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NEC、薄型デジカメの形をしたGSM携帯電話を開発

中国市場に投入される薄型デジカメタイプの携帯電話
 NECは、30万画素カメラを搭載したGSM/GPRS方式の薄型デジカメタイプの携帯電話を2月末より中国市場に投入する。

 今回発表された携帯電話は、背面に30万画素のCOMSカメラを備え、カシオのデジカメ「EXILIM」シリーズのようなデザインのGSM/GPRS端末。1.8インチ、128×160ドット、65,000色表示のTFT液晶を装備し、イヤホンマイクを使って通話する。従来の端末のような方向キーは搭載されておらず、数字キーを切り替えることで、数字キーは方向キーとなる。

 WAPに対応し、メールやネット接続が可能。また、撮影した画像をMMSで送信できるほか、40和音の着信メロディにも対応する。

 待受時間は85時間で、通話時間が70分。大きさが85×54×8.6mm(幅×奥行×厚)で、重さが70gとなっている。



薄型デジカメのようなスタイル

中国市場の特性
 発表会の席でNECモバイルターミナル事業部長の田村 義晴氏は、「中国市場は小型・薄型へのニーズが高く、年間700台の端末が投入される激戦区だ。今回の端末は従来のものに比べて超小型で、ターゲットとなるのは最先端の技術を好むエグゼクティブ」とコメント。NECでは、同端末をモバイルブランドの象徴と位置づけ、後発となった中国市場でNECブランドのイメージを確立したい考えだ。

 端末デザインは高級感とシンプルを意識し、スールの胸ポケットや、ネックストラップで首からぶら下げるといった様々な利用シーンを想定しているという。市場価格は7,000元(日本円で10万円程度)程度になる見込みで、これは中国の携帯電話市場でもハイエンドクラスに相当する。

 田村氏は、「上着の胸ポケットに違和感なく収まるし、パーティバッグに忍ばせてパーティに持ち込んでも大丈夫。中国では携帯電話を首から下げて持ち歩くことが多い」としており、中国市場については、「今回のようなある意味とんがった端末であっても、中国には柔軟に受け入れる市場がある」と評価。イヤホンマイクでしか通話できないが、これも中国の市場ではあまり違和感のないことだという。中国市場に再参入となる同社にとって、小型・薄型端末で市場にインパクトを与えたい考えだ。

 中国では販売事業者に直接製品を卸す方法と、日本のようにキャリアに買い上げてもらう2つの販売方法がある。同社では両方から端末を提供するとしており、端末をアピールするため、北京などの大都市を中心にアンテナショップも設置する予定。

 また、NECでは3Gへ注力しているが、依然として世界の携帯電話市場は2.5Gが占めている。こうした状況に対し同社では、今後さらに成長が見込める中国市場で、2.5Gである程度のシェアを確保し、3Gへつなげたいと考えだ。また、インターネット接続できる端末への需要も高いと見ており、単に市場として大きいだけでなく、NECの得意な3Gへの期待が持てる市場と判断したという。

 中国市場でのプレゼンスを高めていきたい同社は、今年中に20機種以上もの端末を中国に投入する予定となっている。NEC上席中国事業プロフェッショナルの山崎 耕司氏は「これは従来にない急激な展開」と述べ、同社が本気であることをアピールした。


数字キーが方向キーに切り替わる 背面部の30万画素カメラはデジタルカメラのようだ

ディスプレイ 国内の端末と比較すると、非常に小さいと感じる

「NEC」のロゴ付近にイヤホン端子の接続部とストラップホールがある 側面には着信用スイッチを搭載

ストラップホール付近にSIMカード挿入口

端末内の無駄なスペースをなくすとともに、高い剛性と樹脂による柔軟性を実現

モジュールをレイヤー構造で搭載することで薄くした
 技術的な説明は、NEC執行役員兼中央研究所所長の渡辺 久恒氏が行なった。同氏はまず、今回発表した端末について「こうした話はずいぶん昔から検討されてきた夢のある企画だ。我々も3年近くかけて開発を行なった」とコメント。センターフレームに樹脂を採用し、それを金属で挟み込むことで落下やキー操作による衝撃を分散させて薄さと剛性を保つ技術を開発したという。

 また、既存の部品を多く利用していることも特徴的だ。開発にあたって様々なモジュールを見直し、レイヤー構造でモジュールを搭載することで薄型化を実現。「贅肉をそぎ落とした」(田村氏)とのこと。

 田村氏によれば、国内でFOMAなどが採用するW-CDMA方式でも、今回のような端末を開発することが可能だという。「基本的には実装技術の進化と捕らえているので、必ずしもGSM/GPRSに限らない」とコメントしており、中身の多くは同社が折りたたみ端末で培った技術が採用されているという。また、バッテリーを小さくすればFOMAでも技術的には可能なものだとしている。同社では、中国での状況を見て欧州や国内でも検討していきたいとのこと。

 NECでは、ユーザーのニーズが多様化しているとして、様々なバリエーションの端末を展開していくという。今回の端末もそうした展開の1つで、製品をアピールしていくとともに、実装技術を活かしてPDAやマイクロPCといった分野でも応用していくという。田村氏は「いわゆる“もしもし、ハイハイ”のローエンド端末ではなく、日本の端末のようなネット接続に対応したミドルクラス以上の端末を世界で展開したい。きたるべき3Gに向けて、2.5Gで攻勢かける」と同社の世界戦略を語った。


小型化に成功したため、今後はバッテリー関連の研究を行なうという 様々なバリエーションの端末を展開するNEC


URL
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0402/0302.html


(関口 聖, 津田 啓夢)
2004/02/03 12:20

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