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スマート&スリムに進化したワイド液晶ケータイ「W41CA」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAに至るまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindowsXP基本編完全版」「できるVAIO 基本編 2004年モデル対応」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中


au/カシオ計算機『W41CA』、サイズ:49(W)×103(H)×22(D)mm、126g。フィエスタオレンジ(写真)、ノルディックホワイト、フィヨルドブラックをラインアップ
 個性的なモデルが並ぶauの2006年春商戦向けのラインアップ。その第2弾として発売されたのがカシオ計算機製「W41CA」だ。従来のW31CAやW21CAなど、auのラインアップではハイエンド指向だったCAシリーズだが、今回はWIN普及モデルに位置付けられている。筆者も実機を購入したので、レポートをお送りしよう。

【この端末のチェックポイント】

  1. au LISMO対応
  2. SD-Audio対応
  3. 基本機能をチェック
  4. こんなユーザーにおすすめ


LISMOが使いやすいUSBクレードル充電台

 auの2006年春商戦向けラインアップ向けに、共通サービスとして開始した「LISMO」。今回紹介するカシオ計算機製「W41CA」も対応している。同社としては、初の音楽ケータイということになるが、CAシリーズはカシオ日立モバイルコミュニケーションズで開発されており、そういう意味では「W32H」に続く、SD-Audio対応音楽ケータイという見方もできる。

 LISMOの基本的な使い方については、すでに「ケータイ新機能チェック~LISMOで始める音楽ケータイ」や本連載の「FeliCaをスマートに使えるスタンダードな音楽ケータイ「W41S」」でも触れているので、そちらを参照いただきたい。ここではW41CA特有の部分などを中心に解説しよう。


従来モデルに引き続き、USBクレードル充電台を採用。LISMOで頻繁にパソコンと接続したいユーザーには便利。端末を設置時はワイド表示のグラフィックが表示されるメディアスタンド機能も受け継がれている
 CAシリーズはご存知の通り、従来からいくつかのモデルでパソコンのUSBポートと接続可能なUSBクレードル充電台を採用してきた。W41CAの原型となったW31CAやW21CA/IIでは、二軸回転式ボディの液晶ディスプレイを反転し、液晶ディスプレイを前面に出した状態で置くことができるユニークなUSBクレードル充電台&メディアスタンドという機能を実現しており、今回のW41CAにも継承されている。USBクレードル充電台の形状はボディ形状が違うため、別のものだが、パソコンのUSBポートと接続できる点は変わらない。

 LISMOでは端末でダウンロードした着うた及び着うたフルのバックアップ、パソコンで音楽CDから取り込んだ音楽データの転送など、頻繁にパソコンと接続することになる。前回紹介したW41S、W41H、W41SA、W41Kではその都度、付属のUSBケーブル(端末側はWIN用外部接続端子)で接続しなければならないが、その点、クレードルを採用しているW41CAやW41Tは基本的に端末をクレードルに載せるだけで、音楽データの転送などができる。これは他機種にないメリットであり、頻繁にLISMOを利用したいユーザーにとっては便利な機能のひとつと言えるだろう。

 LISMOについては、前回のW41Sのレビューでも紹介した通り、パソコンで動作する「au Music Port」や端末上で利用する「au Music Player」は共通仕様であり、基本的に端末ごとの仕様差はない。違いがあるとすれば、USBケーブル用ドライバのインストールや接続時の動作、イヤホン効果やスピーカー効果の種類くらいだ。W41CAでLISMOを利用するには、まず、W41CA用USBドライバをインストールし、パソコンとクレードル充電台を付属のUSBケーブル(通常のパソコン用)で接続する。この際、USBケーブルはUSBハブなどを介さず、パソコン本体のUSBポートに接続した方が問題が起きにくい。続いて、端末を待受画面の状態(待ち受けアプリなどは解除しておく)でUSBクレードル充電台に設置すると、自動的にドライバがインストールされる。Windows XPのデバイスマネージャなどで、W41CAが正しく認識されていることを確認できたら、あとはau Music Portをインストールするという流れだ。筆者の環境では後述するセキュリティ対策ソフトの設定を事前に行なっていたため、何の問題もなく、あっさりセットアップが完了した。


