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第188回:NetFront とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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■ NetFront とは
「NetFront」は、ACCESSが提供している純国産のインターネットブラウザです。「NetFront」、「Compact NetFront」などの製品が含まれます。
1995年に最初のバージョンが発売されて以来、現在では携帯電話をはじめとして、テレビやゲーム機など、組込用ブラウザとして非常によく利用されており、情報家電用ブラウザではデファクトスタンダードとなっている製品です。特に、携帯電話では、NシリーズやFシリーズなど多くのiモード端末に「Compact NetFront」が採用されるなど非常に高いシェアを占めています。
■ 移植性とコンパクト、軽快さが特徴
「NetFront」の特徴としては、さまざまな機械にスムーズに組み込める移植性、それに、小回りが利き、省資源でハードに制約の多い情報家電でも利用できるようにデザインされていることが挙げられます。
「NetFront」には、「SLIM」「AWS」と呼ばれるプラットフォームが採用されています。「SLIM」は、組み込む機器によって異なるOSやハードウエアの違いを吸収するための仕組みで、「AWS」はウィンドウの表示や入出力を管理する仕組みです。この2つの仕組みにより、OSや表示機器などのハードウェアの違いがあっても簡単に「NetFront」を移植できるようになっています。
また「NetFront」は、構造的に、中心となるカーネル部分、ユーザーインターフェイス部分、通信制御部、データ暗号化などを行なうセキュリティ部分などに分かれており、それぞれの機能がモジュール化されています。そのため、「NetFront」を組み込む際に、プログラム全部を入れるのではなく、組み込み先の機器で必要になる部分だけを組み合わせて導入できます。これにより、メモリなどの資源に制限の多い機械でも、プログラムサイズを小さく抑えることができます。
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BREW版「NetFront」も開発されている
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また、必要な場合は、追加モジュールを利用して特殊な環境に対応する特別なブラウザにすることも可能です。たとえば、iモード端末ではCompact HTMLを元に作られたiモードHTMLを解釈する必要がありますが、au端末ではiモードでは利用されていないWAP 2.0やWML 1.3に対応するモジュールを組み込むという対応になります。
「NetFront」では、さらに機能を拡張したい場合には、他のベンダー製プラグインを利用することもできるようになっています。現在、Macromedia FlashやAdobe Reader、SVGビューワーなど、豊富なプラグインモジュールが提供されています。
もし、専用のプラグインモジュールがなかった場合でも、Linuxやパソコンで動作しているNetscapeプラグインアプリケーションをNetFrontに移植することもできます。NetFrontのプラグインインターフェイスは、Netscapeプラグインインターフェイスに準拠しているため、移植作業は容易に行なえるのです。
■ URL
ACCESS
http://www.access.co.jp/
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(大和 哲)
2004/07/23 11:13
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