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孫氏、合弁会社や今後の端末について語る

 18日、ソフトバンクとボーダフォンから発表された合弁会社設立に関連して、都内で記者会見が開催された。説明を行なったソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、合弁会社の事業内容の重要性をアピールするとともに、今後のボーダフォンに関する方針も明らかにした。また、ボーダフォングループCEOのアルン・サリーン氏、ボーダフォン欧州責任者のビル・モロー氏の両氏も合弁会社の意義を説明した。


端末はどうなる?

905SHを手にする孫氏

905SHを手にする孫氏

端末の共同開発・調達が合弁会社を通じて行なわれる

端末の共同開発・調達が合弁会社を通じて行なわれる
 合弁会社が手掛ける主業務の1つは、端末の共同開発および調達。一時期「コンバージェンス」と称される機種がボーダフォンからリリースされていたが、これらはメニュー体系や機能などが海外市場を意識した点が強いと指摘する声もあり、会見では、合弁会社による端末がどのようなものになるか問う声もあった。

 孫氏は「ユーザーのニーズを十分にくみ取れなかった機種が出ていた時期はあったが、モロー氏が日本に赴任して、“それではダメだ”と指揮した機種が最近リリースされている。たとえば905SHは、日本のユーザーに最適化した機種として開発されている。今後もこうした機種を続々と出していくのが前提になる」と述べ、国内市場の動向を把握する重要性をあらためて説明した。

 この点について、これまでボーダフォン日本法人の社長を務めてきたモロー氏も発言。同氏は「世界のどの地域でもニーズや要求水準は異なる。日本市場は要求水準が高く厳しいが、それに見合う機種であれば購入するというユーザーが存在する。しかし欧州市場では、どこまでの金額であれば端末が売れるのか、考慮しなければいけない。そういった点で日本とは異なる部分がある。一方で重なるところもある。端末の技術革新を提供できれば、それはメリットになるはずだ。昔のコンバージェンスとは全く違うものと理解していただきたい」と述べた。

 孫氏は「世界中の最先端ユーザーが求める機能というものがある。それは国の文化に関係しない先端技術。パソコンでたとえるならば、マザーボードにあたる部分は共通化でき、その上に乗るソフトウェアやキーの操作性などは、各国のユーザーにあわせて開発できると見ている」と述べた。

 また、共同開発および調達される携帯電話のメーカーが国内メーカーか、あるいは海外メーカーのどちらが主流になるのか、という点について孫氏は「合弁会社の出資比率は50%ずつで、どちらかが主導権を握るということはない。当社とボーダフォングループとは互いに信頼関係が構築され、その事業も分かり合った仲間。海外メーカーと国内メーカー、どちらが主流になるのかという点については、パソコンの世界ではWindows登場前後が良い例になる。Windowsが登場する前、ハードウェアメーカーは国内に閉じて事業展開していたが、Windows登場によって海外向けに出荷しやすくなった。携帯電話でも、ソフトウェアのプラットフォームが構築され、それが標準的な存在になるのであれば、国内メーカーにも大いにチャンスがある。既にW-CDMAという世界標準技術を取り入れており、メーカーにとっては一気に広げられるチャンスだ」と語った。

 孫氏は、端末の共同開発・調達は、機能強化やコストダウンにも繋がるとの見解も示した。


日本の先端性がウリになる

ボーダフォン・サリーン氏

ボーダフォン・サリーン氏

モロー氏

「合弁会社を通じて世界は日本を見ることになる」と述べたモロー氏
 日本の端末メーカーは、世界市場で見るとシェアは低い。欧州を中心に世界中で事業展開するボーダフォンにとって、合弁会社による端末の共同開発・調達はどのようなメリットがあるのか。サリーン氏は、日本市場が世界の先端を走る点にあると指摘する。

 サリーン氏は「今回の日本法人売却は、ユーザーや社員、我々の株主といずれの立場にとっても利益があること。日本市場のようにモバイルとインターネットともに、これだけ進んだ国はほかにない。我々は、売却によって、このようなイノベーションのチャンスは失いたくないと考えた。そのため、新会社を設立したのであり、これは当然のパートナーシップと言える。ソフトバンクはインターネット業界でのリーディングカンパニーであり、モバイル業界でのリーディングカンパニーである我々と手を組んだ。個人的には非常に嬉しく思う」と語った。また同氏は、孫氏に対して「マサ」と呼びかけ、「孫氏の企業家精神、飛躍の精神を評価している。個人的にはユーザーに近い立場であることが重要とアドバイスしたい」と語り、互いの信頼関係をアピールした。

 またモロー氏は「欧州に戻って気づいたが、欧州ユーザーは日本のような先進性をボーダフォンに対して期待している。世界の人々は合弁会社とソフトバンク、ボーダフォンを通じて、日本を見ることになる」とも述べていた。


ブランド名決定の理由とは

ブランド名は「ソフトバンク」に

ブランド名は「ソフトバンク」に
 ボーダフォンは10月1日に社名を「ソフトバンクモバイル」に変更する。社名変更にあわせて、ブランド名も「ソフトバンク」に変更される予定だ。

 孫氏は、ブランド名を親会社と同じにしたのは「携帯電話事業を本業にするため」と説明する。決定に至るまでの経緯に触れた同氏は「いろいろと迷った。しかし、ソフトバンクグループの相乗効果を発揮でき、本業としていくために“ソフトバンク”というブランド名に決定した。全国的に見てもソフトバンクというブランドの認知度は相当高まっている」と述べた。

 新ブランド名の候補は2,000ほどあったという。孫氏は「奇抜なものも含めて、多くの候補があった。ネット上ではおもしろおかしく“ボーダソン”や“ソンダフォン”とする声もあったようだが、奇抜というものでも真面目に考えられた候補だった。そうした候補をトーナメントのように、社内外で調査・投票した結果、“ソフトバンク”に決定した。最後の最後まで結果はわからなかった」と語っていた。

 このほか同氏は、同日に発表されたKDDIとグーグルの提携を受けて、「ヤフーにとって、グーグルは重要なライバルの1つ。軽く見ているわけではないが、日本の検索サービスではヤフーのほうがユーザー数は多い。その背景を携帯でも最大限に活かしていきたい」と意欲を見せた。また、ワンセグやHSDPAについては「どのような機種を今後投入するかはノーコメント。(ノーコメントの理由は)ADSLのスタート時に、多くのユーザーを待たせてしまったことを反省したため。いずれにせよ、ワンセグの重要性は理解している。また、HSDPAについては、この秋から全国主要都市でネットワークができてくる。サービス開始時期や端末については、準備が整えば発表したい」とした。

 また、アップルとの協業を伝える一部報道について、孫氏は「これは完全な憶測記事。憶測に対してはコメントしないというのが当社のポリシー。ただし、今後、さまざまな端末の投入を進めていきたい」と語った。



URL
  ソフトバンク 合弁会社設立について
  http://www.softbank.co.jp/news/release/2006/060518_0001.html
  ソフトバンク ボーダフォン商号・ブランド変更について
  http://www.softbank.co.jp/news/release/2006/060518_0002.html
  ボーダフォン(英文)
  http://www.vodafone.com/

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(関口 聖)
2006/05/18 18:02

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