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第365回:VHF/UHF とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「VHF」とは、超短波を意味する“Very High Frequency”の略で、30MHz~300MHzまでの周波数の電波を指します。また「UHF」とは、極超短波を意味する“Ultra High Frequency”の略で、300MHz~3GHzまでの周波数の電波を指します。このあたりの電波を表わす言葉として「VHF帯」「UHF帯」と呼ぶこともあります。


 現在、VHFは、日本国内では防災無線、鉄道無線、アナログFMラジオ放送、アナログ地上テレビジョン放送(1~12チャンネルまで)、航空無線、国際船舶無線、アマチュア無線など、多くの分野における通信や放送で使われています。

 一方のUHFは、アナログ地上テレビ放送とデジタル地上テレビ放送のほか、MCA(業務用無線)、ハンディトーキー、無線LANなど多くの用途に使われています。携帯電話やPHSが使用しているのも、このUHF帯です。

 業務用無線などはVHFとUHFのどちらにもありますが、VHFはチャンネルが少ないため、消防など公共事業向け中心に割り当てられ、それ以外の用途は、主にUHFで使われています。

 アナログの地上テレビ放送が2011年7月に終了する予定となっており、その結果、VHF帯70MHz、UHF帯60MHzが空くことになります。これらの空き帯域が今後どのように割り当てられ、活用されるのか、大きく注目されています。

 どのような用途に使われるかは、現在、総務大臣の諮問機関である情報通信審議会の電波有効利用方策委員会などで話し合われています。大枠としては、VHF帯の空き帯域には、現行のテレビ放送以外の新たな放送システム、災害対策などに使われる自営通信システムが割り当てられ、UHF帯の空き帯域には自動車や道路のコンピュータ間通信に使うITSシステム、そして携帯電話などの電気通信用、という方向が示されています。


VHFとUHFの違い

 電波は、周波数の高さ低さによって性質が異なります。他の周波数帯の電波とVHF/UHFは、使われ方や特性の違いがあります。

 簡単に言うと、電波は、周波数が高くなるほど、光のようにまっすぐ進む、つまり直進性が出てきます。VHFやUHFは、アナログラジオ放送などによく使われているMF(中波)やHF(短波)と比較すると、地表湾曲に沿って伝播する地表波は減衰が激しく、また、高空にあって電波を反射する「電離層」での反射が非常に少なくなっています。

 たとえば短波は、地表と電離層の間で反射を繰り返して、数千km単位という、とても長い距離をまたがった放送が実現できます。しかし地表で減衰し、電離層で反射しづらいVHF/UHFの電波は、そういった使い方ができません。主に送信アンテナと受信アンテナを直線的に伝播する直接波での短距離通信などに使われています。電離層での反射がほぼないという特性を活かして、衛星と地表との通信などにも使われます。

 また、VHFとUHFを比べると、VHFよりUHFのほうがさらに周波数が高いため、たとえば、同じ放送でも、周波数の低いVHFのほうが、周波数の高いUHFに比べてビルの陰や山間の通信でも受信しやすくなります。

 その反面、周波数が高いほうが電波の波長は短くなり、受信に必要なアンテナを小さくすることができます。つまり、携帯電話などの小型機器にはUHF帯を使うほうが有利になります。

 アンテナは一般に波長の1/2、1/4というよう長さにすると効率よく電波を送受信できます。VHFでは波長は1m~10m、UHFでは波長が10cm~1mまでとなっていますので、UHF帯を使うアンテナでは、そのサイズを小さくできるわけです。



URL
  総務省 電波利用ホームページ
  http://www.tele.soumu.go.jp/


(大和 哲)
2008/03/25 12:25

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