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意外な新型! リコー「Caplio RR30」
スタパ齋藤 スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


意外な新型、リコーCaplio RR30

リコー「Caplio RR30」標準価格5万4800円。外見は平凡だが1cmまで寄れるマクロ、ISO800相当の高感度モードなど機能面での実用性が高い
 リコーから新型デジカメが出る!! と聞き、ムムムムのム!! 的な大期待をした俺。そうか!! キたか!! RDC-i500の新型だろ今度はアレだろホットスポット対応のブロードバンドデジカメだろ!! そう思ってRR30のサンプル機を見たら、何のことはない、非常にベーシックなスタイルの、カメラ以外の何者でもない、平凡な外見のデジタルカメラであった。

 えーリコーさん最近あの横型のフラットの平べったいデジカメとか強化してないっぽいんですけどやめちゃうんですくわ~あのカタチ、などと思いつつRR30をいじくっていたら、この製品、ちょいと意外なのである。外見的には平凡だが、触れば触るほど、非凡なる意外性が感じられる。まずその機能が意外、価格も意外、それから使用感も意外なのである。てなわけで、今回は借り物なんですけどリコーのRR30についてレビュったりしてみたい。

 なお、リコー Caplio RR30についての詳細は、リコーのウェブサイトをご覧いただきたい。


コレって速くないですか!?

「Caplio RR30」外観。ボディカラーは写真のエクセレントシルバーのほか、エターナルブラック、ドレッシーホワイトの全3色
 RR30は、1/2.7型原色CCDを搭載した、有効画素数324万画素(総画素数334万画素)のデジカメだ。カタチは見てのとおり、非常にカメラ然とした風貌。ボディはプラスチック製で、ボディーカラーはエクセレントシルバー、エターナルブラック、ドレッシーホワイトの3色が用意されている。

 そしてイキナリぶっちゃけた話をすると、俺が拝借したモデルはエクセレントシルバーで、他のカラーと比べるとなーんかこの銀色ったら少々チャチなフィーリング。触った感触もプラスチッキーっていうかトイライクな雰囲気で、んー高級感は感じられないなぁと思っていたら、徹底したコスト削減なのだそうだ。RR30はメーカー価格で5万4800円。3メガピクセル機としてはかなり安価に出してきた。実勢価格だと、4万円前後、ショップによっては4万円を切っちゃうかもという“激安3メガピクセル機”なのである。なるほど、だからこの質感なのね、と。

 でも安かろう悪かろうになったりし……よからぬ想像はやめにして、ともかく試用!! し始めてまず感じたのは、動作の速さである。特にシャッターのレスポンスがイイ。シャッターを押した瞬間に撮れる感覚。シャッターボタンを一気に全押しにした瞬間撮影終了。同時にピッという電子音が鳴り、直後にポストビュー画像が表示されるので、瞬間的な違和感を含めた「?」を感じるが、あぁそうか撮った画像を再生したのかと納得する。


 3メガ~4メガあたりのデジカメだと、撮影者はシャッターボタンを押す直前から、シャッターボタンを押した後に電子音が鳴るあたりまで、息を止めたり硬直したりしがちだ。そのクラスのデジカメだと、だいたいにおいて少々長めのレリーズタイムラグがあり、シャッターを押した瞬間から押したちょいと後までカメラを固定していないと、手ぶれしちゃうことが多い。シャッターボタンを押下したら撮影ができるわけではなく、押した後になぜか一瞬間があって、それから撮影されるという機種が非常に多いのだ。だからモニタ上に無事撮影画像が表示されるまで撮影姿勢を崩さない、ということが俺の癖になっていた。

 が、RR30は明らかに違う。最新&爆速130万画素機で撮っているよーな感覚で、シャッターを押した瞬間に撮影が終わっている。なので、デジカメ撮影者にありがちな癖こと息止め&硬直は必要ない。押す瞬間だけビシッとキメれば良い。シャッターボタン押下直後のピッという電子音を、そのままシャッターが切れた音だと認識して良い。実際、RR30に耳を近づけて撮影すると、シャッターが切れる機械的な音と、撮影終了を知らせる電子音が、ほぼ同時に鳴っていることがわかる。

 って細々したことを書いたが、率直な話、3メガピクセル機なのにレリーズタイムラグが全然ねぇ!! という印象。この反応速度に、まず、小さいけれど重要な驚きを感じた。

 他の部分も速く、撮影モードから再生モードへの切り替え、再生中の画像の切り替えやズームアップダウンなども非常に快適だ。電源押下直後は、レンズがせり出す音(←これがややチャチい音)で「起動が遅いっぽい音かも!?」と誤解しちまった俺だが、実際に測ってみると電源ボタン押下から撮影スタンバイまで2秒かからない。全体的に非常にクイックに動作するデジカメだと感じた。