au Music Playerの基本仕様は他機種と同じ。イヤホン効果が7種類、スピーカー効果が2種類、用意されている
 au Music Port起動時の動作についてだが、W41CAではW41Sのように、パソコンとの接続時に端末側に「データ通信モード」と「マスストレージモード」の選択画面が表示されない。カシオソフトのMySyncシリーズなども試してみたが、こちらも切替操作なしで読み書きができた。これはW41CAがUSBケーブルを接続したクレードル充電台に端末を置いたり、USBケーブルWINを接続したとき、自動的にデータ通信モードに移行するように設定されているためだ。ただし、後述するSD-Audioなどで利用する際は、マスストレージモードに切り替える必要がある。LISMOやMySync中心の利用であれば、出荷時設定のままでもかまわないが、SD-Audioなどをメインに利用するのであれば、マスストレージモードに優先的に切り替わるように設定した方がいいかもしれない。

 前回のW41Sのレビューで指摘し、「「LISMO」開発者インタビュー~LISMOの狙い、今後の展開を聞く」でも触れられた話だが、au Music Portは端末との通信にTCP/IPを利用している。そのため、セキュリティ対策ソフトで警告画面などが表示されることがある。ただし、セキュリティ対策ソフトに設定をしておくことで、警告画面の表示を回避することが可能だ。今回はNorton Internet Security2005が動作するパソコンで試用したが、ファイアウォールの設定画面の[プログラム制御]で、以下の実行ファイルの通信を許可するように設定することにより、警告画面が表示されることなく、利用環境を整えることができた。

C:\Program Files\KDDI\auMusicPort\auMusicPort.exe
C:\Program Files\Common Files\InstallShield\UpdateService\agent.exe
C:\Program Files\Common Files\InstallShield\UpdateService\ISDM.exe
※標準のフォルダにインストールした場合


SD-Audio対応音楽再生機能

 LISMOでは音楽CDから音楽データを取り込み、ケータイで音楽を楽しむことができるが、すでにユーザーが持っているMP3形式などの音楽データは扱うことができない。W41CAはこうしたニーズに応えるため、SD-Audioにも対応しており、AAC形式(MPEG-2 AAC)の音楽データを再生する「SDオーディオプレイヤー」が搭載されている。基本的な仕様はW32Hと同等で、早送りや巻き戻し、スキップ、ランダム再生、プレイリスト再生などに対応し、イヤホン効果及びスピーカー効果などのエフェクトも用意されている。もちろん、BGM再生にも対応し、メール作成やEZナビウォークなども同時に使うことができる(一部制限はあり)。


SD-Audioに対応。「SDオーディオプレイヤー」もau Music Playerと同じように、BGM再生が可能
 パッケージにはSD-Audio対応の音楽管理ソフト「SD-Jukebox」が付属していないため、松下電器の直販サイト「パナセンス」などで「SD-Jukebox」を購入するか、ニフティが提供する音楽配信サービス「MOOCS」のアプリケーションを用意する必要がある。ちなみに、SD-Jukebox、MOOCS PLAYERについては、特定の環境でメモリカード内の音楽データが消去される不具合が発生しているので、松下電器のサポートページを参照することをおすすめしたい。

 SD-Audio対応機器ではSD-Jukeboxで取り込んだ音楽データの転送に著作権保護機能付きメモリーカードリーダー/ライターが必要になるが、W41CAはW32Hと同じように、端末に同機能が搭載されているため、別途、購入する必要はない。ただし、音楽データを転送する際は、W41CAをマスストレージモードに切り替え、Windowsが動作するパソコンの外付けドライブとして、認識させる必要がある。

