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第200回:smartSD とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


ICカードとSDカードが一体になった「smartSD」

smartSD。左がSDカードタイプ、右がminiSDカードタイプ
 smartSDは、MOPASSカード規格に準拠した、ICカード機能を一体化したSDメモリーカードです。松下電器産業が開発し、「CEATEC JAPAN 2004」などの展示会では参考出品され、デモが行なわれました。12月にはサンプル供給が開始され、2005年秋には商用化される予定です。

 「smartSD」は、メモリカードとしての機能を保ちながら、「おサイフケータイ」などと同じような非接触ICカード機能を持っているカードです。smartSDを差し込んだ携帯電話などをICカードリーダーライターにかざすと、お金の支払いをしたり、ポイントをためたり、ということができるようになるわけです。また、SDメモリーカードと同じ機能も備わっているので、このsmartSDに、撮影した画像のデータを記録しておくということも普通のSDメモリーカードと全く同様にできることが保障されています。

 smartSDは、SDカードタイプ/miniSDカードタイプがあり、どちらもメモリカードそっくりの大きさ形状をしています。この大きさのカードの中に、SDカードでも使われていたコントローラとメモリ、それにマルチアプリケーション対応のOSやセキュアなアプリケーションを実現するためのソフトウェアなどが内蔵されています。

 なお、ICカード部の不揮発性メモリにはFeRAMが採用されており、高速な非接触通信を実現しています。

 構造的には、miniSDカードタイプのものではアンテナをカード内に内蔵していないために、ICカードとして利用するには、装着する機器側にアンテナを内蔵するといった「smartSD対応機器」を利用しなければなりませんが、SDメモリーカードタイプのものはアンテナを内蔵しているため、現在SDカードスロットを持った機械に挿入すると、ICカードとして使えるとされています。


MOPASSのSD版がsmartSD

MOPASSカードの仕様
 smartSDが準拠するMOPASSカードは、日立製作所と松下電器産業、東芝、SanDiskなどの参加する「MOPASSコンソーシアム」が推し進めている、モバイルコマースなどに応用できるメモリカードの規格です。


 MOPASSカードは、


・メモリカード機能とICカード機能を併せ持ち、携帯電話やPDAなどのカードスロットに挿入することでICカード機能を利用できる。
・複数のアプリケーションを搭載可能で、1つのメモリでさまざまセキュアなサービスを受けることができる。


といった点を特徴としています。

 なお、このMOPASSカードは、メモリカードとしては、現在流通しているメモリカードとして使えることを要求しています。つまり、SDカードスロットを備える携帯電話に装着しても、SDメモリーカードとして使えるという互換性を持っていなければならないわけです。そのため、形状としても、現在流通しているメモリカードを同じになっていなければなりません。

 ただし、MOPASSの規格上では、具体的なカードの形を決めているわけではなく、SDカードやコンパクトフラッシュ、MMCなど、どんなメモリカードにでも適用が可能な概念です。

 現在のところ、このMOPASSに準拠したメモリカードはごくわずかしか発表されていませんが、いずれは、smartSDと同様の機能をもった、コンパクトフラッシュやMMCが登場するかもしれません。

 機能的には、メモリカードの持つデータを記録する機能や、SDメモリーSDカードなどが持つ暗号化機能などコンテンツデータの著作権保護に使えるセキュア機能が搭載されています。カード側でPKI(公開鍵暗号)証明書を持っているため、コンテンツ保護と同時に利用者認証も行なえるというのが特色で、友人が利用しているゲームや映像といったコンテンツをMOPASSカードにコピーして、ユーザー認証を行なうことで料金を支払い、コンテンツを楽しめるようになるといったことが想定されています。



URL
  MOPASSコンソーシアム
  http://www.mopass.info/
  松下電器産業 ニュースリリース
  http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn041001-1/jn041001-1.html

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(大和 哲)
2004/10/19 12:29

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