細かな実用性もナイス

電源は専用リチウムイオンバッテリー(別売)と単3電池のデュアル対応

SDカードスロットを装備するが、内蔵メモリも8MB搭載。いざという時に安心だ
 実際に使っていて、やはり速いカメラは何かと気分良く撮れる。撮るのも見るのも軽快なので、スッと出してパッと使えてペペペペッと閲覧して楽しめる。遅くもトロくもない=ストレスなくして楽しめることは、そのまま使用頻度の高さにつながる。

 そこで気になるのがバッテリーだが、意外なことにこのデジカメ、携帯時は2電源方式なのである。専用のリチウムイオンバッテリーも単3アルカリ電池(もちろんニッケル水素充電池)も使える。通常はリチウムイオンバッテリーを使ってランニングコストを下げ、旅行だとかあるいは緊急時だとかに単3電池を使えるのは有り難い。

 ただ、専用リチウムイオンバッテリーは別売であり、かつ、専用リチウムイオンバッテリーを使うためにはチャージャー等の別売品が必要になるので、RR30を買ったら即デュアルバッテリーだぜ~てなわけではない。基本的には単3電池を使い、必要とあらばバッテリー関連オプション品を買うということになる。まあ、最近では大容量ニッケル水素電池がビシバシ登場しているので、単3電池のみで使うというスタイルでも問題ないと思う。

 それから、このあたりはリコーの伝統的仕様とも言えるが、RR30にも本体内蔵のメモリがある。容量は8MB。デジカメのオマケとして付いてくる8MBのCFカードなどには全然有り難みがないご時世だが、内蔵メモリ8MBというと少々話が違う。普段は記憶の彼方でRR30の奥深くに忘れ去りがちな8MBの容量が、いざという時にかなり役立ってくれるのだ。通常はSDメモリカード(かマルチメディアカード)を使い、あぁメモリカード一杯だけどもう数枚撮りたい!! って時に内蔵メモリが使える。ヤベっ、予備のSDカード入れてこなかった、てな時にも撮れる。万引き多発のショップ店頭の展示機でも、メモリ内蔵のリコー製デジカメならば試し撮りができる。って最後のはユーザーの利便ではないが、内蔵メモリがあるデジカメってのはちょいと便利&安心なのだ。

 あと、正直言って、俺はRR30のデザインがあんまり好きではないのだが、しかし、このデジカメは非常にホールド感が良い。右手でガッシリと持って片手撮りができる。デザイン的にはなーんか横型馬面だが、撮影時はこのボディ形状が有り難い。カッコイイけど撮りにくい持ちにくいというデジカメが増えたりしている中、こういった基本を押さえているあたり、なるほどリコーらしい実直なフィーリングの製品だと感じる。


外見はアッサリだが中身はコッテリ

Caplio RR30正面

Caplio RR30背面
 使っていくうちに「お!!」とか「む!!」とか思わせるのも、なんかこうリコーらしい気がする。

 例えば撮影モード。フルマニュアルでの露出決定はできないが、使いそうor使えそうな撮影モードはほとんど搭載している。1枚だけの静止画撮影、連写、シャッター押下前16コマまで遡って(1枚の画像の中に)記録するメモリー連写、シャッター押下後の16コマを(1枚の画像の中に)記録するストリーム連写、それからシーン別撮影設定や動画撮影など多彩な撮影モードが選べる。

 それから、リコーお得意のマクロ撮影機能も健在。RR30は35mm換算35~105mmのズームレンズを搭載しているが、通常モード時でもこの全ズームレンジで被写体まで約30cmからの撮影が可能。で、マクロ撮影モードにすると、全ズームレンジで16cmからの撮影が可能で、ワイド側だと1cmからの撮影が可能になる。

 多くのデジカメの場合、通常モードでは被写体から最低でも60~70cmくらい離れないとピントが合わない。すぐ横に座っている人の写真を撮る場合は、だいたいマクロモードに切り替える必要がある。料理の写真を撮るときなんかもそうだ。

 が、RR30の場合、通常モードで被写体に30cmまで寄れる。ので、隣に座った人の顔面を撮るにも料理(大皿とかですな)を撮るにもモード変更が要らない。被写体まで30cmの距離に寄って撮影することをマクロ撮影だと強引に言えば、RR30は通常モードでマクロ撮影をこなせるデジカメだと言える。そしてRR30をマクロモード(ていうかスーパーマクロモードって感じですな)に切り替えると、被写体まで1cmの距離に近づける!! 隣に座った人の鼻毛(単体)から、目の前にある料理の上にたかったハエ(死骸)までビシッと撮れる!! 撮ってどーする>俺!! ともかく非常に強力なマクロ撮影機能だと言えよう。

 個人的には、マクロモード時にテレ側(望遠側)で被写体まで16cmのところまで寄れるってのがイケてると感じる。ワイド側(望遠側)では1cmまで寄れるのだが、実際にそういった近接撮影をする場合は、テレ側の方がキレイに写る。ワイド側だと、画面周囲が少々歪んでしまい、やや特殊な写真になりがちなのだ。そのあたりまで含め、RR30の近接撮影系機能は、なるほどヒジョーに現実的なスペックだと感じる。

