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第346回:フォースリアクタ とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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「フォースリアクタ(FORCE REACTOR)」は、アルプス電気が販売している振動デバイスで、アルプス電気の登録商標でもあります。
2.5mmから5mmといった非常に薄いデバイスで、触ったユーザの指などに、0.8G~1.9G程度の加速度で、1.8ms周期、3ms周期といった細かい振動を与えることが可能です。つまり、「ディスプレイを押しても、ふるえることで押したことがわかる」のです。
カーナビや携帯機器などで、タッチパネルや静電容量方式を利用した入力センサーと組み合わせると、ユーザーに操作感覚をフィードバックすることができます。
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SO905iのサブディスプレイ下にある静電パッドを押すと、フォースリアクタによる振動が帰ってくる
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「アルプス電気から供給された」という正式なアナウンスはされていませんが、携帯電話では、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製折りたたみ型FOMA端末「SO905i」に搭載され、メニュー内には「フォースリアクタ設定」という項目まで用意されています。このほか、三菱電機製で2画面装備の折りたたみ型FOMA端末「D800iDS」でも同様の機能が用意されており、メニュー内の「フォースリアクタ設定」でON/OFFを切り替えられます。
D800iDSは、スタイラスペンなどでタッチパネル画面を触ることで操作できる携帯電話です。このタッチパネル画面にフォースリアクタが組み込まれており、画面をタッチしたときにクリック感を発生させています。これまでは、押した感覚がわかりづらいかったタッチパネルですが、フォースリアクタによるクリック感と、同時にスピーカからも「ピッ」という音を出すことで、ユーザーの操作が電話本体に受け付けられ、わかりやすくユーザーに伝えることが可能になりました。
SO905iの場合には、ワンセグ専用の静電パッドキー(ビューイングタッチキー)がメインディスプレイ上部に、音楽再生専用の静電パッドキー(ミュージックタッチキー)が背面のサブ液晶側に配置されていますが、これらの操作する際にフォースリアクタが動作します。
SO905iの静電パッドキーは、指でなぞるだけでボリューム調節などができるようになっていますが、ここを押したことがユーザーに伝わるように反応を返す役割をフォースリアクタが担っています。
■ 薄く、速い振動応答
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10月開催のイベント「CEATEC JAPAN 2007」で展示されたフォースリアクタ
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フォースリアクタの特徴は、非常に薄く小さなデバイスで、反応が速いということです。
同じように振動を生み出すデバイスとしては、たとえば、携帯電話のバイブレーション機能に使われる振動モーターが代表的と言えるでしょう。その振動モーターと比べても、フォースリアクタは、振動のON/OFFの指示を出してから動く、止まるといった反応を非常に速く行なえます。
反応速度の速さの理由は、その構造にあります。
振動モーターは、その名前の通り、構造的には永久磁石と電磁石を組み合わせて回転するモーターで、回転の軸となるシャフトに分銅がついた構造になっています。分銅の重さが軸から偏っているために、偏心が起こり、これが振動となってユーザーに伝わります。
しかし、動いているものが急には止まれない「慣性の法則」が働き、モーターの回転に分銅の重さが加わっている状態では、モーターへの電力をストップしても回転運動/振動は、急には止まりません。
フォースリアクタは、同じように電磁石で駆動する振動デバイスですが、振動モーターとは構造が違います。内部には電磁石に、磁石やバネが並列に組み込まれたサーボモーター・電磁アクチュエーターのような構造になっており、バネで支えられている振動子を磁気の力によって細かく振動させる仕組みになっています。振動モーターとは、モーターとリニアモーターの違いのように構造が異なると言えます。
電磁石、磁石、バネの組み合わせのバランスを取ることで、振動収束時間の速い短振動を、フォースリアクタは実現しているのです。
■ URL
アルプス電気
http://www3.alps.co.jp/
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(大和 哲)
2007/11/06 17:31
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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