感触 携帯用キーボードなので専用ケースも付属する。本気で持ち歩きたい人には非常に役立つ(細かな作りもかなり良い)ケースである

キーボード裏面の脚を折り畳むとタバコの箱より薄いという感じ。この薄さから考えれば、十分に剛性感があるとも言える


SpaceSaverと比べるとこんな感じ。使用感としてはSpaceSaverよりもずっとコンパクト。右側にトラックボールかなんか置いたらステキかもしれない!!


 とりあえずこの仕様とサイズが、拙者の嗜好とマッチした。ので、ともかくコレで何本か原稿を書いてみましょう、と使用開始。その結論から言えば、えーと、あの、ポジティブに言えば、悪くないのだトラベルキーボード。つーか、わりとイイ。心から愛用できるかどうかは別として、効率の面からだけではあるが原稿を書きまくるためのキーボードとして十分使えると感じた。

 もちろん、この原稿もトラベルキーボードで書いております。現時点でだいたい6万文字くらいの日本語を入力した感じだが、原稿以外を含めたらきっと10万文字くらいになると思うが、使い始めて数日で慣れられたという感覚。使用開始当日はSpaceSaverとのキーフィーリングの違いやキー配列の違い、あるいは物理的な大きさ・形状の違い(手を置く位置や感覚が異なる)から、ストレスを感じたものの、翌日~翌々日あたりにはそういう違和感は激減した。

 あくまでもポジティブに考えての話だが、このままSpaceSaverをしまっちゃったとして、今後トラベルキーボードだけだとしても、ま、イケるんじゃないの>俺、という印象である。


ネガティブ指向で書こう!!

 でもですね、このトラベルキーボードとSpaceSaverは、完全に別物っス。また、俺的スタンスから、正直なコトを言えば、SpaceSaverよりもずいぶん格下ちゃんのトラベルキーボードだったりする。でまあ、どうせだから、何ら好意的な見方をせず、偏向的&批判的な視点でトラベルキーボードについて書いてみたい。

 まず、トラベルキーボードのキーフィーリングだが、ぶっちゃけた話、けっこー安っぽい。チープ。頼りない。SpaceSaverと比較すると激安であり超チープでありコーヒーこぼして壊しても全然惜しくないと言えるが、あるいはlenovo ThinkPadシリーズノートPCのある程度上位機種と比べても、わりあいケチった感じのキーボードかもしんない、と感じる。

 最近のThinkPadシリーズは店頭でちょいと触る程度で、細かなキーフィーリングや耐久性、キー位置に関してはよくわかんねーんですけど、ThinkPadシリーズの内蔵キーボードって、やや硬めで、押下時に「コクン」というような独特の打鍵感があるじゃないスか。トラベルキーボードにも、それと似た打鍵感があるが、それよりもやや軟弱で浅はかな印象なのだ。また、キー自体も若干グラつき気味で、打鍵音も高音成分が多いっていうか、ThinkPadシリーズのような“高級っぽい打鍵音”とは若干違う。ついでに、キーによっては押下後に戻る時、ちょっとしたノイズを発したりする。

 キーボード自体の剛性についても、やや物足りない。単純に、キーボード左右中央を指で押すと、わりあい簡単にキーボード全体がたわむような感じだ。このあたりもThinkPadシリーズの内蔵キーボードとはけっこー感触が異なる。

 あと、トラックポイントとタッチパッドからなるウルトラナビ機構だが、俺のような使い方をするユーザーには、完全に不要。特に手前のタッチパッド部分は時として誤操作の原因にもなるし、その周囲のパームレスト部は、手首とキーボードの角度を固定してしまうので“タイプ時の手首の状態を無理強いする”ように感じる。


試しにタッチパッド以下がない状態を画像上で表現してみたが、なんかコレって思いっきりIBM Space Saver IIって感じですな。しかし、それよりも小さいと思われる


 スペースキーから手前部分がバッサリとなければ、よりいっそう“トラベル向き”の小型キーボードとなったように思う。その分、キーボードの剛性を高め、もちっと高品位なキー周辺パーツを用いてくれれば、その価格にも違和感を感じなくなるように思う。


ポジティブにトラベルキーボードを見る

 トラベルキーボードは、基本的にはThinkPadシリーズ向けの外付けキーボードで、机上据え置きって感じではなく“携帯性を重視した上である程度のキーボード品位を保った製品”である。ので、前述の“SpaceSaverの代替え機として考える”というスタンスでは、難点が多々見えてくるのは当然っつーか、そーゆースタンスでトラベルキーボードをアレコレ言うべきではない。言うと文句ばっかりになっちゃうわけですな。

