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第359回:Android とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「Android」は、インターネット検索サービス大手である米グーグルを中心として、HTCやモトローラなどの端末メーカー、NTTドコモやKDDI、T-Mobileといった通信事業者や、インテルなどの半導体メーカーら34の会社が加盟する業界団体「Open Handset Alliance」(OHA)が発表した携帯電話用ソフトウェアプラットフォームです。

 OHAは、オープンな携帯電話エコシステムの構築を目標とするアライアンスで、携帯電話端末の規格や環境、プラットフォーム、ソフトウェアやサービスの提供をします。AndroidはOHAの提供するソフトウェア・サービスの第一弾ということになります。

 Androidは、スマートフォンや小さな画面の携帯電話の両方をターゲットにしたソフトウェア群です。OSやユーザーインターフェイス、ミドルウェア、それにWebブラウザやアドレス帳といったアプリケーションなど、次世代以降のスマートフォンに必要と考えられている携帯電話用ソフトウェアの多くはこの中に含まれています。

 そして、Androidは、完全にオープンなライセンスで公開されていることが特徴です。つまり、どのメーカーやキャリアでも、自由にAndroidという環境を携帯電話端末に搭載して、販売できるわけです。

 ただし、プラットフォームそのものはオープンかつフリーであっても、採用するメーカーが改変したり、端末そのものをオープンにせず、たとえばサードパーティアプリの利用を認めないなどの改造も可能とされています。また、OHAに参加している企業の中でも、Androidを利用するかしないかは自由で、たとえば加盟端末メーカーから必ずAndroid搭載の携帯電話が出るとは限りません。

 Android搭載の携帯電話は、世界のどこで発売されるかはわかりませんが、2008年後半に登場する見込みである、とされています。また、SDK(Android上で動くソフトを作るための開発キット)のプレビュー版は、すでにインターネット上で公開されており、Androidを搭載する携帯電話が発売されれば、その端末で実行可能なサンプルプログラムなども同時に公開されています。


Android SDKに含まれるエミュレーターをパソコンで起動したところ。SDKではAndroid用Googleマップなどを体験できるほか、Android用ソフトウェアの開発も可能だ
Android SDKに含まれるエミュレーターをパソコンで起動したところ。SDKではAndroid用Googleマップなどを体験できるほか、Android用ソフトウェアの開発も可能だ

中身はLinuxベースOS+ミドルウェアほか

 Androidの中身を見ると、OSはLinux 2.6カーネルをベースとしています。その上に、ミドルウェアとして、MPEG4やH.264、AAC、MP3などの動画音声コーデック、JPEG、PNG、GIFなどの画像ライブラリー、OpenGL ES 1.0対応の3Dグラフィックライブラリー、Bluetoothや無線LANに対応するソフトウェアスタック、SQLデータベースエンジンのSQLite、JavaVMなどのランタイム環境、アプリケーションマネージャーが搭載され、さらにWebkitエンジンと搭載したWebブラウザ、そして、カレンダー、電話帳、地図などのアプリ、そして多くのサードパーティアプリケーションソフトなどが動作することになります。

 Android向けのアプリケーションはJavaを使って開発することができます。たとえばAndroid標準の電話帳アプリなどもJavaで書かれています。開発キットは、一般のユーザーにもフリーで公開されているので、誰もがアプリケーションを開発できます。そして賞金付きのAndroid向けアプリケーション開発コンテストも開催されています。

 AndroidのJavaは、Dalvik VMと呼ばれる独自の仮想計算機が搭載されているため、これまで携帯電話でよく使われていたMIDPとは互換性はありません。

 AndroidのJavaプログラム開発自体は、GUIはXMLファイルで定義し、実行部分をJavaプログラムとして記述するという、直観的でスピーディな開発方法となり、効率よく作れると見られますが、一般的なJavaライブラリーをそのままAndroid開発には適用できませんので、既存ソフトウェアの移植には多少手間がかかるかもしれません。


グーグルが携帯電話事業に参加するインパクト

 Androidの提供元であるOHAでは、グーグルが中心的な存在です。同社は、検索サイトの最大手で、インターネット上で多くのサービスを提供するなど、ネット関連分野では大きな影響力とシェアを持つ企業です。

 そのため、今後インターネットとのつながりが深くなるであろうスマートフォン市場に参入するのではないか、という観測は以前から多くありました。

 実際には、端末単体ではなく、グーグルが得意とするサービスとソフトウェアのみで参入することになりましたが、そのインパクトは携帯電話業界に多くの影響と期待を与えています。それが、OHAに参加する企業の多くの顔ぶれにも現れていますが、既に一定の勢力を築いているSymbianやWindows Mobileなどからシェアを奪えるかどうかは未知数です。



URL
  Android紹介サイト(英文)
  http://code.google.com/android/

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(大和 哲)
2008/02/13 11:04

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