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これdo台エキスパートで完全消去!!
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


いつも不安で面倒な俺的HDD換装

知らない人でしかも悪人の人に、HDD内のデータやその痕跡を復元して超悪用される可能性がある!! なんだか不安!!
 湯水の如くHDD容量を使い放題である最近の俺は、大容量HDDの値がちょいと下がるともーソレを使わずにはいられない体質となっている。120GB HDDが値下がりした!! 買うしか使うしか!! 160GB HDDが安くなった!! 買うでしょ使うでしょ!! てな感じ。

 そんな俺が感じがちなのが、せっかちさゆえの不安感、そして億劫感。HDD内のデータに関する不安感&億劫感である。例えば60GB HDDから120GB HDDに乗り換えた時……。

 マジかよ俺が60GB HDD買ったときの値段より安かったよこの120GB HDD!! 容量倍!! しかも120GB HDDのほーが高速!! キャッシュメモリも多い!! たまらん!! 即使うでしょ今すぐ使うでしょ原稿書くの後回しっていうかトイレ行くのも後回しッ!! てな勢いで、古い60GB HDD内にあったデータ類のバックアップを取って、パソコンのケースをガバッと開いて古いHDDと新しいHDD交換してさぁ新しい120GB HDDのキモチ良さを試すぜーッ!! ……案の定、非常に良い!! 容量的圧迫感ナシ!! 動作も快適!! あー乗り換えて良かったァ!! と、ここまでは問題ナシでジョリーグッドなのである。

 加えて、俺のことなので、120GB HDDのコストパフォーマンスや気持ちよさを知ると、手持ちの各種低容量HDDも次々と120GB HDDへと交換してしまう。そして気持ちよさや快適さを大体感する。で、ここまでも、やっぱり問題ナシで……財布の内容以外はジョリーグッドなのである。

 が、手元に残った60GB HDD数本の行く末を考え始めると、前述の不安感が吹き出す。

 もうこの60GB HDDは使わないので、知り合いに売っちゃおうかしら……あ。でも、その前に中に残ってるデータを完全に消さないとちょいヤバい。データやデータの痕跡があると、場合によってはデータを悪用されたり復元されたり……でも知人に売ればそーゆーコトはされないだろう。いや、その知人が突然金欠になって俺が売ったHDDをヤフオクとかで売ったら!? 知らない人でしかも悪人の人に、HDD内のデータやその痕跡を復元して超悪用される可能性がある!! なんだか不安!! ……という不安感だ。


 この不安感を解消するには、HDDをパソコンに接続してデータ完全消去ソフト等を使って……あー手間かかるぅ~非常に面倒。俺の場合、一部のHDDをリムーバブルにしていることもあり、パソコンのケース開いてIDEケーブル接続し直して、ってほどの面倒はない。にせよ、HDDをリムーバブルケースに固定し直したり、パソコンでデータ完全消去ソフト等を起動・使用するのがかったりいと感じるわけだ。

 ちなみに、ご存じの方も多いと思うが、HDD等ストレージ上のデータは、例えば単にWindows上でフォルダ等をゴミ箱に入れただけだとカンタンに復元できてしまう。ので、使用後に売却予定のHDDは全領域に0を書き込むとかランダムなデータを何度も書き込みまくるとかいう“完全消去ソフト”の類を適用するのが吉。

 さらにちなむが、完全消去ソフト類を買ったりするのイヤって人向けのコストレスな方法もある。具体的には、HDD上のデータをゴミ箱に入れる前に、ダミーデータを多数・多量に書き込んで、モトあったデータをゴミ箱に入れて(ゴミ箱は空にするんですヨ)から、デフラグをかける。さらにこれを何度か繰り返した後、HDDをフォーマットすれば、まあだいたいおおよそデータを復元される可能性は低い。
 閑話休題。

 前述の俺のケースにおいて、最初から(HDD換装直前に)モトのHDDにデータ完全消去処理をしときゃいい、とも言えなくはない。HDD換装なので、パソコン内の別のHDDに、モトあったHDD内のデータはコピーしてある=バックアップは取ったことになる。また、外部にも一応バックアップは取っている。のだが、やはりモトから使っているHDD内のデータはとびきりの最新情報であり、さっきまで使っていたわけでデータがブッ壊れている可能性も低い。取り外される予定のHDDは、最も新しいデータが入っており、いちばん信頼できるHDDとなる。

 つまりですね、換装直前にコピーしたデータがコピー先で壊れてるカモとか、外部バックアップメディアも同様に壊れてるかもしれないしデータが古いかも知れない、とかいう若干の不安があるので、これから取り外すHDDに完全データ削除ソフトなんかを適用する気にはなれないってことなんですよダンナ!!

