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第358回:スポットキャスト とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


エリア半径数mのミニワンセグ放送

 「スポットキャスト」は、端末メーカーでもある富士通が開発した技術で、微弱電波を使って半径数メートルという狭い範囲だけで受信できる、ワンセグの放送波を送出できるシステムです。

 このシステムを利用すると、エンドユーザーは、店舗や展示会場のブースといった指定された場所だけで動画と音声、文字などでの案内を受信できます。たとえば、ショッピングモールで導入されれば、そこにある店舗だけで行なわれているイベントを音と映像で配信したりできますし、水族館や博物館であれば、展示物の特徴について展示物の前にいる人にだけ配信することができます。

 動画・音声だけでなくデータ放送も流せるので、レストランのような飲食店であればその店舗向けのケータイクーポンを発行できるでしょう。

 受信に使う機械は、ワンセグ受信機となり、ワンセグ対応の携帯電話などになります。ユーザーがスポットキャストの放送エリアで、チャンネルを合わせる受信できます。

 総務省の近畿総合通信局と、北陸総合通信局がそれぞれ実施する、ワンセグ対応携帯電話を利用した情報提供の実証実験でこのシステムが採用されています。

 近畿総合通信局では2月1日~14日にかけて、大阪市の阪急三番街のカフェやレストランで、「スポットキャスト」送信機を設置し、店舗情報などを配信する実験を行なう予定です。

 また、北陸総合通信局では、2月5日~8日にかけて金沢能楽美術館において、能の画像や展示品の解説を日本語と中国語のコンテンツをそれぞれ配信する実験を行なう予定になっています。


微弱電波を使い、免許も不要

 「スポットキャスト」の特徴は、ユーザーは普段使っている携帯電話で、普段通りの使い方と同じやり方で受信できることです。操作にとまどいや違和感を与えずに、新しいワンセグの利用方法を作り出すことができます。

 送信側の仕組みを見ると、スポットキャストは、微弱電波を使った、非常に小規模なワンセグ放送局です。伝送方式は、ワンセグと同じISDB-T/ISDB-Tsbで、ワンセグと同じH.264でエンコードされた映像や、BMLを用いたデータ放送コンテンツを送信機から発信します。これで、テレビ局からの放送で使われていない空きチャンネル経由で送信すれば、スポットキャストの送信が可能になるわけです。

 送信機が複数あれば、金沢能楽美術館での実験のように、1つのチャンネルでは日本語、もう1つのチャンネルでは中国語と、異なるコンテンツを送信することも可能です。

 ちなみに、電波法では、322MHz~10GHzの周波数を使う電波の場合、距離3m以内で電界強度35μV/m以下の強さであれば、「微弱電波」として扱っています。微弱電波を発する機器は、無線局の免許が不要とされています。スポットキャストもこの範囲内に抑えられていて、送信に免許がいりません。送信者は、コンテンツを制作さえすれば、あとはスポットキャストの装置を設置することで、情報発信できるでしょう。

 ちなみに、微弱電波は,送信に免許や技術適合証明が必要なく、また送信する電波の周波数や変調方式も制約がないため、自由な利用が可能で、スポットキャスト以外にも、無線で音声などを送受信する機器に広く使われています。



URL
  富士通 プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/03/5.html

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(大和 哲)
2008/02/06 12:08

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