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画質が向上した「IXY DIGITAL 320」を購入!
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


出た新型デザイン一新!!

キヤノン「PowerShot G3」。11月下旬発売予定。店頭価格は9万円前後となる見込み
 いきなりだがこの拙者、キヤノンのこのニュースリリースを見た瞬間完璧に決心したのである、Powershot G3絶対買うゼって。それ以前から海外方面の情報でG3の存在は知っていたが、ココとかコチラなどを見ると、外見的にすげー俺的好みに変身し、内容的にも“痒いところに手が届く”という改善がされまくり!!

 よしキた今スグ[購入]ボタンをポチッとな……ん……か、まだボタンがありませんな。んぎょ~ボタン押させれ~もーニュースリリースにボタン付けてくださいよキヤノンさんとか思ったが、ともあれしばらくの間は待たなければならないのであった。

 んぬ~今すぐ使いたいのになーと思って手持ちぶさたでネットを徘徊してG3関連の情報を完全に読み切ってもまだんぬ~今すぐ使いたいのになーと思う俺は再度現場に現われるというわけで、またもやキヤノンのニュースリリースのページを読み返したのであった。

 G3の発表にコーフンして忘れていたが、そうそう、IXY DIGITALの新型、IXY DIGITAL 320も発表されていたのであった。新型IXYは、見たところ……、IXY DIGITAL 200aとそーんなに変わっていない様子。大きく変わったのは320万画素の撮像素子を搭載したあたりで、他は大した変化がないかも。と、さほど興味を示さない俺であった。

 IXY DIGITALシリーズは、初代IXY、第2世代の3倍ズームのほーの300、第3世代の200aと使い続けてきたが、正直なところ、200aで「もういいや」と思っていた。愛想が尽きたってわけでは全然なくて、200aは非常にスゲく良いカメラだったので、200aに満足&落ち着いていたのである。なので積極的に買おうとは思わなかった。

 が、その後毎日のようにG3の[購入]ボタンを探してネットを徘徊し、そろそろ秋の風が吹き始めた頃、やっぱりまだG3の[購入]ボタンは存在しやがらねえのでありやがって、もーいい加減にしないとキヤノンの開発室に侵入して撮影しますよホントにと逆ギレしそうになっていた頃、IXY DIGITAL 320の[購入]ボタンが出現していたのだ。そして俺は、G3の[購入]ボタン未発生におけるストレスから逃避するように、IXY DIGITAL 320の[購入]ボタンをポチッとな。


失敗したかも!?

キヤノン「IXY DIGITAL 320」。店頭価格は5万円前後
 IXY DIGITAL 320を予約した俺は何となく安心したわけだが、それから数日すると「んー失敗したかも!?」と感じるようになった。

 てのはIXY DIGITAL 320、前述のように、内容的には200aとそーんなに変わっていない感じで、外観もほぼ同じ。撮像素子が320万画素になった“だけ”という雰囲気なのだ。まあご時世的には超コンパクト機の300万画素、400万画素、さらには500万画素機が登場しているから、IXY DIGITALシリーズも画素数アップをするのは妥当な流れだと思う。

 が、3メガピクセルへと画素数アップした“だけ”という点が非常に気になった。しかもIXY DIGITAL 320って、IXY DIGITALシリーズとして第4世代目。4作目であってパート4であってある種のエピソード1であって……いろんなモンにおいてやっぱり3世代目あたりがピークで……この第4世代IXY DIGITALってどーなんだよ3メガになった点以外特徴あんまりないしなー、と、そういうイメージで「ヤバい機種かも!?」と想像をふくらましてしまったのだ。

 真面目なスタンスで考えてもその悪い予感は当たりそうな気がした。IXY DIGITAL 200aの撮像素子は1/2.7型で210万画素のCCD、320の撮像素子は1/2.7型が330万画素のCCD。撮像素子のサイズは同じで、画素数が違うと、やっぱり画素数が多いほーが難儀な性能である可能性が高い。まずは感度が悪いだろうしダイナミックレンジも狭いわけで、ノイズだって多く乗るのだろう。IXY DIGITAL 320には120万画素分の有利さってのもあるだろうけれど、200aの撮像素子からすれば相対的に“無理してる”のではなかろうか、と。

 ……もしかしたら俺はPowerShot S45の[購入]ボタンをポチッと押しとくべき、というかその方が幸福になれる度が高かったのかもしれない。

 てな悪い予感を日に日に増幅させていく俺だった。


200aはお役ご免となった

 そしてIXY DIGITAL 320発売当日。買った。いじくった。そして撮ってみて、手持ちのIXY DIGITAL 200aと比べてみた。そしたら不安氷解。悪い予感はわりとアッサリとハズレていた。

 まず画質的に気になる点がほとんどなかったのだ。200aを基準として考えれば、画像の精細さがビシッと備わっていた。精細さに関しては、結局、同じサイズ・同じ使用感のデジカメなら320のほーがイイじゃんと感じる。当然のことだが、320のほうがより細かい部分を高精細に描写する。大は小を兼ねるの理屈で320の方が有利だと、単純に思った。

 発色や画質の方向性も、320の方をより好めた。200aは発色が少々強めで、時として「色を乗せすぎ!?」と思うことがあったが、320は全体的にすこーしアッサリした印象。だが、地味とか薄いって感じではなく、色のメリハリはしっかりある。バランスの良い発色になったと感じた。200aの画質として特徴的だったクリアさもあるので、全体的に色も描写もクッキリと鮮明な印象だ。

 それから、ホワイトバランスがより正確になったような気がする。200aも320もマニュアルでホワイトバランスを設定すれば良好な結果が得られるが、オートホワイトバランスで撮ったときは明らかに320の方が賢い感じ。実物により近い色が出るという印象だ。

