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ドコモ、中学生でも入会できるクレジットサービス「DCMX」

NTTドコモ夏野氏

NTTドコモ夏野氏
 NTTドコモは、おサイフケータイで利用可能なクレジットサービス「DCMX」を発表した。同社では4日、都内で記者会見を開催し、プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野 剛氏からプレゼンテーションが行なわれた。


ドコモが発行するクレジット

「貨幣」「電話のボタン」「世界地図」「王冠(信頼のシンボル)」が電話機をモチーフにした“盾”の上にあしらわれた「DCMX」の紋章

「通貨」「電話のボタン」「世界地図」「王冠(信頼のシンボル)」が電話機をモチーフにした“盾”の上にあしらわれた「DCMX」の紋章
 「DCMX」は、ドコモが提供するおサイフケータイ向けクレジットサービス。その名称は「DoCoMoのX」を意味するという。同社では、「iD」という名称のクレジットサービスを提供しているが、こちらは決済プラットフォームで、今回の「DCMX」はドコモ自身が発行するクレジットブランドになる。

 「iD」を使ったクレジットサービスは、三井住友カードが「三井住友カードiD」という名称で提供しているが、今回はドコモが三井住友カードと同じの立場となって、エンドユーザーに対して直接クレジットサービスを提供する形になる。

 サービス内容としては、「DCMX mini」「DCMX」と2種類のラインナップが用意される。申し込みは、専用アプリやWebサイト、書面で受け付ける。未成年ユーザーは親権者の同意が必要となるため、書面での申し込みのみとなっている。

 なお、現在、ドコモの携帯電話の利用料をクレジットカードで決済しているユーザーは、「DCMX mini」を利用できないが、口座振替や請求書など他の支払方法に変更すれば利用できる。今後登場する機種には、「DCMX」のアプリが標準搭載される予定。機種変更時は、再発行という形になる。


【お詫びと訂正】
 記事初出時、「現在、ドコモの携帯電話の利用料をクレジットカードで決済しているユーザーは、『DCMX』『DCMX mini』ともに利用できない」と記載しておりましたが、正しくは「現在、ドコモの携帯電話の利用料をクレジットカードで決済しているユーザーは、『DCMX mini』を利用できない」です。お詫びして訂正いたします。


中学生から利用できる「DCMX mini」

おサイフケータイのみで利用できる「DCMX mini」

おサイフケータイのみで利用できる「DCMX mini」
 4月28日より提供される「DCMX mini」は、12歳以上(小学生除く)から利用可能なサービス。おサイフケータイだけを使う形となり、iアプリをダウンロードして、ネットワーク暗証番号(iモード用の暗証番号)を入力するとすぐに利用できる。ポイントサービスは用意されていない。

 「iD」対応店舗でのみ利用でき、通販などでは使用できない。利用可能な金額は、1カ月間に最大10,000円で、支払いはドコモの基本利用料と一括請求される。支払いは一括払いのみ。年会費は無料で、アプリ上で利用状況の確認も行なえる。あらかじめ契約者本人が届けて出ていれば、「DCMX mini」の申し込みを制限することもできる。

 未成年でも利用可能となることで、利用額の制限などが可能かどうか、という点について同社では「上限1万円だが、3,000円や5,000円といった設定ができるようにしていくかどうか、現在検討中。また、携帯電話の利用料と合算した金額(携帯+DCMXの支払い金額)で上限を定められるかどうかも検討中」としている。


手続きはアプリをダウンロードし、ネットワーク暗証番号を入力するだけ。未成年者は書面での申し込みになる 「DCMX mini」アプリ画面 利用可能額を参照したところ
手続きはアプリをダウンロードし、ネットワーク暗証番号を入力するだけ。未成年者は書面での申し込みになる 「DCMX mini」アプリ画面 利用可能額を参照したところ

おサイフケータイ+プラスチックカードの「DCMX」

通常のクレジットと同等の使い勝手となる「DCMX」

通常のクレジットと同等の使い勝手となる「DCMX」

「DCMX mini」からのアップグレードとしても申し込める

「DCMX mini」からのアップグレードとしても申し込める
 「DCMX」は、通常のクレジットカードと同等の使い勝手を実現したサービス。5月下旬開始予定。18歳以上のユーザー(高校生除く)が利用できる。特典として、利用額に応じてドコモポイントが貯められる。おサイフケータイに加えてプラスチックカードも発行され、VISA、MasterCard(予定)のブランドに対応する。利用可能限度額を20万円以上に設定できるゴールドカードが用意されるほか、会場内にはプラチナカード、ブラックカードが展示されていた。

 おサイフケータイ内のアプリと、プラスチックカードには異なる番号が割り当てられており、おサイフケータイでの決済は店頭のみに限られる一方、プラスチックカードは、通販や海外(VISA/MasterCardでの決済)で決済できる。店頭でプラスチックカードを使う場合は、サインや4桁の暗証番号が必要となる。

 支払いは「DCMX mini」と異なり、携帯電話の利用料とは別に請求される。一括払い、分割払い、リボルビング払いが可能で、キャッシングサービスも利用できるようになる予定。通販で決済する場合は、「DCMX」のプラスチックカードに刻印されている番号を入力する形になる。

