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第74回:2次元バーコード とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 最近では、携帯電話をチケットやポイントカードの代わりにしようという試みがいくつか行なわれています。たとえば、先に取り上げた「Cmode(シーモ)」や、auのチケットレスサービスなどがそうです。

 シーモでは、画面に表示された2次元バーコードを自販機にかざすことで、iモード端末をプリペイドカードの代わりに使うことができます。また、チケットレスサービスは「au、2次元バーコードを使ったチケットレスサービス」として記事でも紹介していますが、これはユーザーが申し込んだコンサートなどのチケットが2次元バーコードの画像としてユーザーの端末へメールで届けられ、コンサートの入場時にそれを携帯電話の画面に表示することで認証を行なうというシステムです。

 この2次元バーコードは、携帯電話のほかにも現在では様々なジャンルで実際に使われ始めています。たとえば、IDカードに磁気テープではなくこの2次元バーコードが印刷されている、あるいは文庫本のカバーに印刷され、書籍を機械的に識別するのに使うなどといった用途で利用されています。


2次元バーコードの仕組み

 バーコードといえば、いろいろな製品のパッケージなどに印刷されている黒いすだれ状の印刷を思い浮かべることと思います。たとえば、日本で流通している様々な製品にはよく「JAN(Japanese Article Number)コード」というバーコードが使われています。これは、棒状に印刷された縞が並んでいるのですが、この縞しまの並びがデータを意味し、ここに8桁の数字、あるいは13桁分のデータが記録されています。コンピュータではCD-ROMやフロッピーなどにデータを記録しておけば、あとでそれを読み出して使うことができますが、バーコードでは、それを紙に印刷してデータを記録しているのだと思えばよいでしょう。昔、子供の頃にバーコードバトラーなどで遊んだことがある読者の方は、バーコードのデータを目でそのまま読むことができる方もいるかもしれません。

 ちなみに、バーコードの下に数字が印刷してある場合がありますが、通常これの数字はバーコードに記録されているデータとまったく同じものが書かれています。たた、バーコードはCD-ROMなどと違って記録媒体が紙ですから、ある面積に記録できるデータの量は非常に少ないものです。せいぜい十数桁の数字だけしか記録しておくことはできません。

 よくコンビニエンスストアなどで、「バーコードリーダー」という機械でこの印刷を読み取って品物の名前や値段などを表示させていますが、品物に添付されているバーコードには、実際にはそのようなデータは書かれておらず、品物の識別用のコードが書かれているだけです。コンビニのレジなどでは、バーコードリーダーが読み取った数字を手がかりにデータベースから品物の名前や値段を探してきて、それを表示しています。

 さて、従来のバーコードはデータ量という意味では非常に少量しか記録できなかったわけですが、縦方向にもデータを記録させてより多くのデータを扱えるようにしたのが「2次元バーコード」というものです。この2次元バーコードには、「スタック方式」という1次元のバーコードを積み重ねたものがありますが、携帯電話の実証実験などでよく使われているのは、「マトリックス方式2次元バーコード」と呼ばれるタイプのものです。これは、データの記録されている部分がマス目のパターンで幾何学模様になっているバーコードです。


Cmodeで使用されている2次元バーコードのサンプル
チケットレスサービス(au)の2次元バーコードサンプル

 シーモやチケットレスサービスの場合は、携帯電話の画面に上写真のような2次元バーコードが表示されます。これがプリペイド金額やポイント、あるいはコンサートチケットの記録が入ったデータになっているわけです。マトリックス方式の2次元バーコードでは、白黒の正方形ひとつがデジタルデータの「0」や「1」になっていることが多いようです。このタイプのバーコードは、見てわかるように表示部分を縦横に使い、高い密度でデータを記録しているため今までのバーコードに比べてかなり多くのデータを記録しておけるのが特徴です。

 たとえば、マトリックス方式の2次元バーコードでは、今までJANコードを印刷していた部分に2次元バーコードを印刷し、最大で2000バイトのデータの数字、文字などを記録して利用するようなシステムも存在しています。

 このタイプのものは、スキャナが機械的に読み取ってデータに直すのが簡単で、リードソロモン符号などのエラー訂正機能やインターリーブという方法でデータをバーコード内に散らばらせて配置できるので、バーコードの一部が読みとれなかった部分が多くあっても自動的にデータを修復して読み取れるというメリットがあり、たとえば欠損部分が20~30%であっても読み取りが可能です。また、2次元バーコードではこれと同じ理由から、360度どの角度からリーダーで読ませてもデータを正しく読み込むことが可能になっています。


IDなどにも使える用途の広い2次元バーコード

 バーコードは、携帯電話の場合でも画面に簡単に表示でき、やり取りも簡単で気軽に扱えるというメリットがあり、2次元バーコードについては記録できるデータ量も多くなりますので、携帯電話の小さな画面でも多くの情報を表示させることができます。今後は、携帯電話でもさまざまな場面で使われるようになるかもしれません。

 2次元バーコードであれば、多くのデータをデータとして記録できますから、たとえばその品物の名前や金額、またはプリペイドカードであれば度数や有効期限、IDであれば名前や経歴など、簡単なデータなら携帯電話の小さな画面のバーコード内にそれらの情報を埋め込んでしまうこともできます。

 ただし、数桁の数字分程度のデータを金銭のやり取りなどに使ってしまうと、バーコードを目で読んで悪用されてりまうこともあり得ますが、2次元バーコードの情報量なら組み合わせパターンがかなり多くなりますので、人間の目で正確に読み取るのは難しく、悪用するのは困難です。金銭が絡むデータのため、暗号化しておきたいといったような場合は、データ量の多い2次元バーコードの方が有利でしょう。


au、2次元バーコードを使ったチケットレスサービス
第61回:Cmode(シーモ)とは


(大和 哲)
2001/12/25 14:30

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