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JEAG、迷惑メール対策の提言書を策定

KDDIの技術統轄本部 プラットフォーム開発本部 FMCプラットフォーム開発部の本間輝彰氏
 携帯電話事業者やインターネットサービスプロバイダー(ISP)らが参画する、技術面から迷惑メール対策を考えるワーキンググループ「JEAG(Japan Email Anti-Abuse Group)」は、ISPや企業などが迷惑メール対策を導入する際の指針となるようリコメンデーション(提言書)を策定した。JEAGでは24日、都内で会見を行なった。

 JEAGは、NTTドコモ、KDDI、ボーダフォンや、インターネットイニシアティブ(IIJ)、パナソニック ネットワークサービシズ(hi-ho)、ぷららネットワークスなど、携帯電話事業者および国内主要ISPら30社が、技術面から迷惑メール対策を検討するワーキンググループ。現在、「Wireless」、「Outbound Port 25 Blocking(OP25B)」、「送信ドメイン認証」、「啓蒙活動」と4つのサブワーキンググループで構成されている。

 今回のリコメンデーションでは、企業やメールサーバー管理者が迷惑メール対策を行なう際の参考となるよう、導入時の課題に対する検討結果や導入後の成果をまとめ、導入時期などの提案を行なっている。概要説明を行なったKDDIの技術統轄本部 プラットフォーム開発本部 FMCプラットフォーム開発部の本間輝彰氏は、「迷惑メール対策は、企業1社でやっても意味がない。事業者やISPだけでなく、企業が足並みを揃え日本全体でやる必要がある。企業や教育機関に、広く迷惑メール対策を進めていただきたい」と今回の提言書の目的を語った。


提言書の適用範囲 迷惑メール対策は日本全体で行なう必要があるという

Wirelessサブワーキンググループの昌川氏
 Wirelessサブワーキンググループでは、携帯電話宛に送信される迷惑メールのパターンを分類。ISPの通常のメールサーバーを介したメールのほか、送信者が自ら設置したサーバーで送信する場合があると説明した。自営サーバーには、動的IPと固定IPを利用する2つパターンがあり、現状、国内発の迷惑メールの多くは動的IPを利用したものだという。

 Wirelessサブワーキンググループのドコモのプロダクト&サービス本部 コンテンツ&カスタマ部の昌川浩二氏は、動的IPを利用した迷惑メールの対策としてOP25Bを紹介。OP25Bは、Outbound Port 25 Blockingという名称の通り、外向け25番ポートをブロックしてしまおうというもの。25番ポートは、一般的にメール送信(SMTP)に割り当てられており、ISPが指定したメールサーバーを使わないメール送信を制限する。これまでの主な迷惑メール対策は、受信者側がフィルタリングを行なうなど受信側での対応だったが、OP25Bでは、送信する時点で迷惑メールがブロックできる利点がある。

 OP25Bのサブワーキンググループではまず、携帯電話宛限定でOP25Bの導入を提言。次いで、迷惑メール対策に有効とされるSubmissionポート587番の普及などを目指すとしている。なお、JEAGに参画するメンバーのうち、13社がOP25Bの導入や何らかの発表を行なっているという。ただしOP25Bでは、自前のネットワークを持たないISPや、ホスティングサーバーを使ったユーザーのメールをブロックしてしまう可能性もあるため、Submissionポートの認知度などを上げて、徐々に導入を促していきたい考えだ。

 送信ドメイン認証サブワーキンググループでは、複数ある送信ドメイン認証技術のうち、SPF ClassicとDomainKeys(DKIM)について提言。同作業部会のIIJ技術本部 技術開発部の櫻庭秀次氏は、「迷惑メールの多くは送信元を詐称しており、正規のメールサーバーを経由せずに、何らかのソフトを使ってダイレクトに送信している。ドメイン認証は送信側がドメイン単位でメールの出口を明確にする」とその意義を説明。ただし、今回提言した技術を含めて、各送信ドメイン認証技術は一長一短だという。

 迷惑メールは国内外から多く送信されているが、JEAGでは今回の提言が国内で採用されると「国内発の迷惑メールに関しては激減する」としている。日本発の迷惑メールが海外に送信されている場合もあり、今回の提言は、日本の事業者が迷惑メール対して、海外に向け1つの立場を表明したと言えそうだ。ただし、IIJの櫻庭氏は、国内の迷惑メールが激減すると、海外発の迷惑メールが増えるとの見方も示しており、JEAGでは、今後諸外国に対しても、日本の成果を紹介し、相互に協力しながら対策を進めていく方針だ。


OP25Bサブワーキンググループのぷららネットワークス 技術開発部 赤桐壮人氏 送信ドメイン認証サブワーキンググループの櫻庭氏

迷惑メールの送信パターン 送信パターン毎の対策

OP25Bの目的 OP25Bに向けて段階的に進めることを提言

送信ドメイン認証技術について 送信ドメイン認証のしくみ


URL
  ニュースリリース(PDF形式)
  http://www.jeag.jp/news/pdf/release20060223.pdf
  槻ノ木隆の「BBっとWORDS」 その28「Outbound Port25 Blockingとは」[BroadBand Watch]
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/bbword/8671.html
  槻ノ木隆の「BBっとWORDS」 その29「Submissionポートとスパムメール対策」[BroadBand Watch]
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/bbword/8764.html

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第254回:SPF/Sender ID とは


(津田 啓夢)
2006/02/23 19:58

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