 あ!! それから、近接撮影時のフラッシュの効き方もかな~り良い。フツーのデジカメだと被写体に近寄ってフラッシュをたくと、まあだいたい明るすぎになったりする。のだが、RR30は被写体まで16cmの距離でフラッシュ撮影をしても、実にマトモに写るのであった。ちょっとした驚きであり、マクロ撮影でこーも簡単にフラッシュを使えるってのは大きな利便だと言えよう。

 その他の機能としては、動作時間30秒~3時間までのインターバル撮影ができたり、露出オートブラケティングができたり、あるいは測光方法としてスポット測光が選べたりと、外見からは想像しにくいマニアックな機能も多々搭載されている。外見的には押すだけ簡単的なお手軽デジカメに見え、まあそういうふうに使えるわけだが、実は細かい実用性や凝って撮れる機能性をしっかり搭載している。機能面での意外性もけっこーありまくりの製品なのだ。


使用感と画質

 さて、実際の使用感だが、前述の速さに加え、わかりやすさも十分あると感じた。メニュー表示はベーシックで、ボタン操作もベーシックで、ボタンの押しやすさもやや硬めだがベーシックな感じ。つまりはこれと言って大きな特徴はないインターフェイスなのだが、そのあたりが理解しやすさにつながっている。とりわけ「ココがコーでこーなってこー動くから凄い!!」という操作性はないが、逆に迷ったり困ったりわからなくなることもないわけだ。もちろん、正真正銘の初心者ならば一度はマニュアルを読む必要があると思うが、1台か2台デジカメを使ったことのある人なら、マニュアルを読む必要はほぼナッシング程度のイージーさである。

 画質については、メーカーや他ウェブサイトでのサンプル画像を見ていただくのが手っ取り早いが、個人的には“リコーデジカメ画質”だと思う。すなわち、ノイズは少なめで、色は中庸よりも微妙にビビッド寄りで、鮮明さ・解像感はちょっと強めで、全体的には非常に自然でバランスの良い描写になる、と感じた。

 率直な話、Caplio RDC-i500や、RDC-7Sなどと同様、スッキリしているけれど淡泊すぎない好印象の写真が撮れる。この画質、個人的には“見た印象に非常に近い”と感じられる。俺の脳味噌に対して最も正直にその光景を描写してくれるデジカメのうちのひとつだとも思う。要は、この俺、こーゆー画質がかな~り好きってわけですな。


 結論だが、RR30は、どちらかと言うとビジネスマン向けの製品ではなかろーか、と思う。というのは、性能的・機能的にパーソナルユースには向かないって意味ではナイ。機能も画質もしっかり平均点以上なので、誰が使ってもその実用性において疑問や不便や物足りなさを感じることはないと思う。のだが、俺思うに、買う個人の趣味嗜好の昇華を達成してくれるガジェットとしてRR30に“惚れるかどうか”というトコロ。

 借りモノに対してこーゆーコト言うのは失礼だが、実勢価格が安いとは言え4万円前後になる見通し。そのくらいの価格のガジェットを買うとしたら、やはりソレ相応の高級感とか気に入れる質感とか味わいがあって欲しいと思うのが普通だろう。その点、RR30のプラスチッキーなボディは少々の残念感を残しがち、と感じるのだ。また、これも個人の好みだが、デザイン的にもカッコイイとか斬新って感じではないRR30。正直、パッとしない外見のRR30なので、プライベートユースにコレを選んで購入するかどうか、てな話である。

 逆に、ビジネスに使うユーザーや、あるいは機能・性能こそデジカメの本質という気合のデジカメ野郎にはかなりオススメできる。まずはこの機能・性能にして非常に安いってのがイカス。3メガピクセルデジカメにおいては最もコストパフォーマンスが高いのではなかろうかと思う。また、強力な近接撮影系機能や動作の速さ、それから単3電池で使えるという実用性、さらにはリコーが昔からこだわっている“ドキュメントの複写”(シーン設定を文字にすると文字をクッキリと読みやすく写せるのダ!!)など、ビジネスシーンにおいて実力を発揮しまくりの機能・性能が多い。

 まあビジネス専用デジカメってわけじゃないのだが、ツールとしてガシガシ使い、ビシバシ役立てたい!! カメラは置物やアクセサリじゃねーよ道具なんだよ!! てな人にとっては、RR30、要チェック度が非常に高いデジカメだと言えよう。


・ Caplio RR30ニュースリリース(リコー)
  http://www.ricoh.co.jp/release/digicame/rr30/index.html
・ Caplio RR30製品情報(リコー)
  http://www.ricoh.co.jp/dc/product/rr30/

2002/09/17 13:52

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