 その可能性は薄いが、HDD換装直後にパソコンに接続されているHDDがオシャカになっちゃうとか、同時に外部のバックアップメディアも“実は読み取り不能だった”とか、そういう万が一のケースを考えると、取り外すHDDが命綱的存在とも言えるんですよ奥さん!!

 って神経質過ぎな考え方ではあるが、HDD換装前のデータ完全削除が怖い俺なのであった。


これdo台エキスパートで完全消去!!

「これdo台エキスパート KD-2/FUL」。パソコンなしでHDDのバックアップや完全消去が可能。実売価格は17,000~19,000円程度
 すげー細かいコトを長々と説明してしまったが、結局はパソコンから取り外して使わなくなって売り払っちゃう直前に、面倒くさがりながらも、その売却予定HDDに完全消去ソフトを適用していた俺。リムーバブルケースに取り付けて、データ消去して、また取り外して。あるいは使ってないマシンを、HDDデータ完全消去用に動かしたりして。

 そんな俺にとって非常に過剰に大変に魅力的で、発見した途端に[購入]ボタンを押させた製品があった。怪しい製品好きや自作野郎にはおなじみのCENTURYから発売された、これdo台エキスパート KD-2/FULである。

 これdo台エキスパート KD-2/FUL(以下、KD-2/FUL)は、ハッキリ言って非常に便利。いろいろな面で便利。HDD買い換えまくりの人にも、実験好きなアグレッシブ自作野郎にも、あるいはHDDのベアドライブをアレコレと活用する人にも、非常に便利な製品である。製品概要および詳細についてはCENTURYの製品紹介ページをご覧いただくとして、どのへんがどーゆーふーに便利なのかインプレッションしていきたい!!

 KD-2/FULは、まずスタンドアロンで(パソコンと接続せず製品単体で)IDE HDD内のデータを完全に消去できるのが超便利。前述の俺的ケースの場合、パソコンから取り外したHDD内のデータを消すために面倒な思いをしたわけだが、KD-2/FULがあれば面倒は一切ナシ。取り外したHDDをそのままKD-2/FULにつなげば、HDD内のデータを完全に消去してくれるのだ。

 具体的には、KD-2/FULから延びるIDEコネクタと電源コネクタを、完全消去したいHDDにつなげ、KD-2/FULをデータイレースモードにし、KD-2/FULの電源ボタンを(2度)押せばOK。あとはKD-2/FULがHDD内のデータを完全に消去し、勝手に電源が切れる。素晴らしい!! 何しろこの容易さが素晴らしい!! しかもスタンドアロンでパソコン不要!! スタンドアロンコンプレックスとでも言おうかっていうか言わねーよ>俺、と言えるが、こういう製品を待ってた俺!! もうこれで手持ちのHDDを全部ヤフーオークションとかに出品していけるじゃないか!!

 ちなみに、KD-2/FULのデータイレースモードにおいて、HDD内のデータを完全消去する方法は2種類用意されている。ひとつはHDD全領域を0で埋め尽くす方法、もうひとつは米国国防総省NSA規格(ランダムデータで埋め尽くし1回目→ランダムデータ埋め尽くし2回目→00で埋め尽くし、の順でHDD全領域を3度上書きする方法)相当となる。

 なお、消去にかかる時間は、1台の60GBのHDD(SeagateのBarracudaIV ST360021A)で約28分47秒だった。また、KD-2/FULは2台のHDDに対して同時にデータ消去処理ができ、2台の60GB HDDを同時に処理したら約29分15秒かかった。パソコン不要でデータを完全消去できる点、2台のHDDを同時に処理できる点、処理時間もまあまあ速いってことで、KD-2/FULは俺の中で現在最高に便利で実用的なデータ完全消去装置となっている。


システム・アプリ入りHDDを完全バックアップ!!

 それから、KD-2/FULにはもう一つの激便利機能として、HDDの完全コピー機能がある。パソコン不要で、HDD→HDDへのデータ完全コピーがデキちゃうのである。

 使い方は楽勝で、KD-2/FULにコピー元およびコピー先となるHDDを接続し、KD-2/FULの動作モードをコピーモードにして、電源ボタンをポポンと押すだけ。あとは全自動。コピーが終わると自動で電源OFF。カンタンなのである。しかも、かなり速いッ!!

