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auの人ナビサービス「EZナビウォーク」
その実力を検証

実験に使用したA5501T
 今年のau冬モデルのなかで、注目を浴びている新機能の1つが人ナビサービス「EZナビウォーク」だろう。編集部でも対応端末A5501Tを使って、千代田区三番町から、飯田橋3丁目のガーデンエアタワーにあるKDDIまでの道のりを検索し、実際に利用してみたのでレビューをお届けしよう。


自由度の高い条件設定がナビウォークの魅力


今回検索して歩いたルート

まずはルート検索。3番目の徒歩のみのルートを選ぶ
 まず、EZナビウォーク使用時の大きなワークフローだが、現在地取得→ルート検索→複数のルートから選択→ナビゲーション開始、といった順序を辿る。一番初めに来る現在地取得だが、これまでのEZナビゲーションと使用感はほぼ同じ。アクセスにやや時間がかかるのが難点だ。

 次に来るのがルート検索だ。EZナビウォークのアプリでは、電車、タクシー、徒歩などさまざまな条件指定が可能で、ユーザーの都合に応じて使い分ければよい。コンピュータによるルート検索は、「なんでこんな」と絶句するような理不尽なルートをしばしば見つけてくるものだが、ことEZナビウォークに関してはそのようなことはなく、時間、電車を使った場合の乗換の手間などを総合すると、無難なルート選択をしてきてくれる。

 特に都心での移動は、地下鉄の利用が高くなるが、問題はヘタに電車を待ったり、階段を上り下りしている時間を考えたら目的地まで直接歩いた方が早かった、というケースがあることだ。かといって、地理に詳しくない場所をウロウロするのは気が引ける。結局、歩ける距離だとわかっていながら電車に乗る、なんてことを経験した方も多いのではないだろうか。だが、このEZナビウォークでは、徒歩のみの移動も考慮に入れられるので、都心の移動の場合は特に重宝しそうだ。

 なお、今回の実験では条件指定なしで検索したため、第1候補にはタクシー、第2候補には地下鉄を推奨された。しかし、第3候補にはしっかりと徒歩のルートを引っ張ってきている。通常の使い方では、条件指定なしで検索しておいて、そこから実際取るルートを検討する、といった使い方が一番実用的だろう。

 さて、3番目の徒歩のルートを選択すると、すぐに音声で案内を開始したことを告げられる。このあたりはカーナビと全く同じ感覚だ。ルートをおさらいすると、編集部のある三番町から靖国通りに出て、左手に靖国神社を、右手に日本武道館と千鳥ヶ淵を見ながら九段下の交差点まで坂を下る。そこから目白通り沿いにおよそ500mほど飯田橋方面に北上し、1ブロック東側に入ったところにKDDIがある。道のりにしておよそ徒歩20分、2kmといったところだ。


最初の左折点まで来た。地図上2の位置だ 靖国神社を左手に九段坂方面へ

靖国神社を左手に九段坂方面へ 九段坂の途中だ

九段下交差点を左折する。地図上7 グランドパレスを左手にさらに直進。地図上8付近

飯田橋1丁目の交差点までやってきた。地図上9 ルートから外れるとセッション自体が終了してしまい、現在地の再取得が必要になる

現在地取得をしてリルートを行なったが、とんちんかんなルートを指示された。地図上10付近 再度現在地取得。今度は精度が高いようだ

ナビかメールか、それが問題だ

 ナビゲーション中の動作について簡単にまとめておこう。まず、最も使用頻度が高いと思われるのが地図の回転だ。A5501Tではコンパス機能を搭載していないので、自分が向いている方向が地図のどの向きに相当するのかを常に意識しなくてはならない。一番手っ取り早いのは言うまでもなく、自分の動きに合わせて地図を回転することだ。回転は「*」キーと「#」キーに割り当てられている。地図のズームイン、ズームアウトも可能だ。いっぱいまでズームアウトすると、かなりの広域地図になるので、実用上、地図の倍率に関して困ることはないと思われる。

