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第60回:iエリアとは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


iモードの位置情報に基づいたサービス「iエリア」

 iエリアは、NTTドコモのiモード用のサービスで、現在いる場所の周辺情報を知ることができるサービスです。iモードメニューでこのiエリアを選ぶと、今いる場所に近いエリアが表示され、そのエリアの情報を簡単に得ることができます。たとえば今、新宿西口付近にいるならば、

(1)新宿西口
(2)初台/代々木上原
(3)新宿東口
    ・
    ・


のように、
あるいは調布駅前にいるならば、

(1)府中/調布/多摩センター
(2)成城
    ・
    ・


のように、現在いる場所とその周辺から、知りたい情報のあるエリアを選ぶことができます。


iエリアは2001年7月からスタートしたサービスで、現在いるエリアやその周辺エリアの情報を得られるiモードのサービスだ。図のように、いる場所によって表示される地域が変化する

 そこで知りたい情報のあるエリアを選ぶと、iモードの公式メニューでもある「WNI気象情報」や「ぐるなび」などから、そのまま該当エリアの「○×エリアの現在の天気・今後の天気」(あるいはクーポンのあるレストラン、和食・洋食・中華・アジアエスニックレストラン)などの情報が閲覧できるのです。

 iモード公式メニューを使ったことがある方でしたら、このサービスは「地図や天気、タウン情報など、iモードの公式コンテンツをユーザの現在いる場所やそれに近いエリアに関連したものだけ、自動的に絞り込んで利用できるサービス」だと考えればわかりやすいでしょう。

 今までこのタイプのコンテンツは、たとえば地図であれば表示したい地図を全国から選んだり、テキストであれば地域名称の一覧から選んで目的エリアまでアクセスする必要がありましたが、iエリアを利用することで、現在いるエリアについてならば、閲覧したいエリアの検索を省略し、より手軽に使うことができるようになったわけです。

iエリアの提供コンテンツ
コンテンツ名称 情報提供元 サービス内容
● 無料コンテンツ
WNI気象情報 ウェザーニューズ 地域天気予報
全国のお天気 日本気象協会 天気予報、行楽地の天気など
iMapFan地図 三井物産/インクリメントP スポット情報・地図
グルメぴあ ぴあデジタルコミュニケーションズ ジャンル別レストラン検索
ぐるなび ぐるなび ジャンル別レストラン検索
iタウンページ NTT番号情報 職業別電話帳検索
サッポロiクラブ サッポロビール サッポロビールが飲める店一覧
ぱどタウンサーチ ぱど タウン情報
マル得ホテル予約 成田商事 宿や温泉の検索
● 有料コンテンツ
ゼンリン携帯マップ ゼンリン/サイバード 地図表示
ATIS交通情報 ATIS 道路情報(渋滞情報など)


 上記のコンテンツは、iメニュー内の「iエリア」から利用できますが、アクセスするエリアによって利用できるコンテンツ数は異なります(いずれも通信料は別途必要)。


iエリアのしくみと特徴

 携帯電話は移動先でも電話を受けたり発信したりします。そのため、電波が携帯電話に届いているならば、どの基地局と交信できる状態にあるかが常に把握されていて、事業者は携帯電話がどこにいるのかをだいたい知ることができます。現在、この情報は料金計算などに使われているのですが、このような「位置情報」をiエリアではコンテンツサービスで活用しているのです。

 gpsOneのようにGPS衛星を利用しているわけではないので、厳密な緯度経度がわかるわけではありませんし、また1つの基地局がカバーする範囲は、都心部か郊外かなどによっても異なるので、必ずしも精度がいいとは限らないのですが(さらに言うと携帯電話はひとつの基地局がカバーする範囲が広いので、PHSと比較すると位置情報の正確さという点では若干不利です)、この方法では現在のデジタル携帯電話が使っているしくみと、そこで使われているデータを利用できますので、システムや端末の変更などが最小限で済む、というメリットもあります。現に、このiエリアはiモード対応機種ならば、すでに発売されている機種を含めてすべての機種で全国どこでも、どの機種からでも利用することができます。

 なお、このiエリアでいう“エリア”は、携帯の基地局エリアをそのまま利用しているものではありません。iエリアにおけるエリア設定は、携帯電話の現在位置を、人口や人の密集度などによって全国各地を419のエリアに分けています。そして実際には、このiエリア用のエリアの中で、今どこのエリアにいるのかがコンテンツに反映されます。

 ちなみに、このiエリアにおけるエリアの特徴としては、繁華街や人口・店舗、施設などが多い場所では狭く、そうでない場合については基地局単位でまとめられ、大きな括りのエリアとして扱われているようです。これは、繁華街などでは狭い範囲で多くの基地局が設置されていることが影響している事情もあるでしょう。ですので、実際に使ってみると、繁華街に出れば出るほど、情報を得られる範囲が自分から近い距離にある範囲に絞られてきます。

 たとえば、「府中/調布/多摩センター」と「新宿西口」という2つのエリアに携帯電話が存在したとすると、新宿西口は繁華街で店や施設が密集しているためか、非常にエリアの面積が狭くなります。新宿では、新宿西口、南口、東口がそれぞれ別のエリアとして扱われていて、新宿西口エリアの直径と思われる大きさは、JRの線路上から、初台にあるNTTの本社ビル前までで、約1.2km程度です。一方、府中・調布・多摩センターは、一般の住宅などが並ぶ東京近郊のベッドタウンですが、こちらは端から端まで(布田付近から多摩センターまで)は13kmほどもあります。

 このように、小さなエリアと大きなエリアでは、直径で10倍以上も違うと考えていいかもしれません。


例として、新宿から調布まで国道20号線に沿って走った場合、どのエリアに括られるかを図にしてみた(ただし、エリアの大きさなどに関しては筆者の実測で、推定によるもの)。図の右側にある新宿は人口が密集する地域であるせいかエリアも狭いようで、少し移動するとすぐ次のエリアになってしまう。逆に左端の調布は近郊と見なされるためか、1つのエリアが非常に大きい

 なお、このサービスは現在のところ、PDCのiモード携帯電話にのみ対応しており、サービス開始当初のFOMA端末からは利用できないことになっていますので、利用の際には注意してください。


・ iエリア サービス案内(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/i/iarea.html
・ ニュースリリース(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/01/whatnew0628.html

ドコモ、位置情報を活用したiモード向けサービス「iエリア」


(大和 哲)
2001/09/18 10:54

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