 SD-JukeboxはW41CAをはじめ、SD-Audio対応デジタルオーディオプレーヤーやSD-Audio対応ケータイで利用することが可能だが、再生する機器によって、対応する音楽データの形式が異なるので、注意が必要だ。W41CAはAAC形式(MPEG-2 AAC)対応となっており、MP3形式の音楽データはそのまま再生することができない。ただし、SD-JukeboxはminiSDカード書き込み時に、MP3形式からAAC形式に変換する機能が用意されており、手持ちのMP3形式の音楽データを活かすことが可能だ。もし、他の音楽管理ソフトとも音楽データを共用したいのであれば、音楽CDからは常にMP3形式で取り込んでおき、W41CAに書き込むときにAAC形式に変換すれば、問題ないだろう(コーデックによる音質の差は別として)。


 再生については、パッケージに「カシオ平型ステレオイヤホン03」が付属する。先端部分は通常のステレオミニプラグになっているため、好みのヘッドホンを接続することも可能だ。ちなみに、ちょっと裏技的な使い方になるが、W32Hに付属の「マイク付きリモコン&ステレオイヤホン」をW41CAに接続してみたところ、問題なく利用することができた。標準品のステレオイヤホンでもかまわないが、W32H用マイク付きリモコン&ステレオイヤホンなら、リモコンで音楽再生をコントロールできるうえ、マイクも内蔵されているので、着信時にリモコンで応答することができるわけだ。待受画面の状態でリモコンの再生ボタンを押すと、au Music Playerが起動し、直前まで聴いていたところから再生を再開、再生ボタンの長押しではEZ・FMが起動するというオマケまで付いている。今なら、W32H用マイク付きリモコン&ステレオイヤホンはオプション(日立マイク付きリモコン01)として購入できるので、興味のあるユーザーは試してみるといいだろう(ただし、KDDI及びメーカー、筆者、編集部は動作を保証しない)。

 LISMOとSD-Audioという2つの音楽再生環境が用意されていることは、W41CAのアドバンテージのひとつだが、逆に悩ましいのはその使い分けだろう。というのもW41CAには、LISMOとSD-Audioのぞれぞれのプレーヤーが別々の機能として存在しており、それぞれの音楽データしか再生できないからだ。次期モデルでは両方式のデータがシームレスに再生できるプレーヤー機能の搭載を期待したいところだが、当面はユーザー自身が平日用、週末用、通勤用などのスタイルで使い分けていくしかなさそうだ。

 2つの音楽再生機能の音質の差も気になるところだが、筆者はオーディオの専門家ではないし、ユーザーによって、求める音質なども異なるので、何とも言い難い。ただ、LISMO及び着うたフルで採用されているHE-AAC形式は48kbpsという低いビットレートながらも一定の音質を確保しており、ケータイという記憶容量がそれほど大きくない環境にはマッチしていると言えそうだ。じっくり聞けば、SD-AudioのAAC形式の方が音質がいいとも言えるが、比較的、騒がしい屋外などで聴くから気にならないという見方もできる。

 ファイルサイズについては、SD-JukeboxでminiSDカードに書き込むときのビットレートにもよるが、初期設定が96kbps、最大128kbpsとなっているため、若干、SD-Audioの方がファイルサイズは大きい。大容量のminiSDカードがなければ、LISMOを利用し、余裕があれば、SD-Audioを使うというのがひとつの方向性だろうか。


基本機能もチェック

W41CA(手前)と従来のW31CA(奧)。この角度ではわかりにくいが、ボディがスリム化され、かなり持ちやすくなった
 W41CAの基本機能について、チェックしてみよう。W41CAは2004年末に発売されたW21CA、2005年4月に発売されたW21CA II、2005年7月に発売されたW31CAの流れを受け継ぐもので、基本的な仕様もそのまま継承されている。ただ、W41CAではボディ形状の変更や新たに搭載された機能が数多くあり、どちらかと言えば、従来のW21CA~W31CAから新しいスタイルの端末を作り出したという印象に近い。

