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KDDIの小野寺氏
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KDDIおよび沖縄セルラーは、デジタルラジオ対応の「W44S」を発表。音楽ビデオのダウンロードサービスなど新たなサービスなども発表され、KDDIの代表取締役社長兼会長の小野寺正氏から、新サービス提供に向けての意気込みが語られた。
小野寺氏はまず、デジタルラジオについて「高音質の音声、映像、データからなるマルチメディア放送サービス」と説明。2003年にFMラジオチューナーを搭載した携帯電話を発表したauだが、同氏は「ラジオ放送中の楽曲名表示機能や、着うたフルのダウンロードが好評を得ている。この結果、FMケータイは9月に1,000万台を突破した。魅力のあるデジタルラジオを放送局と協力して新たなラジオサービスとして提案していきたい」と語った。
また、初のデジタルラジオ対応機となる「W44S」については、「本格的なAV機器としてのたたずまいを持つ端末」とアピール。新サービス「ビデオクリップ」などを加えて、LISMOを総合音楽サービスとして展開していくという。
同氏は最後に、「auは顧客満足度調査で3年連続1位、今年は、初めて全国9地域全てで1位となった。全国どこでも繋がる3Gのネットーワークに、デザインの優れた端末、LISMOやGoogle検索といったリッチコンテンツ、安心して利用できる料金などの総合的な満足度が高い評価にとなった。MNPでもおかげさまで好調なスタートを切っており、今後もユーザーの期待に応えられるよう、さらなる満足度の向上につとめたい」と話した。
■ 後藤氏「デジタル時代のJET STREAMのような番組を」
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画面右からエフエム東京の後藤氏、KDDIの小野寺氏、音楽ビデオの配信を行なうレーベルゲートの代表取締役社長の今野敏博氏
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また、エフエム東京の代表取締役会長の後藤亘氏は、FMチューナーに対応した携帯電話が1,000万台を突破した件について、「ラジオの復活に大きな意味合いを持っている。デジタルラジオは、これまでのラジオの概念を超えたところにある。イマジネーションの世界をベースにしながら、映像で一層の想像力を使う。いよいよ12月から放送が開始される。番組を送る立場として、20時間の放送態勢を整えて提供していきたい」とコメント。
また、デジタルラジオの普及に対して「我々は本当に良い番組を提供していかなければならない。実用化試験放送となるため、いろいろと疑問があるようだが、FM TOKYOのスタート前、FMラジオは10年間も実用化試験局で運営された。そして、その間に『JET STREAM』(長寿音楽番組)が生まれた。デジタル時代のJET STREAMのような、象徴的な番組を提供していきたい」とした。
このほか、司会を行なったFM TOKYOのパーソナリティの赤坂泰彦氏は、「ラジオショッピングの形も変わる。ラジオの味も変わる。映像があるため表情が伝わる。番組中、良いメールでも時間の都合で紹介できない場合がある。こうしたメールもデータ放送で番組テロップのように流せる。聞くだけでなく見て楽しんで欲しいと思う。これからはスタジオにあまりだらしない格好でいけないな」と話していた。
なお、3セグデジタルラジオ放送で配信されるチャンネルは3チャンネル。701chは人気DJによる音楽ヒットチャート番組、702chは良質な音楽や写真や絵画なども楽しめる番組、703chはニュースチャンネルとなる。
ただし、デジタルラジオは当初、東京・大阪のみでしか利用できない。この点について後藤氏は、「名古屋・福岡でやりたいと思っているが、現在テレビ局のすきまの7chでやっており、いろいろな問題もある。全国サービスは2011年頃となり、それまでは大都市中心でやっていけるよう、努力していきたい」と話した。
■ KDDI高橋氏、新サービスを説明
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W44Sの概要
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KDDIのコンテンツ・メディア事業本部長の高橋誠氏からは、端末や新サービスについて説明があった。
同氏はまず、auの音楽サービスの状況を明らかにした。着うたが3億8,800万ダウンロード、着うたフルが7,800万ダウンロード、EZ待ちうたが72万契約となっており、「非常に大きな数字」(高橋氏)と述べた。また、ワンセグ対応端末についても10月22日で100万台を達成。各社が出遅れる中、対応端末のシェアは70%となっているとした。
デジタルラジオについては、「既存のラジオ放送をデジタル化するのではなく、音を中心とした新たな放送サービス」と説明。放送波を利用したコンテンツ配信については「視聴しながら知らないうちにダウンロードできる。データフォルダに記録したものをライセンスを取得して利用する」とアピールした。
なお、発表された「W44S」については、「高画質、高音質、AV機器ライクなデザイン」と表現。端末には、ワンセグとデジタルラジオ、EZチャンネルプラスが閲覧できるマルチメディアプレーヤーアプリ「au Media Tuner」がプリセットされている。これにより、番組のスムーズな切り替えが行なえるという。
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サービス利用状況
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ワンセグ対応端末が100万台突破
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音楽に触れる機会を増やす
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通信放送連携サービス
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au Meidia Tuner
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LISMOのビデオクリップ機能
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■ 小野寺氏×EXILE、auのキャンペーン
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小野寺氏とEXILEの面々
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発表会のラストには、ボーカル&ダンスグループ EXILEが登場。KDDIの小野寺氏とEXILEが1枚の写真に収まるという貴重なフォトセッションも行なわれた。
auでは、「au×EXILE ~第二章から」と題して、12月14日から2007年1月31日までキャンペーンを展開する。タイアップソング「Lovers Again」のauバージョンのビデオクリップや、着うたフル、EZトークコレクションなどがプレゼントされる。また、auの音楽CD販売サイト「au Records」では、auバージョンのCDなども限定販売される。期間中は、公式メニューのGoogle検索で「エグザイル」と検索するとサイトにアクセスできる。
なおEXILEは、ボーカルが脱退したことを受けて、9月に新ボーカリストを迎えた。auは新たなサービスを展開するなど、双方ともに「第二章」の幕開けということでこのタイトルになったという。
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EXILEのリーダー HIRO(左)とボーカルのATSUSHI(右)の中央には小野寺氏
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■ URL
W44S ニュースリリース
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/1116/
LISMO新サービス ニュースリリース
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/1116a/
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(津田 啓夢)
2006/11/16 18:36
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