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ソフトバンクBB、800MHz帯で携帯電話事業への参入の意志

ソフトバンクBB 代表取締役社長兼CEOの孫 正義氏
 ソフトバンクBBは、総務省が8月6日付で募集を開始した「800MHz帯におけるIMT-2000周波数の割当方針案についての意見募集」について、募集締切日となる9月6日、同社が提出した意見書などに関する説明会を都内で行ない、800MHz帯で携帯電話事業へ参入する意志があることを正式に表明した。

 説明会では、ソフトバンクBB 代表取締役社長兼CEOの孫 正義氏が、同社が提出した意見書に沿って同社の今後の方針、携帯電話事業への新規参入に向けた意気込みなどを語った。

 孫氏は冒頭で、説明会直前に総務省に意見書を提出してきたことを報告。意見書提出時に総務省に確認した項目や、先週末に行なったという電話での確認事項などを踏まえて、同社が提出した意見書の説明が行なわれた。

 提出された意見書では、まず総務省の電波行政のあり方について問題を提起している。意見書の中で電波法第1条「この法律は、電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする」を引用した上で、「総務省の最近の電波割当て方針は既存事業者の側に立っている」とし、「既存事業者の利益と国民の利益、どちらが大事なのかといえば、国民であるべきだ」と述べ、総務省の電波行政のあり方を批判した。

 意見書では、意見募集の元となる方針案の作成プロセスや審議会委員の専任理由なども明らかにすべきであるとしている。今回の800MHz帯の再編に関する方針案では、審議会などで議論されずにNTTドコモとKDDIの既存2社が再編案に盛り込まれているとし、「総務省の担当レベルで決定された方針案である」と指摘。「審議会委員の選任は役所が行ない、方針案の原案も役所が作成する場合がほとんど。委員もNTTドコモやKDDIと直接利害関係がある会社の人間ばかり」と述べ、「構造的に問題がある」と審議会の体制についても厳しく批判した。

 今回の総務省への意見書では、パブリックコメントの形骸化についても指摘している。昨年末に行なわれた「2GHz帯のガードバンド周波数の割当方針」においては、提出された意見書が10件程度であること、そのほとんどが「既存事業者、もしくは関係の深い人物からの意見書であった」とし、「広く国民の議論とはならなかった」と述べた。また、この際に割当てが行なわれた2GHz帯がほとんど利用されていないことに触れ、詳細な利用状況などを公表すべきであるとしている。


意見書の概要 パブリックコメントの形骸化について

 さらに同氏は、同社のADSL事業参入時にも「痛感した」こととして、「通信行政にはアンフェアな部分が多々ある」と述べ、「当社は少なくとも今後100年、関係省庁からの天下り人事を自主的に受け入れないことを宣言する」と語った。買収した日本テレコムに総務省出身者が2名がいたことについても2名の詳細を公表し、「今後関係プロジェクトには従事しないだろう」との考えを示したほか、ソフトバンクグループではこれまでも天下りの人事がないことを確認したという。また同氏はKDDIの第7位株主が「郵政共済会」であることを指摘し、「KDDIの株が上がれば、省庁職員が儲かるというのは利益相反ではないか」と厳しく批判。「正しいことを主張すれば、長い目で見ればいつか理解される。こういった構造的な問題を断ち切りたい」と、携帯電話事業への新規参入に伴ない、通信行政に対しても「正義を貫いていきたい」との姿勢をアピールした。

 800MHz帯の再編に関しては、既存事業者2社で行なう総務省案に反対を表明。孫氏は「IMT-2000は2GHz帯で使用すべきものであり、既存2社はまずほとんど未利用の2GHz帯の利用をすべきである。その上で800MHz帯を再編し、新規参入事業者に割当てるべき。列に並んで順番待ちをしている我々ではなく、すでに先頭でもらった事業者がまたもらうのはおかしい」と述べた。また、周波数帯が変わることによる移行コストについては、「年間1兆円にものぼる営業利益がある企業が、移行コストを議論するのは贅沢な悩み。周波数の再編は電波の利用を能率的にするためのもので、移行コストの吸収は割当ての理由にならない」とし、「限られた資源である電波を国民の観点から考えるべき」であるとした。

 意見書の最後では、同社の800MHz帯の携帯電話事業への参入を正式に表明している。同氏は、日本テレコムを買収した結果、ソフトバンクグループの固定回線ユーザーは1,100万世帯に上ることを明らかにし、利用ユーザー数は約3,000万人と推定。同社が携帯電話事業に参入する際には30MHz幅の割当てを想定しているとした上で、「30MHz幅で1,000万人~2,000万人を収容できるだろう」とし、「携帯、固定をクルマの両輪のようにして、総合通信サービスを提供していきたい。1,000万人という数字はそう無茶な数字ではない。バックボーン回線などは完成しており、足りないのは電波だけ。免許がおり次第、1年半から2年半で基地局を整備し、サービスインできる」と携帯電話事業に対する意気込みを語った。


800MHz帯の現在の再編案に反対を表明 事業者別の占有帯域幅など ※ボーダフォンの2GHz帯は40MHz幅が正しい

移行コストの吸収は周波数帯の再割当ての理由にならないとした 天下りを受け入れないと宣言

 なお、同氏は、パブリックコメントの締切直前になってユーザーに意見の投稿を呼びかけたり説明会を開催するなどしたことについて、「総務省のサイトを見ていた担当者が8月10日頃、偶然8月6日発表の800MHz帯の再編のページを見つけた。パブリックコメントの締切が9月6日であることに先週気が付き、緊急にミーティングを行ない、週末にユーザーへの呼びかけ、本日新聞各紙に意見広告を掲載するなどした」と説明した。関係各省庁の発表内容を把握仕切れていないことは、今後の同社の通信事業者としての体制に一抹の不安を残す結果となっている。



URL
  ソフトバンクBBからのお知らせ
  http://www.softbankbb.co.jp/pub/

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(太田 亮三)
2004/09/06 20:17

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