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第152回:Vアプリとは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


256KBの大容量Vアプリに対応した「J-SH53」
 Vアプリは、「ボーダフォンライブ!(Vodafone live!)で提供されるJavaサービスの名称であり、また、このサービスを使ったアプリケーションソフトの総称」です。

 以前は、このサービスは、「J-フォン Javaアプリ」という名前で多くのアプリケーションがJ-スカイウェブの公式メニューなどを通じて提供されていました。

 このVライブでは、ボーダフォン(旧J-フォン)のVアプリ対応携帯電話で、ゲームや実用ツールを楽しむことができ、たとえば、本格的な3Dレーシングゲーム「リッジレーサー」やバーチャルペットに運ばせて、楽しくメールを楽しくやりとりできる「ケータイポストペット」などが人気メニューとなっています。

 また、アプリケーションは、プログラムを自分で書いて配布することもできます。プログラムミングにはJavaを使用しますので、パソコンなどの開発機材を揃え、プログラミングの方法さえ覚えれば誰でも自分で作ることが可能です。

 Vアプリ制作に必要な各種仕様書、開発ツールや開発に必要な情報はボーダフォンのVodafone Developpers Support Siteで公開されており、ユーザーズガイド(PDFファイル)、パソコン上で携帯電話でのVアプリの実行を再現するエミュレータなどが無料で入手可能です。

 なお、Vアプリの作成のための情報は、これまでは、100KBまでのJ-5xシリーズ向けのアプリ向けのもののみが公開されていましたが、この10月1日から、加えて、J-0Xシリーズ向け、J-SH53の256KBのJavaアプリの使用も公開されるようになりました。


待受アプリや動画も使えるVアプリ

 携帯電話用のアプリケーションとしては、Vアプリのほかには、NTTドコモのiモードのiアプリがあります。Vアプリは、仕組み的には、iアプリにも一見似ているものの、コンセプトの違いからいろいろな違いや特徴があります。


iアプリとVアプリでは、Java環境の基本部分であるJ2ME/CLDCは共通であるものの、ライブラリ部分が違う。そのため、アプリケーションをお互いに利用することはできない。仕組み的にはどちらかといえば海外Vodafone用Javaアプリの仕組みに近い

 Javaアプリケーションを動かすために、携帯電話の中では、JavaVM(仮想計算機、バーチャルマシン)が動いています。このJavaVMには、コンピュータの性能や大きさによっていくつかのバージョンがあるのですが、一番小さなJ2ME(Java 2 Platform, Micro Edition)が利用されています。さらに、このバーチャルマシンを使うための「ライブラリ」「プロファイル」と呼ばれるものがあり、これに、CLDC(Connected Limited Device Configuration)、MIDP(Mobile Information Device Profile)、そして日本のボーダフォンのVアプリ独自の機能を使うためのライブラリである「JSCL(J-PHONE Specific Class Library)」が構築されています。Vアプリは、この上で動き、MIDP、JSCLを利用して画面上に絵や文字を表示したり、音を鳴らしたりします。iアプリでは、このMIDP、JSCLではなく同じことをするのにDoja(ドコモ用Javaライブラリ)と呼ばれるライブラリを使用しています。そのため、Javaで作られているとは言っても、ボーダフォンの携帯電話上でiアプリを使うことはできません。


欧州ボーダフォンで提供されているJava対応端末「GX10」
 なお、ボーダフォンといえば、旧J-フォンだけでなく、海外のVodafoneの携帯電話でもシャープ製のGX10などJava対応機が存在し、Vアプリと同じように海外版Vodafone live!のJavaアプリケーションを楽しむことができまが、この海外版Javaアプリケーションを実現する仕組みもJ2ME、CLDC、MIDP、そしてVodafone用のライブラリVSCLの組み合わせとなっており、Vアプリと非常に似通ったものになっています。VSCLとJSCLも資料では、パラメータの記述方法が違うため、そのまま流用することは不可能なものの、内容的に非常に近いものになっています。

 その他のVアプリの特徴としては、

・待受アプリ、タイマー起動アプリが作れる
・画像データにPNG、JPEG、MNG(P型端末のみ)、音楽データにはSMD、SMAF/MA2、SMAF/MA3(MA3対応機種のみ)、SMAF/Phraseを利用することができる。256KBのVアプリ対応のP5型(J-SH53)端末ではMPEG-4やNancy形式も利用可能
・画像データ、音楽データは端末内のライブラリにあるものも使用可能
・Vアプリ提供サーバからのみコンテンツを提供できる

というようなことが挙げられます。

 待受アプリとは、携帯電話の待受画面を表示するソフトで、常に携帯電話で実行させておくことができます。タイマー起動アプリは、あらかじめ指定した時間に、アラームをならす代わりにプログラムを起動させる、というものです。

 Vアプリを配布するサーバーに関してですが、iアプリでは、インターネット上のWebサーバーであればどこに置いても携帯電話からアプリケーションをダウンロードできましたが、Vアプリでは、セキュリティに配慮して、ボーダフォンの許可したサーバーからのみアプリケーションの提供が可能になっています。そのため(会社などの事業者としてアプリを提供するには、公式メニューとしてサーバーからアプリを提供する方法もありますが)、一般の利用者がVアプリを公表するには、コンテンツアグリゲーターが一般の利用者に提供している「Vアプリポータルサイト」に登録し、ここから公開することになります。

現在、Vアプリポータルサイトとしては、

・週刊ゲームLive(バンダイネットワークス)
・週刊アプリLive(ベクター)
・アプリ★ゲットV!(スパイシーソフト)

が一般でも利用可能となっており、ユーザーがVアプリを作った場合には、これらのポータルを利用してアプリを配布することになります。



URL
  Vodafone Developpers Support Site
  http://www.dp.j-phone.com/dp/

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(大和 哲)
2003/10/07 13:14

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