 けど敢えて拙者がアレコレ言っちゃうのは、まず「SpaceSaverの代替えにしてもいいような気がする」と思えるから。コレ、俺の中では、けっこー驚くべきことなのである。何しろ、俺的選択基準とかいう超狭い門を突破し、さらに数少ない難問突破機種をけっこー容易に蹴散らして唯一残り、その上実際に俺とかいう小うるさいヤツに使われて「悪くない」と思わせるんだから、スゲいと思う。俺がキーボードの立場だったら「おまえにつかわれるのなんかいやだ」と自主的にタイプして自主的に故障するのに、ここまで奮闘しているトラベルキーボードは努力家で偉いと思う。

 というわけで、これからもしかしたら長い付き合いになるかもしれない近未来の相棒として、トラベルキーボードをポジティブに考えてみると、まずそのキーフィーリングは悪くないと言えよう。

 前述、ThinkPadシリーズの内蔵キーボードほど良くないと書いたが、それはおそらく誰が触れてもそー感じると思う。のだが、実際のところ、ノートパソコンのキーボード部分をそのまま外付けにしたよーな感じの小型キーボードとトラベルキーボードを比べると、トラベルキーボードの打鍵感はかなり好感触の部類に入ると思う。また、最近の多くのノートパソコン内蔵キーボードと比べてみても、安っぽかったり頼りなかったりする印象は(相対的に)少ない。

 それから、ある程度好意的に使ってみると、ウルトラナビ機構(後述)はなかなか便利だったりする。SpaceSaverからの乗り換えついでに、トラックポイント(最近はトラックポイントIIとは言わないんでしょうか?)やタッチパッドに慣れれば、マウス不要のコンピューティングが可能になるかもしれない。ってロジクールのレーザー式コードレスマウスを手放すとは、我ながら思いにくいが。


トラックポイントとタッチバッドを併用できる(ウルトラナビ)。慣れてみたりすると、これはこれで非常に便利だったりする キーボード裏面の脚を利用することで、キーボードの高さを三段階に調節できる。拙者的には五段階くらいに調節できてくれたらより便利だと感じるが、細部までよく作られたトラベルキーボードではある

 あと、このサイズ・質量にまとめたキーボードとしては、細かい部分の作り込み・実用性がヤケに高いと感じる。例えば三段階に変えられるキーボードの傾斜、キーボード上の各種便利ボタン(後述)あたり。携帯性重視のキーボードとは言っても、実際、サイズ的にも機構的にもトラベルキーボードと競合できる同列製品はナイんじゃなかろうか。……とりわけ、外付けキーボードが激安化・低品位化している最近では。

 つーか外付けキーボードに限らずキーボードって超重要な入力デバイスなのになーんでゴミみたいなキーボードばっかり増(以下略)。つーか無くすなよ従来の良いキーボード類をさぁ無くした瞬間糞キーボード増(以下略)。つーかその隙間を狙って激高だけど実際は大したことねえキーボード登場でソレにホイホイ乗ってボッタクら(だから以下略せっつーの>俺!!)


ちょっと便利っぽい付帯的機能

 トラベルキーボードを使い始めて日が浅いが、使ってみて便利かもしんない、と思った機能をいくつか。どれも拙者的スタンスにおいては「なくてもいいけど、あればあったで便利に使うかも」というものだが、以下に挙げてみたい。

 まずは単純に何かと便利っぽいウルトラナビ機構。トラックポイントとタッチパッドを両方搭載・併用できるという機構を、ウルトラナビと呼ぶらしいが、純粋にトラックポイント派もタッチパッド派も受け入れるということで便利ですな。また、併用すると、例えばトラックポイントで通常のカーソル操作を行ない、タッチパッドで画面スクロールを行なう、という使い分けができる。どちらかのポインティングデバイス単体でもデキる操作を、双方のポインティングデバイスに割り振ることで、操作自体が単純になってラクだったりする。


トラックポイント(上の赤いポッチ)とタッチパッド(下の四角い面)の合わせ技ことウルトラナビ。合計7個のボタンをアレコレ組み合わせたりなんかして、けっこーアクロバティックなポインティングデバイス操作を行なえる トラックポイントの設定画面。トラックポイントと中央のボタンを併用することで、スクロールや画面の部分拡大表示ができる。画面の部分拡大表示はデジカメ画像の等倍拡大後の細部検証に便利かも知れない。もちろん、小さい文字を読みやすい大きさにする時にも便利だ

タッチパッドの方は非常に多彩・詳細な設定を行なえる。誤操作防止のための機能設定もいくつかある。トラックポイントやタッチパッドは使用不能に設定することもできる


 それから本体上部に見えるボリューム関連ボタンがちょいと便利だった。ホントはThinkPad用外付けキーボードであるトラベルキーボードなので、こういった特殊っぽいボタン類は機能してくれないのかナ~と思っていたが、フツーにWindowsのボリュームUP・DOWN・MUTEボタンとして使えた。ま、今時のマルチメディア意識系キーボードには絶対あったりするボタンだが、こういうミニ系のキーボードにもあるとやっぱり便利だ。