 地図表示部分の移動も簡単だ。十字キーで地図を動かすだけでスクロールできる。地図の表示速度もなかなかのもので、やはりBREWのアプリケーションが効いているのだろう。スクロールした先から現在地表示に戻るのも1ボタンで済むため、歩きながら周りになにがあるか探る、といった使い方も実用レベルに達している。

 ナビゲーション中の発着信について気になる人も多いだろう。実は一番、このEZナビウォークに関して疑問を感じるのがこの部分だ。音声着信があった場合はナビゲーション中でも当然、通常通りワンタッチで通話を開始し、通話が終了すれば、そのまますんなりナビゲーションの画面に戻せるのだが、発信やメールに関してはそううまくいかないのが歯がゆい。

 発信する場合は一度、ナビゲーションのアプリを終了させなければならない。メールの送受信に関しても同様だ。通話やメールの読み書きが終わってナビゲーションに戻る際は自動位置補正が使えず、現在地の取得をもう一度しなければならないのだ。前述のように現在地の取得には、それなりの時間がかかる。外を歩いているのに、いちいち立ち止まって作業しなければならないのもツラい。

 音声発信はともかくとしても、せめて受信したメールを読み、それに返信するくらいの動作はナビゲーションと並行処理できるようにするべきだろう。ナビウォークを使って待ち合わせ場所に行く、といった使い方は十分考え得るわけで、そうなると当然、待ち合わせ時間の直前には「遅れるよ」「もう着いてるよ」などと連絡する機会も多くなるだろう。ナビを使ったがために待ち合わせに遅れた、というのはシャレにもならない。「ナビかメールか、それが問題だ」という状況になってしまっているのが問題だ。

 それから、電車を交えたルート案内の振る舞いも簡単に説明しておこう。仮に、現在地→徒歩→A駅→B駅→徒歩→目的地、というルートを辿るとする。ルート決定後、A駅までのナビを行なう。到着するといったんセッションが終了し、ルート一覧画面が表示される。ここでは駅到着後、北口に出ればいいのか、A1出口に出ればいいのかなど、出口まで指示してくれるのがありがたい。

 その後、B駅で現在地取得を行ない、目的地までの徒歩ルートを検索するような形になる。電車に乗っている間はアプリケーションを終了し、ほかの作業をしていてもかまわない。どうせB駅到着後に現在地取得から始めなくてはいけないからだ。このように、駅までの徒歩ルート検索と乗換案内がセットになったサービスを受けられるのもEZウォークナビの大きな利点だ。


進行方向が自動的に上部に来るヘッディンアップ機能はないため、自分で位置を把握し、地図を回転させなければならない 広域地図に切替え

まとめ

 これまでEZナビウォークについて一通り解説してきたが、まず思うのは現在地取得のスピードを上げて欲しいということだ。ここがスムーズに行きさえすれば、たとえオートリルート機能がなくとも、メール送受信からの復帰で現在地を取得し直さなければならなくても、そこそこ快適になるはずだ。

 これまでも述べてきたように、道から外れさえしなければ、このEZナビウォーク、ルート検索から案内までをスムーズに、しかも簡単にこなしてくれる。初代のEZナビゲーションとは、類似サービスではあってもまるでそのレベルが違う。特に厳密な時間制限のないレジャー用途には抜群の威力を発揮しそうだ。今後、タウン情報や長距離切符、イベントチケットの購入と連携できるようになると、さらにその世界は広がりそうだ。このレベルの人ナビサービスはまだ他社にはなく、現在のauの大きな強みになっている。さらなる対応端末の投入とサービス改善に期待したい。



URL
  ニュースリリース
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2003/1006/index.html
  サービス案内
  http://www.au.kddi.com/ezweb/au_dakara/ez_naviwalk/

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(伊藤 大地)
2003/12/11 17:51

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