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米クアルコムCEO、802.11nやMediaFLOに言及

ポール・E・ジェイコブス氏

欧州からジェイコブス氏とやってきたサムスン製携帯電話

W-CDMAなどの普及が進む
 クアルコム ジャパンは、2005年7月に米クアルコム本社のCEOに就任したポール・E・ジェイコブス氏の来日に伴って、記者懇親会を開催した。

 懇親会冒頭、クアルコム ジャパンの取締役会長で、クアルコム本社の上級副社長でもある松本徹三氏は、「BREWやMediaFLOのコンセプトを考え出した、いわばBREWのファーザーであり、MediaFLOのファーザー」と、ジェイコブス氏を紹介。熱のこもったスピーチを展開した。

 ジェイコブス氏はまず、「私は今日、欧州からやってきた。日本は3Gで世界をリードしているが、英国やイタリアなど、欧州でもいよいよそういう兆しがみえてきた」と語り、「米国でベライゾンを使っている。欧州ではアメリカで使っていた端末のSIMカードを持って行き、サムスンの携帯電話を利用した。そして日本では、その端末をボーダフォンでローミングして使っている。これは、北米の電話番号をそのまま世界中で使えるということだ。特に日本でも利用できたということは、W-CDMAだから初めて実現できたことで、大変エキサイトした」と述べた。

 続いて、「3Gというと、マルチメディアをどんどんダウンロードできるというベネフィットがあるが、キャパシティが大きくなったことで、通常の音声通話についても利用が拡大し、ユーザーにとってさらに使い易い状況になってきたのではないか。CDMA2000と同様にW-CDMAもどんどん拡大しており、それによって端末の価格が購入しやすい値段まで安くなってきている」とした。また、3Gがグローバルで普及しつつある要因として、従来独占的だったノキアやモトローラといった端末メーカー以外にも、クアルコムのチップセットを投入した日本メーカーや、サムスンなどが安くて良い端末を投入している点を挙げた。

 また、ジェイコブス氏は今回の欧州訪問の際に、ノキアやエリクソン、NEC、パナソニックなど6社が、欧州委員会に対し、クアルコムが3G関連技術のライセンス供与に関してEU競争法に違反していると申し立てた件が気にかかったとし、「オペレーターがどういう見方をしているのか心配だったが、話をしてみると、我々のビジネスモデルによって、チップセットを利用したいろいろなメーカーが安くいい端末を導入してくれていることについて、極めてポジティブに受け止めているようだった」という。「既存メーカーに加えて、新興の端末メーカーが参入できている状況は、我々のビジネスモデルの明らかなベネフィットであると思う。ライセンス料を次の製品開発に活かしており、うまくサイクルが回り始めている」と語った。

 さらに、日本では当たり前となっているマルチメディアサービスなど3Gを活かしたサービスについても、ラテンアメリカなどの地域でもユーザーに受け入れられ始めているという。


携帯電話は他の通信技術を積極的に組み込む

 次いで、次世代通信技術として進めている802.11nに言及。11nについて同氏は、「家庭内で映像コンテンツなどを縦横無尽に繋いでいく。テレビや配信サーバーのほか、携帯電話の方から大きなディスプレイに対して通信するといったことも可能になる」と説明。

 クアルコムといえばCDMAの開発会社として知られているが、ジェイコブス氏は、「それだけではない」とし、他の通信技術も柔軟に取り入れていると語った。その例として、OFDM技術を持つフラリオンを昨年買収したことを挙げ、OFDMの広域モバイル通信についても開発を進めているとした。

 「今後のモバイル通信は、3G通信システムをベースにしつつも、必要な技術を取り入れていくことが重要」と話したジェイコブス氏は、無線LANやUWBなどそのほかの無線技術を積極的に組み込んでいくとした。同社では、そのコンセプトを「MMX(Multicarrier Multilink eXtensions)」と呼んでいるという。他の通信を取り入れることで、例えばマルチメディアコンテンツをダウンロードしつつ、同時に他の無線技術を使いこなすといった利用を実現したい考えだ。


同社の無線通信ロードマップ MMXはEV-DO版とHSDPA版がある

国内版MediaFLOは2007年までに展開

 このほか、北米で展開準備中のMediaFLOについても語られた。同社は北米で、空き周波数をオークションで獲得、サービス配信会社を設立した。ジェイコブス氏は「今年中にはスタートするだろう」としており、対応端末については、サムスンとLG電子がすでにイベントなどで試作機を紹介していることなどが説明された。

 また、国内ではKDDIとサービス会社を設立し、準備を進めている。しかし、現時点で周波数などが割り振られていない状況で、今年4月からは携帯電話向けの地上デジタル放送「ワンセグ」がスタートする。ワンセグとのポジショニングについて松本氏は、「対立するものではなく、共存できるもの」と話した。国内版のMediaFLOについて同社は、2007年末頃を目処に提供するとしており、現在総務省などを話し合いを行なっているという。ワンセグが先にスタートすることで、携帯電話で放送を閲覧する利用スタイルが定着するとしており、ワンセグよりも多用なデータ通信が可能なため、必ずしもサービスはバッティングしないと話していた。



URL
  クアルコム ジャパン
  http://www.qualcomm.co.jp/

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(津田 啓夢)
2006/01/19 21:30

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