 ボディは従来同様、二軸回転式ボディを採用しているが、ヒンジやカメラモジュールの小型化、miniSDカードスロットの位置変更などにより、薄さ22mmというスリム化を実現している。従来のW21CA~W31CAはハイエンドモデルらしい大ぶりなボディで、厚さに抵抗感を持つユーザーが居たようだが、W41CAは幅で2mm、厚さで6mm、重量で18gのスリム&軽量化により、女性ユーザーにも持ちやすいサイズに仕上げられたという印象だ。


 ボディ周りで特徴的なのは、新たにデザインされた波形キーだ。キー形状そのものも特徴的だが、ボディカラーごとにキートップのフォントやキー照明の色が違うなど、細かい演出を施している。波形キーはキーが大きく、突起部分があることで押しやすいのだが、欲を言えば、[開始]キーの列とダイヤルボタンはもう少し離しても良かったような気がする。慣れないうちは、何度となく、[開始]キーや[終了]キー、[クリア]キーを誤って操作してしまう。方向キーの下方向も頻繁に触る部分だけに、[クリア]キーとの間隔がもう少し欲しい。ただ、これらは操作する人の指の大きさやクセにも左右される要素なので、購入前に触ってみることをおすすめしたい。


W41CAのデザインで特徴的な波形キー。キーそのものは大きく、押しやすいが、方向キーや[開始]キー、[終了]キー付近はもう少し上下の間隔が欲しいところ 右側面には[マナー]キーやシャッターボタンなどが並ぶ。マナーモード解除時は背面側のLEDが点滅するため、正しく解除できたことがわかるように工夫している

 メニュー画面は一般的な12分割のアイコン表示が標準だが、出荷時に4種類のアイコンがプリインストールされており、追加データもカシオ計算機のメーカーサイト「CA'z CAFE」からダウンロードすることができる。A5512CAで好評を得たスマートモードも継承されており、初心者にも使いやすい環境を提供している。ディスプレイサイズが2.6インチと大きいため、スマートモードの画面もさらに見やすいという印象だ。スマートモードへの移行は[機能設定]メニューから操作するのが標準だが、出荷時に待ち受けショートカットに[モード設定]が設定されているので、そちらを使うのが便利だ。


標準のメニュー画面は12分割のアイコン表示。そのほか、3種類のメニューがプリインストールされている A5512CAから受け継いだスマートモードでのリスト式メニュー。アイコン、大きな文字、ガイドでわかりやすい スマートモードで選べるアイコン式メニュー画面。こちらも文字が大きく、ガイドも表示され、わかりやすい

 個人的にも非常に気に入ったのが壁紙をはじめとするグラフィックで、待受画面も端末を開くたびに異なる動きのアニメーションを表示させるなど、ユーザーを飽きさせない工夫を凝らしている。ちなみに、W41CAのグラフィックデザインはA5512CAと同じデザイナーが担当しているそうだ。

 ユーザーインターフェイスもW31CAなどに比べ、若干、変更されている。従来は方向キーの上でEZ Musicなどへアクセスできる「待受ランチャー」が用意されていたが、W41CAではスケジュール機能が呼び出せるように変更されている。「LISMO」やパッケージ同梱の「MySync Suite体験版」とUSBクレードル充電台を組み合わせることにより、パソコンで入力したスケジュールとのシンクロも可能なため、よりスケジュール機能が使いやすくなっている。ちなみに、Outlookとシンクロしたいときは、カシオソフトから販売されている「MySync Biz」が必要になる。

 メールに関しては従来通り、フォルダによる管理、件名やメールアドレス、アドレス帳グループによる自動振り分けに対応する。「なかよしボックス」や「インフォボックス」が増えている点は、W41Sなどと同じだ。メールのバックグラウンド受信にも対応する。


