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KDDI・テレビ朝日・朝日新聞、コンテンツ配信で提携

 KDDIとテレビ朝日、朝日新聞社は、それぞれ保有する経営資源を活かしたビジネスを共同で行うことで合意した。3社では15日、都内で記者会見を開催し、KDDI取締役執行役員常務の高橋誠氏、テレビ朝日常務取締役経営戦略室長の神山郁雄氏、朝日新聞社常務取締役営業統括の吉田慎一氏が出席し、説明を行った。


有料の情報配信サービスに

左から朝日新聞社の吉田氏、KDDIの高橋氏、テレビ朝日の神山氏

左から朝日新聞社の吉田氏、KDDIの高橋氏、テレビ朝日の神山氏
 3社の連携により、まずauの携帯電話向けサービスが2009年夏に開始される予定。現時点で想定されているサービス内容は、テレビ朝日と朝日新聞が取材した各ジャンルの最新情報や、番組関連コンテンツを一斉同時配信(マルチキャスト)する。また、十大ニュースなどの号外情報を24時間体制で配信したり、ユーザーの好みや居住地など属性にあわせた情報を配信する。

 仕組みとしては、EZチャンネルで用いているマルチキャストや、緊急地震速報で利用する「BroadcastSMS」を使い、テキストによるニュースや映像コンテンツを提供する。普段はマルチキャストでニュース・動画を配信し、号外のようなニュースを配信する場合は、BroadcastSMSで配信する。これらの情報配信時にパケット通信は利用されない。

 具体的な収益モデルは決まっていないが、高橋氏は「広告配信も検討はしているが、現時点では有料サービスになるのではないか」と述べた。また、会見終了後に報道陣の囲み取材で「ドコモのiチャネルと同額程度になるのでは。収益分配はどうなるか決まっていないが、3社で分配するのが一般的だろう」と語り、月額100円~150円程度の有料サービスになるとの見通しを示した。


タイムリーな配信を重視、個人にあわせた情報も

情報配信サービスでは、4つのポイントがあるという

情報配信サービスでは、4つのポイントがあるという
 第1弾のサービスとして、テレビ朝日と朝日新聞の取材力を活かしたコンテンツ配信が行われる方針が示されたが、サービスコンセプトについて、高橋氏は「普段生活する上で情報に接するのは、新聞やテレビ、ネットなどさまざまな接点がある。ユーザーが欲しい情報のレベル、内容にあわせたメディアから入手する」と述べ、今回のサービスでは「タイムリー」「コンフォタブル(快適性)」「リッチ」「パーソナル」の4点がポイントとした。

 中でも、最も重要な点とされたのは「タイムリー」で、サービス提供にあたり、24時間ニュースを配信できるよう、3社ではどこよりも早く配信できる体制を構築するという。そのために、テレビ朝日と朝日新聞では、24時間体制でリアルタイムに情報配信できる体制を作る。

 また次いで重要な点は「パーソナル」、つまり個人に応じた情報配信とされた。高橋氏は「これまでは全ユーザーに対し、同じ内容のニュースが配信されていたが、ユーザーの趣味趣向、居住地によってニュースの価値、優先度は異なる」と述べる。たとえば、天災や交通情報など地域に根差したニュースの場合、居住地によって情報の重要性が変わってくる。今回の提携では、個々人にあわせた情報配信ができるような仕組み作りを目指すという。


最も重要視されるのは「タイムリー」 次いで「パーソナル」も重要な点とされた
最も重要視されるのは「タイムリー」 次いで「パーソナル」も重要な点とされた

 テレビ朝日の神山氏は、サービスコンセプトを示す「今日が変わる。生活に気づきときっかけを」というキャッチコピーを掲げ、プッシュ配信による情報配信の利便性をアピールした。また朝日新聞社の吉田氏は「今回のサービスは、新しいポータルを作るということ」と述べていた。

 現時点ではニュースなどの情報配信が想定され、テレビ朝日のドラマ・バラエティといったコンテンツの配信については全く触れられなかった。またKDDIでもエージェント機能の提供を検討しているものの、高橋氏は「エージェント機能はまだ難しい部分がある。今回の提携などを含めて進化できればいい。それよりもエリアやユーザーにあわせて重要なニュースを配信できれば、と考えると、今回の取り組みは面白くなると思う」と語り、エージェント機能との連携は可能性の1つとして否定しないものの、重要性は低いとの認識を示した。


他社の参入も歓迎

他社の参画も呼びかけ

他社の参画も呼びかけ
 テレビ朝日と朝日新聞社では、6月に提携関係強化の発表を行った。テレビ・新聞の枠組みを超えた新しい取り組みを模索していた両社では、同時期にKDDIに対して提携を打診。3社のトップの意見が一致し、約6カ月かけて提携に向けて協議を行い、今回の発表に至った。

 テレビ朝日・朝日新聞社にとっては、テレビ放送や新聞という媒体に加えて、通信による情報配信は大きなチャレンジという。KDDIに声をかけた理由としては「携帯や固定双方での展開を踏まえ、クロスメディアなどを検討する際、KDDIが一番スムーズに提供できるのではないかと感じた」と述べ、将来的にはモバイルのみならず、固定系でのサービス提供を見据えていることも示唆した。

 また、朝日新聞社の吉田氏は「ポータルとして提供する以上、他社の参入も歓迎する」と述べたほか、KDDIの高橋氏は「KDDIがプラットフォームとして提供するので、いろんな方に入ってもらい、新しいクロスメディアビジネスを届けたい。既にCNNのニュースを国内で手掛けるターナー・インターナショナルが賛同しており、CNNの日本語ニュースも配信できるだろう。またグーグルにも協力をお願いしたい」と語り、情報配信を希望する企業の参加を呼びかけた。

 事業計画の詳細は今後詰めていくとのことだったが、第1弾の情報配信サービスに続き、広告配信事業や通販分野での提携サービス実現も検討される。また、達成時期は明言されなかったものの、目標ユーザー数として1000万契約を目指すことが明らかにされた。


3社それぞれの強みを活かす 3社によるサービスは情報配信のほか、広告事業や通販(EC)事業も
3社それぞれの強みを活かす 3社によるサービスは情報配信のほか、広告事業や通販(EC)事業も


URL
  KDDI ニュースリリース
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2008/1215/
  テレビ朝日 プレスリリース(PDF形式)
  http://company.tv-asahi.co.jp/contents/press/0130/data/20081215pressrelease.pdf
  朝日新聞社
  http://www.asahi.com/

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(関口 聖)
2008/12/15 17:08


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