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KDDI高橋氏、iidaは「ライフスタイルまでデザインしていく」

 KDDIは、携帯電話の新ブランド「iida」(イーダ)を発表し、都内で発表会を開催した。KDDIの小野寺正社長、コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏が登壇し、新ブランド創設の経緯や今後の戦略を語った。


KDDI 代表取締役社長兼会長の小野寺正氏。手にしているは、写真左が「宇宙へ行くときのハンドバッグ」、右が「G9」
 KDDI 代表取締役社長兼会長の小野寺正氏は、1月29日の新商品発表会で明らかにした「アンビエント社会」を目指すというテーマを改めて示し、これを実現するためとして挙げた「イノベーティブ」「デザイン」「ユーザビリティ」という3つの要素のうち、新ブランド「iida」ではイノベーティブ、デザインに注力していくことを明らかにした。

 同氏は、同社が「au design project」として取り組んできた7機種や、このうちの4端末がニューヨーク近代美術館の永久収蔵品に選ばれた実績を紹介し、これまでに培われたデザインなどに対する取り組みが「アンビエント社会の実現にむけて大きな柱になる」と説明。新ブランドでは革新性、創造性、芸術性を追求し、「ドキドキするようなものを発表していく」と新たな展開の始まりをアピールした。


au design projectをライフスタイルまで拡大

KDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏

auとiidaの関係
 KDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏は、新ブランド「iida」創設の背景や今後の戦略を語った。

 高橋氏は、多くのユーザーがデザイン性を志向し、「デザインへの期待が高まっている」と市場の背景を説明した上で、新ブランドの「iida」について、「プロダクトを通して、携帯電話にとどまらずライフスタイルまでをデザインしていく」とブランドコンセプトを説明した。iidaは「innovation」「imagination」「design」「art」の頭文字をとったもので、読みは「イーダ」。高橋氏は「イ」にアクセントを付けて発音していた。

 「au design projectを発展させ、ライフスタイルまで拡大したものをiidaの世界と位置付けている」とした高橋氏は、auの既存の携帯電話とiidaの関係について「auが展開するもうひとつのブランド。auでやってこれなかった取り組みも、iidaで取り組めるのではないか」とその姿勢を説明。既存の携帯電話のラインナップの枠にとらわれない、幅広い展開の可能性を示唆した。また、iidaはKDDIの若手社員が集まって取り組んでいる活動であることも明らかにされ、「auの取り組みにもいい刺激を与えるのではないか」と新たなブランド創設による相乗効果にも期待を寄せていた。なお、au design projectやNSシリーズでの取り組みは、iidaに発展的吸収という形で取り込まれることになる。


iidaのプロダクトづくり iidaは4つの要素で構成される

ブランドテーマを「LIFE > PHONE」(ライフ・フォン)とした

G9=GRAPPA 2009

「G9」
 高橋氏は、iidaブランドで発表された端末についても簡単な解説を行った。同ブランドのファーストモデルとなる携帯電話「G9」については、「感性に響く上質なデザインで、使い心地にこだわった製品」と紹介。デザイナーの岩崎一郎氏は、au design projectなどでも同社とコラボレーションを行っている。高橋氏は、「G9」が岩崎氏が2002年にau design projectのコンセプトモデルとして発表した「GRAPPA」の2009年版であることを明らかにし、「G9は“GRAPPA 2009”の略」というエピソードも披露した。

 G9と同等のサイズで、デザイン的にも共通性を持たせた小型プロジェクターについては、「昔からこういうのが実現できたらなと言っていた商品で、やっと実現できた」と語った。


G9は上質感や使い心地を追求したiidaファーストモデルとなる 「G9」を担当したプロダクトデザイナーの岩崎一郎氏。写っているコンセプトモデルは「GRAPPA」

携帯を芸術作品にする試み

草間氏が1985年に発表した「Handbag」をもとにした作品「宇宙へ行くときのハンドバッグ」
 iidaでは、コンセプトに「芸術性」を加えているように、芸術性に対する取り組みも行われる。これらはiidaの「Art Editions」として発表されるもので、ケータイをアートにするという試み。第1弾として前衛芸術家・小説家の草間彌生氏がこれまでに発表した芸術作品を携帯電話に落とし込んだ“作品”を展開する。高橋氏は、「アートの領域にも踏み出す。アート作品を一変させる試み」として、周辺機器やグッズと携帯電話を作品として融合させた3作品を紹介した。


「ドッツ・オブセッション、水玉で幸福いっぱい」はのぞき穴の付いた箱で草間氏の世界を体験できる 「私の犬のリンリン」は犬の胴体が携帯に

NSシリーズを吸収、ACアダプターにカラーバリエーション

 iidaではまた、auのNSシリーズのコンセプトを吸収・発展させたような、シンプルで飽きのこないデザインの製品も展開される。「misora」(ミソラ)として発表された携帯電話は、青空、夕日、月明かりをモチーフしたカラー展開であるとし、名称については「水と空をかけあわせた造語」と紹介された。misoraのデザイナーは迎義孝氏で、au design projectでも活躍した小牟田啓博氏が率いるKom&Co. Designがプロデュースを行う。

 ライフスタイルという観点からも、iidaでは周辺機器にも展開を拡大し、「トータルで演出する」という。ACアダプターとして、自然をイメージした「MIDORI」「AO」「SHIRO」「MOMO」「CHA」の5色が用意され、無機質になりがちな周辺機器にもその範疇を広げていく。


misora 5色展開のACアダプター

新たなコンセプトモデルの一端も披露

iidaの世界とプロダクト
 高橋氏はまた、これまでに発表されたコンセプトモデル「ガッキトケータイ」「PLY」「SOLAR PHONE」についてもiidaの中で活動を継承していくことを明らかにし、さらに8つの写真で新たなコンセプトモデルの一部を披露。「フューチャー・コンセプトも次々と企画していきたい」と意欲を示した。

 高橋は最後に、「iidaとはひとつのステージのようなもので、さまざまなデザイナーがアイデアを提案できる。iidaは始まったばかり。これからの展開にぜひとも期待していただきたい」と語り、新たな展開への意気込みを示した。

 発表会で設けられた質疑応答の時間では、周辺機器の範疇について問われたが、高橋氏は「デザイナーの想像力によるところが大きいが、例えば音楽やスポーツの周辺機器もあるだろうし、範疇はきめていない」と説明した。デザイナーとのコラボモデルという意味における、他キャリアの取り組みとの違いについては、「携帯のみならずライフスタイルまでの演出をデザイナーが行い、他キャリアとはおのずと違ってくる」とし、幅広い範囲で展開されるiidaの取り組みを説明した。



URL
  ニュースリリース
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2009/0407/
  iida
  http://iida.jp/

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心地よさを追求するスタンダードモデル「misora」


(太田 亮三)
2009/04/07 14:05


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