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2つの迷惑メール対策法、その内容は?

 7月1日、総務省による「特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)」と、経済産業省による「改正特定商取引法」の2つの迷惑メール規制法が施行された。迷惑メールは携帯電話業界を中心に深刻な問題となっているだけに、その内容も気になるところだ。本稿では、その内容について詳しく見ていくことにしよう。


サブジェクトは「未承諾広告※」に統一

 これまで総務省案の「未承諾広告※」と経済産業省案の「!広告!」「!連絡方法無!」と、サブジェクト欄に記述しなければならない文字列が2通りに分かれていたが、これについては「未承諾広告※」に統一されることとなった。

 また、受信拒否の連絡を行なうための連絡先を表示せず、サブジェクト欄に「!連絡方法無!」と記述することは禁止され、必ず連絡先を記述することが義務付けられた。連絡先については、氏名または名称のほか、受信拒否の連絡を行なうためのメールアドレスの記述を義務付けられている。

 いずれの法律も、一度受信拒否したユーザーに対してメールを再送することを禁止しており、違反した場合には罰則を設けている。


目的の違い

 今回施行された2つの法律は「通信サービスの安定提供」(総務省)と「消費者保護」(経済産業省)の2つの側面から我々のケータイライフをサポートしてくれるものだ。

 まずは、経済産業省の「改正特定商取引法」だが、こちらは健全な商取引を促し、消費者が一方的に不利な状況に陥らないようにすることを目的としている。このため、消費者を欺くような行為を行なった広告主を規制の対象としている。

 一方、総務省の「特定電子メール法」は、メールの遅配など、迷惑メールにより巻き起こされる通信トラブルを防ぐことを目的としており、広告主に加え、問題のメールを送信した送信業者も規制の対象とされている。

 携帯電話事業者が被害を被っているのが英数字をランダムに組み合わせた架空アドレスへの迷惑メールの送信だが、「特定電子メール法」のみがこれを禁止しているのも、そうした目的の違いから来るものだと考えてよいだろう。


罰則の内容

 なお、罰則の内容だが、「特定電子メール法」では、表示義務を怠った場合は50万円以下の罰金、規定の報告を怠ったり、立入検査を妨げる行為を行なった場合は30万円以下の罰金とされている。

 一方の「改正特定商取引法」では、経済産業省からの指示に従わなかった場合は100万円以下の罰金、業務停止命令に従わなかった場合は300万円以下の罰金または2年以下の懲役、法人の場合は3億円以下の罰金とされている。


どこに申し出ればいいの?

 さて、実際に不快な迷惑メールが届いた場合、我々はどうしたらよいのだろう?

 「改正特定商取引法」については、(財)日本産業協会が規制に違反するメールの情報を受け付ける窓口を用意している。表示違反のメールについては、受信日時と送信元アドレスを本文の上に明記した上で、「 mailagain@nissankyo.jp 」宛にメールを転送する。

 ただし、再送信禁止義務違反のメールについては、一連のやりとりを確認する必要があるため、一旦パソコン等に該当メールを転送してまとめた上で、所定のフォーマットに従ってメール、FAX、郵送のいずれかの手段で情報提供しなければならない。

 このほか、経済産業省消費相談室(03-3501-4657)や最寄の消費生活センターなどでも相談に応じる。

 一方の「特定電子メール法」だが、こちらは7月1日の時点ではユーザーが申し出る窓口は設けられていない。総務省によれば、指導や事実関係の確認を行なう指定法人を現在選定中とのこと。この指定法人は、早ければ7月10日にも決まる見通しで、(財)日本データ通信協会がほぼ内定しているという。


迷惑メールは撲滅できるのか

 迷惑メールを規制する法律がようやく日本で誕生したわけだが、今回の2つの法律が実際に迷惑メールの撲滅に寄与するかどうかは未知数だ。インターネット上で起きる問題だけに、配信業者の所在の特定が困難なこともあるだろうし、海外からやってくる迷惑メールにどう対処するのかなどの課題もある。

 法律はできたものの、実際にどこまで厳格にこの規制を適用できるかは、両省の努力次第。法の網をくぐり抜けようとするイタチゴッコが繰り返される世界だけに、規制の内容を順次見直していくということも忘れてはならない。通信事業者も依然として迷惑メールに対する警戒を怠ってはいけないだろう。


・ 特定電子メール法(総務省)
  http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/top/m_mail.html
・ 改正特定商取引法(経済産業省)
  http://www.meti.go.jp/policy/consumer/warehouse/tokushoho/spammail/spammail.html
・ (財)日本産業協会
  http://www.nissankyo.or.jp/
・ (財)日本データ通信協会
  http://www.dekyo.or.jp/


(湯野 康隆)
2002/07/01 20:13

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