壁紙や発着信時のアニメーションもユーザーを飽きさせない工夫を凝らしている。写真のアデリーペンギンは開くたびに、異なるグラフィックが表示される メールはフォルダによる管理、自動振り分けに対応。便利なフォルダ並べ替えやフォルダロックも受け継がれている

カメラは背面に装備。カメラ部の上にある2つの小さい穴は、片方が撮影ライト、もう片方がカメラのお知らせランプ。ヒンジ部分には赤外線通信ポートを備える。miniSDカードスロットは赤外線通信ポートのさらにヒンジ側にある
 カメラはオートフォーカス対応207万画素CMOSイメージセンサーを搭載する。W31CAに比べ、画素数が少なくなったが、『WINの普及モデル』という位置付けが影響しているのだろう。W41CAでも従来モデル同様、ワイド液晶を活かした撮影が可能だが、新たにビジネスショットという機能が搭載された。ビジネスショットは同社のEXILIMシリーズのベストショット機能のひとつをケータイ向けにアレンジしたもので、ホワイトボードなどを斜めから撮影したとき、真正面から撮ったように補正する機能だ。補正は撮影直後だけでなく、画像を保存した後に補正することも可能だ。カメラ機能の完成度の高さは相変わらずだが、昨今のケータイBLOGの普及などを考えると、ワイドQVGAやQVGAの画像を横長のまま、メールに添付できるようにして欲しいところだ。1600×960ドットのワイドで撮影してしまうと、ワイドQVGAにリサイズ時、画像が90度回転した状態になってしまうからだ。


 新機能としては、EZ FeliCa対応もそのひとつだ。ボタン部背面側にFeliCaチップ及びアンテナが内蔵されており、出荷時には電子マネー「Edy」もプリインストールされている。JR東日本が開始したモバイルSuicaにも対応する。リーダー/ライターにかざしたときは、液晶ディスプレイ部背面のLEDが点灯するようになっており、目視で確認できるようにしている。セキュリティ機能ではFeliCa機能をロックする「FeliCaロック」、端末を置き忘れたとき、あらかじめ設定した電話番号からリモートでロックできる「遠隔オートロック」、一定時間だけ、FeliCaロックを解除できる「クイック解除」が搭載されている。基本的には、FeliCa機能をロックした状態で持ち歩き、FeliCa機能を利用するときは右方向キーの長押しでFeliCaロックを解除し(ロックナンバーの入力が必要)、一定時間が経過すれば、ロック状態に戻るという使い方ができる。EZ FeliCa対応アプリをダウンロードするときなど、FeliCaロックを解除しておきたいときは[機能設定]メニュー内の[プライバシー]-[セキュリティロック]-[FeliCaロック]で解除するが、これも待ち受けショートカットに設定しておけば、使いやすくなるだろう。また、JR東日本のモバイルSuicaでは端末の電池残量がなくなると、利用区間の運賃を全額、支払わなければならないが、W41CAはG'zOne TYPE-Rにも搭載されていた「エクステンションモード」が搭載されているため、電池残量が危うくなったときはエクステンションモードに移行して、改札機だけは確実に通れるようにするといった使い方が可能だ。


EZ FeliCaメニューではインストールされているアプリの一覧が見られる。プリインストールされているのは電子マネーの「Edy」。ヨドバシカメラゴールドポイント、モバイルSuicaは追加ダウンロードしたものだ FeliCaロック機能は標準で搭載。一時的にロックを解除できる「クイック解除」はロック状態復帰までの時間を設定可能 クイック解除をすると、こうした画面が表示される。設定した時間で自動的にロック状態に戻る。[終了]キーでロック状態に戻ることも可能