 「DCMX」では、ネットワーク暗証番号の入力のみですぐに利用できる「DCMX mini」と異なり、申し込み後の審査を経なければ利用することはできない。申し込みそのものは、書面のほか、「DCMX mini」のアプリからも可能となっており、ネットワーク暗証番号と生年月日を入力することで、申し込みフォーム内の住所や氏名、電話番号といった情報が自動入力される。ただし、勤務先などの情報はユーザー自身の手で入力して申し込む形になる。審査期間は約2週間。

 初年度の年会費は無料だが、次年度以降は年会費1,312円かかる。ただし、年1回以上利用すると、次年度以降も年会費は無料になる。


ゴールドカード版の存在が明らかにされた 会場内では、プラチナカード、ブラックカードも展示

「DCMX」アプリ画面 メニュー アプリで番号を参照したところ。プラスチックカードに刻印される番号とは異なる
「DCMX」アプリ画面 メニュー アプリで番号を参照したところ。プラスチックカードに刻印される番号とは異なる

おサイフケータイから「DCMX」申し込み手続き 勤務先情報などはユーザー自身の手で入力する 申し込みから約2週間で利用できるようになる
おサイフケータイから「DCMX」申し込み手続き 勤務先情報などはユーザー自身の手で入力する 申し込みから約2週間で利用できるようになる

夏野氏「クレジット市場、少額決済分野は成長が見込める」

夏野氏が示したクレジット市場の推移と、日米の比較
 プレゼンテーションを行なった夏野氏は、登壇直後「DCMXのために、私はドコモに入社し、iモード、おサイフケータイを提供してきたと言っても過言ではない」と述べ、「DCMX」に対する期待感を示した。

 同氏は、通信事業者であるドコモがクレジットサービスを展開する理由として、「クレジットがあまり使われていない少額決済に対して、本気で取り組むクレジット事業者がいなかったため、我々自身でやることにした。米国では、クレジットカードでは購入できない自動車や不動産といった部分を除いた消費金額のうち、クレジットが24%を占めている。しかし、日本では、クレジット市場が順調に拡大しているものの、消費額のうちわずか9%しか利用されておらず、まだまだ伸びる余地がある」と説明した。


狙いは少額決済市場 4月3日時点で、同社のおサイフケータイは1,200万台
狙いは少額決済市場 4月3日時点で、同社のおサイフケータイは1,200万台

左から文田氏、夏野氏、水野氏、山中氏

左から文田氏、夏野氏、水野氏、山中氏
 また夏野氏は「DCMX」をスタートするにあたって、使いやすさを含めてデザインを行なったことを紹介。「iD」のブランディングを担当したアートディレクターの水野学氏が、ロゴマークなどを含めたブランドデザインを手掛けたほか、新宿や表参道にオープンする店舗では、日産銀座ギャラリーなどを手掛けたデザイナーの文田 昭仁氏がデザインを行なっている。

 店頭に設置されるリーダーライターのコンセプトモックも紹介されたが、こちらは、Suicaの改札機などを手掛けたプロダクトデザイナーの山中 俊治氏がデザインしているという。そのリーダーライターにおサイフケータイをかざした時に鳴る音は、リラックスしやすい楽曲を多く手掛ける作曲家の小久保 隆氏が担当している。

 夏野氏は、ブランド構築について「DCMXでは、入会が簡単なこと、ドコモならではのサービスや特典を提供すること、そしてデザインにこだわっている。世の中にはさまざまなクレジットカードが存在するが、おしゃれなデザイン、かっこいいデザインのカードはあまりない。DCMXではそこにこだわりたかった」と説明した。

 非接触ICを使ったさまざまなサービスが登場しているが、現在のところ、それぞれのサービスごとに店頭には個別のリーダーライターが必要となっている。この点について夏野氏は「SuicaとiDについては、2007年より共用のリーダーライターが登場する。その他のサービスについては、加盟店から要望があれば積極的に取り組んでいきたい」とした。


請求書も新たにデザインされた 表参道にオープンする店舗(カフェ)の模型 山中氏デザインのリーダーライターのコンセプトモック
請求書も新たにデザインされた 表参道にオープンする店舗(カフェ)の模型 山中氏デザインのリーダーライターのコンセプトモック

 またおサイフケータイに内蔵されるFeliCaチップは、現在5KBという容量だが、同氏は「普通は問題ないだろうが、ヘビーユーザーにとっては容量が足りないという声もある。2006年度後半に投入するおサイフケータイでは、容量を拡大したICチップを搭載していく予定」とした。

 セキュリティ面については、ドコモの窓口に電話するだけで、通信経由でおサイフケータイの非接触ICやアドレス帳、メールなどをロックできる新サービス「おまかせロック」が新たに提供される予定であることが明らかにされた。ただし、その詳細については今後あらためて発表されるという。

 一部のおサイフケータイでは、指紋認証や顔認証をサポートしているものもあるが、夏野氏は「今後、バイオメトリクス認証は基本的に搭載していきたい。全機種搭載かどうかは未定だが、大半の機種でサポートしたい」と語った。


夏野氏は、今後投入する機種の大半にバイオメトリクス認証を導入する考えを示した 新サービス「おまかせロック」が登場するという
夏野氏は、今後投入する機種の大半にバイオメトリクス認証を導入する考えを示した 新サービス「おまかせロック」が登場するという


URL
  ニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/20060404.html
  サービス概要
  http://www.nttdocomo.co.jp/service/dcmx/special/top.html

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(湯野 康隆, 関口 聖)
2006/04/04 14:55

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