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KDDI、携帯間の接続料で規制撤廃を主張

 KDDIは12日、総務省で進められている「接続ルールの見直し」に関する報道関係者向け説明会を開催した。通話料に含まれる“接続料”や、NTTが進めるNGNなどに関して、同社の主張が紹介された。


携帯の接続料は規制を撤廃すべし

 接続料(アクセスチャージ)とは、A社の電話からB社の電話にかけた場合、B社のネットワーク使用料として発生する料金のこと。日本では、エンドユーザーが支払う通話料はA社が設定した料金を支払い、その通話料のうち、B社に対して接続料が支払われることになる。電気通信事業法により、携帯電話事業者ではNTTドコモとKDDIの2社は接続料を公表する義務がある。

 総務省では、携帯電話や光ファイバー網の普及などを受け、通信市場における新たな接続ルールの検討を進めている。6日には、関係各社に対するヒアリングが行われ、11日にはNTTドコモが自社の主張をあらためて紹介する報道関係者向け説明会を開催した。そして12日には、KDDIも自社の主張を紹介する報道関係者向け説明会を行った。

 携帯電話市場での接続ルールに対し、KDDIの説明会では、プラットフォーム機能(課金・認証など)や、機能のアンバンドル(インフラと機能の分離)、接続料などについて紹介が行われた。

 まず機能のアンバンドルについては、固定回線の場合、事実上、NTTが国内市場をほぼ独占している状況にあることからアンバンドルが必要なものの、移動体市場では、キャリア各社が自前の設備を全国展開していることから、共通ルールの整備は必要なしとした。また、課金や認証、GPS機能などのプラットフォーム機能のオープン化については、第二種指定電気通信設備に追加して規制対象とするのではなく、コンテンツプロバイダなどとの協議が進展しなければ、紛争処理委員会などの手段で解決すべきとした。

 移動体市場では、各社が自前設備の構築に取り組み、競争が保たれているとして、接続料の算定ルールは不要とした。各社が値下げした場合の影響は、KDDIの携帯事業(au)では対携帯・対固定ともに減収となり、KDDIの固定事業では携帯への支払いが減ることから増益効果が見込めるものの、KDDI全体としては減益になるとした。

 他社での影響については、想定という形で説明が行われた。それによればNTTドコモは減収減益で、ソフトバンクモバイルは対携帯では増益、対固定では減益となり、全体では減収で利益は横ばいと推測されている。またNTT東西は、結果的に増益効果がもたらされるとし、NTTドコモを含めたグループ全体としては、相殺か増益になるとした。


KDDIの小渕氏

KDDIの小渕氏
 説明を行ったau企画調整グループリーダーの小渕 和治氏は「接続料の値下げは料金値下げとは関連しない。値下げは携帯と携帯の間の場合、大きな減益にはなっていないと認識しているが、NTT東西の増収効果はドコモの減益をカバーしているのではないか。ソフトバンクモバイルについては、当社からの支払いのほうが多いのは間違いないが、金額などは明らかにしていない。単価差以上にトラフィックがあるという雰囲気だ」と述べた。

 また、「各社によって設備や採用技術が異なり、コスト構造は大きく違う。また自網内の通話定額や家族内通話定額の導入時期などによってトラフィックの伸びが異なる。コストが回収できなければ設備競争にはプラスにならない」と述べ、各社ごとに異なる接続料になることは当然の帰結との見解を示した。一方、携帯側の接続料値下げがNTT東西にとっては増益効果になると推定されることについて、会見終了後にあらためて尋ねたところ「NTT東西が独占状態にあるため。携帯側の接続料設定にはルール策定は不要と考えているが、固定網については規制が必要ではないか」と語っていた。


キャリア同士のMNO、設備投資が前提でケースごとに判断を

KDDI岸田氏

KDDI岸田氏
 MVNO関連については、電波を割り当てられている携帯・PHS事業者は設備投資を行うことが前提であり、設備競争しなければ本末転倒の事態になるとした。既存キャリアが他社のネットワークを借り受けることについては「かつてツーカーは東名阪だけに免許が割り当てられたため、それ以外の地域はローミングとして他社網を借り受けた。このように場合によっては既存キャリア同士でローミングやMVNOがあってもいい。ただし、電波を割り当てられたキャリアが設備投資を放棄するようなことになればおかしい。運用の仕方に注意すべき」(KDDI渉外・広報本部渉外部の岸田隆司氏)として、既存キャリア同士のローミング・MVNOは一律に否定せず、ケースごとに判断すべきとした。

 ただし、設備投資が適切に行われているかどうか、外部からチェックすることは現実的に難しい面があるとも話しており、今後、業界全体で検討を進めるべきとの考えも明らかにされた。

 このほか会見では、固定回線の接続ルールについて、現行ではNTTが配置した屋内配線の場合、KDDIに切り替えると屋内配線を張り直す必要があること、NTT東西が進めるNGNでは他の通信事業者がサービス提供できない形になっていることなどが指摘された。



URL
  KDDI
  http://www.kddi.com/

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(関口 聖)
2009/03/12 17:54


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