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第239回:電磁誘導 とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


電磁誘導とは

 電磁誘導とは、磁界が変化すると、そこに電界が生じる現象のことです。電線があった場合、そこを磁力線が横切ると、磁力線とその動きの垂直方向に電力が生じます。

 電磁誘導は、1831年にイギリスのマイケル・ファラデーによって発見されました。1820年には、電線に電気を通すと、その周りに磁気が生まる「電流の磁気作用」がエルステッドによって発見されていました。ファラデーは、中空の筒に電線を巻いて作った「コイル」の中で、棒磁石を入れたり出したりする際、電流が流れることを確かめることによって、この電磁誘導を確認しました。

 磁束が変化する場合、その変化に抗う方向に電流を流そうとする“起電力”が誘起されます。これをレンツの法則と言います。

 電磁石に電気を流すことで磁力が生じ、電磁石に磁力の変化を与えることで電気を生じさせるという、この原理は、現在ではさまざまなシーンで利用されています。


接点のない充電器は「電磁誘導」を利用している

ドコモが7月に発表した、FOMA用非接点充電器の試作品
 発生させた磁力が磁石と引きつけ合ったり反発したりする性質を利用して力に変える、あるいは磁石との回転運動で磁力の変化を断続的に起こして電力を起こしたりする機械は既に存在しています。現代社会では必須な存在であるモーター、ダイナモです。

 また、IH調理器なども電磁誘導を利用した機械です。IHとは、“誘導加熱”を意味する「Induction Heating」の略です。IH調理器では、コイルの上にステンレスなど電気を通す金属でできた鍋などを載せて使うことになります。コイルに電流を流すと磁力線が発生し、なべ底に渦電流が流れて鍋自体が発熱するのです。

 電磁誘導を使うメリットのひとつには、直接導線と導線を結ばなくとも、電流を流すことができることが挙げられます。たとえば、携帯電話の「非接点充電器」もこの原理を利用して作ることができます。

 非接点充電器とは、平面状の充電器の上に携帯電話を置くことで充電ができる装置です。これまではPHSなどで同様の製品を採用したものがありました。

 一般的に、電気を流すためには、従来の充電器と携帯電話のように金属面がむき出しの部分を設けるか、あるいはコネクタのように、プラスチックなどに金属を貼り付けて組み合わせる端子を作ることになります。しかし、金属面を剥き出しにすると端子が酸化して接点不良を起こして電気が通りにくくなる可能性がありますし、コネクタでは、携帯電話のような小さな機械だと壊れやすい可能性があるといったデメリットがあります。しかし、金属面を隠したまま利用できる非接点充電器ならば、これらのデメリットを解消することができます。

 携帯電話の場合、端末側に非常に大きな金属体である電池があり、電磁誘導によって発電を行なうのが難しいという問題がありました。電池が巨大な金属ケースに包まれているので、磁力線を受けても金属ケースに渦電流が発生し、熱として逃がしてしまうのです。

 現在では、この問題を高透磁率フェライトプレートなどの新素材を、電池と誘導コイルの間に置くことで、誘導コイルで電力を発生させるといった工夫をしており、NTTドコモでは非接点充電器の開発を進めています。


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(大和 哲)
2005/08/31 17:04

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