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第253回:SOAP とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 SOAPとは、「Simple Object Access Protocol」の略で、いわゆる「Webサービス」のためのメッセージ技術の1つです。

 「Webサービス」とは、インターネット上のコンピュータが持っているお互いのアプリケーションを連携させる技術や、アプリケーションそのものを指します。簡単に言えば、SOAPは、インターネット上のコンピュータが、お互いのサービスやデータを呼び出すために決められたデータフォーマットや、そのデータをどのように処理するか定義したものの1つ、ということになります。

 人がインターネット上の情報を見たり、サービスを受けたりする方法にはいくつかあります。パソコンや携帯電話のブラウザを使って、Webサーバーにアクセスし、サーバーが持っているデータや、サービスの結果を表示させて人が理解する、という形です。

 たとえば、人が使うインターネット上のサービスの一例として、飛行機やバスのオンライン予約の場合を考えてみましょう。Webサーバーにアクセスして、ユーザーが乗りたい便名などの情報を入れると、Webサーバーはその便の席が空いているかどうかを確認して、結果をユーザーが理解できるようにHTMLの形に直し、ユーザーの使っているパソコンや携帯電話に送ります。ユーザーは、ブラウザに表示されている内容を読んで理解することができます。

 もともと、このWebの仕組みを使って「コンピュータ同士でサービスを提供したり、受けたりできるようにしよう」という発想で規格されたのがSOAPです。

 オンライン予約の例であれば、受ける側も人ではなくコンピュータになります。コンピュータにとっては、ブラウザに文章などで書かれても理解できませんので、その代わりにコンピュータ同士のデータ交換に使われるXMLを使い、お互いにリクエストを出したり、結果を出したりします。

 最初のバージョンである「SOAP 1.0」では、通信方法として「HTTP」と「HTTPS」のみが規定されていたため、HTTPとXMLを組み合わせた技術のように思われがちですが、最新の規格「SOAP 1.2」ではメールプロトコルである「SMTP」やファイル転送に使われるプロトコル「FTP」なども利用可能になっています。

 コンピュータ同士がサービス提供する方法はSOAPのほかにもいくつかありますが、SOAPのメリットは、まず、HTTPやSMTPといったプロトコルを使うので、専用プロトコルと違い、ファイアウォールやプロキシサーバーといったインターネット上の仕組みをそのまま利用できることが挙げられます。また、メッセージの形式に一般的なXMLが使われていますので、技術的な応用範囲が広いことも挙げられるでしょう。


携帯電話が賢くなり、SOAPも利用可能に

 コンピュータ同士でお互いのサービスを連携させるために、以前からいろいろな技術がありました。しかし、このような技術は、仕組みの異なるコンピュータ、たとえば、UNIXサーバーとWindowsを使うパソコン、あるいはモバイル用途のPDAや携帯電話といったアーキテクチャの違うコンピュータ同士では利用できなかったり、インターネットで使われている一般的なプロトコルが使えなかったりする技術でした。

 SOAPの特長は、XMLとHTTPというインターネットで標準的に使われる技術を使い、しかもシンプルにまとめあげられている、という点です。そのため、多様なプラットフォームで、しかも比較的簡単な実装で利用できます。最近では、携帯電話でも、SOAPを利用する例が出てきました。

 先日、本誌にKDDIが行なった実験のニュースが掲載されました。

 従来も、携帯電話向けの地図情報サービスはありましたが、これまでの携帯電話ではゲートウェイを挟んでサービスを提供する、あるいは、携帯電話内のアプリケーションが簡単なサーバーにリクエストして、パラメータだけを受け取って地図情報をアプリケーションに利用していました。

 KDDIが行なった実験では、SOAPに対応したBREWミドルウェアを利用して、Microsoft.NET対応のWebサービスを携帯電話で利用しました。SOAP対応ミドルウェアは、この地図情報サービスだけでなく、他のWebサービスにも利用できると見られ、今後、携帯電話専用のゲートウェイサーバーを介さずに、サーバー同士やサーバーとパソコン間で利用されてきたWebサービスが利用できることになります。これによってコンテンツを提供するキャリアにとっては、これまでより携帯電話対応サービスを提供しやすくなったことを意味する、と言えるでしょう。


KDDIが行なった実験のイメージ


URL
  W3C SOAP 1.2公開について
  http://www.w3.org/2003/06/soap12-pressrelease.html.ja

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KDDI、SOAP経由で携帯とWebサービスの直接通信に成功


(大和 哲)
2005/12/06 13:25

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