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第169回:デコメール とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


デコメールとは

 デコメールは、FOMA 900iシリーズで使えるようになった新しいメール機能です。900i同士のメールや、パソコンとのメールのやり取りで、メールの背景や文字の色を変えたり、点滅やスイングといった動きをつけたり、携帯電話で撮影した静止画や、GIFアニメーションを貼り付けたりできるなど、さまざまな装飾をを凝らしたメールを扱えるようになりました。


デコメールの仕組み

HTMLメール(MIMEマルチパートメール)の構造。1つのメール中に、テキスト、HTMLテキスト、添付ファイルなどが含まれている
 デコメールの正体は、パソコンでのインターネットメールでも使われているいわゆる「HTMLメール」です。1つのメールの中に、テキストや、バイナリファイルを入れられる「MIMEマルチパートメール」という仕組みを利用して、メールの中にテキスト、HTMLテキスト、そしてiショット画像などのデータも含めて送っています。この形式はパソコンなどでも使われている標準的なものなので、デコメールのやりとりが可能になっています。

 ちなみに、マイクロソフトのOutlook ExpressのようにHTMLメールに対応したメールソフトでこのデコメールを見てみると、携帯電話で見るのとは画面の幅などが違う点以外は、ほぼそのままの形で文字の飾りや画像が貼り付けられたメールを見ることができます。ただし、パソコン用のメールソフトでも、文章の飾りをそのまま表示せずに「HTML添付ファイルがついているメール」として表示し、テキスト部分のみを表示するものもあります。

 HTMLは、「Hyper Text Markup Language」の略で、Webページのデータで利用されているほか、若干仕様変更されたものはiモードコンテンツなどを作るのに使われている言語です。文章中に他のページへのリンクを張ったり、文字に色や強調などの飾りもつけられるという特徴があります。

 つまり、デコメールは、文字に飾りや写真などをつけて、iモードコンテンツ同様のHTMLコンテンツを携帯電話上で作り、それをメールとして送るものだと考えるとわかりやすいかもしれません。

 もともと携帯電話内にはiモードなどのHTMLコンテンツを表示するための仕組みは備わっていますから、メールに飾りをつけたいというような要求を満たすには、表示するための仕組みとしてHTMLを使うのは好都合なわけです。

 ちなみに、普通、インターネットメールでは使える文字コードの範囲に制約があるため、日本語のメールではJISコードを使う、あるいはBASE64などのエンコード方法でメール内のデータを変換してデータを使える文字コードの範囲内に納めなくてはなりません。たとえば、パソコン用のメールソフトでも、インターネットにメールを送受信する際は文字のデータはJISコードに変換しているのが一般的です。

 ちなみにデコメールの場合は、「デコメールで作った文章の部分だけのテキスト」「デコメールのHTMLデータ」はJISコードで書かれ、添付ファイルはBASE64形式でエンコードされて送られるようです。


デコメールを送る際の注意事項

 飾りなどを自由につけられて楽しいデコメールですが、やり取りする際には注意したいこともいくつかあります。

 まず、900i同士であればまず間違いなく意図した通りにメールの内容が表示されますが、前述の理由で、900i以外の機種では思ったとおりのメールが相手の携帯電話に表示されない場合があります。

 900i以外のiショット対応携帯電話にデコメールを送った場合は、画像だけが添付されたiショットメールとして受信され、それ以外のiモード携帯電話の場合はテキスト部分だけがメールとして送られます。その他の携帯電話の場合はさまざまですが、機種によっては、ヘッダも含めてそのまま表示される場合もあるようです。

 また、もし相手にデコメールが送れるとわかっている場合でも、デコメールは普通のメールに比べてデータが大きくなり、パケット通信料も通常よりかかることにも気をつけるべきでしょう。デコメールの仕組みは、いわゆるHTMLメールなので、メールのテキスト部分に比べてHTMLタグ、たとえば「こんにちは」という文字を大きくした場合、「<FONT size="4">こんにちは</FONT>」と記述されると、「<FONT size="4"></FONT>」の部分だけデータが大きくなります。


F900iでのデコメール作成画面 900iシリーズでは、動きや文字色などの装飾がきちんと表示される

 なお、パソコンや他社の携帯電話に送信すると、メールに書いた文章のテキストが、メールのテキスト部分と、HTML中のテキストデータ、と2度繰り返して表示されることがあるようです。この場合、同じ文章でも、1つのメールに対して送信パケットは普通のメールの倍以上になっています。

 パソコンのメールアドレスへ送る場合は、多くの場合、メールソフトが対応しているので書いたとおりに表示できますが、場合によってテキスト部分しか表示されない場合があります。

 パソコンから900iにHTMLメールを送ると、普通、デコメールとして携帯電話上で表示されます。ただし、デコメールには「メールサイズが10,000バイト以内」という制約があります。あまり大きなサイズのHTMLメールを送ると、HTML部分が削除されたり、添付ファイルが削除されてしまいますので、せっかくの装飾が相手に伝わらない場合があります。また携帯電話側ではiモードHTMLの範囲内でしかHTMLタグが対応していませんので、注意が必要でしょう。



URL
  「デコメール」概要
  http://foma.nttdocomo.co.jp/service/mail_deco.html
  作ろうiモードコンテンツ(NTTドコモ)
  http://www.nttdocomo.co.jp/p_s/imode/make/

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(大和 哲)
2004/03/03 12:50

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