PCサイトビューアーはW31CAに比べ、大幅にレスポンスが向上。ワイド液晶ともマッチして、より多くの情報を画面に表示できる
 従来から継承しながら、進歩した機能としては、PCサイトビューアー、PCドキュメントビューアーなどが挙げられる。PCサイトビューアーは基本的な仕様こそ同じだが、ケータイのCPUに相当するベースバンドチップが新しいものになったため、W31CAに比べ、全体的な動作が改善されている。発売前に試用したW41CAでW31CAとケータイ Watchのホームページのスクロール速度を比較したときは、W31CAに比べ、W41CAの方が約2.5倍程度、早いという結果が得られていた。今回はW31CAから機種変更をしたため、同時に比較できなかったが、W41CAと同じベースバンドチップを搭載していると思われるW32H及びW41Sとスクロール速度を比較してみたところ、W41CAの方が20~30%ほど、早い結果が得られた(拡大縮小表示を100%、スモールスクリーンモードにした場合)。拡大縮小表示の設定を150%にすれば、その差はさらに拡がり、50%ほど、W41CAの方が早いという結果になった。

 PCドキュメントビューアーは、WordやExcel、PowerPoint、PDFなどの文書を閲覧できる機能だが、新たに表示した文書をキャプチャする機能が追加されている。キャプチャした画像はJPEG形式でデータフォルダに保存され、メールに添付して送信することも可能だ。

 この他にも赤外線通信機能、au ICカード採用によるGLOBAL EXPERT対応、Hello Messenger、声de入力対応EZナビウォーク、EZ・FM対応など、新機能や新サービス対応も数多く盛り込まれており、普及モデルという位置付けながら、かなりお買い得感の高い端末として、仕上げられている。


音楽再生やPCサイトビューアー重視なら「買い」

W41CA撮影サンプル

ワイドサイズ(1600×960)の撮影サンプル。JPEGを回転させている。リンク先は無加工。(モデル:篠崎ゆきスーパーウイング所属)
 さて、最後にW41CAの「買い」について考えてみよう。一昨年のW21CAの登場以降、着実に進化を遂げてきたCAシリーズのWIN端末。ワイド液晶というセールスポイントは相変わらずだが、W41CAでは音楽再生機能やEZ FeliCaといった新機能が追加され、一段と使いごたえのある端末に進化している。auの2006年春商戦向けのラインアップでは、WIN普及モデルに位置付けられているが、「最強の普及モデル」と言っても差し支えないほどの充実ぶりだ。しかし、多くの機能やサービスに対応したモデルでありながら、スマートモードや使いやすさに対する細かい工夫などにより、今までよりも幅広いユーザー層をターゲットにできるモデルとして、上手に昇華させている。特に、音楽再生機能はLISMOに加え、SD-Audioにも対応したことで、ユーザーの利用環境を拡げている。ボディがスリム化されて持ちやすくなったこと、セキュリティや使い勝手に配慮したEZ FeliCa、質の高いグラフィックによる演出もプラス要素だ。

 これらのことを総合すると、W41CAを「買い」と言えるのは、音楽再生機能を重視したいユーザー、PCサイトビューアーを頻繁に利用するユーザー、パソコンとの連携を重視したいユーザーということになる。ワンセグやHDD搭載といった大きな仕掛けはなくてもかまわないが、音楽再生やFeliCaは確実に押さえておきたい、機能は欲しいが、使いやすさも考えて欲しいといったユーザーにはおすすめできる端末と言えるだろう。



URL
  ニュースリリース(KDDI)
  http://www.kddi.com/corporate/news_release/2006/0207/sanko.html
  ニュースリリース(カシオ計算機)
  http://www.casio.co.jp/release/2006/w41ca.html
  製品情報(KDDI)
  http://www.au.kddi.com/seihin/kinobetsu/seihin/w41ca/
  製品情報(カシオ計算機)
  http://www.casio.co.jp/k-tai/w41ca/

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(法林岳之)
2006/02/22 13:24

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