 同じく、ThinkPad用として実装されているFnキー同時押しで機能するファンクションキー類。キーボード上では青で刻印されている機能か、青いAccessIBMボタンだが、これらのほとんどは拙宅のデスクトップ機では機能しなかった。ThinkPad専用のボタンとなるようだが、あるいは、別メーカーのノートでも使えちゃったりするかも(画面の明るさ調整とか)。なお、拙宅PCで使えたのはコンピュータのスリープのみだった。


普通一般のWindowsPCでも使えるよーな気がするボリューム調整用ボタン。なければナイでいいのだが、あればあったで非常に便利。ただ、他のFnキーとの同時押しで機能するファンクションボタン類のほとんどは、ThinkPad等以外のマシンでは使えないようだ USB1.1対応のUSBハブ機能を持つトラベルキーボード。マウスやフラッシュメモリを接続するのに便利そうだ キーボード裏面にはケーブル巻き取り用のスペースや溝がある。本体から伸びるUSBケーブルを最小限の長さにまとめるによし、マウス等のケーブルを整理するにも便利で、なかなか気の利いた機構だ

 あと、案外便利なのが、本体裏面のケーブル巻き取り部。本体のUSBケーブルを巻き取って収納できたり、使用時の長さを整えられる。また、本体にはUSBハブ(USB1.1)が内蔵されており、USBポートが2つ実装されている。ここにUSBマウスを接続したりなんかして活用できるわけだが、その時も本体裏面のケーブル巻き取り部でマウス等のケーブル長を整えられる。


身近なデバイスこそ、ご自分で判断を

現在SpaceSaverとトラベルキーボードを併用中の拙者。既にフルキーボードよりもずーっと多くのスペースが使われており、テンキーレスだのコンパクトだの言っている意味がない状態である。しかもマウスも2台併用中。キーボードもマウスも、どっちがイイのかな~と試行錯誤&吟味中なのである。身近な入力デバイス選びをマジメにやるとホントに大変っス
 最後になるが、こういった製品を購入ないし吟味する時は、ぜひご自分で実機に触れて欲しい。

 つーか、ネット上のウワサとか、本連載上のレポートとか、あるいは誰かの意見は、マジでホントに“参考程度”の情報として受け取るべきだ。とりわけ、キーボードやマウスのような非常に身近な入力デバイスについては、特に、スゲく、絶対に、自分で判断を下すべきである。デジカメ毎に違う発色とか、あるいはボタンやインターフェイスの使用感とか、ま、結局は“使う人次第で評価が決まる部分”は全部そーなんですけど、評判が良いってんで使ってみたら自分には合わなかった・好めなかった、というケースは少なくない。

 マウスとかキーボードとか、マジでそうですよ~。超評判のいいマウス使ってみたけど、ガッカリだった。定番のキーボードだってんで買ってみたらアッタマ来た。逆に、何となく買ったワゴンセールなデバイスがスッゲく良かった!! てなこともあり得るわけですな。“あり得る”ではなく“ありがち”といった方が正しいかも。

 思うに、声がデカい方々(俺含む)の勢いに、自分の感覚がなんとなく同調しちゃうか否か。それは、本人の、対象へのプライオリティの高低によって異なるし、聞こえてくる声の大きさ・数の大小にも影響されるだろう。けれど、最後にアナタの財布から現金を取り出したりなんかするのは、アナタ自身なのである。あ、アナタの現金をアナタ以外の人が取り出して購入したりした場合は、とりあえず警察へ通報するか精密検査を受けるべく病院へゴー!!

 つーわけで、トラベルキーボードは小型キーボードの中でも比較的に高価でありかつ、非常に身近=指や手のひらという非常にセンシティブな肉体部位と密接した関係にある入力デバイスなので、購入時はぜひ慎重になってネ、と。

 などと、いつもより長めの原稿を書いているそばから、なーんかトラベルキーボードと俺の指先の親和性が増しているカモ!! 原稿書き始める前よりもスラスラとタイプできてるかも!! ……しかし、実はまだ、トラベルキーボードとSpaceSaverを“同じPCに同時接続”していたりする。

 なーんか、まだ、ちょっと怖いんですよね~、SpaceSaverを使えなくなる状況が。また、トラベルキーボードにもっと馴染めるか、馴染み度合いのピークが実は今この時点が最高なのか、という見えていない部分もある。というわけで、もうしばらく、SpaceSaverとトラベルキーボードの併用が続きそうである。



URL
  「ThinkPlus USBトラベルキーボード ウルトラナビ付(英語)」製品情報
  http://www-06.ibm.com/jp/pc/option/obi/nob06/31p9490/31p9490a.shtml

2005/12/12 11:36

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