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ソフトバンク孫社長、携帯事業への意欲を語る

ソフトバンク代表取締役社長の孫 正義氏。冒頭に、総務省から交付された携帯電話事業の認定書を掲げた
 ソフトバンクは、2005年度中間期(2005年4月~9月)の決算を発表した。あわせて同社では10日、都内で決算説明会を開催し、同社代表取締役社長の孫 正義氏から説明が行なわれた。


業績は回復基調

 連結ベースにおける、同社中間期の売上高は、前年同期より約2,200億円増加し、5,227億円となった。また、営業利益は44億円。前年同期は67億円の赤字で、大幅に回復した。一方、当期純利益は、前年同期と比べれば約19億円圧縮されたものの、41億円の赤字という結果となった。

 また直近の業績を示す第2四半期決算では、売上高が2,641億円、営業利益が75億円、当期純利益が69億円となっており、孫氏は「インフラ整備による先行投資で足をひっぱっていたブロードバンド事業が黒字化し、トレンドとしては順調に推移している」と語り、今後の業績についても着実な成長を遂げると自信を示した。


連結ベースでの決算概要 業績の動きを示したグラフ。孫氏は、順調に推移していると自信を見せた

携帯事業は無理せず

 携帯電話事業への新規参入が認められたことを受けて、今後の展望について触れた孫氏は、「7~8年前から参入に向けて動いてきたが、やっと許認可が下り、大変嬉しい。ブロードバンド事業での経験を踏まえ、携帯事業については、無理せず、着実に一歩一歩進めていきたい。1~2年という短期間のうちに、高コストで追い込む必要はないと考えている」と述べ、慎重な姿勢を示す一方で、「当社にとっては無理せず、先行赤字を出さないやり方だが、他社から見ればそれなりの投資額になるのではないか」とも述べた。

 孫氏は、固定網の市場規模に比べて携帯市場の規模は、売上高で11倍の8.5兆円、営業利益で13倍以上の1.3兆円と指摘し、「一気呵成にシェアを取れるとは考えていないが、大変恵まれた市場への参入は大きなチャンス。携帯市場の規模はまだ拡大する余地がある」とした。


売上高ベースで比較した、固定市場と携帯市場 営業利益で見た市場比較

携帯事業に対しては、既存の固定網ユーザーをベースにする考えだ
 ビジネスモデルや、人口カバー率といった目標値など、詳細な数値は「ブロードバンド事業の開始時に(具体的な数字を挙げて)“約束破りだ”と指摘されたこともあり、現時点で携帯電話事業の詳細については重大な企業秘密として、コメントを控える」と語った孫氏だが、固定網サービスのユーザーが個人で913万回線、法人で158万回線(どちらも9月末時点)あり、各回線につき複数人のユーザーが存在することから、「まったくのゼロからスタートしたブロードバンド事業と異なり、効率的な顧客獲得が可能と見ている」(同氏)として、潜在的な顧客層は大きいとした。

 具体的なサービス内容の説明は避けたものの、いくつか、事業内容を示唆するプレゼンテーションも披露された。1つは、固定網と携帯網を融合させたサービスで、既にユーザー宅内で利用されている無線LANが121万回線あることなどを挙げて、ネットワークでユビキタスなサービス環境を実現していく考えを示した。また、ネットワークについて孫氏は、「他社は長い歴史の上に構築され、後からつぎはぎを足してきたネットワークだが、当社はフルIP網であり、競争する上で優位に立てる」と述べた。

 BBモバイルでは、携帯電話事業を行なう周波数幅について、10MHz幅の割当を求めていたが、総務省が事前に示していた指針の通り、5MHz幅が割り当てられている。この点について孫氏は、割当幅の拡大を求めていくとする一方、その時期などは未定とした。


ユーザーの宅内にある無線LANは、121回線にのぼるという フルIPのネットワークは他社の優位に立てるとアピール

ユビキタス環境を実現するサービスの提供を目指す
 料金プランの詳細も明らかにされなかったが、孫氏は「トヨタが軽自動車も高級車も手掛けているのと同じように、いくつかのモデルが出てくるだろう。安いものもあれば、サービスや技術などで高付加価値のものも出すことになるだろう」と説明した。

 コンテンツサービスについて同氏は「iモードのように囲われたコンテンツの時代から、インターネットのさまざまなコンテンツを自由に見られるように、新たな切り口を加えて魅力的なサービスにしていく」と述べた。


WiMAXの免許申請へ

 BBモバイルでは、ノーテルネットワークス、LG電子と協力して、広域の高速無線通信技術であるWiMAXと、W-CDMA方式の進化版であるHSDPA、そして無線LANのハンドオーバー実験を行なっている。決算説明会の会場でも、その模様が映像で紹介され、手動・自動のどちらでもスムーズに通信方式を切り替え、ストリーミング中の動画再生に支障がない様子が披露された。

 孫氏は、「総務省では、12月に2.5GHz帯でWiMAXへの申請を受け付けると聞いており、当社も申請する」と述べ、実験で培ったノウハウを実用化していく考えを示した。


BBモバイルは、HSDPA/無線LAN/WiMAXのハンドオーバー実験を実施 映像で披露されたハンドオーバー実験。方式が切り替わると、通信状況も変わることが示された


URL
  ソフトバンク
  http://www.softbank.co.jp/

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(関口 聖)
2005/11/10 21:30

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