 完全コピーにかかる時間は、60GBのHDD(SeagateのBarracudaIV ST360021A)で約39分30秒だった。あるいは「えっそんなにかかるの?」と思う方があるかもしれない。が、パソコンにIDE接続されたHDD同士で60GBのデータを完全にコピーしてごらんなさい!! 40分じゃぁ済まないのである。ちなみに、KD-2/FULの場合、セクタ毎の完全コピーが行なわれるということで、60GB HDD内に1GBしかデータがない場合でも、60GBのデータがある場合でも、完全コピーにかかる時間は同じになる。

 で、この完全コピー機能を使えば、例えばバックアップ用HDDのバックアップを短時間で作れたり、あるいはシステム丸ごと───OSもアプリケーションもデータも全部入ったHDDを完璧にコピーすることも可能だ。

 実際、試しにOSやらアプリやらデータやら最強にいろいろ入っててパーティションも設定してある俺のシステムドライブをコピーし、コピー先となったHDDをパソコンに入れたら、あら不思議!! っていうかKD-2/FULの仕様上当然ではあるが、常用の環境・アプリ・設定・データが完璧に再現された。システム丸ごとのバックアップもバッチリできちゃうKD-2/FULなわけですな。

 それから、OSまわりの環境をちょくちょくいじくる人にも便利かも。すなわち、新しいアプリや最新のドライバなんかをビシバシ入れる人の場合、機能や安定性が未知数のアプリやドライバにシステムをおかしくされちゃう可能性もあるわけだ。そんな時に、KD-2/FULでシステムの完全バックアップを取っておけば、安心して自由に思う存分徹底的に、環境いじりを楽しめるだろう。

 ウィルスが入っちゃってパソコンがシャットダウンしまくる!! ヘンなドライバ入れたらセーフモード起動さえままならない!! てな場合でも、あらかじめシステム・アプリ入りHDDを丸ごとバックアップして確保しとけば、問題ない。おかしくなったHDDを、バックアップHDDと物理的に交換すれば、調子よく快適で無問題な、あの古き良き環境へタイムスリップ!! てなわけだ。そういう観点から見ても、ラクして使えてかなり安価な“完璧バックアップ環境”を構築できるKD-2/FULはナイスだと言えよう。


多少使いにくいけど……買いでしょ!!

裸のHDDを扱いまくりの拙者にとっては、非常に多機能なわりには安価!
 スタンドアロンでのHDD完全コピー機能と、スタンドアロンでのHDD完全消去機能。この2つの機能だけで思わず[購入]ボタンを押下している人もあると思うが、KD-2/FULにはさらにいろいろな便利機能がある。っていうか、CENTURYの“これdo台シリーズ”の最上位機種であるKD-2/FULなので、これdo台シリーズにあった機能は全部持ってる感じっス。

 例えば、単なるIDE HDDをUSB2.0もしくはIEEE1394接続の外付けドライブとして使う機能。2つのIDEコネクタを持つKD-2/FULの場合、2台のHDDをそれぞれ個別の外付けHDDとしてパソコンに認識させることができる。他、2台のHDDをひとつの大容量HDDとしてパソコンに認識させるコンバイン機能、2台のHDDのうち1台だけを外付けHDDとして認識させつつもう1台は自動バックアップHDDとして使うミラー機能、ディスクのベリファイチェックを(スタンドアロンで)行なうディスクチェック機能、2台のHDDの内容が完全に一致するかどうかを(スタンドアロンで)調べるコンペア機能。ユーザーによっては超役立つ機能がてんこ盛りのKD-2/FULなのだ。

 が、使っていると、やっぱり使いにくい部分も見えてくるわけで。
 例えば動作モードを変えるための回転式スイッチ。本体の横にあって小さくて動かしにくい、というのは誤動作防止のためにナイスとも言えるが、動作モードが読み取りにいスイッチ形状はイマイチな感じ。スイッチの奥を覗き込まないと、現在の動作モードが何なのか(何番なのか)に確信が持てない点が、少々使いにくい。物理的には回しやすいナイススイッチなので、動作モード表示をもっとわかりやすくして欲しいという印象だ。

 動作状態を示すLEDも物足りない。例えばHDD完全消去の進捗がLEDの点滅速度で示されるのだが、これはホントにホントの単なる目安としてしか意味をなしていないと感じる。どーせなら数個のLEDの組み合わせや、7セグメントLEDなんかで、もっとわかりやすく処理完了までの時間を示して欲しい。

 HDDに接続するIDEケーブルと電源ケーブルも、相変わらずちょいと短いですな。あと10センチ、いや5センチでも長ければ、HDDへのIDEコネクタ&電源ケーブル接続がすげーラクになると思うのだが、なんか技術的な理由でもあるのだろうか? 短くて扱いにくい接続ケーブルなのであった。

 でも、裸のHDDを扱いまくりのユーザーにとっては、非常に多機能なわりにはかなり安価。2003年8月現在の実勢価格は、17,000円から19,000円という感じ。この値段でこの機能でこの実用性なら多少の使いにくさなんか関係ねーんだよ[購入]ボタンをポチッ!! てな優良製品だと思います。ええ。ホントに。



URL
  「これdo台エキスパート KD-2/FUL」製品情報(CENTURY)
  http://www.century.co.jp/products/kd2ful.html

2003/09/01 14:40

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