 ただ、オートホワイトバランスを使って白熱球下で撮ると、かなり赤っぽく写るのは両機とも同様。これは最近のデジカメの傾向だと思う。白熱球の赤っぽい色を敢えて出している感じだ。白熱球の光を真っ白に写してしまうと現場の雰囲気、例えば今の時期ならクリスマス系電飾とか、あるいはムーディーなレストランや喫茶店の雰囲気が出ない。ああいった独特の暖かみのある雰囲気が白々&寒々するのを嫌う人が多いってことで、たぶん“敢えて白熱球の色を残している”のだと思う。

 さておき、より高解像度で、より自然な発色で、ホワイトバランスも正確になっていて、画質面では文句なしの320。ここで既に俺の200aはお役ご免となった感じである。

 でもまあ、もっとボディサイズとレンズサイズの大きな、いわゆる中級機以上の3メガピクセル機と比べると、320の描写力はやや力不足とも思う。細部をよーく見れば描写が甘いよーな気がするし、ノイズや解像感を画像処理エンジンでどーにか克服しているような人工的な風合いもすこーし感じられる。しかし、このタバコの箱サイズのデジカメの、小指の爪の先ほどしかないレンズで、ここまでキレイに撮れちゃうってこと自体すげぇと思う。


何も変わらない点が逆にイイ!?

IXY DIGITAL 320の背面。ボタン配置などは従来モデルを踏襲している
 IXY DIGITAL 200aと同じく、320も、個人的な使い方としてはマニュアルモードで撮っている。細かく言えば、AiAFはオフ(なんかいろんなところを自動的に検知してのAFがビミョーにウザいんです個人的に)、ホワイトバランスは光源に合わせていちいち設定(320はオートホワイトバランスが利口になてますけど自分で合わせたい性分なんスよ)、ISO感度は50か100(それ以上にするとやっぱりさすがにノイズ目立ちます)、スポット測光多用(スポット測光万歳!!)てな感じ。

 なので、俺にとっては画素数向上と画質面での向上以外は、そーんなに嬉しい性能・機能向上ではない。……しかし画質が高まったってのはデジカメにおける最大級の喜びではあるが。

 さておき「画質が良くなった最新機種」として考えると、マクロ的視野で少々疑問も出てきたりする。

 例えば操作性だ。IXY DIGITALシリーズに慣れまくっている俺にとっては、320は非常に快適に使える。便利便利。特に4方向キーの左下のWBボタン(ホワイトバランス変更や露出補正等ができる)が快適に使える。メニュー項目も横並び(物理的には縦ですが)でシンプルゆえ、戸惑うこともない。非常に快適に使えるデジカメの一台と言える。

 が、それは俺がIXY DIGITALに慣れているからかもしれない。2002年末現在のデジカメとしてIXY DIGITAL 320を冷静に見ると、どうなんだろうか、やや使いにくいデジカメかも!? と思えたりする。

 例えばボタン位置だ。IXY DIGITALシリーズとしては“いつものボタン位置”であり“いつものようなボタン機能”なので戸惑わないが、インターフェイスとして良い形なのかどうかは、最近ちょっと疑問になってきた。

 以前は、このサイズの超コンパクト機としては非常にナイスだと思えたが、最近は他社製超コンパクト機も非常に頑張りまくり。ボタン位置や各ボタンへの機能割り振りがかな~り良くなっている。パナソニックのアレとかコニカのソレとかを触ってみると「おっ」と思うと同時に、「IXY DIGITALの操作性の良さは俺がコレに慣れているからかも」とか思えたりする。

 IXY DIGITAL 320の、今の時代だからちょっと気になってくる操作性のイマイチさとしては、例えば4方向ボタンとSETおよびMENUボタンがけっこー離れている点。もうちょいとレイアウトを変更すれば右手親指だけでよりスムーズに操作できそうに思う。それから、SETボタンに撮影モード変更機能を持たせてあるのもなーんか「?」だし、SET・MENU・DISP・WBと4つのボタンをモニタ下に並べている必然性にもピンと来ないし、電源ボタン長押しでオンというスタイルも微妙に不便で、むしろシャッターボタンと電源ボタンは逆のほーがホールドしやすくないですかと、いろいろある。


 ダメってほどの難点、ていうか難点とまでいかないほどの、ちょっぴりな非スムーズ感だが、改良の余地はいっぱいあると思うのだ。4世代目のIXY DIGITALなんだから、そのあたりも「さすがIXY DIGITALシリーズ」と思えるような改良が欲しかったところ。他メーカーの超コンパクト機がぐんぐん使いやすくスムーズになっているのを見るとなおさらである。

 でもきっとこーゆー定番製品のインターフェイスを変えるのは、いろいろシガラミがあって難しいんでしょうな。価格的に売れ筋とは言えないG3ならアグレッシブにチャレンジしていけるけど、IXY DIGITALでそーゆーふーなコトするのは賭け、ってことなんだと思う。

 さておき、モノとしてはかなり満足がいく製品となった。同クラスの他社製超コンパクト機と比べると画質が非常に好ましいし、内容的にもよく成熟していると感じる。高画素デジカメの価格低下が著しい現在ゆえ、コストパフォーマンスはあんまり云々していきたくない拙者だが、IXY DIGITALファンならきっと満足できる最新機種だと思う。IXY DIGITAL欲しかったのダという人なら、とりあえず320に目を付けるのが吉だとも思う。


・ IXY DIGITAL 320製品情報(キヤノン販売)
  http://www.canon-sales.co.jp/camera/ixyd/320/

2002/11/25 15:38

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